小出 治都子
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 2023年2月 一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
本稿は「文化資源」のひとつであるビデオゲームの扱いについて、ミュージアムに焦点を置き資料の収集、保管、展示、そして専門性について考察する、という問いを立て論じるものである。まず、ビデオゲームの専門的知識を持った学芸員が求められている先行研究に対し、現在の日本の学芸員制度では専門性の高い学芸員の育成は難しいもののキュレーションすることが重要であることを述べる。次に、国外のミュージアムにおけるビデオゲームに関する収集、保管、展示の方法と、課題について先行研究から考察する。最後に、「文化資源」であるビデオゲームの損失を少しでも減らすためには協力体制や組織の構築などが必要性を、京都国際マンガミュージアムの事例から考察し、ビデオゲームに関連するさまざまな現状を把握する。「文化資源」であるビデオゲームを今後ミュージアムにおいて収集し保管し展示できるかは、学芸員の課題であると同時に、ビデオゲーム研究に携わる私たちの課題である。