中元 保子, 三善 陽子, 山田 寛之, 清原 由起, 川井 正信, 別所 一彦, 難波 範行, 恵谷 ゆり, 虫明 聡太郎, 大薗 恵一
ホルモンと臨床 56(12) 1209-1212 2008年12月
甲状腺機能を評価した患者のうち、20歳以上、甲状腺疾患、甲状腺ホルモン補充療法中などの患者を除いた278名を対象に、年齢別(0〜1歳、1〜4歳、4〜8歳、8〜12歳、12〜16歳、16〜20歳)に6群に分け、各群の血中FT3、FT4、FT3/FT4比を測定した。また、FT3/FT4比の異常を認めた肝血管腫例とMCT8異常症例と比較した。その結果、FT3は3.00〜4.04、FT4は1.13〜1.41と年齢群間にばらつきを認めたが、FT3/FT4比は0.26〜0.3と年齢群間に有意差を認めなかった。D3活性の亢進した肝血管腫例では、FT3/FT4比は低値であったが、IFNαによる治療後に平均値まで上昇した。脳でD2、肝でD1活性が亢進するMCT8異常症では、FT3/FT4比は著しく高値で、レボチロキシンナトリウムによる治療後も変化を認めなかった。