研究者業績

坂田 浩之

サカタ ヒロユキ  (Hiroyuki Sakata)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部心理学科 教授
学位
修士(教育学)(京都大学 大学院)

J-GLOBAL ID
200901045318628191
researchmap会員ID
1000361444

主要な論文

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  • 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    Journal of Health Psychology Research 35(2) 147-154 2023年2月1日  査読有り
    本研究では,大学生活充実度を測定するための,より信頼性,妥当性が高く,コンパクトな尺度を開発することを目的とした。奥田他(2010b)が開発した,「大学へのコミットメント」,「交友満足」,「学業満足」,「不安のなさ」の4下位尺度からなる大学生活充実度尺度(SoULS-21)が再検討された。5つの大学に所属する大学生934名のデータに基づく因子分析の結果,従来と同様の4因子構造,12項目解が採択され,十分な信頼性が得られた。次に尺度の妥当性を検討するため,関連する他尺度との相関係数が吟味され,妥当な相関が認められた。これらの結果は,大学生活充実度を測定する尺度としてのSoULS-12の信頼性と妥当性を支持するものと言える。
  • 小城 英子, 坂田 浩之, 川上 正浩
    社会心理学研究 38(1) 1-8 2022年7月  査読有り
    本研究の目的は、不思議現象に対する態度尺度を改訂し、懐疑的態度の多様な側面を捉え、信奉的態度と懐疑的態度を精緻に測定可能にすることであった。大学生を対象に質問紙調査が行われた。探索的因子分析の結果、「全面的な否定」、「現状認識に基づく否定」、「占い・呪術嗜好性」、「スピリチュアリティ信奉」、「知的好奇心」、「恐怖」の6下位尺度が抽出され、25項目の新尺度はAPPle Ⅱと名づけられた。内的整合性、確認的因子分析、再検査信頼性、基準関連妥当性の観点から、概ね十分な信頼性・妥当性が確認された。「占い・呪術嗜好性」、「スピリチュアリティ信奉」は信奉的態度、「全面的な否定」、「現状認識に基づく否定」は懐疑的態度と位置付けられるが、分析的思考や批判的思考に最も関連する態度は、信奉的態度とも懐疑的態度とも言いうる「知的好奇心」であることが示唆された。
  • 坂田浩之
    パーソナリティ研究 30(2) 101-110 2021年9月16日  査読有り
    本研究は,容姿にこだわる若者に対する理解を深めるために,醜形恐怖心性とメンタライジングとの関連について検討した。大学生689名に対して自己報告式の質問紙とReading the Mind in the Eyes Test (RMET)が実施された。本研究の結果,メンタライジングに関する自己認知は醜形恐怖心性と弱く関連することが示された。そして,メンタライジングに関する自己認知のうち,他者に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と正の関連が,自己に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と負の関連が示唆された。しかし,RMETで測定された,外的なものに基づく他者に関する顕在的なメンタライジングの正確さは醜形恐怖心性と関連しないことが示唆された。本研究の知見から,容姿にこだわる若者は,他者に関するメンタライジング能力を高く評価しがちで,自己に関するメンタライジング能力を低く評価しがちである可能性が検討された。
  • 坂田 浩之
    パーソナリティ研究 29(1) 11-13 2020年4月27日  査読有り
    Reading the Mind in the Eyes Test (RMET) は,感情価による刺激写真の分類が行われ,刺激の感情価による精神状態解読能力に関する研究に用いられてきている。本研究の目的は,日本人に適用できるアジア版RMETの各写真を,原版で行われているのと同様,感情価によって分類することであった。日本人大学生女子に対して,アジア版RMETの36枚の写真を提示し,各写真の感情価を評定してもらった。そして,その評定によってアジア版RMETの写真を分類した結果,20枚がネガティブ刺激として,5枚が中立的刺激として,11枚がポジティブ刺激として分類された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    行動科学 58(1) 1-7 2019年9月30日  査読有り招待有り
    不思議現象に対する態度に関する我々の研究は,14年間続いており,合計60の学会発表を行っている。本論文の目的は,共同研究の継続につながる要因を考察し,検討することであった。最初に,不思議現象に対する態度に関する研究の流れの概要を説明した。次に、研究の継続要因を「不思議という研究テーマの多面性・発展性」,「専門の異なる3名の連携」という2つの観点から検討した。その結果,「不思議という研究テーマの多面性・発展性」の観点からは,field drivenな研究テーマであること,価値観に関わる研究テーマであること,「心理学」あるいは「心理学教育」に関わる研究テーマであることが継続要因として見出された。また,「専門の異なる3名の連携」の観点からは,適切なメンバーシップと役割分担がある,強みが活かせる,自分のみではできなかった(知らなかった)ことができるようになることが継続要因として見出された。そして,成果が上がる,連携自体が楽しい,成長できるということが,我々の研究チームの協働を継続できる幸せの要素であると考えられた。
  • 坂田浩之
    心理臨床学研究 36(3) 334-342 2018年8月  査読有り
    醜形恐怖症を有する者は少なくないが,醜形恐怖症に対する認知も研究もいまだ不足している。本研究は,醜形恐怖症の心理学的要因に対する理解を深め,醜形恐怖症に対するより効果的な心理療法への示唆を得ることを目指した研究である。本研究の目的は,醜形恐怖症と対人恐怖心性,自己愛傾向との関連について検討すること,特に過敏型自己愛に注目して醜形恐怖との関連について検討することであった。大学生689名に対して,醜形恐怖心性尺度(大村ら,2015),対人恐怖心性・自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(清水ら,2006)を用いた質問紙調査が実施された。本研究の結果,醜形恐怖は対人恐怖心性,自己愛傾向との間に非常に弱い正の相関が認められた。また,特に女性において,過敏型自己愛者の醜形恐怖が高いことが示唆された。本研究と先行研究の知見から,醜形恐怖症者に対する心理療法に,過敏型自己愛者に対するアプローチを適用する可能性について検討された
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    社会心理学研究 23(3) 246-258 2008年2月  査読有り
    本研究では不思議現象に対して,信奉行動だけでなく,認知や感情も含めた包括的な態度を測定する尺度を作成し,態度構造を分析することを目的として質問紙調査を行った。因子分析の結果,不思議現象に対する態度は「占い・呪術嗜好性」,「スピリチュアリティ信奉」,「娯楽的享受」,「懐疑」,「恐怖」,「霊体験」の6因子構造であることが認められた。他の個人特性との相関関係から,尺度の妥当性が確認された。態度尺度の得点パターンによってクラスタ分析を行ったところ,「一般的信奉層」,「不思議現象信奉層」,「懐疑層」,「娯楽的享受層」の4群が抽出された。<br /> 担当部分:先行研究の検討,調査用紙の作成,調査の実施,調査データの分析,本文全体のチェックと修正

MISC

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書籍等出版物

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  • 大島 剛, 青柳寛之, 安村直己, 森田 慎, 坂田浩之, 榮阪順子, 小海宏之, 小辻希世子, 和田野飛鳥, 伏見真里子, 林 響子, 坂野剛崇, 坂中尚哉, 古田直樹 (担当:分担執筆, 範囲:第5章 人格検査――パーソナリティの多角的なアセスメントに役立つツール)
    ミネルヴァ書房 2023年9月 (ISBN: 9784623087150)
    本書は,公認心理師カリキュラムにおける必修科目「心理的アセスメント」での学習内容に対応して,心理的アセスメントの目的とその手法について概観し,様々な領域におけるアセスメントの実際と,臨床現場で留意すべき点を豊富な事例から学ぶことを目指したものである。筆者が担当した「人格検査」の章では,まず人格のアセスメントをする上で踏まえておくべき潮流について述べた。次に,人格検査の2大法である質問紙法と投映法の特徴と限界について述べ,代表的な人格検査について紹介した。最後に,要支援者の心の健康の保持増進に寄与する人格検査を用いたアセスメントを例示した。
  • 編者, 伊藤良子, 角野善宏, 大山康宏, 分担執筆, 伊藤良子, 石谷真一, 坂田浩之 (担当:分担執筆)
    創元社 2009年3月
    心理臨床学の発展期に京都大学を中心に学んだ心理臨床家を編者として,この実践学問領域を探求しつづけてきた京都大学の知の集積を,複雑多様化する現代社会を見据えつつ,世に問おうとの意図で編集された「京大心理臨床シリーズ」の第7巻であるこの書物は,「発達障害」と心理臨床に関する論文集である。 担当部分:「「発達障害」とされる子どもとの心理臨床に関する事例研究-「自閉症」と診断された男子との10年間の遊戯療法の経過概要を対象として-」(単著) 本稿では,発達の遅れがあるとされ,後に「自閉症」と診断された男子との間で10年間にわたって行われた遊戯療法の経過概要を対象として,事例研究を行った。それを踏まえ,「発達障害」とされる子どもは,はじめは心,身体,物,治療構造といった器や枠の中にいれておけず,外に出したがる傾向があるが,次第に内に入れることができるようになり,さらに中にこもることができるよう
  • 編者, 皆藤章, 分担執筆, 皆藤章, 北口雄一, 坂田浩之 (担当:分担執筆)
    ミネルヴァ書房 2007年4月
    本書は,人間であれば誰しも体験する悩みや苦しみに対して,人間のこころに関わる「心理臨床」という専門領域がいかに関わろうとするのかについて語ったものである。生きることが大変な現代において,悩みや苦しみを抱えて生きる人にたいして,心理臨床家に求められている援助がどのようなもので,また,心理療法や心理査定を行うために必要な考え方や知識,スキル,態度がどのようなものかを「関係性」と「主観性」をキーワードにまとめている。 担当部分:第6章「心理臨床の具体(2):ロールシャッハ法」(単著) 筆者は,ロールシャッハ法の歴史と理論・哲学,実際,適用と課題,およびロールシャッハ法と心理療法について論じた。
  • 編者, 岡田康伸, 河合俊雄, 桑原知子, 分担執筆, 岡田康伸, 河合俊雄, 坂田浩之 (担当:共著)
    創元社 2007年3月
    心理臨床学の発展期に京都大学を中心に学んだ心理臨床家を編者として,この実践学問領域を探求しつづけてきた京都大学の知の集積を,複雑多様化する現代社会を見据えつつ,世に問おうとの意図で編集された「京大心理臨床シリーズ」の第5巻であるこの書物は,心理臨床における個と集団に関する論文集である。 筆者は,個人心理療法と集団心理療法を同一の心理臨床家が担当するというユニークな構造で,不登校の中学生の心理的成長のサポートが行われている通所施設でのスタッフとしての経験を踏まえ,同施設で共に実践を行ってきた者とともに,個人心理療法と集団心理療法を統合することによって実現される心理療法的機能と,そこでの心理臨床家の役割について論じた。 総頁514 担当部分:「個人心理療法と集団心理療法の統合を目指して」(共著)
  • 監訳者, 角田豊, 共訳者, 角田豊, 葛西真記子, 坂田浩之, 森田慎, 竹田伸子, 大谷真弓, 青柳寛之, 伊藤俊樹, 安村直己 (担当:共訳, 範囲:第4章「技法の10原則」)
    金剛出版 2006年7月
    本書は,Kohut,Stolorowにつづく自己心理学派の中心的な分析家である3名の著者が,幼少期に性的虐待を受けた女性と10年近く精神分析作業を行った自験例でのやりとりを記した詳細な逐語記録と,そこでの分析家の内的思考と後からの振り返りを提示し,さらにそのプロセスに対して,動機づけシステム理論と10の技法原則を軸にした理論的検討を行い,自己心理学にもとづく臨床実践と臨床技法を明らかにした指導書である。坂田が訳出したのは,分析者(心理臨床家)が,マニュアルに機械的に縛られず,自発性や創造性を活かして患者(クライエント)との相互作用に関与できるような,用いる者にやさしい10の技法を提示した章である。

講演・口頭発表等

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  • 坂田浩之
    第26回リカレント教育講座「心の教育」を考える―現代における不登校― 2024年8月11日 京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター  招待有り
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第87回大会 2023年9月17日 日本心理学会
    科学知識で説明できないことが不思議現象の定義となっている以上,不思議の概念は,科学の概念と対立すると想定される。このことに関して,川上他(2010)は,APPleと科学観・自然観尺度(川上他,2009)を用いて両者の関連について検討している。その結果,「占い・呪術嗜好性」と「癒やす自然」,「スピリチュアリティ信奉」と「脅威を与える科学」「癒やす自然」「保護を求める自然」の間に正の関連,「懐疑」と「保護を求める自然」,「霊体験」と「人智を超えた自然」の間に負の関連が認められている。本研究では,APPleⅡを用いて,また約10年を経た現代の大学生のデータを用いて,あらためて不思議現象に対する態度と科学観・自然観との関連を検討することを目的とした。大学生104名を対象に質問紙調査を実施した。分析の結果,「占い・呪術嗜好性」は,「癒す自然」との間に正の関連が認められた。また,「スピリチュアリティ信奉」は,「保護を求める自然」との間に正の関連が認められた。一方,「恐怖」は科学観・自然観尺度のどの下位尺度とも関連が認められなかった。さらに,「全面的な否定」は,科学観・自然観尺度のどの下位尺度とも関連が認められなかった。一方,「現状認識に基づく否定」と「知的好奇心」は,「未来を築く科学」との間に正の関連が認められた。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本パーソナリティ心理学会第32回大会 2023年9月10日 日本パーソナリティ心理学会
    本研究では,大学での学びに関する満足度,大学での交友関係に対する満足度,大学へのコミットメント,大学生活における不安感を測定できる「大学生活充実度尺度」(佐久田他,2023;以下,SoULS-12)を用いてコロナ禍以前から蓄積されてきた単一大学の縦断的調査データを年度ごとに分析し,コロナ禍が大学生活充実度に与えた影響について検討した。 その結果,年度間の差については,2020年度より2022年度の方が学生の不安が少ないという結果のみ認められ,COVID-19の感染拡大が始まった2020年度よりも,大学で感染状況に対応した対策がとられるようになった2022年度の方が,学生も今後の学生生活を思い描きやすくなり,不安が高まりにくかったことが示唆された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第64回大会 2023年9月7日 日本社会心理学会
    本研究では,小城ほか(2022)がAPPleを改訂,不思議現象に対する懐疑的側面を細分化したAPPleⅡと,二分法的思考・特権意識・批判的思考態度との関連について,小城ほか(2022;2021)にさらにデータ数を追加した結果を報告した。大学生576名が参加した質問紙調査を分析した結果,不思議現象に対して懐疑的な「全面的な否定」「現状認識に基づく否定」はいずれも二分法的思考の3下位尺度すべてとの間に正の関連が認められた。一方,不思議現象に対して信奉的な「占い・呪術嗜好性」「スピリチュアリティ信奉」「恐怖」はいずれも「二分法的信念」と,「スピリチュアリティ信奉」「恐怖」は「心理的特権意識」と,「占い・呪術嗜好性」と「恐怖」は「過敏型特権意識」とそれぞれ関連が認められた。「知的好奇心」は,「全面的な否定」「現状認識に基づく否定」と同様,「損得思考」との関連が認められたが,「二分法への選好」「二分法的信念」との関連は認められない点が異なっていた。また,「誇大型特権意識」との相関が認められる点で「全面的な否定」と,「批判的思考態度」との相関が認められる点で,「現状認識に基づく否定」と類似していた。
  • 坂田浩之
    日本メンタライゼーション研究会第2回学術集会 2023年2月11日 日本メンタライゼーション研究会
    本研究では,自己愛パーソナリティにおけるメンタライジング能力の特徴について,実際のメンタライジング能力およびその自己認知の観点から検討することを目的とした。メンタライゼーション質問紙(山口,2016),アジア版Reading-the-Mind-in-the-Eyes Test(Adams et al., 2010),NPI-S(清水ら,2006)を用いた質問紙調査に日本人大学生689名が参加した。分析の結果,他者に対するメンタライジング能力が実際には低いにもかかわらず高いと自己認知している者は,NPD傾向が高いことが示唆された。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本社会心理学会 2022年9月14日 日本社会心理学会
    本研究では,APPle(小城他,2008)を改訂して開発されたAPPle II(小城他,2022)を用いて,改めて不思議現象に対する態度と,制御欲求,LOCと関連について,大学生1,178名が参加した質問紙調査のデータ(制御欲求に関わる分析には252名,LOCに関わる分析には352名のデータ)を用いて検討が行われた。その結果,APPleの下位尺度と制御欲求との相関関係と方向的には整合的であるものの,相関の現れ方としては,やや異なるものであった。LOCについても,APPleの下位尺度とLOCとの相関を検討した小城他(2008)と整合的であるが,関連性が弱いことが示された。
  • 坂田浩之, 小城英子, 川上正浩
    日本社会心理学会第63回大会 2022年9月14日 日本社会心理学会
    本研究では,APPle IIを用いて改めて不思議現象に対する態度とBig Fiveとの関連について検討を行うことを目的として質問紙調査が行われた。分析には,調査に参加した大学生1,178名のうち,APPleⅡとBig Five尺度の両方に回答した254名のデータが用いられた。不思議現象に対する態度尺度APPle II(小城他,2022)とBig Fiveを測定するTIPI-Jの相関を検討した結果,開放性が高い者ほど不思議現象に対して懐疑的であることが示唆された。また,神経症傾向が高い者ほど,占いやおまじないを好み,神仏や霊魂の存在を認める傾向が示された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第63回大会 2022年9月14日 日本社会心理学会
    本研究では,小城他(2022)がAPPle(小城他,2008)を改訂して開発したAPPleⅡについてAPPleと同一の基準変数を用いて妥当性を検証し,APPleⅡとの比較を行うために質問紙調査が行われた。分析には,調査に参加した大学生69名のデータが用いられた。APPleⅡと認知欲求尺度,自己認識欲求尺度・ネガティブ情報回避欲求尺度,賞賛獲得欲求・拒否回避欲求尺度,死の恐怖尺度との相関を検討した結果,不思議現象に対して信奉的な「占い・呪術嗜好性」「スピリチュアリティ信奉」はAPPleで見られた関連と概ね整合的であった。また,APPleでは,多様な側面が「懐疑」に混在していたが,APPleⅡにおいて不思議現象に対してより精緻な側面を測定できることが示された。
  • 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第86回大会 2022年9月9日 日本心理学会
    本研究では,学校への帰属意識やその一員であるという意識を測定する尺度である,Goodenow(1993)のPsychological Sense of School Membership (PSSM) scaleの日本語版を作成し,かつ大学生を対象とする尺度として,海外における翻訳版PSSMの開発研究を参考にしながら構成することが目的とされた。質問紙調査には大学生323名が参加した。最尤法プロマックス回転による因子分析を行った結果,最終的に14項目からなる3因子解を採択した。各因子はそれぞれ,「被包摂感」,「教職員による被受容感」,「異質感」と名付けられた。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第86回大会 2022年9月8日 日本心理学会
    本研究では,坂田他(2016)において作成された批判的思考力を反映すると想定される課題の一つである「ケーキ課題」を用い,これにおける正答誤答と,APPle II(小城他,2022)で測定される不思議現象に対する態度との関連について検討するために,質問紙調査が行われた。分析には,大学生1,178名のうち,APPle IIと「ケーキ課題」の両方に回答した81名分のデータが用いられた。正答者と誤答者でAPPle IIの6つの下位尺度についての平均値を比較した結果,「知的好奇心」と「恐怖」の得点において有意差が認められ,正答者の方が,誤答者に比べ,「知的好奇心」が高く,「恐怖」が低いことが示された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第86回大会 2022年9月8日 日本心理学会
    本研究では,APPle(小城他,2008)を改訂して開発したAPPle II(小城他,2022)を用いて改めて不思議現象に対する態度と空想傾向との関連について検討を行うことを目的として,質問紙調査が行われた。分析には,大学生1,178名のデータのうち,APPle IIと空想傾向尺度の両方に回答した309名のデータが用いられた。相関分析の結果,空想傾向の強い者は,不思議現象に対する恐怖が高く,不思議現象に対して信奉的であることが示唆された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第86回大会 2022年9月8日 日本心理学会
    本研究では,APPle(小城他,2008)を改訂して開発したAPPle II(小城他,2022)と,曖昧さへの態度との関連について改めて検討することを目的として,質問紙調査が行われた。大学生296名(すべて女性)が調査に参加した。APPleⅡと曖昧さへの態度尺度の相関を検討した結果,「曖昧さへの不安」は,「恐怖」以外のすべての下位尺度と効果量小から中の相関が認められた。信奉的態度のうち,「スピリチュアリティ信奉」は曖昧さも楽しみ,受け入れる点で「占い・呪術嗜好性」と異なることが示唆された。一方,懐疑的態度に特徴的なのは「曖昧さの統制」と効果量小から中の相関が認められることであったが,このうち「知的好奇心」は「曖昧さの享受」とも効果量中の相関が認められ,「スピリチュアリティ信奉」との共通点も見出された。
  • 坂田浩之
    子育て講座 2022年6月5日 大阪樟蔭女子大学附属幼稚園
  • 夏目誠, 坂田浩之
    夏目・坂田コラボセミナー 2022年2月6日
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第85回大会 2021年9月 日本心理学会
    本研究では批判的思考力テストに対する回答と不思議現象に対する態度との関連について,批判的思考力テストとして提案されている「馬課題」(Marier, & Solem, 1952)を用いて検討することを目的とする。大学生420名(平均年齢19.3歳,SD=2.3)を対象に質問紙調査を行い,不思議現象に対する態度(「全面的な否定」「社会的現実を根拠とした否定」「占い・呪術嗜好性」「スピリチュアリティ信奉」「知的好奇心」「恐怖」)を測定し,「馬課題」についても回答を求めた。分析の結果,馬課題の正答者は,誤答者に比べて,「社会的現実を根拠とした否定」「占い・呪術嗜好性」「スピリチュアリティ信奉」が低いことが示された。不思議現象に対して親和的な態度である,「占い・呪術嗜好性」「スピリチュアリティ信奉」が低いことと,批判的思考力テストに正答することとに関連がある可能性が示された。しかし一方で,一見批判的思考に近いと思われる「社会的現実を根拠とした否定」の高さが正答につながらないことについては,黙従傾向などの,より複雑な認知機構を想定して解釈を行う必要がある。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第85回大会 2021年9月 日本心理学会
    本研究では権威主義的パーソナリティと不思議現象に対する態度との関連について,権威主義的パーソナリティの認知スタイルの特徴である二分法的思考と特権意識を用いて検討することを目的とする。大学生420名(平均年齢19.3歳,SD=2.3)を対象に質問紙調査を行った。「全面的な否定」,「社会的現実を根拠とした否定」「スピリチュアリティ信奉」,「知的好奇心」,「恐怖」は,二分法的思考尺度(Oshio,2009)の下位尺度「二分法の選好尺度」「二分法的信念」「損得思考」のいずれか,またはすべてと.106~.275の効果量小の正の相関が認められたが,「占い・呪術志向性」はどの下位尺度とも相関が認められなかった。特権意識(日本語版PES; 下司・小塩,2016)については,「誇大的特権意識」が「全面的否定」(.130)と「知的好奇心」(.118),「過敏型特権意識」が「占い・呪術志向性」(.135)と「恐怖」(.131),「心理的特権意識」が「スピリチュアリティ信奉」(.134)と「恐怖」(.110)とそれぞれ効果量小の正の相関が認められたが,「社会的現実を根拠とした否定」は相関が認められなかった。
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩
    日本心理学会第85回大会 2021年9月 日本心理学会
    本研究では,大学帰属感とLocus of Control(以下LOC),認知欲求,批判的思考との関連について検討することを目的とした。中部圏の大学に所属する大学生370名(平均年齢20.5歳,SD = 3.42)が調査に参加した。調査内容は,SUM-6(奥田・川上・坂田・佐久田,2017)6項目, LOC尺度(鎌原・樋口・清水,1982)18項目,認知欲求尺度(神山・藤原,1991)15項目,批判的思考態度尺度(平山・楠見,2004)33項目であった。いずれも5件法で回答が求められた。2014〜2017年(いずれも9月)に,授業時間内に集団法で質問紙が実施された。 SUM-6とLOC尺度,認知欲求尺度,批判的思考態度尺度各下位尺度との相関係数を算出した結果,SUM-6 とLOC尺度,認知欲求尺度,批判的思考態度尺度の4下位尺度との間に,いずれも効果量中から小の正の相関が認められた。以上の結果から,大学生の認知スタイルと所属大学への帰属感との間に関連があり,LOCが内的統制で,認知欲求が高く,批判的思考態度を有する者の方が,大学への帰属感が高いことが示唆された。
  • 夏目 誠, 坂田 浩之
    カウンセリングと心理検査セミナー 2020年12月10日
  • 川上 正浩, 坂田 浩之, 佐久田 祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第62回総会 2020年9月 日本教育心理学会
    筆者らは,女子大学生を対象に4年間のインタビューと調査を実施した結果,成長モデルとして,「日常享楽」群,「日常学業充実」群,「不安切迫」群の3群を抽出し,その特徴について検討してきた。一方で,「交友満足」「学業満足」「不安のなさ」「大学へのコミットメント」の4因子から構成される大学生活充実度尺度の開発を重ねてきた。本研究では,女子大学生233名に大学生活充実度尺度(SoULS-12),大学への帰属感尺度(SUM-6)を用いた調査を実施し,SoULS-12を用いて学生をクラスタに分け,成長モデル3群との比較,および大学に対する帰属感の比較を行なった。クラスタ分析の結果,学生生活全般に充実を感じていない第1クラスタ,学生生活が充実している第2クラスタ,大学における学業には充実感を得てはいないが,大学生活そのものに対しては,おそらく交友満足に支えられてポジティブに捉えている第3クラスタ,学業の場としての大学には充実感を得ているが,友人関係には期待が持てず,不安も高い第4クラスタの4クラスタが抽出された。成長モデルとの比較では,第2クラスタが「日常学業充実」群,第3クラスタが「日常享楽」群に対応し,「不安切迫」群は,本研究において第1,第4クラスタに分離されたと考えられた。これら4クラスタについてSUM-6の得点を比較した結果,クラスタ間の差が認められ,第2クラスタで最も得点が高く,次いで第3クラスタと第4クラスタ,最も得点が低いのは第1クラスタであることが示された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第60回大会 2019年11月10日 日本社会心理学会
    本研究では,APPle改訂版(小城ほか,2018)により測定される不思議現象に対する態度が,ウェルビーイングに及ぼす影響について,縦断データを用いて検討した。「不思議現象とマス・コミュニケーション」に関する講義を受講する女子大学生に対して,3回の質問紙調査を実施した。第1回調査で事前態度が測定され,受講直後に第2回調査,その1か月後に第3回調査が実施された。3回の調査すべてにおいて,APPle改訂版,S-WHO-5-J,主観的幸福感に回答した回答した93名のデータを分散分析および,潜在曲線モデリングにより分析した。その結果,不思議現象に対する態度は,霊体験が精神的健康の低さと関連する以外,ウェルビーイングに明確な影響を及ぼさないことが示された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第60回大会 2019年11月10日 日本社会心理学会
    本研究では,教育・社会的価値観の提示による不思議現象に対する態度(=APPle改訂版;小城ほか,2018)の変容を検討した。「不思議現象とマス・コミュニケーション」に関する講義を受講する女子大学生に対して,3回の質問紙調査を実施した。第1回調査で事前態度が測定され,受講直後に第2回調査,その1か月後に第3回調査が実施された。3回の調査すべてに回答した89名のデータを分析した結果,主にマス・メディアに焦点を当て不思議現象の社会的共有を扱う講義を受講した直後,不思議現象に親和的な態度が低下し,懐疑的な態度が上昇すること,その傾向が不思議現象に親和的であった層において顕著である一方で,もとから批判的思考態度の高い批判的懐疑層においては,不思議現象への親和的態度はほとんど変化しないことが示された。
  • 坂田浩之
    2019年度香芝市市民公開講座 2019年10月1日 香芝市
    思い通りにいかないことの多い子育てはイライラしがちである。そうしてイライラする自分に嫌気がさして,落ち込んだり,さらにイライラしたりすることもある。そんな弱さもある自分を慈しむこと=セルフコンパッションが,かえって自分にとっても,子どもにとっても,健やかな成長につながることがわかってきた。さらに,セルフコンパッションは誰でも練習によって身につくこともわかってきた。本講演では,そのような「自分への慈しみ」について紹介した。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第83回大会 2019年9月12日 日本心理学会
    筆者らは 大学生を対象とした,項目数の少ない,施行の簡便な大学帰属感尺度の開発を目指し,6項目の一因子構造からなるSUM-6を構成した(奥田他,2017)。大学への帰属感は,大学に所属する期間が長くなるにつれ高まることが当然予測されるが,実際に大学帰属感の学年変化に関して測定した研究は,国内外を問わず見当たらない。筆者らも大学生活充実感に関しては4年間の学年変化について検討している(坂田他(2013)など)が,大学帰属感に関しては4年間を通じた学年変化について検討していない。そこで,本研究では,大学生97名のSUM-6の縦断データから大学帰属感の学年変化について検討を行った。 その結果,1年次から3・4年次にかけて帰属感が高まることが認められ,大学への帰属感は学年進行と共に高まることが確認された。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本教育心理学会第61回総会 2019年9月12日 日本教育心理学会
    本研究の目的は,「大きな物語」を喪失し,価値観が多様化したポストモダンを生きる現代大学生にとっての成長を把握することであった。女子大学生28名を対象に,半年~1年毎に一問一答インタビューを卒業まで繰り返した記録を分析し,抽出した「日常享楽」群,「日常学業充実」群,「不安切迫」群の3群における大学生活充実度の在学4年間の変化を縦断データに基づいて分析した。その結果,日常学業充実群は在学中一貫して学業満足や大学へのコミットメントが高く,充実した大学生活を過ごせていること,不安切迫群は,2年秋期に学業満足や大学へのコミットメントも低くなり,大学生活充実度が低い状態に陥りやすくなること,日常享楽群は,大学へのコミットメントは日常学業充実群ほど高まらないものの,不安切迫群のような不安に対する敏感さを持たないために,学内の「終わりなき日常」を,ほどほどの充実感を持ちつつ享受していることが示唆された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第83回大会 2019年9月11日 日本心理学会
    筆者らは一連の研究の中で,不思議現象に対する態度を測定する尺度(APPle:小城他,2008)や,その短縮版(APPle SE/30:坂田他,2012ab;川上他,2012ab)を構成した。さらに前報(川上他,2019)では,Sakata et al.(2016)の新懐疑尺度を対象に,より多くのデータで因子分析を行い,46項目からなる不思議現象に対する懐疑態度尺度(「懐疑」「信奉者批判」「知的好奇心」「社会的現実を根拠とした批判」「中立」の5因子構造)を提案した。本研究では,この尺度を,実施に際してよりコンパクトで,調査対象者の負担とならない尺度にするべく,因子分析に基づき,20項目で構成される短縮版不思議現象に対する懐疑態度尺度を作成した。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第83回大会 2019年9月11日 日本心理学会
    筆者らは一連の研究の中で,不思議現象に対する態度を測定する尺度(APPle:小城他,2008)や,その短縮版(APPle SE/30:坂田他,2012ab;川上他,2012ab)を構成した。しかし,この不思議現象に対する「懐疑」尺度は,不思議現象に対する多次元的な懐疑のあり方を区別せず反映した尺度になっている可能性が高い。そこでSakata et al.(2016)は,不思議現象に対する懐疑に焦点を絞り,85項目からなる質問紙を作成した。その結果,「懐疑」「信奉者批判」「知的好奇心」「社会的現実を根拠とした批判」「中立」の5因子構造が示された。本研究では,この尺度について,より多くのデータを用いて尺度の信頼性を確認しつつ,改めて尺度構成を行った。その結果,Sakata et al.(2016)の新懐疑尺度の信頼性を裏打ちし,さらに厳選された46項目で構成された尺度が提案された。
  • 坂田浩之
    心理学の世界パートⅥ:美beautifulしなやかに生きる 2019年6月15日 大阪樟蔭女子大学学芸学部心理学科
    自尊心=よいとされ,自尊心を高めることが目ざされてきた。しかし,最近,弱さもある自分を慈しむ=セルフコンパッションの方が大切という考え方がでてた。本講演では,美にもつながる「自分への慈しみ」について紹介した。
  • 坂田浩之
    第9回心理臨床リカレント講座 2018年11月23日 大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において,心理臨床や研究における多様な領域・職種・技法の連携・コラボレーションをテーマに講義した。
  • 小城英子, 川上正浩, 坂田浩之
    第26回日本行動科学学会年次大会・日本心理学会第82回大会 2018年9月 日本行動科学学会・日本心理学会
    同一テーマの研究を長年継続して実施することを可能にするためには,どのようなことが必要なのだろうか。同一テーマの研究の長期継続を促進若しくは抑制する要因として,研究者がおかれている研究環境・使用可能な研究費・研究者自身の興味関心やモチベーション・社会的要請・流行り廃り等々,さまざまなものが考えられるが,果たして何がどれくらい影響を与えているのだろうか。 本シンポジウムは,同一テーマの研究を継続して発表する研究者達にこれまでの研究活動を振り返ってもらい,それぞれの研究を如何に継続してきたかを語り,上記の問いについて検討するという趣旨で行われた。発表者は,不思議現象信奉研究グループとして,研究継続を可能にする要因に関して話題提供をした。
  • 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第82回大会 2018年9月 日本心理学会
    本研究では,大学帰属感尺度(SUM-6)を用いて,実際の大学生活の適応に関わる指標である大学へのリテンションとの関連について検討するため,退学者と非退学者を対象に1年次の帰属感の推移をSUM-6に基づいて測定し,分析した。その結果,退学群・非退学群共に入学当初の4月時点から6月・11月にかけて,帰属感が低下することが認められた。退学群,非退学群の差はいずれの時点においても統計的に有意とはならなかったものの,退学群における帰属感の減少は相対的に大きなものであることが示唆され,「入学時に交友満足感が高いにもかかわらず,秋にはその満足感が非退学者よりも低下する,すなわち大学生活充実感の急激な低下が,退学を予測する一つの指標になる」という坂田他(2018)の知見と同様の傾向が見られた。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第82回大会 2018年9月 日本心理学会
    本研究では,不思議現象に対する態度とウェルビーイングを媒介する可能性のあるレジリエンスについて,不思議現象に対する態度との関連が検討された。APPle改訂版の10下位尺度を用いてクラスタ分析を行い,回答者を「信奉層」,「娯楽的享受層」,「一般層」,「盲目的懐疑層」,「批判的懐疑層」,「無関心層」の6クラスタに分類,クラスタを独立変数,レジリエンスの7下位尺度を従属変数とする一元配置分散分析を行った。その結果,「楽観性」と「問題解決志向」において有意差と有意傾向が認められた。下位検定の結果,いずれも「無関心層」に比べて「盲目的懐疑層」において低い傾向が認められた。これらのことから,実は不思議現象に対して恐怖を抱きつつ,その恐怖を打ち消すために盲目的に不思議現象を否定,反動的に信奉者を批判する「盲目的懐疑層」は,レジリエンスが低い可能性が示唆された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第82回大会 2018年9月 日本心理学会
    本研究では,不思議現象に対する態度とウェルビーイングを媒介する可能性があるレジリエンスについて,不思議現象に対する態度との関連が検討された。APPle改訂版と二次元レジリエンス尺度との相関係数を算出した。その結果,「楽観性」は占い・呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉が有意な正の相関を示し,懐疑,信奉者批判が有意な負の相関を示した。「統御力」は懐疑,信奉者批判,社会的現実を根拠とした否定が有意な正の相関を示した。「社交性」は占い・呪術嗜好性が有意な正の相関を示した。「行動力」はスピリチュアリティ信奉,恐怖が有意な正の相関を示し,知的好奇心が有意な負の相関を示した。「問題解決志向」は霊体験が有意な正の相関を示した。「自己理解」は占い・呪術嗜好性が有意な負の相関を示した。「他者心理の理解」はスピリチュアリティ信奉,信奉者批判が有意な正の相関を示した。以上より,単純に,不思議現象に対する肯定的あるいは中
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第60回総会 2018年9月 日本教育心理学会
    本研究では,ポストモダンの大学生における変容パターン(成長モデル)を検討するため,川上他(2014)・佐久田他(2014)において見出されたメジャー層(展望欠如日常享楽型)・対極層1(学業日常成長実感型)・対極層2(不安切迫型)の3つの学生層の中から,代表的と思われるケースを抽出し,4年間にわたるその成長過程を記述した事例を具体的に描き出して,成長と不安の関係の観点から再考した。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第59回大会 2018年8月 日本社会心理学会
    本研究では,不思議現象に対する態度と精神的健康との関連を解明するために、協調的幸福感尺度を用いて分析を行った。APPle改訂版の10下位尺度を用いてクラスタ分析を行い,回答者を「信奉層」,「娯楽的享受層」,「一般層」,「盲目的懐疑層」,「批判的懐疑層」,「無関心層」の6クラスタに分類,クラスタを独立変数,協調的幸福感を従属変数とする一元配置分散分析を行ったところ,有意差は認められなかった。しかしながら,サンプル数が極端に少なく,クラスタに分類するには限界があったと考えられる。なお,精神的健康や幸福感を規定または媒介する変数としてレジリエンスがあるが,不思議現象信奉と精神的健康や幸福感との関連は単純相関ではなく,レジリエンス等を媒介した複雑な因果関係を描いていることが推察される。今後は縦断調査等により,そのメカニズムを解明する必要がある。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 小城英子
    日本社会心理学会第59回大会 2018年8月 日本社会心理学会
    本研究では,Hitokoto & Uchida(2015)の協調的幸福感尺度を用い,改めて主観的な幸福感と不思議現象に対する態度との関係について吟味した。APPle改訂版の下位尺度得点と協調的幸福感尺度得点との相関係数を算出した結果,協調的幸福感尺度得点は,霊体験得点とのみ,有意な負の相関を示した。この結果は,坂田ほか(2017)が精神的健康や主観的幸福感と,APPle改訂版によって測定される不思議現象に対する態度とは直接的な関係がないことを示したように,協調的幸福感についても,不思議現象に対する態度との直接的な関係は強くないことを示している。また,本研究の結果からは,霊体験を経験していない参加者ほど,協調的幸福感が高いことが示され,霊体験は協調的な幸福感の欠乏に基づく逃避的な体験である可能性も示唆される。しかしながら本研究はサンプル・サイズも小さく,特定の調査対象者のデータが大きな影響力を与えている可能性もある。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第58回大会 2017年10月 日本社会心理学会
    本研究では,不思議現象に対する態度尺度(=APPle;坂田・川上・小城,2015)の改訂版について,妥当性の検証を行った。不思議現象に対する態度尺度10因子(占い・呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉,娯楽的享受,恐怖,霊体験,懐疑(新),信奉者批判,知的好奇心,社会的現実を根拠とする否定,中立)を投入してクラスタ分析を行い,「娯楽的享受層」,「盲目的懐疑層(無関心層)」,「信奉層」,「批判的懐疑層」,「一般層」の5クラスタに分類した。次にクラスタを独立変数,各個人特性を従属変数とする一元配置分散分析を行った。「自己認識欲求」においては批判的懐疑層・信奉層と盲目的懐疑層との間に,「ネガティブ情報回避欲求」においては盲目的懐疑層と娯楽的享受層との間に,「賞賛獲得欲求」においては信奉層と盲目的懐疑層との間にそれぞれ有意差・有意傾向が認められ,盲目的懐疑層は社会事象全般に対して無関心な傾向があるが,自身に不都合な
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第58回大会 2017年10月 日本社会心理学会
    本研究では,APPle改訂版を用いて,不思議現象に対する態度と精神的健康・主観的幸福感の関連について検討した。APPle改訂版の下位尺度と,S-WHO-5-J,主観的幸福感との相関係数を算出したところ,APPle改訂版のすべての下位尺度は,S-WHO-5-J,主観的幸福感のいずれとも有意な相関を示さなかった。すなわち不思議現象に対する態度は,直接的には精神的健康や,主観的幸福感とは関連しないことが示された。
  • 川上正浩, 奥田 亮, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本教育心理学会第59回総会 2017年10月 日本教育心理学会
    本研究は,現在の大学生が4年間の学生生活の中で実際どのように成長するのか,心理学を専攻する大学生における大学入学時と卒業前の心理学に対するイメージの差異を検討することを通じて,明らかにすることを目的とした。そのため,心理学を専攻する大学生女子28名の1年次と4年次にインタビューを行った。その回答における特徴語を抽出した上で,共起ネットワーク分析を行った結果,1年次のコメントにおいては,心理学に対して漠然としたイメージが強いことが伺えた。一方,4年次のコメントにおいては,心理学の幅の広さに対する意識が認められた。また,心理学が日常生活の中で活かされることや,心理学の必要性に対する意識が認められた。これらから,自分の学びが生活に幅広く活かせるという感覚を持つことが,現在の大学生にとっての成長であることを示唆すると考えられた。
  • 坂田浩之
    第58回日本児童青年精神医学会総会 2017年10月 日本児童青年精神医学会
    本研究は,プレイセラピーにおける子どもの攻撃的行動に対してセラピストが適切な判断をするための,客観的な参照枠を作るために,セラピストが実際に子どもの攻撃的行動に対してどのように対応しているのかを,事例のメタ分析によって明らかにすることを目的とする。 メタ分析の対象事例は,日本で一般的な形式で行われたプレイセラピーの事例とした。2008~2013年発行の「心理臨床学研究」,2007年~2013年発行の「遊戯療法学研究」,プレイセラピーに関する著作6冊から,子どもの攻撃的行動に対するセラピストの対応が書かれている事例を選び出した。さらに,選び出した事例から,子どもの攻撃的行動が生じ,セラピストが対応している場面を抜き出した。選び出された場面におけるセラピストの対応を,KJ法を用いて分類した結果,「受け続ける」「見守る」「同調する」「死ぬ(ふりをする)」「意表をつく反応をする」「制限する」「質問する」「痛がる」「解釈する
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第81回大会 2017年9月 日本心理学会
    本研究では,不思議現象に対する態度と批判的思考の能力的側面(批判的思考力)との関連を検討するために,批判的思考力を測定するテストの開発をめざす。坂田他(2016)では,批判的思考態度得点等が「馬課題」の正解不正解によって異なることが示されており,こうした課題が批判的思考能力を測定しうる可能性が示唆された。本報告では,前報(小城他,2016)にて妥当性が確認されたAPPle改訂版との関連から,批判的思考力を測定すると想定される問題について検討を行い,馬課題や時速課題に正解できることと不思議現象に対する態度が関連している可能性が示された。また課題によってAPPle改訂版との相関の傾向が異なることから,同じ論理課題と捉えられる問題であっても,その解決に必要とされる態度は一様ではないと推定された。
  • 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第81回大会 2017年9月 日本心理学会
    本研究では、筆者らが開発した帰属感尺度(川上他,2009)について再検討を行った。すなわち、調査対象者の負担軽減という観点から、大学生を対象とした項目数の少ない施行の簡便な尺度を新たに作成することを目的とし、これまで用いてきた帰属感尺度を再精査して、厳選された項目からなる大学帰属感尺度の開発を行った。帰属感尺度(川上他,2009)の14項目について,因子負荷量の低い項目を除外しながら繰り返し因子分析を行い、因子負荷量の高さ・分布の尖度および歪度の絶対値の小ささ・項目削除時のα係数の高さを考慮に入れながら、最終的に1因子構造の6項目を選んだ。信頼性と妥当性が確認され、「大学帰属感尺度(Sense of University Membership scale ; 6 items : SUM-6)」が作成された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第81回大会 2017年9月 日本心理学会
    本研究では,APPle改訂版の妥当性を検証するために,APPle(SE/30)の妥当性検証に用いた個人特性との関連を調べた。LOC尺度(鎌原・樋口・清水,1982),認知欲求尺度(神山・藤原,1991),自己認識欲求尺度・ネガティブ情報回避欲求尺度(上瀬,1992),賞賛獲得欲求尺度・拒否回避欲求尺度(菅原,1986),死の恐怖尺度(河合・下仲・中里,1996),Big Fiveダイジェスト版(和田(1996)を松井(1997)が選定)との相関分析から,尺度の改訂によって不思議現象に対する懐疑的な側面を多面的に測定することに成功したといえる。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第81回大会 2017年9月 日本心理学会
    本研究では,APPle改訂版を用いて,不思議現象に対する態度とレジリエンスの関連について検討した。APPle改訂版の下位尺度とレジリエンス関連尺度との相関係数を算出したところ,「占い・呪術嗜好性」と「スピリチュアリティ信奉」が,「肯定的な未来志向」,「成長動機」と有意な正の相関を示した。「中立」と「占い・呪術嗜好性」は,「成長動機」,「現実自己の向上」と有意な正の相関を示した。また,「社会的現実を根拠とした否定」は,「個人的達成欲求」との間に有意な正の相関を示した。一方,「信奉者批判」は「新奇性追求」との間に有意な負の相関を示した。
  • 坂田浩之
    大阪市立阿倍野市民学習センター平成28年度家庭教育振興事業子育て講演会 2017年3月8日 大阪市立阿倍野市民学習センター
    不登校のこどもに関わる保護者や支援者を対象に,不登校は今どうなっているのか,不登校の原因は何なのか,不登校になっているこどもと関わる・支えるときのポイントについて講演した。
  • 坂田浩之, 丹羽智美
    日本青年心理学会第24回大会 2016年11月 日本青年心理学会
    研究委員会では2015年から2017年にかけて「現代青年を取り巻く社会・文化」という長期テーマを設定し,2015年は「現代青年を取り巻くマンガ・アニメ」に関して調査報告を行なった。2016年は「現代青年の生活時間」をテーマに,特に①現代青年は時間的な余裕があるのか,②時間的な余裕がある方がいいのか,③生活時間のありかた(特に余暇)が精神的健康や発達に関連しているのではないかについて調査を行った。調査内容は時間の使い方とアイデンティティ,共感性,睡眠や経済状況に関してであった。シンポジウムではその結果をもとに研究委員会の見解を示し,指定討論者と議論した。発表者は,調査の分析結果をもとに話題提供を行った。
  • 坂田浩之
    ひょうご講座2016 2016年10月13日 (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構
    アニメ映画やミュージカルで有名な「美女と野獣」は,美醜をめぐり人間の価値について教えてくれる,感動的な物語です。なぜ私たちはこの物語に感動するのでしょうか?実は,この物語が,心の奥底にある,思春期の頃に体験した魂の変容の記憶に響くからだというのが,私の解釈です。特に現代人の心に響くディズニーの「美女と野獣」をとりあげて,この物語に隠された,自分の価値は何か?という疑問をとく鍵を一緒に見つけたいと思います。
  • 川上正浩, 奥田 亮, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本教育心理学会第58回総会 2016年10月 日本教育心理学会
    本研究では,全学対象の帰属感高揚プログラム「大学と私」を改良して2015年度に実施し,その効果を測定し分析を行った。大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)と帰属感尺度をプログラム前後で比較したところ,大学へのコミットメントが有意に上昇し,大学への帰属感も上昇する傾向が見られた。この効果が,特定の学科を対象としたプログラムと同程度の効果を持つのかを検証することが,今後の課題とされた。

担当経験のある科目(授業)

 20

共同研究・競争的資金等の研究課題

 2

社会貢献活動

 1

その他

 1

教育方法の実践例

 23
  • 件名
    アニメーション作品の活用
    年月日(From)
    2000/04
    概要
    講義内容と関連したアニメーション作品(ビデオ・DVD・Blu-ray)を使用することで,抽象的になりやすい心理学の理論やモデルを,学生の具体的な体験と結びつけることができる,心理臨床家の訓練における事例研究と同じように登場人物の心の動きに共感的に寄り添う体験をすることで,人間の心の動きについての理解を体験的に深めることができるなどの利点がある。
  • 件名
    (Web)ミニッツペーパーの活用
    年月日(From)
    2000/04
    概要
    毎回授業の終わりの5分から10分を利用して,その回の授業に対する感想・コメント・質問を書かせ,回収して検討することで,①学生の授業内容に対する理解度を知ることができる,②そして,理解の不十分な内容に関しては,次回授業で質問に応える形で,より分かりやすい説明を用いて伝えることができる,③内容だけでなく,授業の方法(資料の見やすさなど)や教室の環境(教室の温度や私語)についての情報を得ることができるなどの利点がある。2018年度からは,LMS(manaba)を使ってWeb上にミニッツペーパーの書き込みが行えるようにし,学生が落ち着いて考えて書けるように工夫した。
  • 件名
    心理検査(心理調査法)を用いた自己理解の促進
    年月日(From)
    2001/04
    概要
    20答法,二面性尺度、ユング心理学的タイプ尺度20答法やSD法,二面性尺度(TSPS),ライフラインなどを授業内で学生に実施し,その結果を各自個別に分析させることで,自己概念を把握するための方法を体験的に知ることができると同時に,自分自身の自己概念や自己像をあらためて体験的に考察することが可能になるという利点がある。
  • 件名
    レポート採点チェックリストを用いたレポート評価
    年月日(From)
    2001/09
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    複数教員が担当する実習授業において,レポートを採点・添削する際に,全教員が共通のチェックリストを用いて,採点・添削を繰り返すことで,担当教員が学生達に要求しているレポートの形式・内容や評価基準を明確に伝えることができると同時に,学生達の目標やそれへの到達度を明確にすることができるという利点がある。後のルーブリックを用いたレポート評価の前身となる工夫であった。
  • 件名
    心理学研究法の体験学習
    年月日(From)
    2001/09
    概要
    学生に実際に実験や調査を参加者として体験してもらうと共に,得られたデータの処理・解釈を体験させた。加えて,調査に関しては実際に質問紙を作成させ,調査者として質問紙を配布,回収も体験させた。これにより,①講義では既存の知識として受け身的に取り入れるしかない心理学の先行研究の知見を,自らの経験や生のデータを通じて実感できるしたり,批判的に検討したりすることができる,②心理学を研究する際の手法を一度は実際に経験しておくことで,以後自分が心理学研究を計画,実践するときに,この体験を雛形として活用・応用することができる,などの利点がある。
  • 件名
    心理検査の体験学習
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    P-Fスタディ,鈴木ビネー式知能検査,WISC,バウム・テスト,風景構成法,ロールシャッハ・テストといった心理検査(人格検査)を学生に被検者として実際に体験してもらった。また,自分の検査結果の分析・解釈も体験してもらった。これにより,①心理検査を自分で体験することによって,それぞれの心理検査がどのような特徴を持ち,人格や知能のどの範囲や深さまで明らかにすることができるのかという点について実感したり,批判的に検討したりすることを可能にする,②自分のテスト体験が,他の人の検査データをより細やかに,共感的に理解することを可能にする,③被検者が検査状況で体験する諸々の感情を身をもって知ることで,自分が検査者として心理検査を実施したり,結果をフィードバックしたりするときに相手に何を配慮すべきか充分に理解できる,などの利点がある。
  • 件名
    心理療法の体験学習
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    リラクセーション・ワークやブラインド・ウォークなど,非言語的な,視覚以外からの情報によって相手の心の動きを感じ取る基礎トレーニングや,交互にセラピスト役,クライエント役になっての種々のロールプレイ,スクイグルや粘土,箱庭,あるいはグループでの箱庭,フィンガーペインティング,サイコドラマなど心理療法の技法を学生に実際に体験してもらい,そこでの体験をふりかえって言語化してもらった。これにより,①心理療法(援助的対人関係)の場でセラピスト・援助者に求められる感受性や態度を身をもって理解してもらうことができる,②心理療法の場(援助的対人関係)でのクライエント・患者の立場に試みに立ってみることで,援助を求めている人を共感的に理解する手がかりとすることができる,③心理療法のプロセスにおいて治癒の原動力となる心の働きや関係性の場を実感することができる,④心理療法の技法の特性を体験的に理解できる,⑤自己
    の拡大・深化と統合が促進されるなどの利点がある。
  • 件名
    心理療法の事例報告の利用
    年月日(From)
    2002/10
    概要
    市販の書籍に掲載された比較的詳細な心理療法の事例報告(大学院の授業では,学術雑誌に掲載された事例報告も使用した)を受講生全員で読み,その内容についてディスカッションしてもらった後,講師が自らの心理臨床の経験を踏まえながら解説したり,受講生の問いや気づきを深めたりした。これにより,①心理療法のプロセスで生じることとや,そこでのセラピストやクライエントの思考・感情・行動を理論的にではなく,具体的に知ることができ,②セラピストやクライエントの身になって自分だったらどうするかを考えることで,実践的な知恵を身につけることができる,③講師のコメントによって,心理臨床家の事象の捉え方を具体的に伝えることができる,などの利点がある。
  • 件名
    学生による心理療法ロールプレイの実施と それを撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    学生がセラピスト役,クライエント役となってカウンセリングとプレイセラピーのロールプレイを行ってもらい,その様子を動画撮影し,そのビデオを見ながらロールプレイの最中に何が起こっていたのかを,実際にロールプレイを行った学生に感想を言ってもらったり,それ以外の学生の感想やコメントを聞いたりしたり,教員がコメントしたりして,ディスカッションを行う。これにより,①ロールプレイでセラピスト役をした学生が自分が意識していなかった自分の特徴や癖(特に視線・姿勢・しぐさ・声の音調などの非言語的な)に気がつくことがある,②録画なので,必要に応じてある場面を何度も巻き戻して繰り返し見ることができるし,その場面を見ながら,即時的にそこで何が起こっているかの解説を加えることも可能である等の利点がある。
  • 件名
    学外の病院・福祉施設等の見学
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    学外の病院(精神科)・福祉施設等を訪れ,医療や福祉の現場を実際に学生自身の目で見るとともに,その施設の臨床心理士等のスタッフから心理臨床の実際についての説明を受けたり,スタッフと利用者・患者との関わりを見ながら,あるいは実際にプログラムに参加して利用者・患者と関わったりすることによって援助者としてあるべき態度を学んでもらう。このことにより,①患者・障害者,あるいは心理臨床や心理的援助のイメージを現実的で適切なものに修正することができ,②その現実的で適切な心理利臨床のイメージにもとづいて後の学習・実習を進めていくことにより,態度・スキルの習得を実際に役立つものに方向付けることができる等の利点がある。
  • 件名
    模擬面接を撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    実際に心理臨床に携わっている心理臨床家がカウンセラーや検査者となって心理療法・心理検査を模擬的に行った場面を撮影した市販あるいはWEB上の動画を,受講生と一緒に見,その後,感想を言ってもらい,またその感想に対してコメントするという授業を行った。これにより,①まだ実際の心理療法を実践していない受講生に,より現実的な心理療法の場面のイメージを持って
    もらうことができる,②録画なので,大切な場面を何度も巻き戻して繰り返し見ることができ,またその場面を見ながら,即時的にそこで何が起こっているかの解説を加えることも可能である,といった利点がある。
  • 件名
    KJ法を用いたグループワーク
    年月日(From)
    2015/04
    概要
    受講生相互でインタビューを行い,その録音データを文字起こしさせ,さらにその文字化された語りに関する定性的コードを付箋に書かせた後,その付箋を持ち寄ってグループでKJ法を行い,語りに潜む心理学的事実を明らかにする。2021年度〜はオンライン・ホワイトボード(Jambord)を用いたKJ法も導入している。
  • 件名
    学生による心理検査ロールプレイの実施とそれを撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    受講生が検査者役,被検児役となって心理検査(新版K式発達検査,WISC)のロールプレイを行ってもらい,その様子をビデオに撮影し,そのビデオ映像(必要に応じて教員がビデオ映像を編集した)を見ながら,心理検査の実施法について教員がコメントした。これにより,①検査者役をした受講生が自分が意識していなかった自分の特徴や癖(特に視線・姿勢・しぐさ・声の音調・教示の速さなどの非言語的な)に気がつくことができる,②検査場面で決められた一定の手順で検査を行えているか確認できる等の利点がある。
  • 件名
    発達検査モニターの活用
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    臨床心理士・公認心理師養成大学院の実習において実践してきた。大学院附属カウンセリングセンターから一般に広報して募集し,協力に同意してくれたモニター家庭の子どもに,学生(相談研修員)が,発達検査(新版K式発達検査,WISC等)をカウンセリングセンターで実施し,検査結果を分析して,後日フィードバックする。また,保護者面接の間は別の学生(相談研修員)が,被検児や一緒に来たその同胞とカウンセリングセンターのプレイルームで関わりながら観察(関与観察)する。担当者の調整,検査結果の分析や,フィードバック原稿の作成などのマネージメントを教員が行う。これにより,①学習・訓練として実施経験を積むことが難しい,しかしながら現場では実施を求められることの多い,発達検査とそのフィードバックの実施経験を積ませることができる,②関与観察を行わせることで,ロールプレイとは違い実際の子どもと関わってプレイセラピーの実習をすることができる等の利点がある。
  • 件名
    試行カウンセリングの活用
    年月日(From)
    2008/04
    概要
    臨床心理士・公認心理師養成大学院の実習において実践してきた。同大学生に主旨を説明して募集し,協力に同意してくれた学生をクライエント役になってもらい,実際に専攻附属カウンセリングセンターに来談してもらい,受講生がセラピストとして試行カウンセリングを行った(日程や組み合わせの調整など実施のためのマネージメントを教員が行う)。その後,受講生には面接
    記録と考察を提出してもらい,試行カウンセリングを素材とする事例検討会を授業内で行う。また,クライエント役の学生には,感想・印象を用紙に記入して提出してもらい,受講生にフィードバックする。これにより,①ロールプレイよりさらに実際の心理臨床に近い体験を受講生にさせることができる,②クライエント役をする学生にとっても,カウンセリングがどのようなものなのかを体験的に理解できる機会となる等の利点がある。
  • 件名
    所属学科への帰属感を高める教育プログラムの実施
    年月日(From)
    2008/12
    概要
    1年生に所属学科(心理学科)への帰属感を高めるために,学科の3・4回生および卒業生にインタビューを行い,「心理学を学んでよかったこと」,「1回生へのメッセージ」などの質問に答えてもらった様子や,ゼミ風景をビデオ撮影し,それを編集した映像を流すとともに,ゲストスピーカーとして授業に参加し,鼎談の形で,自らの心理学との出会いや心理学の学びについて話した。これにより,①心理学及び所属学科教員を身近に感じてもらえる,②自らの学びの見通しと将来像を明確にすることができる,などの利点がある。さらに,所属大学への帰属感を高めるために,全学科対象科目において,同様の構成の授業も行った。
  • 件名
    心理学実験動画の活用
    年月日(From)
    2017/09
    概要
    You Tube等にアップロードされているStill Face実験,Strage Situation法などの動画を提示する。これにより,口頭による説明や図示では十分に伝わらない,実際の手続きや参加者(特に乳幼児)の反応を鮮明に理解できる等の利点がある。
  • 件名
    LMS(manaba)の積極的活用
    年月日(From)
    2015/04
    概要
    LMS(manaba)を活用し,出席者・遅刻者のチェック,授業資料の配布,課題・ミニッツペーパーの提示と回収,小テストの実施,授業改善のためのアンケート等を行ってきた。手書きで書かせる課題,プレゼンさせる課題に関しては,写真・動画に撮り,それを提出させることもしてきた。また,小テストにはGoogleフォームも併用してきた。これにより,①プリント等の配布・回収時間を短縮し,その分学習時間を充実させることができる,②予習・復習を効果的に行うことができる,③提出した課題をWEBポートフォリオとして整理することができる,④出欠や課題提出の確認ミスを減らすことができる,⑤文字の大きさや美しさによる課題評価のばらつきを減らすことができる,などの利点がある。
  • 件名
    ルーブリックを用いたレポート評価
    年月日(From)
    2011/04
    概要
    (特に複数教員が担当する)授業において,レポートを評価する際に,ルーブリックを用いてきた。これにより,①担当教員間,あるいは個人内での評価のバラツキを減らすことができる,②ルーブリックを学生に共有することで,レポート課題の,そして授業の到達目標を明示することができる等の利点がある。
  • 件名
    メモアプリ(Evernote)の活用
    年月日(From)
    2016/10
    概要
    授業資料を提示する際に,パワーポイント等のプレゼンテーション・ソフトではなく,メモアプリ(Evernote)を使用してきた。これにより,①教室のスクリーンの大きさに合わせて,ピンチ操作で容易に提示資料の文字サイズを見やすい大きさにすることができる,②画面をスイッチさせるのではなく,スライドさせるので,ノートが終わっていない学生に見せながら,次の内容に進むことができる,③ページの切れ目がないので,WordやLMS上にコピーするときに容易である,④管理が容易である等の利点がある。

作成した教科書

 2
  • 件名
    「はじめての心理学」(氏原寛・松島恭子・千原雅代編,創元社)第6章「それでも私は私である(人格)」執筆
    年月日(From)
    2000/03
    概要
    はじめて心理学を学ぶ人のための教科書として用いることのできる本として作られたものだが,内容的には心理学の主要分野に関する各テーマについての小論集といった内容で,一般の人向けの心理学の入門書である。著者は,「それでも私は私である」と題された人格の章を執筆し,「《私》とは何か」という問いを深めつつ,自己意識や個性,人格の恒常性と可塑性などのテーマについて,人格心理学の基本的な理論を踏まえながら論じた。
  • 件名
    「よくわかる心理臨床」(皆藤章編,ミネルヴァ書房)第6章「心理臨床の具体(2):ロールシャッハ法」執筆
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    本書は,大学生・大学院生向けの臨床心理学の教科書として用いることのできる本として作られたものだが,人間であれば誰しも体験する悩みや苦しみに対して,人間のこころに関わる「心理臨床」という専門領域がいかに関わろうとするのかについて語ったものである。生きることが大変な現代において,悩みや苦しみを抱えて生きる人にたいして,心理臨床家に求められている援助がどのようなもので,また,心理療法や心理査定を行うために必要な考え方や知識,スキル,態度がどのようなものかを「関係性」と「主観性」をキーワードにまとめている。

実務経験を有する者についての特記事項(教育上の能力)

 11
  • 件名
    第12回心の相談コロキアム樟蔭心理臨床カンファレンス『発達障害への理解と支援』講師
    年月日(From)
    2013/02/02
    年月日(To)
    2013/02/02
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻附属カウンセリングセンター主催の第12回心の相談コロキアム樟蔭心理臨床カンファレンス『発達障害への理解と支援』にて、コース③発達検査を通して見た発達障害の講師を務めた。学外の専門家による新版発達検査2001の事例検討を行い、助言・指導した。
  • 件名
    広島大学大学院 教育学研究科附属心理臨床教育研究センター集中セミナー講師
    年月日(From)
    2008/08
    年月日(To)
    2012/03
    概要
    広島大学大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター客員教授として、年2回3日間ずつ行われる集中セミナーの講師を務め、プレイセラピー等の文献講読を行うとともに事例検討会で助言・指導した。
  • 件名
    大阪市こども相談センターメンタルフレンド事前研修会 講師
    年月日(From)
    2009/05
    年月日(To)
    2019/05
    概要
    毎年5月頃に行われる大阪市こども相談センター(児童相談所)が不登校の子どもの支援のために家庭に派遣しているボランティア「メンタルフレンド」を対象とした事前研修会において,不登校の子どもの支援において必要な知識や心構えについて講義した。
  • 件名
    大阪府立富田林支援学校夏季研修会講師
    年月日(From)
    2013/08
    年月日(To)
    2014/08
    概要
    大阪府立富田林支援学校夏季研修会にて講師を務め、新版K式発達検査と子どもの発達理解に関する講義と事例検討を行った。
  • 件名
    臨床心理士実習指導
    年月日(From)
    2010
    概要
    大阪市児童通所ルーム・パル、大阪市中央通所ルームAにて、京都大学大学院、梅花女子大学大学院、神戸女学院大学大学院の臨床心理士養成のための実習を受け入れ、指導してきた。
  • 件名
    公認心理師心理実践実習実習指導者
    年月日(From)
    2020/04
    概要
    大阪市中央通所ルームAにて、神戸女学院大学大学院の公認心理師「心理実践実習」の実習指導者を務めてきた。
  • 件名
    奈良県スクールカウンセリングカウンセラー
    年月日(From)
    2012/04/01
    概要
    奈良県立教育研究所のケース検討会で助言・指導したり、学校で教員研修会の講師を務めたりしてきた。
  • 件名
    スーパーヴァイザー
    年月日(From)
    2005/08
    概要
    臨床心理士を目指す大学院生、スクールカウンセラー、児童福祉施設臨床心理士、精神科クリニック臨床心理士(公認心理師)等30名以上に対するスーパーヴィジョンを行ってきた。
  • 件名
    第4回心理臨床リカレント講座事例検討会コメンテーター
    年月日(From)
    2013/11/23
    年月日(To)
    2013/11/23
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において、事例検討会のコメンテーターを務めた。
  • 件名
    第9回心理臨床リカレント講座事例検討会コメンテーター
    年月日(From)
    2018/11/23
    年月日(To)
    2018/11/23
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において、事例検討会のコメンテーターを務めた。
  • 件名
    甲南大学心理臨床学会第19回大会分科会指定討論者
    年月日(From)
    2016/07/03
    年月日(To)
    2016/07/03
    概要
    甲南大学大学院を修了した心理臨床家を対象とする研修会である甲南大学心理臨床学会の第19回大会の分科会(事例検討会)において指定討論者を務め,事例の理解と対応についてコメントした。

その他(教育上の能力)

 18
  • 件名
    (実習指導実績)樟蔭女子短期大学人間関係科「人間科学基礎実習」担当
    年月日(From)
    2000/04
    年月日(To)
    2001/03
    概要
    「人間科学基礎実習」は1・2年生対象の選択科目で,2単位(2時間×30回)の通年科目である。1グループ約10名で,4回を1区切りとしてのべ約80名の学生を指導した。実習内容は,新入学生の学科への所属意識を高めると共に,臨床心理学の実践と研究において基礎となる,それぞれの人の個性的な自己表現と相互の関係性を尊重する態度を身につけるために,メンバー間の相互交流を活性化するグループワークを行ったり,お互いの興味・関心について発表し合ったりした。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学教育改革促進支援費助成事業「EvernoteとDropboxを使ったシームレスなティームティーチングの実現」
    年月日(From)
    2018/04
    年月日(To)
    2019/03
    概要
    ティームティーチングを行う教員がEvernoteとDropbox の有料プランを使い,これらを大阪樟蔭女子大学で使われているLMS(manaba)と組み合わせて,最大限活用することで,授業運営に関わる作業の効率化と教員間の密な連携・協働を実現する方法の開発を行った。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学 自己点検・評価委員会 委員
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大学の教育,機能,経営を改善し,より魅力ある樟蔭女子大学を創っていくことを目指して,いかに大学の自己点検・評価を行っていくかについて検討している。手始めとして,「大阪樟蔭女子大学教育・研究者総覧」を編集し,大阪樟蔭女子大学の専任教員のそれぞれの研究テーマや業績,教育・研究方針について公表し,教員相互,あるいは教員と学生の相互理解の促進を図った。その後,大学の自己点検・評価のあり方について研究・検討し,自己点検・評価項目を作成した。また,平成14年7月と平成15年1月に自己点検・評価シンポジウムを開催し,自己点検・評価作業と大学改革に向けて,現状における課題と今後目指すべき方向性について大学教職員の意見を集めた。その後,学内の各部署からの自己点検・評価報告を取りまとめ,「大阪樟蔭女子大学自己点検評価報告書1998~2002学内用」の編集作業に取り組み,平成16年11月に発行した。また平成17年に改めて「大阪樟蔭女子大学教育・研究者総覧」を編集した。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科)「心理学実験基礎実習B」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2004/03
    概要
    「心理学実験基礎実習B」は1年生対象の必修科目で,1単位(4時間×7回)の半期科目である。各グループ約15名の10グループの学生に対して,1回完結で,「要求水準」をテーマとした実習を行った。内容としては,講師が実験者となり学生に被検者として実験を実際に体験させ,その上で得られたデータに関して処理法や整理法を指導しながら分析・考察させ,心理学研究のプロセスを体験的に学ばせた。また,心理学の学術雑誌に準じた形式で,レポートを作成させ,添削指導を行って,心理学のレポート・論文の書き方を学ばせた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学心理学部(平成21年3月まで人間科学部心理学科)「心理学実験基礎実習B」「心理検査基礎実習(平成17年3月まで「人格検査法基礎実習」)」「臨床心理査定実習(平成16年3月まで「人格検査法実習」)」「心理療法実習」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2013/03
    概要
     「心理検査基礎実習」は2年生対象の必修科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約40名の学生に対して,投映法と知能検査・発達検査をテーマとした実習を行った。内容としては,実際に人格検査を実習生に被検者として体験してもらい,その上で個々の検査のメカニズム,成立のプロセスや背後にある人格理論,結果の分析法を講義して,実習生に自分の検査結果を分析してもらった。そうして,実体験をふまえて個々の検査の長所と問題点について考察してもらった。
     「人格検査法実習」は3年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約30~80名の学生に対して,投映法をテーマとした実習を行った。内容としては,筆者は主にロールシャッハ・テストの実習を担当し,実習生にロールシャッハ・テストを被検者として体験してもらった上でロールシャッハテストの特性と解釈理論を説明し,反応の記号化を学習してもらう。その後,実習生同士で検査者・被検者を交互に体験してもらい,自分が検査者として実施したロールシャッハ・テストのプロトコルを継起分析してもらった。受講生の人数が少ない場合には,描画法(バウムテスト・風景構成法),TATの実習にも関わった。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学短期大学部人間関係科「心理学研究法実習」「カウンセリング実習」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2003/03
    概要
     「心理学研究法実習」は1・2年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約10名の学生に対して,実験法,質問紙調査法,人格検査法,投映法をテーマとした実習を行った。内容は,実習生に被験者(被検者)として実際の実験や検査を体験してもらった上で,それぞれの心理学研究法の基本的な原理と長所・短所,統計の知識を説明して,自分達のデータを分析させた。調査法の実習では,実際に実習生に項目を考えさせて,質問紙を作成させた。
     「カウンセリング実習」は2年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約60名の学生に対して,カウンセリング,プレイセラピー,イメージ療法,絵画療法,箱庭療法をテーマとして,カウンセリング・心理療法を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるカウンセラーとクライエントの間の信頼関係(ラポール)の重要性を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。内容は,ペアや少人数のグループを作り,様々な形態のカウンセリング・心理療法を体験してもらい,また同じ課題でペアを変えてみることで,自分の態度や表現,安心感などがどう変わるかを振り返りってもらった。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学FD・SD活動推進委員会委員長
    年月日(From)
    2020/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,FD・SD活動を推進するために委員会を統括し,FD・SD研修を企画,実施,紹介した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学FD・SD活動推進委員会委員
    年月日(From)
    2018/04
    年月日(To)
    2020/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,FD・SD活動を推進するためにFD・SD研修を企画,実施,紹介した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻設置準備分科会メンバー
    年月日(From)
    2002/06
    年月日(To)
    2003/12
    概要
    臨床心理士を養成するための大学院設置と臨床心理士資格認定指定大学院認可を目指して,臨床心理学専攻の設置の目的や養成したい人材,履修モデル,カリキュラム,担当者等の検討を行い,文部科学省に提出する設置認可申請書の原案を作成した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学心理学科学科の履修モデルの再確認および見直しをするためのワーキング・グループメンバー
    年月日(From)
    2002/12
    概要
    学部・学科開設から1年8ヶ月を経過して,開設時に立てた履修モデルやカリキュラムが,学科が育てたいと考える人材や教育目標と適合しているかどうか,また実際の教育現場の実情にふさわしいかどうかの点検・評価を行い,今後カリキュラムを改善する上での基礎作業を行っ
    た。主に臨床心理学関係の履修モデル・カリキュラムを担当し,自ら意見を出すと共に,他のメンバーとともに,学科の教員の意見をとりまとめ,改善した履修モデルを作成した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学学内評価委員会委員
    年月日(From)
    2003/03
    概要
    学内の各部署からの自己点検・評価報告を取りまとめ,自己点検・評価委員会で編集した自己点検・評価報告書原稿にもとづき,1998~2002年までの大阪樟蔭女子大学および短期大学の現状と課題,課題に対する今後の対策について討議した。
  • 件名
    (実習指導実績)京都第二赤十字看護専門学校「ふれあい合宿」
    年月日(From)
    2004/03
    概要
    「ふれあい合宿」は2年生対象の必修科目で,教育学習の一環として行われる教育キャンプ(2泊3日20時間)である。約35名の学生に対して,体験を通じて,看護師として対人援助に携わる上で必要な人間理解と共感性を深めてもらうために,ブラインドウォーク,フィンガーペインティング,粘土,仮面のワーク等の集団療法で用いられる技法を用いたグループワークを行った。
  • 件名
    (学位論文指導実績)大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科「研究演習」担当
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    母子の関係性・情動調律・情緒応答性,スーパーヴィジョン,関係性と描画表現の関係,発達障害児に対する態度,思春期・青年期における自傷行為といったテーマで,関連した文献を読み,テーマ設定・研究計画・データの分析・論文の執筆を指導してきた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻准教授(平成19年3月まで専任講師)「臨床心理基礎実習」「臨床心理査定演習」担当
    年月日(From)
    2004/04
    概要
     「臨床心理基礎実習」は修士1年生対象の必修科目で,2単位(3時間×30回)の通年科目である。臨床心理士(心理臨床家)として必要な基礎的な態度とスキルを習得させるために,学内外の心理臨床現場の見学,カウンセリング・プレイセラピー・箱庭療法のロールプレイ,ケースカンファレンスへの参加,事例研究,臨床心理面接への陪席,教員によるスーパーヴィジョンを受けながらのカウンセリング・プレイセラピーの実践等の実習を行った。
     「臨床心理査定演習」は修士1・2年生対象の必
    修科目で,4単位(2時間×60回)の2年連続通年科目である。3~16名の大学院生に対して,臨床心理査定(アセスメント)に関する基礎的な文献の購読によって「臨床心理査定(アセスメント)」や「見立て」の概念を理解させるところからはじまり,文献に掲載された資料を用いた心理検査のデータや表現の読み取り方のトレーニング,事例研究論文を用いたクライエントのアセスメントのトレーニング,インテーク・カンファレンスに出席しての臨床心理査定の学習,インテーク面接に陪席してクライエントの臨床心理査定の試行,自らがインテーク面接を行って自分が担当したクライエントの臨床心理査
    定,一般大学生に対するバウムテスト,風景構成法,ロールシャッハ・テストの実施・解釈・検査所見の作成,等の実習を行ってきた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学心理学部「心理療法実習」担当
    年月日(From)
    2008/04
    概要
    「心理療法実習」は3・4年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約30名の学生に対して,箱庭療法をテーマとして,心理療法を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるセラピストとクライエントの間の関係性の重要性と,クライエントの非言語的な表現の受け取り方を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。
  • 件名
    (実習指導実績)広島大学大学院教育学研究科 附属心理臨床教育研究センター「集中セミナー」担当
    年月日(From)
    2008/07
    概要
    「集中セミナー」は心理臨床教育研究センターの相談員(修士課程1年生~博士課程3年生)対象で,単位なしの,3日間×2回の集中実習である。約40名の相談員(大学院生)に対して,遊戯療法を中心とする臨床心理面接(心理療法)に関する基礎的な文献の講読と受講生の経験事例のケースカンファレンスのコメンテーター
    を担当し,相談員の遊戯療法を中心とする臨床心理面接(心理療法)の技量を高めるための実習を行った。
  • 件名
    (実習指導実績)宝塚造形芸術大学造形学部芸 術学科「カウンセリング技法演習(アートセラピー演習)Ⅱ」担当
    年月日(From)
    2009/10
    年月日(To)
    2010/03
    概要
    「カウンセリング技法演習(アートセラピー演習)Ⅱ」は2年生対象の選択科目で,2単位(4時間×15回)の半期科目である。3名の学生に対して,カウンセリング(特にアートセラピー)の技法の基礎を習得させることを目的として,カウンセリング(アートセラピー)を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるカウンセラーとクライエントの間の関係性の重要性と,クライエントの非言語的な表現の受け取り方を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学学士課程基幹教育開発部会員
    年月日(From)
    2010/04
    年月日(To)
    2011/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,従来の教養教育を一新し,新たに学士課程基幹教育について検討し,「アカデミックスキルズ」の開設や,学士課程基幹教育の骨子を構想した。

資格・免許

 2
  • 件名
    公認心理師
    年月日
    2018/02
    概要
    保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援等を行う国家資格である。
  • 件名
    臨床心理士
    年月日
    1998/04/01
    概要
    文部省が認可した財団法人日本臨床心理士資格認定協会が行う資格試験に合格し,同協会が認定する「臨床心理士」の資格を取得した。この資格は,医療,教育,産業,司法,福祉にわたる心理臨床活動の専門家としての資質を問う資格であり,現在の日本においても最も権威と知名度のある心理臨床家の資格である。

実務経験を有する者についての特記事項(職務上の実績)

 1
  • 件名
    (臨床実績)奈良県スクールカウンセリングカウンセラー
    年月日(From)
    2012/04
    概要
    奈良県内の学校で生じた問題行動に関して、当該学校を訪問し、校内ケース会議に参加しての助言、当該児童生徒の行動観察によるアセスメント等のコンサルテーションを行った。

共同研究・受託研究

 5
  • 研究科題名
    不思議現象に対する態度
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    小城英子;川上正浩
    期間(開始)
    2004
  • 研究科題名
    大学生活充実度・大学への帰属感
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    奥田亮;川上正浩;佐久田祐子
    期間(開始)
    2002
  • 研究科題名
    香芝市と東大阪市における不登校・別室登校をする児童・生徒に対する心理的支援 ― 個人心理療法を導入した継続的支援 ―
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    高橋裕子;根本眞弓;奥田亮
    期間(開始)
    2017/04
    期間(終了)
    2018/03
    代表者
    坂田浩之
  • 研究科題名
    異形・異類
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    黒川麻実;川上正浩
    期間(開始)
    2020
  • 研究科題名
    自分に対する“慈しみ”を育む 美容教育プログラムの開発
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    武藤祐子
    期間(開始)
    2016/04
    期間(終了)
    2017/03
    代表者
    武藤祐子