研究者業績

坂田 浩之

サカタ ヒロユキ  (Hiroyuki Sakata)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部心理学科 教授
学位
修士(教育学)(京都大学 大学院)

J-GLOBAL ID
200901045318628191
researchmap会員ID
1000361444

論文

 67
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 17 23-29 2023年3月  査読有り筆頭著者
    本研究は,空想傾向の健康的,適応的で,心理的機能を高める側面について検討するために,空想傾向とレジリエンスの関連について検討することを目的とした。CEQ-J(岡田ら,2004)と2次元レジリエンス要因尺度(平野,2010)を用いた質問紙調査に日本人大学生,高校生290名が参加した。相関分析の結果,空想傾向と資質的レジリエンス要因の「社交性」,「行動力」の間,獲得的レジリエンス要因の「問題解決志向」,「他者心理の理解」の間に効果量小の正の関連が認められた。本研究の結果から,空想傾向に健康的,適応的で,心理的機能を高める側面があることが示唆された。
  • 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    Journal of Health Psychology Research 35(2) 147-154 2023年2月1日  査読有り
    本研究では,大学生活充実度を測定するための,より信頼性,妥当性が高く,コンパクトな尺度を開発することを目的とした。奥田他(2010b)が開発した,「大学へのコミットメント」,「交友満足」,「学業満足」,「不安のなさ」の4下位尺度からなる大学生活充実度尺度(SoULS-21)が再検討された。5つの大学に所属する大学生934名のデータに基づく因子分析の結果,従来と同様の4因子構造,12項目解が採択され,十分な信頼性が得られた。次に尺度の妥当性を検討するため,関連する他尺度との相関係数が吟味され,妥当な相関が認められた。これらの結果は,大学生活充実度を測定する尺度としてのSoULS-12の信頼性と妥当性を支持するものと言える。
  • 小城 英子, 坂田 浩之, 川上 正浩
    社会心理学研究 38(1) 1-8 2022年7月  査読有り
    本研究の目的は、不思議現象に対する態度尺度を改訂し、懐疑的態度の多様な側面を捉え、信奉的態度と懐疑的態度を精緻に測定可能にすることであった。大学生を対象に質問紙調査が行われた。探索的因子分析の結果、「全面的な否定」、「現状認識に基づく否定」、「占い・呪術嗜好性」、「スピリチュアリティ信奉」、「知的好奇心」、「恐怖」の6下位尺度が抽出され、25項目の新尺度はAPPle Ⅱと名づけられた。内的整合性、確認的因子分析、再検査信頼性、基準関連妥当性の観点から、概ね十分な信頼性・妥当性が確認された。「占い・呪術嗜好性」、「スピリチュアリティ信奉」は信奉的態度、「全面的な否定」、「現状認識に基づく否定」は懐疑的態度と位置付けられるが、分析的思考や批判的思考に最も関連する態度は、信奉的態度とも懐疑的態度とも言いうる「知的好奇心」であることが示唆された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 16 73-82 2022年3月  査読有り筆頭著者
    本研究は,パーソナリティとウェルビーイングとの関連を,セルフ・コンパッションによって調整できるかどうかについて検討することを目的とした。パーソナリティとしてJung心理学的タイプ,ウェルビーイングとして快楽(Hedonia)および幸福(Eudaimonia)に対する動機づけを取り上げた。質問紙調査を行い,日本人大学生119名が参加した。階層的重回帰分析によって,快楽および幸福に対する動機づけに関して,Jung心理学的タイプとセルフ・コンパッションの交互作用を検討した結果,快楽に対する動機づけとJung心理学的タイプの関連をセルフ・コンパッションが調整することが示唆された。一方,幸福に対する動機づけに関しては,Jung心理学的タイプとセルフ・コンパッションの交互作用が認められなかった。
  • 黒川麻実, 川上正浩, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 12 191-202 2022年1月  
    古来より人々は「人ならざるモノ=異形・異類」と「人」の関わり合いを、神話や昔話の中で語り継いできた。この「異形・異類」と「人」が織りなす物語は、「人」の心性や文化を色濃く表現するものである。本研究では、異類婚姻譚や異常誕生譚を対象に、その中に登場する「異形・異類の子」が「境界」の中で、どのような道を選択したのか、分析を行った。その結果、「異形・異類の子」はマージナル・マン(境界人・周辺人)のままで生きていくことが極めて難しく、隠していくか、あるいは、境界線上の社会を脱し、いずれかの社会に同化していくことが必要だということが判明した。多様性や異文化を認め、他者を受容し共同的に社会を構築していくことが求められている今、対象とした話に登場した「異形・異類の子」の生き様から学ぶ必要性を論じた。
  • 坂田浩之
    パーソナリティ研究 30(2) 101-110 2021年9月16日  査読有り
    本研究は,容姿にこだわる若者に対する理解を深めるために,醜形恐怖心性とメンタライジングとの関連について検討した。大学生689名に対して自己報告式の質問紙とReading the Mind in the Eyes Test (RMET)が実施された。本研究の結果,メンタライジングに関する自己認知は醜形恐怖心性と弱く関連することが示された。そして,メンタライジングに関する自己認知のうち,他者に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と正の関連が,自己に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と負の関連が示唆された。しかし,RMETで測定された,外的なものに基づく他者に関する顕在的なメンタライジングの正確さは醜形恐怖心性と関連しないことが示唆された。本研究の知見から,容姿にこだわる若者は,他者に関するメンタライジング能力を高く評価しがちで,自己に関するメンタライジング能力を低く評価しがちである可能性が検討された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 14・15 55-61 2021年3月  査読有り筆頭著者
    本研究は,Creative Experience Questionnaire日本語版(岡田ら,2004)を,日本人における空想傾向の特徴をさらに解明するための実用的な尺度とするために,Creative Experience Questionnaire日本語版(CEQ-J)の因子構造を再検討し,下位尺度を構成することを目的とした。CEQ-Jが含まれる質問紙調査を行い,大学生244名が参加した。探索的因子分析および確証的因子分析を行った結果,「異常な体験」,「子どもの頃の体験」,「空想の鮮やかさ」の3因子構造が妥当であることが示された。また,因子分析の結果に基づき,「異常な体験」(5項目),「子どもの頃の体験」(3項目),「空想の鮮やかさ」(3項目)の各因子を測定する下位尺度が構成され,概ね十分な内的整合性を有することが示された。本研究の結果,空想傾向の特徴をより細やかに,かつより簡便に測定できる尺度が構成された。
  • 坂田 浩之, 佐久田 祐子, 奥田 亮, 川上 正浩
    日本心理学会大会発表論文集 85 PP-020-PP-020 2021年  
    本研究では,大学帰属感とLocus of Control(以下LOC),認知欲求,批判的思考との関連について検討することを目的とした。中部圏の大学に所属する大学生370名(平均年齢20.5歳,SD=3.42)が調査に参加した。調査内容は,SUM-6(奥田・川上・坂田・佐久田,2017)6項目,LOC尺度(鎌原・樋口・清水,1982)18項目,認知欲求尺度(神山・藤原,1991)15項目,批判的思考態度尺度(平山・楠見,2004)33項目であった。いずれも5件法で回答が求められた。2014~2017年(いずれも9月)に,授業時間内に集団法で質問紙が実施された。SUM-6とLOC尺度,認知欲求尺度,批判的思考態度尺度各下位尺度との相関係数を算出した結果,SUM-6 とLOC尺度,認知欲求尺度,批判的思考態度尺度の4下位尺度との間に,いずれも効果量中から小の正の相関が認められた。以上の結果から,大学生の認知スタイルと所属大学への帰属感との間に関連があり,LOCが内的統制で,認知欲求が高く,批判的思考態度を有する者の方が,大学への帰属感が高いことが示唆された。
  • 黒川 真実, 川上 正浩, 坂田 浩之
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 11(11) 97-107 2021年1月  
    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による感染拡大の収束を願い,疫病を鎮めるとされる「アマビエ」 がブームとなっている。また,これに伴い妖怪や幻獣への社会の着目度も高まりつつある。妖怪・幻獣を含む異形・ 異類は,古代から現代まで,人々の口から口へ,またメディアを介し伝承されてきた。本研究では,昔話と神話を中心に,人がどのような形で異形・異類と向き合い,関係性を築いていこうとしたのか,異類婚姻譚に着目し,心理学的・民俗学的視点から考察することで,異形・異類を新たな意味づけを持つものとして捉え直すことを試みた。そして,多様性の包摂や自然との関係の見直しが求められる今だからこそ異類婚姻譚から学ぶことが重要であることを論じた。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 11 13-22 2021年1月  筆頭著者
    本研究では,批判的思考能力を測定すると想定されるクイズ形式の課題(クイズ課題)について,当該課題において,正解が答えられることや,特定の不正解を選択してしまうことと,主観的な批判的思考態度との関連を検討し,批判的思考能力課題としての妥当性について吟味した。すなわち,当該クイズ課題の回答の内容によって,主観的な批判的思考態度に差異が認められるか否かについて,分散分析あるいは t 検定を用いて検討した。調査の結果, 平均時速課題,マラソン順位課題,バクテリア課題,エレベータ課題について,批判的思考態度尺度における探究心や,クリティカル・シンキング・コミュニケーション尺度における隠れた前提,根拠の確かさ,また,データベース ト・シンキング尺度における分析力,判断力と関連をもっていることが示された。
  • 坂田 浩之
    パーソナリティ研究 29(1) 11-13 2020年4月27日  査読有り
    Reading the Mind in the Eyes Test (RMET) は,感情価による刺激写真の分類が行われ,刺激の感情価による精神状態解読能力に関する研究に用いられてきている。本研究の目的は,日本人に適用できるアジア版RMETの各写真を,原版で行われているのと同様,感情価によって分類することであった。日本人大学生女子に対して,アジア版RMETの36枚の写真を提示し,各写真の感情価を評定してもらった。そして,その評定によってアジア版RMETの写真を分類した結果,20枚がネガティブ刺激として,5枚が中立的刺激として,11枚がポジティブ刺激として分類された。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 10 35-41 2020年1月  
    本研究は,筆者らが開発した新入生オリエンテーション成果尺度の過去6年間のデータを分析して,実施がより簡便な項目数の少ない新入生オリエンテーション成果尺度短縮版を作成することを目的とした。新入生オリエンテーション尺度に含まれる8つの因子を用いて確証的因子分析を行ったところ,各因子3項目,計24項目によって構成されるモデルが採用され,新入生オリエンテーション成果尺度短縮版が作成された。これを実際に活用して,2014~2019年度に実施された本学心理学部・心理学科の新入生オリエンテーションにどのような成果があったか,その特徴を検討した。今後の課題として,より妥当な汎用性の高い尺度を構成していくためには,異なる大学の新入生オリエンテーションについて調査を行うなどして,さらに検証を重ねていくことが必要であるとされた。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    行動科学 58(1) 1-7 2019年9月30日  査読有り招待有り
    不思議現象に対する態度に関する我々の研究は,14年間続いており,合計60の学会発表を行っている。本論文の目的は,共同研究の継続につながる要因を考察し,検討することであった。最初に,不思議現象に対する態度に関する研究の流れの概要を説明した。次に、研究の継続要因を「不思議という研究テーマの多面性・発展性」,「専門の異なる3名の連携」という2つの観点から検討した。その結果,「不思議という研究テーマの多面性・発展性」の観点からは,field drivenな研究テーマであること,価値観に関わる研究テーマであること,「心理学」あるいは「心理学教育」に関わる研究テーマであることが継続要因として見出された。また,「専門の異なる3名の連携」の観点からは,適切なメンバーシップと役割分担がある,強みが活かせる,自分のみではできなかった(知らなかった)ことができるようになることが継続要因として見出された。そして,成果が上がる,連携自体が楽しい,成長できるということが,我々の研究チームの協働を継続できる幸せの要素であると考えられた。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 13 17-24 2019年3月  査読有り筆頭著者
    本研究は,不思議現象に対する態度の規定因を明らかにすることを目指して,Jungの心理学的タイプ理論による性格と不思議現象に対する態度との関連について検討することを目的とした。大学生・大学院生214名を対象として,Jungの心理学的タイプ尺度(JPTS)と不思議現象に対する態度尺度改訂版(APPle改訂版)から構成される質問紙を配布し,回答を求めた。その結果,感情型の者の方が思考型の者よりも不思議現象を信奉する態度を有しており,反対に,思考型の者の方が感情型の者よりも不思議現象に懐疑的であることが示唆された。特に,外向思考感覚型の者は,外向感情直観型の者よりも不思議現象に懐疑的であり,不思議現象信奉者に批判的であることが示唆された。また,内向直観感情型の者の方が外向感情直観型の者よりも不思議現象を楽しみながら受け入れていることが示唆された。
  • 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 9 63-70 2019年1月  
    本研究では、ポストモダン状況に生きる学生たちが4年間でどのように変化・成長するのか、そのパターンやモデルを明らかにすることを目的として、縦断的なインタビュー調査を実施した。その結果をもとに、まず研究1では1年次~2年次春において、これからの大学生活に対する漠然としたビジョン・卒業後の不安・具体的な目標について調査でどの程度言及しているか、という点から、変容パターン(成長モデル)として3つの群を抽出した。研究2では、3つの群が4年次冬のインタビュー調査で「大学生活で一番楽しみにしていたこと」についてどのように回答したかを分析し、研究1と併せてその特徴から3群を「日常享楽群」「日常学業充実群」「不安切迫群」と命名した。研究3では、3群から代表的と思われる事例を抽出し、それぞれの成長過程を具体的に記述した上で、成長と不安の関係の観点から考察を行った。
  • 坂田浩之, 高橋裕子, 根本眞弓, 奥田亮
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 9 53-61 2019年1月  筆頭著者
    本研究の目的は、①別室登校をする児童生徒の心理的発達課題の解決と社会的自立を援助するために、専門的訓練を受けている大学院生による心理的支援(学校臨床活動)が有効であるのか、②その有効性を高める要因は何であるのか、③大学院生の心理専門職養成教育・訓練として学校臨床活動が有効であるのか、の3点について個人心理療法に焦点を当てながら検討することである。支援を行った大学院生と支援校に自由記述による質問紙が実施され、回答を計量テキスト分析によって検討した。その結果、以下のことが示唆された。①大学院生による心理的支援は対象児に微細な変化を生じさせるという意味で有効である。②教師と立場の違う大学院生が対象児に深く配慮しながら関わることで信頼関係が築かれ、それが対象児が自分自身の気持ちに目を向け、調整することにつながり、さらにそれが支援の時間を楽しいものとし、登校への動機づけになるということが支援の有効性を高める要因である。③大学院生の教育・訓練として、学校臨床活動は多くの学びや成長をもたらすものである。
  • 坂田浩之
    心理臨床学研究 36(3) 334-342 2018年8月  査読有り
    醜形恐怖症を有する者は少なくないが,醜形恐怖症に対する認知も研究もいまだ不足している。本研究は,醜形恐怖症の心理学的要因に対する理解を深め,醜形恐怖症に対するより効果的な心理療法への示唆を得ることを目指した研究である。本研究の目的は,醜形恐怖症と対人恐怖心性,自己愛傾向との関連について検討すること,特に過敏型自己愛に注目して醜形恐怖との関連について検討することであった。大学生689名に対して,醜形恐怖心性尺度(大村ら,2015),対人恐怖心性・自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(清水ら,2006)を用いた質問紙調査が実施された。本研究の結果,醜形恐怖は対人恐怖心性,自己愛傾向との間に非常に弱い正の相関が認められた。また,特に女性において,過敏型自己愛者の醜形恐怖が高いことが示唆された。本研究と先行研究の知見から,醜形恐怖症者に対する心理療法に,過敏型自己愛者に対するアプローチを適用する可能性について検討された
  • 高橋裕子, 根本眞弓, 奥田亮, 坂田浩之, 高橋依子
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 12 23-29 2018年3月  査読有り
    本論文は,2016年4月から翌2017年3月までの「心のケア支援事業」の概要について報告し,①児童期・思春期の心理的発達課題の援助における個別の心理的支援の重要性,②地域の独自性に合わせた学校支援に関する検討,③大学院生の臨床的訓練としての学校臨床活動の位置づけ,について臨床的・実証的研究を行った。
  • 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 12 41-44 2018年3月  査読有り
    本研究の目的は,メンタライジングの測定に用いられる“Reading the Mind in the Eyes”テストの質問紙版の妥当性を検討することである。大学生の女性28名に対して,写真を1枚ずつ提示して回答を求める原法による“Reading the Mind in the Eyes”テストと,質問紙法による“Reading the Mind in the Eyes”テストを実施し,この2つの方法の得点を比較した。その結果,一致率と相関係数の高さから,質問紙法による得点が原法による得点が同一であることが示唆された。この結果から,質問紙法による“Reading the Mind in the Eyes”テストの妥当性が支持された。
  • 川上 正浩, 坂田 浩之, 佐久田 祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会総会発表論文集 60 134-134 2018年  
  • 坂田浩之, 武藤祐子
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 8 47-57 2018年1月  
    本研究では,対人的効果としての美容・化粧行為(メーキャップ,スキンケア,ヘアケア,清潔にするなど)ではなく,対自的効果としての美容・化粧行為,その中でも特に「自分に対する“慈しみ”を育むための美容・化粧行為」の習慣化を促す美容教育プログラムの開発と導入の試みが行われた。本プログラム開発のポイントは,①美容セミナーの実施により自身の身体を「慈しむ」行為を体験する,②日常における美容・化粧行為の定着を促すことを目的に参加者自らが日常の美容行為や活動を記録できる美容日誌の開発と導入を目指すであった。認知症カフェにおける「日常的な美容活動」に関するワークショップと不登校児童通所施設における美容教育プログラムが利用者と支援スタッフを対象に計画・実施された。また,後者のプログラムでは,美容日誌をつけることが提案された。プログラム参加者の振り返りと美容日誌から美容教育プログラムの効果が検討され,本研究で
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 8 39-46 2018年1月  
    本研究は,大学へのリテンション,あるいは退学の心理的要因を大学生活充実度の観点から検討することを目的とするものである。一つの大学・学部・学科に所属する8年度分の大学生473名を対象として,その1年次の4月(入学時点),6月,11月での大学生活充実度を測定し,その後の退学との関連を検討した。大学生活充実度の測度として,筆者らが開発した大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)を用いた。その結果,非退学者が4月から6月に交友満足が上昇するのと対照的に,退学者は4月では非退学者よりも交友満足が高いにもかかわらず,11月の時点で交友満足が非退学者よりも低下することが明らかになった。また,退学者は大学へのコミットメントが6月の段階で下降し,11月には非退学者よりも低くなることが示された。これらの結果は,大学へのリテンションあるいは退学を,大学生活充実度の観点から予測することの有効性を示唆するとともに,大学生活充実度を測定する尺度
  • 丹羽智美, 坂田浩之
    青年心理学研究 29(1) 57-60 2017年8月  
    日本青年心理学会第24回(2016年)大会研究委員会企画シンポジウムの記録である。研究委員会では2015年から2017年にかけて「現代青年を取り巻く社会・文化」という長期テーマを設定し,2015年は「現代青年を取り巻くマンガ・アニメ」に関して調査報告を行なった。2016年は「現代青年の生活時間」をテーマに,特に①現代青年は時間的な余裕があるのか,②時間的な余裕がある方がいいのか,③生活時間のありかた(特に余暇)が精神的健康や発達に関連しているのではないかについて調査を行った。調査内容は時間の使い方とアイデンティティ,共感性,睡眠や経済状況に関してであった。シンポジウムではその結果をもとに研究委員会の見解を示し,指定討論者と議論した。著者は,調査の企画・実施・データ分析・シンポジウムでの話題提供を行い,本記録も執筆した。
  • 奥田 亮, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 11 2017年3月  査読有り
    本研究では,影イメージの描画について予備調査を行い,その結果から「影テスト」が試作された。そして他の心理測定尺度と共に施行・分析し,性格検査として標準化を行った。また,影テストによって個人がどのような影イメージを表出させうるかについて検討したところ,影のイメージに主張性,自律性や主体性,自身の考えや感情・不安,自身が求めている外界の変化や新しい体験,他者性が投映されることが示された。さらに影テストにおいて影shadowに対する態度も投映されることが示唆された。
  • 川上 正浩, 坂田 浩之, 佐久田 祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会総会発表論文集 59 140-140 2017年  
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 7 21-26 2017年1月  
    筆者らは,先輩が語るVTRや教員の対談を交えた,特定学科(心理学科)対象の帰属感高揚プログラム『心理学と私』を考案・実施し,その効果を検証してきた(川上他,2010,2011,2012a,2012b)。そしてこのプログラムを,全学学生を対象としたプログラムに拡張し,全学対象帰属感高揚プログラム『大学と私』として考案・実施しつつ,VTRを刷新するなど『大学と私』を改良した。本研究では,この改良した全学対象のプログラムと特定の学科を対象としたプログラムとを,その前後の帰属感や大学生活充実度の変化の観点から比較した。その結果,改良された全学プログラムは,特定学科対象プログラムと同等の帰属感,大学生活充実度高揚の効果を持つことが示された。
  • 坂田浩之, 川上正浩
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科 臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 10 77-85 2016年3月  査読有り
    本研究は,批判的思考を育むために,批判的思考力と関連するパーソナリティを明らかにすることを目指して,ユングの心理学的タイプ理論における一般的態度や心的機能と批判的思考力との関連について検討することを目的とした。大学生159名を対象として,ユングの心理学的タイプ尺度(JPTS)と独自に作成した批判的思考力テストから構成される質問紙を配布し,回答を求めた。その結果,ユングの心理学的タイプ理論における思考機能は,批判的思考態度のみでなく,批判的思考力とも関連すること,外向性は批判的思考の態度的側面とは関連するが,批判的思考の能力的側面とは明確な関連を示さないことが明らかにされた。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 川野佐江子, 川端康之
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 6 3-12 2016年1月  
    筆者らはこれまで,大学における全学科学生を対象とした帰属感高揚プログラムを開発してきた。本研究では,それまでのVTR を改善し,かつ受講生の所属する学科教員が登壇した 2014 年度以降のプログラムの方が,2013年度のプログラムに比べてより効果的であるかを再検証し,さらにその効果について「教員の対談」に注目して分析し検討することを目的とした。質問紙調査の結果,2014 年度以降のプログラムの方が効果的であり,特に教員の対談の効果が高まっていることが示された。さらに教員の対談の狙いを語りの内容から分析したところ,①フランクに自身の学生時代を示すことで,受講生の教員に対する親近感を高める,②自身の体験を踏まえて,大学・学科に関して語りかけ,受講生の大学生活の内省と帰属意識を促す,③個としての成長の取り組みを示し,呼びかけることで,成長の場として今の大学生活への自己関与意識を高め,帰属感につなげる,といった内容に分類され,受講者にとって親近性の高い教員がそれらの狙いに沿って語ることで,プログラムの効果が高まることが示唆された。
  • 川上正浩, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 6 267-267 2016年1月  
    本研究では,批判的思考に基づく懐疑と,盲目的な否定とを分離可能とする新たな不思議現象に対する態度尺度の構成を意図し,特に不思議現象に対する懐疑や否定にまつわる態度を多面的に測定可能な尺度の開発を行った。因子分析の結果,10因子解が採用され,この10因子は,旧尺度の6下位尺度に,社会的現実を根拠とした否定,血液型性格判断に対する批判,事件の頻度を根拠とした否定,前世帰属に対する否定の4下位尺度を加えたものとなっていた。
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    聖心女子大学論叢 125 99-116 2015年6月  
    本研究の目的は,中学生,高校生,大学生の比較を通じて,不思議現象 (paranormal phenomenon) に対する態度がどのように発達するのかを検証することであった。調査対象者は,すべて同系列のカトリック系学校に通う女性であった。調査の結果,年齢層が上がるともに不思議現象を娯楽的に楽しむ「娯楽的享受層」が減り,不思議現象に対して懐疑的な「懐疑層」が増えることが示唆された。また,年齢層が上がるとともに「一般層」において「娯楽的享受」と「懐疑」の得点が低下し,不思議現象を信奉する 「不思議現象信奉層」においては年齢が上がるにつれて「占い・呪術嗜好性」 の得点が上昇するが,一方で「懐疑層」と「娯楽的享受層」においては年齢層による差は見られなかった。
  • 分担執筆, 川上正浩, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 9 35-41 2015年3月  査読有り
    批判的思考力(態度)を効果的に育成する教育システムを開発するためには,学習者のパーソナリティと批判的思考との関連について理解しておくことが必要だと考えられる。本研究では,批判的思考態度とJungの心理学的タイプとの関連を調べることを目的とし,大学生を対象に質問紙調査を実施した。その結果,Jungの心理学的タイプにおける外向および思考と批判的思考態度との間に正の相関が認められた。
  • 坂田 浩之
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 8 39-50 2014年3月  招待有り
    本論文は,発達障害者の適切な支援のために発達検査を用いる必要があるのか,あるとすれば,具体的にはどう役立つのかについて,発達障害の中でも自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)に焦点を当て,先行研究による知見と新版K式発達検査2001を用いた臨床心理アセスメントの事例から論じたものである。発達検査からのみでは,その人の特性や発達障害の全体を明らかにすることはできないが,その人の能力面での適応の阻害要因,促進要因を客観化することができ,それが,診断にとらわれずに,個々の個性と適応上の問題となっている要因を明らかにするのに役立ち,さらには,その人にとってより適切で,より有効な支援の手立てを生み出す手がかりとなることが論じられた。
  • 分担執筆, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 4 15-22 2014年1月  
    本研究の目的は,心理学系学科学生を対象とした帰属感高揚プログラムを,全学学生を対象としたプログラムに拡張するため,VTR刺激およびプログラムを開発することであった。研究1では,上回生に対して同学科の先輩が語るVTR(同学科VTR)と同大学の先輩が語るVTR(同大学VTR)を共に視聴させ,これらVTRの1回生に対する効果の可能性について評定を求めた。研究2では,同学科VTRと同大学VTRを用いた帰属感高揚プログラムを異なる年度に実施し,それぞれのプログラムに対する印象評定を参加者に求めた。これらの結果,いずれのVTR刺激もおおむね変わらず効果をもつこと,ただし特に一回生へのメッセージについては,学科VTRの方が効果をもつことが示された。
  • 分担執筆, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 3 29-37 2013年1月  
    本研究では,先行研究(奥田・川上・坂田・佐久田,2010a)の知見を踏まえて, 1回生〜4回生を対象に大学生活充実度尺度,その修正版,および大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)を実施し,大学生活充実度が学年進行に伴いどのように推移するのかについて,4年度分の1~4回生の縦断データから分析を行なった。その結果,4回生時に充実度全般が最も高まることが明らかになり,奥田他(2010a)の知見の妥当性が支持された。また,学業に対する満足感については,コホートによって学年変化が異なることが明らかにされ,カリキュラムやプログラム,学科編成,あるいはコホートの特性によって影響されることが示唆された。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 2 105-111 2012年1月  
    入学初期に学科に対する帰属感を高めることが、その後の大学生活に充実感を抱くことにつながる、という知見を得て、筆者らは1回生たちの学科に対する帰属感を高揚させるプログラムを開発・実施してきた。教員に親密感を感じることや、上回生や卒業生とのつながりを感じることで帰属感が高まると考え、学生生活や学科での学び(心理学)に関する在学生・卒業生へのインタビューVTRと、学科教員の鼎談によって帰属感高揚プログラムを構成し、1回生に呈示した。過去3年間にわたってVTRや鼎談などの素材の構成を変えつつ実施された3種類のプログラムの効果について比較検討したところ、教員の鼎談の効果があることが窺われる一方で、在学生・卒業生インタビューのVTRの効果は不安定なものであることが明らかになった。
  • 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻・附属カウンセリングセンター研究紀要 5 19-21 2011年3月  
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターにおいて2005年度から現在まで展開されてきている発達検査モニター事業について説明し,本事業における心理臨床的関わりが子どもの心に持つ意味,さらには事業運営から垣間見えてきた子どものこころの今について考察した。
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    聖心女子大学論叢 第115集 160-144-144 2010年8月  
    本研究では,「水からの伝言」の普及と信奉の実態を解明することを目的として, 150名の高校生女子を対象に「水からの伝言」について自由記述で回答を求め,質的に分析を行った。その結果,小学生のころに,家族や学校教育を通じて「水からの伝言」を知った場合には肯定的態度を有する傾向が認められた。また,「水からの伝言」から派生した別バージョンの中には科学的説明が可能なものも含まれており,それが翻って「水からの伝言」オリジナルの信憑性を支えていることが示唆された。 <br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 9(第9号) 1-14-14 2010年1月  
    本研究では1回生から4回生を対象に大学生活充実度尺度を実施し,その因子構造について検討した上で,大学生活充実度が学年ごとにどのように異なるのかについて分析を行なった。まず大学生活充実度尺度については,因子分析によって“フィット感”,“交友満足”,“学業満足”,“不安”の4因子が抽出された。そして4回生時に充実度全般が最も高まることが明らかになった。一方,1~2回生にかけては充実度にほとんど変化が見られず,2~3回生にかけては部分的に充実度が高まるという結果と,ほとんど変わらないという結果の,相違する二つの結果が得られた。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (第9号) 15-25 2010年1月  
    本研究では,代表的な不思議現象(血液型による性格診断,宇宙人の存在,超能力の存在,占い,霊の存在,神仏の存在)を取り上げ,それらを信奉する,あるいは信奉しない理由について検討することを目的とした。それぞれの対象について,信奉を「はい」か「いいえ」かの2件法にて尋ね,これに続いて,その理由を自由記述にて求めた。大学生161名の信奉あるいは非信奉の理由として挙げられた語句をテキストマイニングを用いて分析し,信奉者と非信奉者との違い,特に依拠するメディアの差異について考察した。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 川上 正浩, 坂田 浩之, 佐久田 祐子, 奥田 亮
    日本心理学会大会発表論文集 73 3PM170-3PM170 2009年8月26日  
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    聖心女子大学論叢 第113集 77-94-131 2009年8月  
    本研究では,第一にテレビに対する基本的な態度を測定する尺度を作成すること,第二にテレビに対する態度と不思議現象に対する態度との関連を探索的に解明することを目的とした。大学生280名を対象にした質問紙調査の結果,テレビに対する態度を構成する「擬似的コミュニケーション」「習慣的視聴」「情報収集」「情緒的解放」「選択的視聴」「テレビへの懐疑」「エンターテイメント性希求」の七因子が抽出された。これらの因子と不思議現象に対する態度尺度との相関を検討した結果,テレビを通じて感情を代理的に体験する傾向のある視聴者は不思議現象に対して概ね肯定的であることなどが示された。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    聖心女子大学論叢 第112集 356-336-336 2009年2月  
    本研究では,大学生女子と高校生女子を比較することにより,発達的な視点から不思議現象に対する態度を検討すること,また,Locus of Controlおよび批判的思考と不思議現象に対する態度との関連性を解明すること目的として,質問紙調査を行った。その結果,高校生の方が不思議現象に対して肯定的な態度を有していたが,真剣に信奉しているというよりは,娯楽的な志向性が強いことが示された。また,高校生においては,APPleと批判的思考態度とに関連が認められた。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (第8号) 91-98 2009年1月  
    本研究は,現代の日本人女子大学生が実際に不思議だと感じていることを探索し,彼らにとっての“不思議”の潜在的な構造を明らかにすることを目的とし,20答法を応用した調査法を用いて記述データを収集し,テキストマイニング手法を用いて分析し,頻出キーワードと,それがどのようなクラスタを構成するのか検討した。その結果,“人間の不思議”,“自分の不思議”,“能力・可能性の不思議”など12のクラスタが抽出され,一般的傾向として,現代の日本人女子大学生が,実際には,身近で,普遍的で,自然なことに対して不思議という感覚を覚えることが明らかにされた。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (第8号) 61-69 2009年1月  
    本研究では川上・小城・坂田(2008)を参考に,項目の再検討を行い,信頼性の高い大学生の科学観・自然観を測定することを目指し,大学生373 名を対象とした質問紙調査を行った。その結果,現代大学生の科学観・自然観を構成する因子として,人智を超えた自然,癒す自然,未来を築く科学,リスクのある科学,脅威を与える科学,保護を求める自然の6つの因子が抽出された。これらの因子に対しては信頼性係数も.635 以上であり,使用に耐えうる下位尺度であると判断された。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 坂田 浩之, 佐久田 祐子, 奥田 亮, 川上 正浩
    日本心理学会大会発表論文集 72 2EV083-2EV083 2008年9月19日  
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    聖心女子大学論叢 第111集 128-80 2008年8月  
    本研究では,不思議現象に関する3本のテレビ番組(「オーラの泉」,「TVのチカラ」「超常現象スクープサミット」)の内容分析と,視聴者の反応の分析が行われた。その結果,「オーラの泉」は加工が少なく,視聴者は他の2番組に比べれば容認的な態度を有していたが,「TVのチカラ」「超常現象スクープサミット」は加工が多く,批判される傾向が見られた。テレビに対する評価のポイントは,「不思議現象の不可視性」「信頼性の根拠」「番組の目的」「センセーショナリズム」「弊害の可能性」「テレビに対する懐疑的態度」の6点であった。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    社会心理学研究 23(3) 246-258 2008年2月  査読有り
    本研究では不思議現象に対して,信奉行動だけでなく,認知や感情も含めた包括的な態度を測定する尺度を作成し,態度構造を分析することを目的として質問紙調査を行った。因子分析の結果,不思議現象に対する態度は「占い・呪術嗜好性」,「スピリチュアリティ信奉」,「娯楽的享受」,「懐疑」,「恐怖」,「霊体験」の6因子構造であることが認められた。他の個人特性との相関関係から,尺度の妥当性が確認された。態度尺度の得点パターンによってクラスタ分析を行ったところ,「一般的信奉層」,「不思議現象信奉層」,「懐疑層」,「娯楽的享受層」の4群が抽出された。<br /> 担当部分:先行研究の検討,調査用紙の作成,調査の実施,調査データの分析,本文全体のチェックと修正
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    聖心女子大学論叢 第110集 49-64-237 2008年2月  
    本研究では,女子大学生を対象に,“ダ・ヴィンチ・コード”を題材に,不思議現象に対する態度尺度であるAPPle(Attitudes towards Paranormal Phenomena Scale)と宗教意識との関連を分析した。その結果,不思議現象は宗教と同質の心理的効用が認められている一方,特定宗教に対する警戒心が不思議現象信奉と関連していることも示唆された。<br /> 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 7(第7号) 47-56-56 2008年1月  
    本研究では,複数の学科におけるFOPを調査・分析の対象とし,FOPが大学生活に与えるより普遍的な影響を明らかにすることを目的とした。3学部8学科のオリエンテーションを対象とした調査の結果,入学当初のフィット感や交友満足は,FOPそのものへの積極的な参加を促し,特に帰属感高揚や居心地の良さを通じて,以後の大学生活充実感へとつながっていることが示された。以上のことから,効果的なオリエンテーションを考える上で重点を置くべきなのは,大学および所属学科への帰属感を高め,同時に参加して楽しいと思えるようなプログラムであると言える。 <br /> 担当部分:調査質問紙の作成と,調査の実施,調査データの分析・考察,本文執筆,本文全体のチェックと修正
  • 分担執筆, 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (第7号) 57-65 2008年1月  
    川上・小城・坂田(2007&lt;SUB&gt;a&lt;/SUB&gt;)は,現代大学生における科学に対するイメージを自由記述によって収集し,テキストマイニング手法を用いて分析し,現代大学生の科学イメージは,実験をしたり,宇宙について調べたり,勉学したりするものであり,そこに有用性を感じる一方でロマンをも感じていること,また先進性や力動性といった進歩するイメージを抱いていることが示された。本研究では,このデータをもとに,科学観・自然観を測定する尺度を構成することを目的とする。質問紙調査の結果から,現代大学生の科学観・自然観を構成する因子として,癒す自然,未来を築く科学,脅威を与える科学,保護を求める自然,人智を超えた自然,脅威を与える自然の6つの因子が抽出された。癒す自然得点については性差が認められ,男性よりも女性で得点が高いことが示された。<br /> 担当部分:本文全体のチェックと修正

MISC

 9

書籍等出版物

 10
  • 大島 剛, 青柳寛之, 安村直己, 森田 慎, 坂田浩之, 榮阪順子, 小海宏之, 小辻希世子, 和田野飛鳥, 伏見真里子, 林 響子, 坂野剛崇, 坂中尚哉, 古田直樹 (担当:分担執筆, 範囲:第5章 人格検査――パーソナリティの多角的なアセスメントに役立つツール)
    ミネルヴァ書房 2023年9月 (ISBN: 9784623087150)
    本書は,公認心理師カリキュラムにおける必修科目「心理的アセスメント」での学習内容に対応して,心理的アセスメントの目的とその手法について概観し,様々な領域におけるアセスメントの実際と,臨床現場で留意すべき点を豊富な事例から学ぶことを目指したものである。筆者が担当した「人格検査」の章では,まず人格のアセスメントをする上で踏まえておくべき潮流について述べた。次に,人格検査の2大法である質問紙法と投映法の特徴と限界について述べ,代表的な人格検査について紹介した。最後に,要支援者の心の健康の保持増進に寄与する人格検査を用いたアセスメントを例示した。
  • 編者, 伊藤良子, 角野善宏, 大山康宏, 分担執筆, 伊藤良子, 石谷真一, 坂田浩之 (担当:分担執筆)
    創元社 2009年3月
    心理臨床学の発展期に京都大学を中心に学んだ心理臨床家を編者として,この実践学問領域を探求しつづけてきた京都大学の知の集積を,複雑多様化する現代社会を見据えつつ,世に問おうとの意図で編集された「京大心理臨床シリーズ」の第7巻であるこの書物は,「発達障害」と心理臨床に関する論文集である。 担当部分:「「発達障害」とされる子どもとの心理臨床に関する事例研究-「自閉症」と診断された男子との10年間の遊戯療法の経過概要を対象として-」(単著) 本稿では,発達の遅れがあるとされ,後に「自閉症」と診断された男子との間で10年間にわたって行われた遊戯療法の経過概要を対象として,事例研究を行った。それを踏まえ,「発達障害」とされる子どもは,はじめは心,身体,物,治療構造といった器や枠の中にいれておけず,外に出したがる傾向があるが,次第に内に入れることができるようになり,さらに中にこもることができるよう
  • 編者, 皆藤章, 分担執筆, 皆藤章, 北口雄一, 坂田浩之 (担当:分担執筆)
    ミネルヴァ書房 2007年4月
    本書は,人間であれば誰しも体験する悩みや苦しみに対して,人間のこころに関わる「心理臨床」という専門領域がいかに関わろうとするのかについて語ったものである。生きることが大変な現代において,悩みや苦しみを抱えて生きる人にたいして,心理臨床家に求められている援助がどのようなもので,また,心理療法や心理査定を行うために必要な考え方や知識,スキル,態度がどのようなものかを「関係性」と「主観性」をキーワードにまとめている。 担当部分:第6章「心理臨床の具体(2):ロールシャッハ法」(単著) 筆者は,ロールシャッハ法の歴史と理論・哲学,実際,適用と課題,およびロールシャッハ法と心理療法について論じた。
  • 編者, 岡田康伸, 河合俊雄, 桑原知子, 分担執筆, 岡田康伸, 河合俊雄, 坂田浩之 (担当:共著)
    創元社 2007年3月
    心理臨床学の発展期に京都大学を中心に学んだ心理臨床家を編者として,この実践学問領域を探求しつづけてきた京都大学の知の集積を,複雑多様化する現代社会を見据えつつ,世に問おうとの意図で編集された「京大心理臨床シリーズ」の第5巻であるこの書物は,心理臨床における個と集団に関する論文集である。 筆者は,個人心理療法と集団心理療法を同一の心理臨床家が担当するというユニークな構造で,不登校の中学生の心理的成長のサポートが行われている通所施設でのスタッフとしての経験を踏まえ,同施設で共に実践を行ってきた者とともに,個人心理療法と集団心理療法を統合することによって実現される心理療法的機能と,そこでの心理臨床家の役割について論じた。 総頁514 担当部分:「個人心理療法と集団心理療法の統合を目指して」(共著)
  • 監訳者, 角田豊, 共訳者, 角田豊, 葛西真記子, 坂田浩之, 森田慎, 竹田伸子, 大谷真弓, 青柳寛之, 伊藤俊樹, 安村直己 (担当:共訳, 範囲:第4章「技法の10原則」)
    金剛出版 2006年7月
    本書は,Kohut,Stolorowにつづく自己心理学派の中心的な分析家である3名の著者が,幼少期に性的虐待を受けた女性と10年近く精神分析作業を行った自験例でのやりとりを記した詳細な逐語記録と,そこでの分析家の内的思考と後からの振り返りを提示し,さらにそのプロセスに対して,動機づけシステム理論と10の技法原則を軸にした理論的検討を行い,自己心理学にもとづく臨床実践と臨床技法を明らかにした指導書である。坂田が訳出したのは,分析者(心理臨床家)が,マニュアルに機械的に縛られず,自発性や創造性を活かして患者(クライエント)との相互作用に関与できるような,用いる者にやさしい10の技法を提示した章である。

講演・口頭発表等

 135
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第87回大会 2023年9月17日 日本心理学会
    科学知識で説明できないことが不思議現象の定義となっている以上,不思議の概念は,科学の概念と対立すると想定される。このことに関して,川上他(2010)は,APPleと科学観・自然観尺度(川上他,2009)を用いて両者の関連について検討している。その結果,「占い・呪術嗜好性」と「癒やす自然」,「スピリチュアリティ信奉」と「脅威を与える科学」「癒やす自然」「保護を求める自然」の間に正の関連,「懐疑」と「保護を求める自然」,「霊体験」と「人智を超えた自然」の間に負の関連が認められている。本研究では,APPleⅡを用いて,また約10年を経た現代の大学生のデータを用いて,あらためて不思議現象に対する態度と科学観・自然観との関連を検討することを目的とした。大学生104名を対象に質問紙調査を実施した。分析の結果,「占い・呪術嗜好性」は,「癒す自然」との間に正の関連が認められた。また,「スピリチュアリティ信奉」は,「保護を求める自然」との間に正の関連が認められた。一方,「恐怖」は科学観・自然観尺度のどの下位尺度とも関連が認められなかった。さらに,「全面的な否定」は,科学観・自然観尺度のどの下位尺度とも関連が認められなかった。一方,「現状認識に基づく否定」と「知的好奇心」は,「未来を築く科学」との間に正の関連が認められた。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本パーソナリティ心理学会第32回大会 2023年9月10日 日本パーソナリティ心理学会
    本研究では,大学での学びに関する満足度,大学での交友関係に対する満足度,大学へのコミットメント,大学生活における不安感を測定できる「大学生活充実度尺度」(佐久田他,2023;以下,SoULS-12)を用いてコロナ禍以前から蓄積されてきた単一大学の縦断的調査データを年度ごとに分析し,コロナ禍が大学生活充実度に与えた影響について検討した。 その結果,年度間の差については,2020年度より2022年度の方が学生の不安が少ないという結果のみ認められ,COVID-19の感染拡大が始まった2020年度よりも,大学で感染状況に対応した対策がとられるようになった2022年度の方が,学生も今後の学生生活を思い描きやすくなり,不安が高まりにくかったことが示唆された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第64回大会 2023年9月7日 日本社会心理学会
    本研究では,小城ほか(2022)がAPPleを改訂,不思議現象に対する懐疑的側面を細分化したAPPleⅡと,二分法的思考・特権意識・批判的思考態度との関連について,小城ほか(2022;2021)にさらにデータ数を追加した結果を報告した。大学生576名が参加した質問紙調査を分析した結果,不思議現象に対して懐疑的な「全面的な否定」「現状認識に基づく否定」はいずれも二分法的思考の3下位尺度すべてとの間に正の関連が認められた。一方,不思議現象に対して信奉的な「占い・呪術嗜好性」「スピリチュアリティ信奉」「恐怖」はいずれも「二分法的信念」と,「スピリチュアリティ信奉」「恐怖」は「心理的特権意識」と,「占い・呪術嗜好性」と「恐怖」は「過敏型特権意識」とそれぞれ関連が認められた。「知的好奇心」は,「全面的な否定」「現状認識に基づく否定」と同様,「損得思考」との関連が認められたが,「二分法への選好」「二分法的信念」との関連は認められない点が異なっていた。また,「誇大型特権意識」との相関が認められる点で「全面的な否定」と,「批判的思考態度」との相関が認められる点で,「現状認識に基づく否定」と類似していた。
  • 坂田浩之
    日本メンタライゼーション研究会第2回学術集会 2023年2月11日 日本メンタライゼーション研究会
    本研究では,自己愛パーソナリティにおけるメンタライジング能力の特徴について,実際のメンタライジング能力およびその自己認知の観点から検討することを目的とした。メンタライゼーション質問紙(山口,2016),アジア版Reading-the-Mind-in-the-Eyes Test(Adams et al., 2010),NPI-S(清水ら,2006)を用いた質問紙調査に日本人大学生689名が参加した。分析の結果,他者に対するメンタライジング能力が実際には低いにもかかわらず高いと自己認知している者は,NPD傾向が高いことが示唆された。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本社会心理学会 2022年9月14日 日本社会心理学会
    本研究では,APPle(小城他,2008)を改訂して開発されたAPPle II(小城他,2022)を用いて,改めて不思議現象に対する態度と,制御欲求,LOCと関連について,大学生1,178名が参加した質問紙調査のデータ(制御欲求に関わる分析には252名,LOCに関わる分析には352名のデータ)を用いて検討が行われた。その結果,APPleの下位尺度と制御欲求との相関関係と方向的には整合的であるものの,相関の現れ方としては,やや異なるものであった。LOCについても,APPleの下位尺度とLOCとの相関を検討した小城他(2008)と整合的であるが,関連性が弱いことが示された。

担当経験のある科目(授業)

 20

共同研究・競争的資金等の研究課題

 2

社会貢献活動

 1

その他

 1

教育方法の実践例

 23
  • 件名
    アニメーション作品の活用
    年月日(From)
    2000/04
    概要
    講義内容と関連したアニメーション作品(ビデオ・DVD・Blu-ray)を使用することで,抽象的になりやすい心理学の理論やモデルを,学生の具体的な体験と結びつけることができる,心理臨床家の訓練における事例研究と同じように登場人物の心の動きに共感的に寄り添う体験をすることで,人間の心の動きについての理解を体験的に深めることができるなどの利点がある。
  • 件名
    (Web)ミニッツペーパーの活用
    年月日(From)
    2000/04
    概要
    毎回授業の終わりの5分から10分を利用して,その回の授業に対する感想・コメント・質問を書かせ,回収して検討することで,①学生の授業内容に対する理解度を知ることができる,②そして,理解の不十分な内容に関しては,次回授業で質問に応える形で,より分かりやすい説明を用いて伝えることができる,③内容だけでなく,授業の方法(資料の見やすさなど)や教室の環境(教室の温度や私語)についての情報を得ることができるなどの利点がある。2018年度からは,LMS(manaba)を使ってWeb上にミニッツペーパーの書き込みが行えるようにし,学生が落ち着いて考えて書けるように工夫した。
  • 件名
    心理検査(心理調査法)を用いた自己理解の促進
    年月日(From)
    2001/04
    概要
    20答法,二面性尺度、ユング心理学的タイプ尺度20答法やSD法,二面性尺度(TSPS),ライフラインなどを授業内で学生に実施し,その結果を各自個別に分析させることで,自己概念を把握するための方法を体験的に知ることができると同時に,自分自身の自己概念や自己像をあらためて体験的に考察することが可能になるという利点がある。
  • 件名
    レポート採点チェックリストを用いたレポート評価
    年月日(From)
    2001/09
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    複数教員が担当する実習授業において,レポートを採点・添削する際に,全教員が共通のチェックリストを用いて,採点・添削を繰り返すことで,担当教員が学生達に要求しているレポートの形式・内容や評価基準を明確に伝えることができると同時に,学生達の目標やそれへの到達度を明確にすることができるという利点がある。後のルーブリックを用いたレポート評価の前身となる工夫であった。
  • 件名
    心理学研究法の体験学習
    年月日(From)
    2001/09
    概要
    学生に実際に実験や調査を参加者として体験してもらうと共に,得られたデータの処理・解釈を体験させた。加えて,調査に関しては実際に質問紙を作成させ,調査者として質問紙を配布,回収も体験させた。これにより,①講義では既存の知識として受け身的に取り入れるしかない心理学の先行研究の知見を,自らの経験や生のデータを通じて実感できるしたり,批判的に検討したりすることができる,②心理学を研究する際の手法を一度は実際に経験しておくことで,以後自分が心理学研究を計画,実践するときに,この体験を雛形として活用・応用することができる,などの利点がある。
  • 件名
    心理検査の体験学習
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    P-Fスタディ,鈴木ビネー式知能検査,WISC,バウム・テスト,風景構成法,ロールシャッハ・テストといった心理検査(人格検査)を学生に被検者として実際に体験してもらった。また,自分の検査結果の分析・解釈も体験してもらった。これにより,①心理検査を自分で体験することによって,それぞれの心理検査がどのような特徴を持ち,人格や知能のどの範囲や深さまで明らかにすることができるのかという点について実感したり,批判的に検討したりすることを可能にする,②自分のテスト体験が,他の人の検査データをより細やかに,共感的に理解することを可能にする,③被検者が検査状況で体験する諸々の感情を身をもって知ることで,自分が検査者として心理検査を実施したり,結果をフィードバックしたりするときに相手に何を配慮すべきか充分に理解できる,などの利点がある。
  • 件名
    心理療法の体験学習
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    リラクセーション・ワークやブラインド・ウォークなど,非言語的な,視覚以外からの情報によって相手の心の動きを感じ取る基礎トレーニングや,交互にセラピスト役,クライエント役になっての種々のロールプレイ,スクイグルや粘土,箱庭,あるいはグループでの箱庭,フィンガーペインティング,サイコドラマなど心理療法の技法を学生に実際に体験してもらい,そこでの体験をふりかえって言語化してもらった。これにより,①心理療法(援助的対人関係)の場でセラピスト・援助者に求められる感受性や態度を身をもって理解してもらうことができる,②心理療法の場(援助的対人関係)でのクライエント・患者の立場に試みに立ってみることで,援助を求めている人を共感的に理解する手がかりとすることができる,③心理療法のプロセスにおいて治癒の原動力となる心の働きや関係性の場を実感することができる,④心理療法の技法の特性を体験的に理解できる,⑤自己
    の拡大・深化と統合が促進されるなどの利点がある。
  • 件名
    心理療法の事例報告の利用
    年月日(From)
    2002/10
    概要
    市販の書籍に掲載された比較的詳細な心理療法の事例報告(大学院の授業では,学術雑誌に掲載された事例報告も使用した)を受講生全員で読み,その内容についてディスカッションしてもらった後,講師が自らの心理臨床の経験を踏まえながら解説したり,受講生の問いや気づきを深めたりした。これにより,①心理療法のプロセスで生じることとや,そこでのセラピストやクライエントの思考・感情・行動を理論的にではなく,具体的に知ることができ,②セラピストやクライエントの身になって自分だったらどうするかを考えることで,実践的な知恵を身につけることができる,③講師のコメントによって,心理臨床家の事象の捉え方を具体的に伝えることができる,などの利点がある。
  • 件名
    学生による心理療法ロールプレイの実施と それを撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    学生がセラピスト役,クライエント役となってカウンセリングとプレイセラピーのロールプレイを行ってもらい,その様子を動画撮影し,そのビデオを見ながらロールプレイの最中に何が起こっていたのかを,実際にロールプレイを行った学生に感想を言ってもらったり,それ以外の学生の感想やコメントを聞いたりしたり,教員がコメントしたりして,ディスカッションを行う。これにより,①ロールプレイでセラピスト役をした学生が自分が意識していなかった自分の特徴や癖(特に視線・姿勢・しぐさ・声の音調などの非言語的な)に気がつくことがある,②録画なので,必要に応じてある場面を何度も巻き戻して繰り返し見ることができるし,その場面を見ながら,即時的にそこで何が起こっているかの解説を加えることも可能である等の利点がある。
  • 件名
    学外の病院・福祉施設等の見学
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    学外の病院(精神科)・福祉施設等を訪れ,医療や福祉の現場を実際に学生自身の目で見るとともに,その施設の臨床心理士等のスタッフから心理臨床の実際についての説明を受けたり,スタッフと利用者・患者との関わりを見ながら,あるいは実際にプログラムに参加して利用者・患者と関わったりすることによって援助者としてあるべき態度を学んでもらう。このことにより,①患者・障害者,あるいは心理臨床や心理的援助のイメージを現実的で適切なものに修正することができ,②その現実的で適切な心理利臨床のイメージにもとづいて後の学習・実習を進めていくことにより,態度・スキルの習得を実際に役立つものに方向付けることができる等の利点がある。
  • 件名
    模擬面接を撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    実際に心理臨床に携わっている心理臨床家がカウンセラーや検査者となって心理療法・心理検査を模擬的に行った場面を撮影した市販あるいはWEB上の動画を,受講生と一緒に見,その後,感想を言ってもらい,またその感想に対してコメントするという授業を行った。これにより,①まだ実際の心理療法を実践していない受講生に,より現実的な心理療法の場面のイメージを持って
    もらうことができる,②録画なので,大切な場面を何度も巻き戻して繰り返し見ることができ,またその場面を見ながら,即時的にそこで何が起こっているかの解説を加えることも可能である,といった利点がある。
  • 件名
    KJ法を用いたグループワーク
    年月日(From)
    2015/04
    概要
    受講生相互でインタビューを行い,その録音データを文字起こしさせ,さらにその文字化された語りに関する定性的コードを付箋に書かせた後,その付箋を持ち寄ってグループでKJ法を行い,語りに潜む心理学的事実を明らかにする。2021年度〜はオンライン・ホワイトボード(Jambord)を用いたKJ法も導入している。
  • 件名
    学生による心理検査ロールプレイの実施とそれを撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    受講生が検査者役,被検児役となって心理検査(新版K式発達検査,WISC)のロールプレイを行ってもらい,その様子をビデオに撮影し,そのビデオ映像(必要に応じて教員がビデオ映像を編集した)を見ながら,心理検査の実施法について教員がコメントした。これにより,①検査者役をした受講生が自分が意識していなかった自分の特徴や癖(特に視線・姿勢・しぐさ・声の音調・教示の速さなどの非言語的な)に気がつくことができる,②検査場面で決められた一定の手順で検査を行えているか確認できる等の利点がある。
  • 件名
    発達検査モニターの活用
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    臨床心理士・公認心理師養成大学院の実習において実践してきた。大学院附属カウンセリングセンターから一般に広報して募集し,協力に同意してくれたモニター家庭の子どもに,学生(相談研修員)が,発達検査(新版K式発達検査,WISC等)をカウンセリングセンターで実施し,検査結果を分析して,後日フィードバックする。また,保護者面接の間は別の学生(相談研修員)が,被検児や一緒に来たその同胞とカウンセリングセンターのプレイルームで関わりながら観察(関与観察)する。担当者の調整,検査結果の分析や,フィードバック原稿の作成などのマネージメントを教員が行う。これにより,①学習・訓練として実施経験を積むことが難しい,しかしながら現場では実施を求められることの多い,発達検査とそのフィードバックの実施経験を積ませることができる,②関与観察を行わせることで,ロールプレイとは違い実際の子どもと関わってプレイセラピーの実習をすることができる等の利点がある。
  • 件名
    試行カウンセリングの活用
    年月日(From)
    2008/04
    概要
    臨床心理士・公認心理師養成大学院の実習において実践してきた。同大学生に主旨を説明して募集し,協力に同意してくれた学生をクライエント役になってもらい,実際に専攻附属カウンセリングセンターに来談してもらい,受講生がセラピストとして試行カウンセリングを行った(日程や組み合わせの調整など実施のためのマネージメントを教員が行う)。その後,受講生には面接
    記録と考察を提出してもらい,試行カウンセリングを素材とする事例検討会を授業内で行う。また,クライエント役の学生には,感想・印象を用紙に記入して提出してもらい,受講生にフィードバックする。これにより,①ロールプレイよりさらに実際の心理臨床に近い体験を受講生にさせることができる,②クライエント役をする学生にとっても,カウンセリングがどのようなものなのかを体験的に理解できる機会となる等の利点がある。
  • 件名
    所属学科への帰属感を高める教育プログラムの実施
    年月日(From)
    2008/12
    概要
    1年生に所属学科(心理学科)への帰属感を高めるために,学科の3・4回生および卒業生にインタビューを行い,「心理学を学んでよかったこと」,「1回生へのメッセージ」などの質問に答えてもらった様子や,ゼミ風景をビデオ撮影し,それを編集した映像を流すとともに,ゲストスピーカーとして授業に参加し,鼎談の形で,自らの心理学との出会いや心理学の学びについて話した。これにより,①心理学及び所属学科教員を身近に感じてもらえる,②自らの学びの見通しと将来像を明確にすることができる,などの利点がある。さらに,所属大学への帰属感を高めるために,全学科対象科目において,同様の構成の授業も行った。
  • 件名
    心理学実験動画の活用
    年月日(From)
    2017/09
    概要
    You Tube等にアップロードされているStill Face実験,Strage Situation法などの動画を提示する。これにより,口頭による説明や図示では十分に伝わらない,実際の手続きや参加者(特に乳幼児)の反応を鮮明に理解できる等の利点がある。
  • 件名
    LMS(manaba)の積極的活用
    年月日(From)
    2015/04
    概要
    LMS(manaba)を活用し,出席者・遅刻者のチェック,授業資料の配布,課題・ミニッツペーパーの提示と回収,小テストの実施,授業改善のためのアンケート等を行ってきた。手書きで書かせる課題,プレゼンさせる課題に関しては,写真・動画に撮り,それを提出させることもしてきた。また,小テストにはGoogleフォームも併用してきた。これにより,①プリント等の配布・回収時間を短縮し,その分学習時間を充実させることができる,②予習・復習を効果的に行うことができる,③提出した課題をWEBポートフォリオとして整理することができる,④出欠や課題提出の確認ミスを減らすことができる,⑤文字の大きさや美しさによる課題評価のばらつきを減らすことができる,などの利点がある。
  • 件名
    ルーブリックを用いたレポート評価
    年月日(From)
    2011/04
    概要
    (特に複数教員が担当する)授業において,レポートを評価する際に,ルーブリックを用いてきた。これにより,①担当教員間,あるいは個人内での評価のバラツキを減らすことができる,②ルーブリックを学生に共有することで,レポート課題の,そして授業の到達目標を明示することができる等の利点がある。
  • 件名
    メモアプリ(Evernote)の活用
    年月日(From)
    2016/10
    概要
    授業資料を提示する際に,パワーポイント等のプレゼンテーション・ソフトではなく,メモアプリ(Evernote)を使用してきた。これにより,①教室のスクリーンの大きさに合わせて,ピンチ操作で容易に提示資料の文字サイズを見やすい大きさにすることができる,②画面をスイッチさせるのではなく,スライドさせるので,ノートが終わっていない学生に見せながら,次の内容に進むことができる,③ページの切れ目がないので,WordやLMS上にコピーするときに容易である,④管理が容易である等の利点がある。

作成した教科書

 2
  • 件名
    「はじめての心理学」(氏原寛・松島恭子・千原雅代編,創元社)第6章「それでも私は私である(人格)」執筆
    年月日(From)
    2000/03
    概要
    はじめて心理学を学ぶ人のための教科書として用いることのできる本として作られたものだが,内容的には心理学の主要分野に関する各テーマについての小論集といった内容で,一般の人向けの心理学の入門書である。著者は,「それでも私は私である」と題された人格の章を執筆し,「《私》とは何か」という問いを深めつつ,自己意識や個性,人格の恒常性と可塑性などのテーマについて,人格心理学の基本的な理論を踏まえながら論じた。
  • 件名
    「よくわかる心理臨床」(皆藤章編,ミネルヴァ書房)第6章「心理臨床の具体(2):ロールシャッハ法」執筆
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    本書は,大学生・大学院生向けの臨床心理学の教科書として用いることのできる本として作られたものだが,人間であれば誰しも体験する悩みや苦しみに対して,人間のこころに関わる「心理臨床」という専門領域がいかに関わろうとするのかについて語ったものである。生きることが大変な現代において,悩みや苦しみを抱えて生きる人にたいして,心理臨床家に求められている援助がどのようなもので,また,心理療法や心理査定を行うために必要な考え方や知識,スキル,態度がどのようなものかを「関係性」と「主観性」をキーワードにまとめている。

実務経験を有する者についての特記事項(教育上の能力)

 11
  • 件名
    第12回心の相談コロキアム樟蔭心理臨床カンファレンス『発達障害への理解と支援』講師
    年月日(From)
    2013/02/02
    年月日(To)
    2013/02/02
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻附属カウンセリングセンター主催の第12回心の相談コロキアム樟蔭心理臨床カンファレンス『発達障害への理解と支援』にて、コース③発達検査を通して見た発達障害の講師を務めた。学外の専門家による新版発達検査2001の事例検討を行い、助言・指導した。
  • 件名
    広島大学大学院 教育学研究科附属心理臨床教育研究センター集中セミナー講師
    年月日(From)
    2008/08
    年月日(To)
    2012/03
    概要
    広島大学大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター客員教授として、年2回3日間ずつ行われる集中セミナーの講師を務め、プレイセラピー等の文献講読を行うとともに事例検討会で助言・指導した。
  • 件名
    大阪市こども相談センターメンタルフレンド事前研修会 講師
    年月日(From)
    2009/05
    年月日(To)
    2019/05
    概要
    毎年5月頃に行われる大阪市こども相談センター(児童相談所)が不登校の子どもの支援のために家庭に派遣しているボランティア「メンタルフレンド」を対象とした事前研修会において,不登校の子どもの支援において必要な知識や心構えについて講義した。
  • 件名
    大阪府立富田林支援学校夏季研修会講師
    年月日(From)
    2013/08
    年月日(To)
    2014/08
    概要
    大阪府立富田林支援学校夏季研修会にて講師を務め、新版K式発達検査と子どもの発達理解に関する講義と事例検討を行った。
  • 件名
    臨床心理士実習指導
    年月日(From)
    2010
    概要
    大阪市児童通所ルーム・パル、大阪市中央通所ルームAにて、京都大学大学院、梅花女子大学大学院、神戸女学院大学大学院の臨床心理士養成のための実習を受け入れ、指導してきた。
  • 件名
    公認心理師心理実践実習実習指導者
    年月日(From)
    2020/04
    概要
    大阪市中央通所ルームAにて、神戸女学院大学大学院の公認心理師「心理実践実習」の実習指導者を務めてきた。
  • 件名
    奈良県スクールカウンセリングカウンセラー
    年月日(From)
    2012/04/01
    概要
    奈良県立教育研究所のケース検討会で助言・指導したり、学校で教員研修会の講師を務めたりしてきた。
  • 件名
    スーパーヴァイザー
    年月日(From)
    2005/08
    概要
    臨床心理士を目指す大学院生、スクールカウンセラー、児童福祉施設臨床心理士、精神科クリニック臨床心理士(公認心理師)等30名以上に対するスーパーヴィジョンを行ってきた。
  • 件名
    第4回心理臨床リカレント講座事例検討会コメンテーター
    年月日(From)
    2013/11/23
    年月日(To)
    2013/11/23
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において、事例検討会のコメンテーターを務めた。
  • 件名
    第9回心理臨床リカレント講座事例検討会コメンテーター
    年月日(From)
    2018/11/23
    年月日(To)
    2018/11/23
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において、事例検討会のコメンテーターを務めた。
  • 件名
    甲南大学心理臨床学会第19回大会分科会指定討論者
    年月日(From)
    2016/07/03
    年月日(To)
    2016/07/03
    概要
    甲南大学大学院を修了した心理臨床家を対象とする研修会である甲南大学心理臨床学会の第19回大会の分科会(事例検討会)において指定討論者を務め,事例の理解と対応についてコメントした。

その他(教育上の能力)

 18
  • 件名
    (実習指導実績)樟蔭女子短期大学人間関係科「人間科学基礎実習」担当
    年月日(From)
    2000/04
    年月日(To)
    2001/03
    概要
    「人間科学基礎実習」は1・2年生対象の選択科目で,2単位(2時間×30回)の通年科目である。1グループ約10名で,4回を1区切りとしてのべ約80名の学生を指導した。実習内容は,新入学生の学科への所属意識を高めると共に,臨床心理学の実践と研究において基礎となる,それぞれの人の個性的な自己表現と相互の関係性を尊重する態度を身につけるために,メンバー間の相互交流を活性化するグループワークを行ったり,お互いの興味・関心について発表し合ったりした。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学教育改革促進支援費助成事業「EvernoteとDropboxを使ったシームレスなティームティーチングの実現」
    年月日(From)
    2018/04
    年月日(To)
    2019/03
    概要
    ティームティーチングを行う教員がEvernoteとDropbox の有料プランを使い,これらを大阪樟蔭女子大学で使われているLMS(manaba)と組み合わせて,最大限活用することで,授業運営に関わる作業の効率化と教員間の密な連携・協働を実現する方法の開発を行った。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学 自己点検・評価委員会 委員
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大学の教育,機能,経営を改善し,より魅力ある樟蔭女子大学を創っていくことを目指して,いかに大学の自己点検・評価を行っていくかについて検討している。手始めとして,「大阪樟蔭女子大学教育・研究者総覧」を編集し,大阪樟蔭女子大学の専任教員のそれぞれの研究テーマや業績,教育・研究方針について公表し,教員相互,あるいは教員と学生の相互理解の促進を図った。その後,大学の自己点検・評価のあり方について研究・検討し,自己点検・評価項目を作成した。また,平成14年7月と平成15年1月に自己点検・評価シンポジウムを開催し,自己点検・評価作業と大学改革に向けて,現状における課題と今後目指すべき方向性について大学教職員の意見を集めた。その後,学内の各部署からの自己点検・評価報告を取りまとめ,「大阪樟蔭女子大学自己点検評価報告書1998~2002学内用」の編集作業に取り組み,平成16年11月に発行した。また平成17年に改めて「大阪樟蔭女子大学教育・研究者総覧」を編集した。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科)「心理学実験基礎実習B」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2004/03
    概要
    「心理学実験基礎実習B」は1年生対象の必修科目で,1単位(4時間×7回)の半期科目である。各グループ約15名の10グループの学生に対して,1回完結で,「要求水準」をテーマとした実習を行った。内容としては,講師が実験者となり学生に被検者として実験を実際に体験させ,その上で得られたデータに関して処理法や整理法を指導しながら分析・考察させ,心理学研究のプロセスを体験的に学ばせた。また,心理学の学術雑誌に準じた形式で,レポートを作成させ,添削指導を行って,心理学のレポート・論文の書き方を学ばせた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学心理学部(平成21年3月まで人間科学部心理学科)「心理学実験基礎実習B」「心理検査基礎実習(平成17年3月まで「人格検査法基礎実習」)」「臨床心理査定実習(平成16年3月まで「人格検査法実習」)」「心理療法実習」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2013/03
    概要
     「心理検査基礎実習」は2年生対象の必修科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約40名の学生に対して,投映法と知能検査・発達検査をテーマとした実習を行った。内容としては,実際に人格検査を実習生に被検者として体験してもらい,その上で個々の検査のメカニズム,成立のプロセスや背後にある人格理論,結果の分析法を講義して,実習生に自分の検査結果を分析してもらった。そうして,実体験をふまえて個々の検査の長所と問題点について考察してもらった。
     「人格検査法実習」は3年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約30~80名の学生に対して,投映法をテーマとした実習を行った。内容としては,筆者は主にロールシャッハ・テストの実習を担当し,実習生にロールシャッハ・テストを被検者として体験してもらった上でロールシャッハテストの特性と解釈理論を説明し,反応の記号化を学習してもらう。その後,実習生同士で検査者・被検者を交互に体験してもらい,自分が検査者として実施したロールシャッハ・テストのプロトコルを継起分析してもらった。受講生の人数が少ない場合には,描画法(バウムテスト・風景構成法),TATの実習にも関わった。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学短期大学部人間関係科「心理学研究法実習」「カウンセリング実習」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2003/03
    概要
     「心理学研究法実習」は1・2年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約10名の学生に対して,実験法,質問紙調査法,人格検査法,投映法をテーマとした実習を行った。内容は,実習生に被験者(被検者)として実際の実験や検査を体験してもらった上で,それぞれの心理学研究法の基本的な原理と長所・短所,統計の知識を説明して,自分達のデータを分析させた。調査法の実習では,実際に実習生に項目を考えさせて,質問紙を作成させた。
     「カウンセリング実習」は2年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約60名の学生に対して,カウンセリング,プレイセラピー,イメージ療法,絵画療法,箱庭療法をテーマとして,カウンセリング・心理療法を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるカウンセラーとクライエントの間の信頼関係(ラポール)の重要性を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。内容は,ペアや少人数のグループを作り,様々な形態のカウンセリング・心理療法を体験してもらい,また同じ課題でペアを変えてみることで,自分の態度や表現,安心感などがどう変わるかを振り返りってもらった。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学FD・SD活動推進委員会委員長
    年月日(From)
    2020/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,FD・SD活動を推進するために委員会を統括し,FD・SD研修を企画,実施,紹介した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学FD・SD活動推進委員会委員
    年月日(From)
    2018/04
    年月日(To)
    2020/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,FD・SD活動を推進するためにFD・SD研修を企画,実施,紹介した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻設置準備分科会メンバー
    年月日(From)
    2002/06
    年月日(To)
    2003/12
    概要
    臨床心理士を養成するための大学院設置と臨床心理士資格認定指定大学院認可を目指して,臨床心理学専攻の設置の目的や養成したい人材,履修モデル,カリキュラム,担当者等の検討を行い,文部科学省に提出する設置認可申請書の原案を作成した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学心理学科学科の履修モデルの再確認および見直しをするためのワーキング・グループメンバー
    年月日(From)
    2002/12
    概要
    学部・学科開設から1年8ヶ月を経過して,開設時に立てた履修モデルやカリキュラムが,学科が育てたいと考える人材や教育目標と適合しているかどうか,また実際の教育現場の実情にふさわしいかどうかの点検・評価を行い,今後カリキュラムを改善する上での基礎作業を行っ
    た。主に臨床心理学関係の履修モデル・カリキュラムを担当し,自ら意見を出すと共に,他のメンバーとともに,学科の教員の意見をとりまとめ,改善した履修モデルを作成した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学学内評価委員会委員
    年月日(From)
    2003/03
    概要
    学内の各部署からの自己点検・評価報告を取りまとめ,自己点検・評価委員会で編集した自己点検・評価報告書原稿にもとづき,1998~2002年までの大阪樟蔭女子大学および短期大学の現状と課題,課題に対する今後の対策について討議した。
  • 件名
    (実習指導実績)京都第二赤十字看護専門学校「ふれあい合宿」
    年月日(From)
    2004/03
    概要
    「ふれあい合宿」は2年生対象の必修科目で,教育学習の一環として行われる教育キャンプ(2泊3日20時間)である。約35名の学生に対して,体験を通じて,看護師として対人援助に携わる上で必要な人間理解と共感性を深めてもらうために,ブラインドウォーク,フィンガーペインティング,粘土,仮面のワーク等の集団療法で用いられる技法を用いたグループワークを行った。
  • 件名
    (学位論文指導実績)大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科「研究演習」担当
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    母子の関係性・情動調律・情緒応答性,スーパーヴィジョン,関係性と描画表現の関係,発達障害児に対する態度,思春期・青年期における自傷行為といったテーマで,関連した文献を読み,テーマ設定・研究計画・データの分析・論文の執筆を指導してきた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻准教授(平成19年3月まで専任講師)「臨床心理基礎実習」「臨床心理査定演習」担当
    年月日(From)
    2004/04
    概要
     「臨床心理基礎実習」は修士1年生対象の必修科目で,2単位(3時間×30回)の通年科目である。臨床心理士(心理臨床家)として必要な基礎的な態度とスキルを習得させるために,学内外の心理臨床現場の見学,カウンセリング・プレイセラピー・箱庭療法のロールプレイ,ケースカンファレンスへの参加,事例研究,臨床心理面接への陪席,教員によるスーパーヴィジョンを受けながらのカウンセリング・プレイセラピーの実践等の実習を行った。
     「臨床心理査定演習」は修士1・2年生対象の必
    修科目で,4単位(2時間×60回)の2年連続通年科目である。3~16名の大学院生に対して,臨床心理査定(アセスメント)に関する基礎的な文献の購読によって「臨床心理査定(アセスメント)」や「見立て」の概念を理解させるところからはじまり,文献に掲載された資料を用いた心理検査のデータや表現の読み取り方のトレーニング,事例研究論文を用いたクライエントのアセスメントのトレーニング,インテーク・カンファレンスに出席しての臨床心理査定の学習,インテーク面接に陪席してクライエントの臨床心理査定の試行,自らがインテーク面接を行って自分が担当したクライエントの臨床心理査
    定,一般大学生に対するバウムテスト,風景構成法,ロールシャッハ・テストの実施・解釈・検査所見の作成,等の実習を行ってきた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学心理学部「心理療法実習」担当
    年月日(From)
    2008/04
    概要
    「心理療法実習」は3・4年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約30名の学生に対して,箱庭療法をテーマとして,心理療法を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるセラピストとクライエントの間の関係性の重要性と,クライエントの非言語的な表現の受け取り方を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。
  • 件名
    (実習指導実績)広島大学大学院教育学研究科 附属心理臨床教育研究センター「集中セミナー」担当
    年月日(From)
    2008/07
    概要
    「集中セミナー」は心理臨床教育研究センターの相談員(修士課程1年生~博士課程3年生)対象で,単位なしの,3日間×2回の集中実習である。約40名の相談員(大学院生)に対して,遊戯療法を中心とする臨床心理面接(心理療法)に関する基礎的な文献の講読と受講生の経験事例のケースカンファレンスのコメンテーター
    を担当し,相談員の遊戯療法を中心とする臨床心理面接(心理療法)の技量を高めるための実習を行った。
  • 件名
    (実習指導実績)宝塚造形芸術大学造形学部芸 術学科「カウンセリング技法演習(アートセラピー演習)Ⅱ」担当
    年月日(From)
    2009/10
    年月日(To)
    2010/03
    概要
    「カウンセリング技法演習(アートセラピー演習)Ⅱ」は2年生対象の選択科目で,2単位(4時間×15回)の半期科目である。3名の学生に対して,カウンセリング(特にアートセラピー)の技法の基礎を習得させることを目的として,カウンセリング(アートセラピー)を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるカウンセラーとクライエントの間の関係性の重要性と,クライエントの非言語的な表現の受け取り方を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学学士課程基幹教育開発部会員
    年月日(From)
    2010/04
    年月日(To)
    2011/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,従来の教養教育を一新し,新たに学士課程基幹教育について検討し,「アカデミックスキルズ」の開設や,学士課程基幹教育の骨子を構想した。

資格・免許

 2
  • 件名
    公認心理師
    年月日
    2018/02
    概要
    保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援等を行う国家資格である。
  • 件名
    臨床心理士
    年月日
    1998/04/01
    概要
    文部省が認可した財団法人日本臨床心理士資格認定協会が行う資格試験に合格し,同協会が認定する「臨床心理士」の資格を取得した。この資格は,医療,教育,産業,司法,福祉にわたる心理臨床活動の専門家としての資質を問う資格であり,現在の日本においても最も権威と知名度のある心理臨床家の資格である。

実務経験を有する者についての特記事項(職務上の実績)

 1
  • 件名
    (臨床実績)奈良県スクールカウンセリングカウンセラー
    年月日(From)
    2012/04
    概要
    奈良県内の学校で生じた問題行動に関して、当該学校を訪問し、校内ケース会議に参加しての助言、当該児童生徒の行動観察によるアセスメント等のコンサルテーションを行った。

共同研究・受託研究

 5
  • 研究科題名
    不思議現象に対する態度
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    小城英子;川上正浩
    期間(開始)
    2004
  • 研究科題名
    大学生活充実度・大学への帰属感
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    奥田亮;川上正浩;佐久田祐子
    期間(開始)
    2002
  • 研究科題名
    香芝市と東大阪市における不登校・別室登校をする児童・生徒に対する心理的支援 ― 個人心理療法を導入した継続的支援 ―
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    高橋裕子;根本眞弓;奥田亮
    期間(開始)
    2017/04
    期間(終了)
    2018/03
    代表者
    坂田浩之
  • 研究科題名
    異形・異類
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    黒川麻実;川上正浩
    期間(開始)
    2020
  • 研究科題名
    自分に対する“慈しみ”を育む 美容教育プログラムの開発
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    武藤祐子
    期間(開始)
    2016/04
    期間(終了)
    2017/03
    代表者
    武藤祐子