研究者業績

坂田 浩之

サカタ ヒロユキ  (Hiroyuki Sakata)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部心理学科 教授
学位
修士(教育学)(京都大学 大学院)

J-GLOBAL ID
200901045318628191
researchmap会員ID
1000361444

主要な論文

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  • 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    Journal of Health Psychology Research 35(2) 147-154 2023年2月1日  査読有り
    本研究では,大学生活充実度を測定するための,より信頼性,妥当性が高く,コンパクトな尺度を開発することを目的とした。奥田他(2010b)が開発した,「大学へのコミットメント」,「交友満足」,「学業満足」,「不安のなさ」の4下位尺度からなる大学生活充実度尺度(SoULS-21)が再検討された。5つの大学に所属する大学生934名のデータに基づく因子分析の結果,従来と同様の4因子構造,12項目解が採択され,十分な信頼性が得られた。次に尺度の妥当性を検討するため,関連する他尺度との相関係数が吟味され,妥当な相関が認められた。これらの結果は,大学生活充実度を測定する尺度としてのSoULS-12の信頼性と妥当性を支持するものと言える。
  • 小城 英子, 坂田 浩之, 川上 正浩
    社会心理学研究 38(1) 1-8 2022年7月  査読有り
    本研究の目的は、不思議現象に対する態度尺度を改訂し、懐疑的態度の多様な側面を捉え、信奉的態度と懐疑的態度を精緻に測定可能にすることであった。大学生を対象に質問紙調査が行われた。探索的因子分析の結果、「全面的な否定」、「現状認識に基づく否定」、「占い・呪術嗜好性」、「スピリチュアリティ信奉」、「知的好奇心」、「恐怖」の6下位尺度が抽出され、25項目の新尺度はAPPle Ⅱと名づけられた。内的整合性、確認的因子分析、再検査信頼性、基準関連妥当性の観点から、概ね十分な信頼性・妥当性が確認された。「占い・呪術嗜好性」、「スピリチュアリティ信奉」は信奉的態度、「全面的な否定」、「現状認識に基づく否定」は懐疑的態度と位置付けられるが、分析的思考や批判的思考に最も関連する態度は、信奉的態度とも懐疑的態度とも言いうる「知的好奇心」であることが示唆された。
  • 坂田浩之
    パーソナリティ研究 30(2) 101-110 2021年9月16日  査読有り
    本研究は,容姿にこだわる若者に対する理解を深めるために,醜形恐怖心性とメンタライジングとの関連について検討した。大学生689名に対して自己報告式の質問紙とReading the Mind in the Eyes Test (RMET)が実施された。本研究の結果,メンタライジングに関する自己認知は醜形恐怖心性と弱く関連することが示された。そして,メンタライジングに関する自己認知のうち,他者に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と正の関連が,自己に関するメンタライジングは醜形恐怖心性と負の関連が示唆された。しかし,RMETで測定された,外的なものに基づく他者に関する顕在的なメンタライジングの正確さは醜形恐怖心性と関連しないことが示唆された。本研究の知見から,容姿にこだわる若者は,他者に関するメンタライジング能力を高く評価しがちで,自己に関するメンタライジング能力を低く評価しがちである可能性が検討された。
  • 坂田 浩之
    パーソナリティ研究 29(1) 11-13 2020年4月27日  査読有り
    Reading the Mind in the Eyes Test (RMET) は,感情価による刺激写真の分類が行われ,刺激の感情価による精神状態解読能力に関する研究に用いられてきている。本研究の目的は,日本人に適用できるアジア版RMETの各写真を,原版で行われているのと同様,感情価によって分類することであった。日本人大学生女子に対して,アジア版RMETの36枚の写真を提示し,各写真の感情価を評定してもらった。そして,その評定によってアジア版RMETの写真を分類した結果,20枚がネガティブ刺激として,5枚が中立的刺激として,11枚がポジティブ刺激として分類された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    行動科学 58(1) 1-7 2019年9月30日  査読有り招待有り
    不思議現象に対する態度に関する我々の研究は,14年間続いており,合計60の学会発表を行っている。本論文の目的は,共同研究の継続につながる要因を考察し,検討することであった。最初に,不思議現象に対する態度に関する研究の流れの概要を説明した。次に、研究の継続要因を「不思議という研究テーマの多面性・発展性」,「専門の異なる3名の連携」という2つの観点から検討した。その結果,「不思議という研究テーマの多面性・発展性」の観点からは,field drivenな研究テーマであること,価値観に関わる研究テーマであること,「心理学」あるいは「心理学教育」に関わる研究テーマであることが継続要因として見出された。また,「専門の異なる3名の連携」の観点からは,適切なメンバーシップと役割分担がある,強みが活かせる,自分のみではできなかった(知らなかった)ことができるようになることが継続要因として見出された。そして,成果が上がる,連携自体が楽しい,成長できるということが,我々の研究チームの協働を継続できる幸せの要素であると考えられた。
  • 坂田浩之
    心理臨床学研究 36(3) 334-342 2018年8月  査読有り
    醜形恐怖症を有する者は少なくないが,醜形恐怖症に対する認知も研究もいまだ不足している。本研究は,醜形恐怖症の心理学的要因に対する理解を深め,醜形恐怖症に対するより効果的な心理療法への示唆を得ることを目指した研究である。本研究の目的は,醜形恐怖症と対人恐怖心性,自己愛傾向との関連について検討すること,特に過敏型自己愛に注目して醜形恐怖との関連について検討することであった。大学生689名に対して,醜形恐怖心性尺度(大村ら,2015),対人恐怖心性・自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(清水ら,2006)を用いた質問紙調査が実施された。本研究の結果,醜形恐怖は対人恐怖心性,自己愛傾向との間に非常に弱い正の相関が認められた。また,特に女性において,過敏型自己愛者の醜形恐怖が高いことが示唆された。本研究と先行研究の知見から,醜形恐怖症者に対する心理療法に,過敏型自己愛者に対するアプローチを適用する可能性について検討された
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    社会心理学研究 23(3) 246-258 2008年2月  査読有り
    本研究では不思議現象に対して,信奉行動だけでなく,認知や感情も含めた包括的な態度を測定する尺度を作成し,態度構造を分析することを目的として質問紙調査を行った。因子分析の結果,不思議現象に対する態度は「占い・呪術嗜好性」,「スピリチュアリティ信奉」,「娯楽的享受」,「懐疑」,「恐怖」,「霊体験」の6因子構造であることが認められた。他の個人特性との相関関係から,尺度の妥当性が確認された。態度尺度の得点パターンによってクラスタ分析を行ったところ,「一般的信奉層」,「不思議現象信奉層」,「懐疑層」,「娯楽的享受層」の4群が抽出された。<br /> 担当部分:先行研究の検討,調査用紙の作成,調査の実施,調査データの分析,本文全体のチェックと修正

MISC

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書籍等出版物

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  • 大島 剛, 青柳寛之, 安村直己, 森田 慎, 坂田浩之, 榮阪順子, 小海宏之, 小辻希世子, 和田野飛鳥, 伏見真里子, 林 響子, 坂野剛崇, 坂中尚哉, 古田直樹 (担当:分担執筆, 範囲:第5章 人格検査――パーソナリティの多角的なアセスメントに役立つツール)
    ミネルヴァ書房 2023年9月 (ISBN: 9784623087150)
    本書は,公認心理師カリキュラムにおける必修科目「心理的アセスメント」での学習内容に対応して,心理的アセスメントの目的とその手法について概観し,様々な領域におけるアセスメントの実際と,臨床現場で留意すべき点を豊富な事例から学ぶことを目指したものである。筆者が担当した「人格検査」の章では,まず人格のアセスメントをする上で踏まえておくべき潮流について述べた。次に,人格検査の2大法である質問紙法と投映法の特徴と限界について述べ,代表的な人格検査について紹介した。最後に,要支援者の心の健康の保持増進に寄与する人格検査を用いたアセスメントを例示した。
  • 編者, 伊藤良子, 角野善宏, 大山康宏, 分担執筆, 伊藤良子, 石谷真一, 坂田浩之 (担当:分担執筆)
    創元社 2009年3月
    心理臨床学の発展期に京都大学を中心に学んだ心理臨床家を編者として,この実践学問領域を探求しつづけてきた京都大学の知の集積を,複雑多様化する現代社会を見据えつつ,世に問おうとの意図で編集された「京大心理臨床シリーズ」の第7巻であるこの書物は,「発達障害」と心理臨床に関する論文集である。 担当部分:「「発達障害」とされる子どもとの心理臨床に関する事例研究-「自閉症」と診断された男子との10年間の遊戯療法の経過概要を対象として-」(単著) 本稿では,発達の遅れがあるとされ,後に「自閉症」と診断された男子との間で10年間にわたって行われた遊戯療法の経過概要を対象として,事例研究を行った。それを踏まえ,「発達障害」とされる子どもは,はじめは心,身体,物,治療構造といった器や枠の中にいれておけず,外に出したがる傾向があるが,次第に内に入れることができるようになり,さらに中にこもることができるよう
  • 編者, 皆藤章, 分担執筆, 皆藤章, 北口雄一, 坂田浩之 (担当:分担執筆)
    ミネルヴァ書房 2007年4月
    本書は,人間であれば誰しも体験する悩みや苦しみに対して,人間のこころに関わる「心理臨床」という専門領域がいかに関わろうとするのかについて語ったものである。生きることが大変な現代において,悩みや苦しみを抱えて生きる人にたいして,心理臨床家に求められている援助がどのようなもので,また,心理療法や心理査定を行うために必要な考え方や知識,スキル,態度がどのようなものかを「関係性」と「主観性」をキーワードにまとめている。 担当部分:第6章「心理臨床の具体(2):ロールシャッハ法」(単著) 筆者は,ロールシャッハ法の歴史と理論・哲学,実際,適用と課題,およびロールシャッハ法と心理療法について論じた。
  • 編者, 岡田康伸, 河合俊雄, 桑原知子, 分担執筆, 岡田康伸, 河合俊雄, 坂田浩之 (担当:共著)
    創元社 2007年3月
    心理臨床学の発展期に京都大学を中心に学んだ心理臨床家を編者として,この実践学問領域を探求しつづけてきた京都大学の知の集積を,複雑多様化する現代社会を見据えつつ,世に問おうとの意図で編集された「京大心理臨床シリーズ」の第5巻であるこの書物は,心理臨床における個と集団に関する論文集である。 筆者は,個人心理療法と集団心理療法を同一の心理臨床家が担当するというユニークな構造で,不登校の中学生の心理的成長のサポートが行われている通所施設でのスタッフとしての経験を踏まえ,同施設で共に実践を行ってきた者とともに,個人心理療法と集団心理療法を統合することによって実現される心理療法的機能と,そこでの心理臨床家の役割について論じた。 総頁514 担当部分:「個人心理療法と集団心理療法の統合を目指して」(共著)
  • 監訳者, 角田豊, 共訳者, 角田豊, 葛西真記子, 坂田浩之, 森田慎, 竹田伸子, 大谷真弓, 青柳寛之, 伊藤俊樹, 安村直己 (担当:共訳, 範囲:第4章「技法の10原則」)
    金剛出版 2006年7月
    本書は,Kohut,Stolorowにつづく自己心理学派の中心的な分析家である3名の著者が,幼少期に性的虐待を受けた女性と10年近く精神分析作業を行った自験例でのやりとりを記した詳細な逐語記録と,そこでの分析家の内的思考と後からの振り返りを提示し,さらにそのプロセスに対して,動機づけシステム理論と10の技法原則を軸にした理論的検討を行い,自己心理学にもとづく臨床実践と臨床技法を明らかにした指導書である。坂田が訳出したのは,分析者(心理臨床家)が,マニュアルに機械的に縛られず,自発性や創造性を活かして患者(クライエント)との相互作用に関与できるような,用いる者にやさしい10の技法を提示した章である。

講演・口頭発表等

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  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第57回大会 2016年9月 日本社会心理学会
    筆者らは,批判的思考に基づく懐疑と,盲目的な否定とを分離可能とする新たな不思議現象に対する態度尺度の構成を意図し,特に不思議現象に対する懐疑や否定にまつわる態度を多面的に測定可能な尺度の開発を行った。本研究では,この新たな尺度と批判的思考の能力的側面(批判的思考力)との関連を検討するために,まず批判的思考力を測定するテストの開発をめざす。このため,批判的思考力を測定すると想定される問題に対する正解不正解と,批判的思考にまつわる態度との関連を検討した。その結果,馬課題の正解不正解が,批判的思考やデータに基づく思考に関わる態度尺度と関連することが示され,こうした課題を用いて批判的思考力を測定することが妥当であることが示唆された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第57回大会 2016年9月 日本社会心理学会
    本稿では,坂田・川上・小城(2015)による不思議現象に対する態度尺度(APPle)の改訂版尺度(APPle-Pro)について,妥当性の検証を行った。不思議現象に対する態度尺度,批判的思考態度尺度,データベーストシンキングチェック,クリティカルシンキングチェックとの相関係数を算出した結果,「探究心」と「スピリチュアリティ信奉」「娯楽的享受」との間,「証拠の重視」と「懐疑」との間に相関が見られ,改訂版尺度(APPle-Pro)では,APPleでは測定されていなかった懐疑的側面をきめ細かくとらえることに成功していると考えられた。
  • Sakata, H, Kawakami, M, Koshiro, E
    ICP2016 2016年7月 International Union of Psychological Science
    Sakata et al. (2012) has developed an attitudes toward paranormal phenomena scale. This scale consists of six subscales; Inclination Towards Augury and Magic, Belief in Spirituality, Enjoyment of Paranormal Phenomena, Skepticism of Paranormal Phenomena, Fear of Paranormal Phenomena, and Spiritual Experience and Belief. For a deeper understanding of attitude towards paranormal phenomena, we need to develop a more detailed scale to measure skeptic attitude for paranormal phenomena. The aim of this study is to describe the development of a skeptic attitudes toward paranormal phenomena scale. The responses of 372 university students on a newly developed 85 items for skepticism of paranormal phenomena were factor analyzed. Based on the factor analysis, five factors of the skeptic attitudes towards paranormal phenomena were identified. These were the factors of Skepticism, Criticism to the Believers, Intellectual Curiosity, Denial based on the social reality, and Acceptance of the Utility.
  • Koshiro, E, Sakata, H, Kawakami, M
    ICP2016 2016年7月 International Union of Psychological Science
    Sakata et al. (in preparation) has developed a skeptic attitudes toward paranormal phenomena scale. This scale consists of five subscales. These are Skepticism, Criticism to the Believers, Intellectual Curiosity, Denial Based on the Social Reality, and Acceptance of the Utility. The aim of this study is to classify university students from the viewpoint of skeptic attitude for paranormal phenomena. Using the statistical technique of cluster analysis with these five subscales of skeptic attitudes toward paranormal phenomena, 476 university students were classified into five distinct clusters. These clusters are Believing Group, Curious Group, Unfounded Skeptic Group, Ordinary Group, and Critical Skeptic Group. The results showed that skeptic attitudes toward paranormal phenomena have multiple dimensions, one is a skepticism based on the critical thinking and the other is unfounded skepticism without deep thinking.
  • Y. SAKUTA, A. OKUDA, M. KAWAKAMI, H. SAKATA
    ICP2016 2016年7月 International Union of Psychological Science
    Okuda et al. (2010) has developed a Satisfaction of University Life scale (SoULS-21). This scale consists of four subscales. These four subscales are Commitment to the University Life, Companionship Satisfaction, Study Satisfaction, and Absence of Anxiety. The aim of this study was to test the concurrent validity of SoULS-21 using other scales which measure Subjective Adjustment (Okubo & Aoyagi, 2003) and Passivity (Shimoyama, 1995). The Subjective Adjustment Scale consists of four subscales. These four subscales are Coziness, Feeling of Trust and Reception, Challenges and Objectives, and Absence of Sense of Being Rejected. Passivity was measured in the areas of Study, Class, and Campus. Results of the correlation analysis were generally consistent with expected ones.
  • 坂田浩之
    心理学の 世界パートⅢ 2016年6月18日 大阪樟蔭女子大学学芸学部心理学科
    感情を題材にした物語(アニメーション作品)を素材として,前思春期における心の成長・発達と感情(特に悲しみ)の役割について講演した。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第56回大会 2015年11月1日 日本社会心理学会
    川上他(2015),小城他(2015)では,批判的思考に基づく懐疑と,盲目的な否定とを分離可能とする新たな不思議現象に対する態度尺度の構成を意図し,特に不思議現象に対する懐疑や否定にまつわる態度を多面的に測定可能な尺度の開発をめざした。本研究では,この新たな尺度を用いて,クラスタ分析を行い,尺度改訂の妥当性を検討した。クラスタ分析の結果,最も特徴の明確な5クラスタを採用した。第1クラスタは,批判的思考層,第2クラスタは信奉層,第3クラスタは娯楽的享受層,第4クラスタは否定層,第5クラスタは無関心層と解釈された。
  • 坂田浩之
    ひょうご講座2015 2015年10月22日 (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構
    「手無し娘」は、娘が父親に手を切断されて棄てられる、一見、恐ろしいお話です。驚くべきことに、グリム童話にもよく似た話があります。なぜこのような話が語りつがれてきたのでしょうか?怖いもの見たさ?いや、もっと語り手や聴き手をひきつけるものがあるからではないでしょうか?実はこのお話、思春期を乗り越え、大人になるときの体験を語っていると読めます。一緒に、暗黙のうちに語りつがれてきた悲劇や傷を成長につなげる「魂」の働きに関する知恵を感じてみませんか。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第79回大会 2015年9月24日 日本心理学会
    本研究では川上他(2015)で作成した尺度について,旧尺度APPle SE/30(坂田・川上・小城,2012;2013;川上・小城・坂田,2012;2013)との関連を分析し,その妥当性を検証した。大学生235名を対象とした相関分析の結果,新尺度と旧尺度との相関は概ね妥当であり,新尺度は旧尺度の概念を再現しつつも,旧尺度で課題となっていた「懐疑」の側面をより個別的に特徴づけたことにより,不思議現象に対する態度をさらにきめ細かくとらえることが可能になったと考えられる。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第79回大会 2015年9月24日 日本心理学会
    本研究では,不思議現象に対する態度尺度(APPle,APPle SE/30)を構成する下位尺度において,批判的思考に基づく懐疑と,盲目的な否定とを分離可能とする新たな不思議現象に対する態度尺度の構成を意図し,特に不思議現象に対する懐疑や否定にまつわる態度を多面的に測定可能な尺度の開発を行った。新項目を加え,大学生235名を対象とした調査の結果を因子分析し,最終的に10因子解(73項目)を採用することとした。この10因子は,旧尺度における6つの下位尺度に,社会的現実を根拠とした否定,血液型性格判断に対する批判,事件の頻度を根拠とした否定,前世帰属に対する否定の4つの下位尺度を加えたものになっていると解釈された。
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩
    日本心理学会第79回大会 2015年9月22日 日本心理学会
    本研究では,複数学科に所属する学生を対象に,同大学VTR(大学内の複数学科の先輩が自身の学びについて語るVTR)と,複数学科の教員による対談を組み合わせた全学向け帰属感高揚プログラム(2014年度プログラム)を実施し,その評価について吟味した。2014年度プログラムの評価を検討するため,2013年度との比較を行った結果,2014年度プログラムは2013年度に比べ「教員の対談」に対する評価が全般的に高まり,またプログラム全体として「やる気」が高まるものであった。これは,2014年度プログラム用に上回生が所属する学科のお薦めポイントをコメントする内容を加えたことを含め,新たにVTRを作り直したことによるものと考えられる。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本教育心理学会第57回総会 2015年8月27日 日本教育心理学会
    本研究では,佐久田他(2014)に続き, メジャー層,対極層1,対極層2の3層の 大学生が,卒業時にどのような特徴を示 すのか,川上他(2014)と同様の方法で 彼女らが卒業間際にインタビューを行い ,回答された内容を分析した。その結果 ,メジャー層では交友への言及,対極層 1では学業への言及が多い傾向が見て取 れた。すなわち,概ね大学生活を“楽し く”過ごしたいと感じているポストモダ ンを生きる現代の大学生(メジャー層)に とっては,大学生活の楽しみは交友関係 そのものであること,一方で,将来に対 する不安がなく,大学生活を“楽しく” 過ごしたいと感じる大学生(対極層1) は,大学を学びの場であると捉え,専門 の授業・内容が学べることを楽しみとし て大学生活を送っていることが示唆され た。 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 坂田浩之
    心理学の世界パートⅡ 2015年5月30日 大阪樟蔭女子大学学芸学部心理学科
    美醜を題材にしたアニメーション作品を素材に,思春期における心の変容とそのために必要なことについて講演した。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本教育心理学会第56回総会 2014年11月7日 日本教育心理学会
    本研究では,佐久田他(2014)に続き,メジャー層,対極層1,対極層2の3層の大学生が,卒業時にどのような特徴を示すのか,川上他(2014)と同様の方法で彼女らが卒業間際にインタビューを行い,回答された内容を分析した。その結果,メジャー層では交友への言及,対極層1では学業への言及が多い傾向が見て取れた。すなわち,概ね大学生活を“楽しく”過ごしたいと感じているポストモダンを生きる現代の大学生(メジャー層)にとっては,大学生活の楽しみは交友関係そのものであること,一方で,将来に対する不安がなく,大学生活を“楽しく”過ごしたいと感じる大学生(対極層1)は,大学を学びの場であると捉え,専門の授業・内容が学べることを楽しみとして大学生活を送っていることが示唆された。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第78回大会 2014年9月10日 日本心理学会
    本研究では,大学への帰属感高揚プログラムの開発にあたり,坂田他(2013),佐久田他(2013)とは別のコホートである1回生に,あらためて同一学科の先輩のVTRを用いたプログラムを実施し,プログラム差とコホート差を分離し,吟味することを目的とした。大学1回生184名を対象としたプログラムの実施と質問紙調査による効果測定の結果,本プログラムは,VTR(プログラム)の違いやコホート差を超えて帰属感と不安を高めることが示された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第78回大会 2014年9月10日 日本心理学会
    本研究は,曖昧さに対する耐性の高さによって分けられた4群の不思議現象に対する態度(APPle SE/30)を比較することで,不思議現象に対する態度と曖昧さに対する耐性との関連について再検討することを目的とした。大学生174名を対象とした質問紙調査の結果から,不思議現象に対する態度と曖昧さに対する耐性との間に曲線的関係があること,中程度の曖昧さに対する耐性の高さが不思議現象への接近や恐怖につながることが示唆された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第78回大会 2014年9月10日 日本心理学会
    本研究では,不思議現象の神秘性を否定して科学的に解明した番組視聴1か月後の態度を測定し,その長期的な影響を検討した。第 1 回調査の APPleの得点に基づき回答者を,4層に分類した。その結果,信奉層においては視聴直後に占い・呪術嗜好性,娯楽的享受,恐怖が低下したが,占い・呪術嗜好性,恐怖は 1か月後には元の水準に回復,娯楽的享受の低下は維持された。また,霊体験は視聴直後には変化はなかったが,1か月後に上昇した。懐疑層においては視聴直後に全体的に不思議現象に対して親和的な方向へ態度が変容し,これは1か月後も維持された。一般層においては1か月後に懐疑が上昇,娯楽的享受層においては1か月後に懐疑が低下,占い・呪術嗜好性,霊体験が上昇した。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第78回大会 2014年9月10日 日本心理学会
    本研究では,岡田他(2004)による空想傾向( fantasy proneness )と不思議現象に対する態度( APPle SE/30 )との関連について,相関研究により吟味した。大学生61名を対象とした質問紙調査の結果,APPle SE/30を構成する6つの下位尺度のうち,スピリチュアリティ信奉,娯楽的享受,霊体験の3つの下位尺度が空想傾向と正の相関を示していた。霊体験との空想傾向との間に正の相関が認められたことは,個人にとって霊体験と捉えられる現象が,当該個人内で生成されたイメージや記憶の結果であることを示唆している可能性もある。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第55回大会 2014年7月27日 日本社会心理学会
    本研究では,不思議現象を科学的に解明した番組を視聴した場合の,不思議現象に対する態度の変容について検証した。大学生250名を対象に,番組視聴前後に質問紙調査を実施した。視聴前の APPleの得点に基づき回答者を,4層に分類し,視聴後の変化を検討した。信奉層においてはAPPleの得点が番組視聴後に低下するのに対して,懐疑層においては上昇することが示された。一般層においては視聴後に恐怖が低下,娯楽的享受層においては,視聴後に娯楽的享受が上昇することが示された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第55回大会 2014年7月27日 日本社会心理学会
    本研究では川上他(2011)によるコミュニケーションの様式・技能・動機に関する尺度と不思議現象に対する態度との関連について検討することを目的とした。大学生198名を対象とした質問紙調査の結果,コミュニケーションの動機については,全体では自己表現と娯楽的享受との間に有意な正の相関が認められた。一方で男性においてのみ自己犠牲と占い・呪術嗜好性との間に有意な正の相関が認められ,コミュニケーションにおいて周囲やその期待を尊重し,自分を犠牲にすることが重要であると考える男性ほど,占いやおまじないに対する親和性が高い傾向が示された。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本社会心理学会第55回大会 2014年7月27日 日本社会心理学会
    本研究では川上他(2011)によるコミュニケーションの様式・技能・動機に関する尺度と不思議現象に対する態度との関連について検討することを目的とした。大学生198名を対象とした質問紙調査の結果,コミュニケーションの様式については,全体および男性のみの分析では有意な相関は認められなかった。女性のみの分析では自己抑制と占い・呪術嗜好性との間に負の相関,積極的表現と霊体験との間に正の相関が認められた。すなわち女性においては,自己を抑制する人ほど占いやおまじないに対する親和性が高く,積極的に自己を表現する人ほど霊体験が多い傾向が示された。コミュニケーションの技能については,全体および女性のみの分析で自己抑制と占い・呪術嗜好性との間に負の相関が認められた。以上から特に女性において,対人場面で自己を抑制できない人の占い・呪術嗜好性が高いことが示唆された。
  • 坂田浩之
    心理学の世界 2014年6月28日 大阪樟蔭女子大学学芸学部心理学科
    性格はどのように測るか、性格を客観的に捉える意味、性格は変化するのかという3つのポイントについて話した。性格理論の中から、C.G.Jungが唱えたタイプ論に基づいて作成された、質問紙法の性格検査を受講者に体験してもらい、その結果から、自分自身がどの性格タイプに当たるのかを確認しながら、その結果をどのように捉え、生かしていくかについて話した。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第54回大会 2013年11月3日 日本社会心理学会
    本研究では,同一の法人によるカトリック系の中学校・高校・大学に通う女性を対象とした調査を行い,不思議現象に対する態度( APPle )と個人特性との関連について,発達の観点から比較した。APPleの得点は発達とともに低下する傾向が見られた。すべての年齢層に共通して,占い呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉,恐怖と自己認識欲求,賞賛獲得欲求,死の恐怖との間に正の相関が認められた。一方,占い・呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉”と“拒否回避欲求”との相関は中学生・大学生のみ,娯楽的享受と賞賛獲得欲求,死の恐怖との相関は中学生・高校生のみ,恐怖とネガティブ情報回避との相関は高校生・大学生のみ,懐疑と賞賛獲得欲求との相関,霊体験と死の恐怖との相関は大学生のみに認められた。
  • 坂田浩之, 小城英子, 川上正浩
    日本社会心理学会第54回大会 2013年11月3日 日本社会心理学会
    本研究では,新性格検査(柳井他,1987)を用いて,不思議現象に対する態度( APPle )と性格特性との関連について検討を行った。大学生170名を対象とした質問紙調査の結果,占い・呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉と共感性,規律性との間,恐怖と規律性との間に有意な正の相関が認められた。共感性と不思議現象に対する肯定的な態度との正の関連は,感情(−思考)と不思議現象に対する肯定的な態度との間に正の関連が認められたことと整合的である。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本社会心理学会第54回大会 2013年11月3日 日本社会心理学会
    本研究では,人間関係のネットワークを流れていく,曖昧な情報である“うわさ”に対する認知が,個人の不思議現象に対する態度とどのように関連しているのかを検討した。大学生170名を対象とした質問紙調査の結果,スピリチュアリティ信奉と娯楽機能,場の盛り上げ機能,情報提供機能との間に正の相関が認められた。すなわちうわさに積極的で肯定的な機能を認めているほど,霊や前世に対する信奉が高いと言える。また占い・呪術嗜好性と情報提供の間に相関が認められた。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第77回大会 2013年9月21日 日本心理学会
    本研究では,同一の法人によるカトリック系の中学校・高校・大学に通う女性を対象とした調査を行い,不思議現象に対する態度( APPle )と個人特性のBig Fiveとの関連について,発達の観点から比較した。中学生189名,高校生244名,大学生160名を対象とした質問紙調査の結果,さまざまな事柄に対して好奇心を持つ開放性が不思議現象を肯定する態度と関連するのは中学生・高校生の特徴であること,発達と共に,占い・呪術は信奉の対象だけでなく,話題として利用されるようになること,大学生になると全体的に不思議現象に対して関心を失うためにBig Fiveとの関連も弱くなることなどが示唆された。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第77回大会 2013年9月21日 日本心理学会
    本研究では,大学生が大学生活の中で感じている不安が,当該学生の不思議現象に対する態度とどのように関連しているのかについて検討した。大学生88名を対象とした質問紙調査の結果,スピリチュアリティ信奉と日常生活不安,恐怖と日常生活不安の間に有意な正の相関が認められた。また霊体験については,日常生活不安,大学不適応との間に有意な正の相関が認められた。以上のことから,神経症傾向とそれに随伴する不安感がスピリチュアルなものに対する信奉や不思議現象に対する恐怖を産み出している可能性が示唆された。
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩
    日本心理学会第77回大会 2013年9月20日 日本心理学会
    本研究では,新入生にVTRを呈示する帰属感高揚プログラムの開発を目指し,VTRの中で語る先輩が所属大学の同一学科の先輩である同学科VTRと,他学科も含む所属大学の先輩である同大学VTRそれぞれを1回生に視聴させ,帰属感の高揚効果が,同学科VTRと同大学VTRとで異なるか否かを検討した。大学1回生117名を対象とした実験の結果,他学科も含む所属大学の先輩からのメッセージでも,同一学科の先輩からのメッセージと同じ帰属感の高揚効果があることが示された。すなわち,大学で所属学生の帰属感を高める教育プログラムを実施する場合には,同一学科の先輩の語りを聴かせる方が適切ではあるが,所属大学の様々な学科の先輩の語りを聴かせることにも効果が認められた。
  • 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第77回大会 2013年9月20日 日本心理学会
    本研究では,新入生にVTRを呈示する帰属感高揚プログラムの開発を目指し,VTRの中で語る先輩が所属大学の同一学科の先輩である同学科VTRと,他学科も含む所属大学の先輩である同大学VTRそれぞれが,実際のプログラムにおいて一回生にどのように評価されるのかを検討した。大学1回生109名を対象とした実験の結果,きっかけやよかったこと,大学生活などを扱ったVTRは同学科VTRの方が同大学VTRより不安を高めやすいが,やる気も高めやすいこと,「メッセージVTR」も同学科の先輩のVTRの方がやる気を高めることが示された。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本教育心理学会第55回総会 2013年8月19日 日本教育心理学会
    本研究では,新入生にVTRを呈示する帰属感高揚プログラムの開発を目指し,上回生に対して,VTRの中で語る先輩が所属大学の同一学科の先輩である同学科VTRと,他学科も含む所属大学の先輩である同大学VTRを共に視聴させ,1回生に対する効果の可能性について評定させることで,帰属感の高揚効果が,同学科VTRと同大学VTRとで異なるのかを検討した。大学3・4回生27名を対象とした実験の結果,「良かったこと」を扱ったVTRは同大学VTRの方が同学科VTRより不安を高めにくいことが示された。また,「メッセージ」VTRについては同学科VTRの方が同大学VTRよりやる気を高めることが示された。一方,誇りに関しては,同大学VTRと同学科VTRとで差異は認められなかった。
  • 坂田浩之
    高校生のための心理学入門講座~心理学への誘い~ 2013年7月20日 大阪私学カウンセリング研究会
    人格心理学は、人の性格やパーソナリティについて研究する領域である。心の様々な要素が作用し合った全体として「性格」「パーソナリティ」を捉える視点を持っているため、様々な心理学の領域の重なり合うところにある。その中から臨床心理学と重なる領域のC.G.ユングのタイプ論について取り上げた。ユングの理論は、性格は変化すると考えること、また無意識の働きが性格の変化に影響を及ぼすと考えることが特徴である。実際にユングのタイプ論にもとづく性格テストを体験してもらい、自分の性格タイプを判定した上で、ユングの性格理論から自分の性格について考えてもらった。
  • 坂田浩之
    清盛の時代の父子関係とその心理~藤原頼長・鴨長明を題材に、史学と心理学の視点から~ 2012年12月1日 大阪樟蔭女子大学関屋キャンパス学術研究会
    白川哲郎准教授が,平清盛とその父忠盛、藤原頼長、鴨長明といった平安時代末期から鎌倉時代を生きた人物たちを題材に、彼らがどのようにその時代を生きたか、とりわけ父子関係がいかなるものであったかについて焦点を当て、史学の立場から話した。また、坂田が、心理学の立場から、ある程度史実に基づいて今の日本人が作った大河ドラマ「平清盛」に描かれている父子関係に、今の父子関係が無意識的に映し出されているという前提に立ち、大河ドラマ「平清盛」を読み解きながら、今の「子」にとっての「父」の意味を探った。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本社会心理学会第53回大会 2012年11月18日 日本社会心理学会
    坂田他(2012)は,不思議現象に対する態度尺度APPle(小城他,2008)の短縮版,APPle SE/30を作成した。本研究では,高校生女子を対象に収集したデータを用い,APPle SE/30の妥当性をあらためて検証した。高校生女子145名を対象とした質問紙調査の結果,APPle SE/30の下位尺度のα係数は.643〜.819であり,おおむね十分な信頼性を示した。また短縮版として構成した下位尺度と,対応するオリジナル下位尺度との相関係数はいずれも.900以上であり,さらにそれぞれの下位尺度間の相関行列は,オリジナルと短縮版とで類似しており,APPle SE/30は概ね妥当な短縮版であることが示唆された。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第53回大会 2012年11月18日 日本社会心理学会
    坂田他(2012)は,不思議現象に対する態度尺度APPle(小城他,2008)の短縮版,APPle SE/30を作成した。本研究では,APPleとの関連が検討されている,Jungの心理学的タイプ尺度(佐藤,2005),および携帯電話依存尺度(澤野,2008),交友関係意識尺度(尾﨑・久東,2006)を用いて,APPle SE/30の妥当性をあらためて検証した。大学生126名を対象とした質問紙調査の結果,APPle SE/30は,Jungの心理学的タイプ尺度,携帯電話依存尺度,交友関係意識尺度との間で,概ねAPPleと同様の関連を示すことが認められ,APPle SE/30は概ね妥当な短縮版であることが示唆された。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本社会心理学会第53回大会 2012年11月18日 日本社会心理学会
    本研究では,不思議現象を扱ったテレビ番組視聴の長期的な効果を検証するために,番組視聴から1か月後の態度を測定した結果を報告した。大学生182名を対象とした実験の結果,不思議現象を扱ったテレビ番組は,元から否定的な態度の視聴者に対しては不思議現象全般に,元から肯定的な態度の視聴者には,より番組のテーマに焦点を絞った側面で,視聴者に対して番組の提示する方向へ態度を変容させる効果を持つこと,また,肯定的な態度を持つ者は,時間の経過とともに番組視聴の影響が消滅して事前の態度へと回帰するのに対して,否定的な態度を持つ者は時間が経過しても番組視聴の影響が維持されることが示された。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本心理学会第76回大会 2012年9月13日 日本心理学会
    坂田他(2012)は,不思議現象に対する態度尺度APPle(小城他,2008)の短縮版,APPle SE/30を提唱した。本研究では,坂田他(2012)とは別のデータ(小城他,2008)を用い,APPle SE/30の妥当性を検討することを目的とした。小城他(2008)と同様に,APPle SE/30の下位尺度と性格特性(Big Five)やその他の個人的欲求との相関係数を算出したところ,その相関は,APPleオリジナル版の下位尺度において認められた相関と概ね類似しており,APPle SE/30が概ね妥当な短縮版であることが示された。また調査対象者をLOCの得点によって3群に分割してAPPleの下位尺度得点を比較したところ,占い・呪術嗜好性を従属変数とした場合のみLOCの効果が有意となり,Middle群でHigh群より得点が高いことが示された。この結果も川上他(2006)の結果と整合的であり,APPle SE/30が短縮版として妥当であることを示している。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本心理学会第76回大会 2012年9月13日 日本心理学会
    小城他(2008)は,不思議現象に対する態度尺度APPleを提唱した。APPleは,不思議現象に対する態度を,占い・呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉,娯楽的享受,懐疑,恐怖,霊体験の6つの下位尺度によって測定するものであるが,全項目数は55項目と比較的多い。本研究では,より簡便な使用を可能とする30項目程度の短縮版,APPle SE/30( Short Edition )の作成を目的とした。大学生560名のデータを対象に,小城他(2008)の方法で占い・呪術嗜好性,スピリチュアリティ信奉,娯楽的享受,懐疑,恐怖,霊体験の6つの下位尺度を構成し(オリジナル下位尺度),これと各項目との相関係数,因子分析を実施した際の各項目の因子負荷量,各項目の内容などを吟味しながら,項目を削除し,30項目からなる短縮版を構成した。
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第76回大会 2012年9月13日 日本心理学会
    本研究では,カトリックを母体とする同系列の中学・高校・大学の女子生徒・学生を比較することによって,不思議現象に対する態度,LOC,批判的思考の発達と規定関係を解明することを目的とした。中学生226名,高校生159名,大学生435名を対象とした調査の結果,大学生のAPPle得点が低いが,占い・呪術嗜好性とスピリチュアリティ信奉は段階的に低下していくのに対して,娯楽的享受と霊体験は大学生で急激に低下することが示された。一方,論理的思考への自覚,探究心,客観性においては加齢とともに発達する傾向が認められたが,証拠の重視およびLOCにおいては,有意差は認められなかった。また相関分析から,中学生・高校生の段階における懐疑は,不思議現象の存在を全面的に否定する態度を示しているが,大学生では他の因子との相関が弱くなることから,懐疑の意味合いが変容することが推察された。
  • 佐久田祐子, 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第76回大会 2012年9月12日 日本心理学会
    本研究では,新入生オリエンテーションの成果が大学生活充実度に正の影響を及ぼすという効果(奥田他,2006)について4年度分のデータとSoULS-21を用いて検証した。大学生259名を対象とした質問紙調査のデータから,オリエンテーション成果が大学生活充実度に影響を及ぼすというモデルを立て,共分散構造分析によって記述し,パラメータの推定とモデルの適合についての評価を行った。オリエンテーション成果から大学生活充実度に対するパス係数はとやや強い値となり,新入生オリエンテーションが,後の大学生活充実度に効果を及ぼすことが示唆された。
  • 奥田亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第76回大会 2012年9月12日 日本心理学会
    川上他(2010,2011)は, 1回生を対象にした帰属感高揚プログラム(特別授業)を実施し,その効果を測定した。その結果,プログラムとして呈示される情報(VTR)を適切に統制することにより,プログラムによる不安の上昇などのネガティブな効果は消失し,帰属感の高揚効果が認められた。本研究では,同様の帰属感高揚プログラムを実施し,学生のプログラムに対する評価とプログラムの効果との関係を検討した。相関分析の結果,プログラムに肯定的な印象を持つことと,大学生活へのコミットメントの高まりとが関連していること,全体としてプログラム前に大学生活での交友関係に満足し,不安が少なく大学に帰属感を感じているほど,VTRを見て不安になりにくく,やる気を起こしやすい傾向にあることが示された。しかし教員の鼎談に対する印象評定はプログラム前の大学生活充実度や帰属感と相関が低かった。
  • 坂田浩之
    平成23年度香芝市民公開講座「家族の健康をみんなで考えよう」~毎日いきいき過ごすためにできること~ 2011年9月28日 香芝市教育委員会
    幼児が夢中になる,アンパンマン,ポケモン,プリキュアといったアニメーション作品と幼時期のこころの発達との深い関わりについて話した。
  • 川上正浩, 小城英子, 坂田浩之
    日本社会心理学会第52回大会 2011年9月18日 日本社会心理学会
    本研究では,虚記憶生起のしやすさが異なると考えられる3種類のリストを用意し,それぞれの場面で不思議現象に対する態度と虚記憶生起との関連をより詳細に検討した。不思議現象に対する態度尺度により参加者をクラスタに分類し,その虚記憶生起率を比較したところ,娯楽的享受層における虚記憶生起率が懐疑層より低いことが示された。この結果は川上他(2008)の結果と矛盾するように考えられるが,娯楽的享受層は,虚記憶が生起しやすい状況においては他層より多くの虚記憶を,生起しにくい状況(本研究における8項目条件)においては他層より少ない虚記憶を生起させるとまとめることができる。
  • 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第52回大会 2011年9月18日 日本社会心理学会
    本研究では,青年期の自己評価調整において現在重要な役割を果たしていると考えられる携帯電話と友人関係を取り上げ,これらと不思議現象に対する態度との関連について検討することを目的とした。質問紙調査の結果,携帯電話依存に関して,「不通によるストレス」は「占い・呪術嗜好性」「恐怖」と正の関連が認められ,「通話依存」は「恐怖」と正の関連が認められた。また,交友関係意識に関して,「評価不安」「つながり志向」は「スピリチュアリティ信奉」と正の関連,「交流回避」は「霊体験」と正の関連が認められた。なお,「つながり志向」は「懐疑」との間には負の関連が認められた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本心理学会第75回大会 2011年9月16日 日本心理学会
    本研究では奥田他(2010)で作成されたSoULS-21について,関連が予想される他の尺度との相関係数を手がかりに,その妥当性を検討していくことを目的とした。SoULS-21の大学へのコミットメントについては,大学環境への適応感尺度の被信頼・受容感,課題・目的の存在と特に高い正の相関を示した。SoULS-21の交友満足については,大学環境への適応感尺度の居心地の良さの感覚,拒絶感の無さと特に高い正の相関を示した。SoULS-21の学業満足については,大学環境への適応感尺度の課題・目的の存在と特に高い正の相関を示した。また大学生活不安尺度の大学不適応と高い負の相関を示した。SoULS-21の不安のなさについては,大学環境への適応感尺度の課題・目的の存在と特に高い正の相関を示す一方で大学生活不安尺度のすべてと高い負の相関を示した。以上より,他の尺度との相関からはSoULS-21の妥当性はおおむね支持されたと考えられる。p.1201. 担当部分:共同研究につき,本人担当部分
  • 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第75回大会 2011年9月16日 日本心理学会
    本研究では,不思議現象を扱ったテレビ番組が,不思議現象に対する態度に与える影響を検証するとともに,視聴者の事前態度と,視聴後の態度の維持・変容との関連を分析することを目的とした。事前調査で参加者をクラスタに分類し,不思議現象を扱った番組を視聴してもらった後,事後調査を実施し,態度の変容について検討した。その結果,信奉層においては,番組視聴後,占いや超能力といった娯楽的要素や,不思議現象に伴う恐怖心が低下,元から強いスピリチュアルなものを信奉する傾向だけが残り,さらに,不思議現象に対する警戒心が薄れたと考えられる。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本教育心理学会第53回総会 2011年7月25日 日本教育心理学会
    川上他(2010)は,心理学部所属の1回生を対象に,帰属感高揚プログラム(特別授業)を実施し,その効果を測定した。プログラムでは,在学中の上回生からのコメントや卒業生の職場での活躍風景をVTRで呈示したが,大学へのフィット感が上昇する一方で不安も上昇する傾向が認められた。本研究では,VTRを変更することにより,不安を高めないより適切な帰属感高揚プログラムを模索した。“立派な卒業生”だけでなく,さまざまな成長段階の学生の姿を見せることを意図したプログラムを実施した結果,川上他(2010)で見られたような,プログラムによる不安の上昇といったネガティブな効果は消失し,プログラムの目的である帰属感の高揚効果が見られた。
  • 分担執筆, 坂田浩之, 川上正浩, 小城英子
    日本社会心理学会第51回大会 2010年9月
    曖昧さに対する耐性は,不思議現象に対する態度と関連するのと同様に,科学や自然をどのように捉えるのかという科学観・自然観とも関連することが考えられる。すなわち,曖昧さに対する耐性の低さは,明確な科学観・自然観の形成につながることが予測される。そこで本研究では,曖昧さに対する耐性と科学観・自然観との関連性について検討することを目的とした。“曖昧さに対する耐性”と科学観・自然観尺度の各下位尺度間との相関係数を算出した結果,“曖昧さに対する耐性”は,科学観・自然観尺度のどの下位尺度とも有意な相関は認められなかった。したがって,曖昧さに対する耐性の低さは,明確な科学観・自然観の形成につながるという仮説は支持されなかった。 p.324-325. 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第74回大会 2010年9月
    本研究では,継続的に収集してきた4年度分の大学生活充実度尺度のデータを再分析し,年度を越えて共通する因子および一貫してその因子負荷量が高い項目を抽出し,より信頼性の高い大学生活充実度尺度の短縮版を作成することを目的とした。その結果,「大学へのコミットメント」「交友満足」「学業満足」「不安のなさ」という4つの下位尺度21項目から構成される大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)が作成された。各下位尺度の信頼性係数はα = .714~.849と十分高い値となった。今後はこのSoULS-21について,その妥当性を検討していくことが必要であると考察された。 p.1212. 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第74回大会 2010年9月
    本研究では,不思議現象に対する態度尺度 (Attitudes towards Paranormal Phenomena Scale=APPle;小城他,2008)を用いて,不思議現象に関する半期の講義の受講生を対象に縦断データを収集し,初期態度別に態度の維持・変容を検証することを目的とした。全13週の講義のうち,第2週,第7週,第13週に,各回とも講義時間の最後に質問紙調査が実施された。分析の結果,半期の講義によって,不思議現象に対するクリティカルな構えが構築されること,特に初期態度が不思議現象に対して親和的または中立的であった層において,その教育効果が大きい可能性が示唆された。p.101. 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。
  • 分担執筆, 小城英子, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第74回大会 2010年9月
    本研究では,川上他(2009a)の科学観・自然観尺度を用い,これと,同一の調査対象者の不思議現象に対する態度尺度(APPle)との関連を,あらためて検討することを目的とした。APPle(小城他,2008)と科学観・自然観尺度とのそれぞれの下位尺度間の相関係数(Pearson)を算出した。その結果,“占い・呪術嗜好性”が強いと,自然を癒すものと捉える傾向が窺われた。また“スピリチュアリティ信奉”が強いと,自然を癒すもの,保護が必要なものであると考える一方で,科学に対しては脅威を感じることが窺われた。p.103. 担当部分:共同研究につき,本人担当部分抽出不可能。

担当経験のある科目(授業)

 20

共同研究・競争的資金等の研究課題

 2

社会貢献活動

 1

その他

 1

教育方法の実践例

 23
  • 件名
    アニメーション作品の活用
    年月日(From)
    2000/04
    概要
    講義内容と関連したアニメーション作品(ビデオ・DVD・Blu-ray)を使用することで,抽象的になりやすい心理学の理論やモデルを,学生の具体的な体験と結びつけることができる,心理臨床家の訓練における事例研究と同じように登場人物の心の動きに共感的に寄り添う体験をすることで,人間の心の動きについての理解を体験的に深めることができるなどの利点がある。
  • 件名
    (Web)ミニッツペーパーの活用
    年月日(From)
    2000/04
    概要
    毎回授業の終わりの5分から10分を利用して,その回の授業に対する感想・コメント・質問を書かせ,回収して検討することで,①学生の授業内容に対する理解度を知ることができる,②そして,理解の不十分な内容に関しては,次回授業で質問に応える形で,より分かりやすい説明を用いて伝えることができる,③内容だけでなく,授業の方法(資料の見やすさなど)や教室の環境(教室の温度や私語)についての情報を得ることができるなどの利点がある。2018年度からは,LMS(manaba)を使ってWeb上にミニッツペーパーの書き込みが行えるようにし,学生が落ち着いて考えて書けるように工夫した。
  • 件名
    心理検査(心理調査法)を用いた自己理解の促進
    年月日(From)
    2001/04
    概要
    20答法,二面性尺度、ユング心理学的タイプ尺度20答法やSD法,二面性尺度(TSPS),ライフラインなどを授業内で学生に実施し,その結果を各自個別に分析させることで,自己概念を把握するための方法を体験的に知ることができると同時に,自分自身の自己概念や自己像をあらためて体験的に考察することが可能になるという利点がある。
  • 件名
    レポート採点チェックリストを用いたレポート評価
    年月日(From)
    2001/09
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    複数教員が担当する実習授業において,レポートを採点・添削する際に,全教員が共通のチェックリストを用いて,採点・添削を繰り返すことで,担当教員が学生達に要求しているレポートの形式・内容や評価基準を明確に伝えることができると同時に,学生達の目標やそれへの到達度を明確にすることができるという利点がある。後のルーブリックを用いたレポート評価の前身となる工夫であった。
  • 件名
    心理学研究法の体験学習
    年月日(From)
    2001/09
    概要
    学生に実際に実験や調査を参加者として体験してもらうと共に,得られたデータの処理・解釈を体験させた。加えて,調査に関しては実際に質問紙を作成させ,調査者として質問紙を配布,回収も体験させた。これにより,①講義では既存の知識として受け身的に取り入れるしかない心理学の先行研究の知見を,自らの経験や生のデータを通じて実感できるしたり,批判的に検討したりすることができる,②心理学を研究する際の手法を一度は実際に経験しておくことで,以後自分が心理学研究を計画,実践するときに,この体験を雛形として活用・応用することができる,などの利点がある。
  • 件名
    心理検査の体験学習
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    P-Fスタディ,鈴木ビネー式知能検査,WISC,バウム・テスト,風景構成法,ロールシャッハ・テストといった心理検査(人格検査)を学生に被検者として実際に体験してもらった。また,自分の検査結果の分析・解釈も体験してもらった。これにより,①心理検査を自分で体験することによって,それぞれの心理検査がどのような特徴を持ち,人格や知能のどの範囲や深さまで明らかにすることができるのかという点について実感したり,批判的に検討したりすることを可能にする,②自分のテスト体験が,他の人の検査データをより細やかに,共感的に理解することを可能にする,③被検者が検査状況で体験する諸々の感情を身をもって知ることで,自分が検査者として心理検査を実施したり,結果をフィードバックしたりするときに相手に何を配慮すべきか充分に理解できる,などの利点がある。
  • 件名
    心理療法の体験学習
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    リラクセーション・ワークやブラインド・ウォークなど,非言語的な,視覚以外からの情報によって相手の心の動きを感じ取る基礎トレーニングや,交互にセラピスト役,クライエント役になっての種々のロールプレイ,スクイグルや粘土,箱庭,あるいはグループでの箱庭,フィンガーペインティング,サイコドラマなど心理療法の技法を学生に実際に体験してもらい,そこでの体験をふりかえって言語化してもらった。これにより,①心理療法(援助的対人関係)の場でセラピスト・援助者に求められる感受性や態度を身をもって理解してもらうことができる,②心理療法の場(援助的対人関係)でのクライエント・患者の立場に試みに立ってみることで,援助を求めている人を共感的に理解する手がかりとすることができる,③心理療法のプロセスにおいて治癒の原動力となる心の働きや関係性の場を実感することができる,④心理療法の技法の特性を体験的に理解できる,⑤自己
    の拡大・深化と統合が促進されるなどの利点がある。
  • 件名
    心理療法の事例報告の利用
    年月日(From)
    2002/10
    概要
    市販の書籍に掲載された比較的詳細な心理療法の事例報告(大学院の授業では,学術雑誌に掲載された事例報告も使用した)を受講生全員で読み,その内容についてディスカッションしてもらった後,講師が自らの心理臨床の経験を踏まえながら解説したり,受講生の問いや気づきを深めたりした。これにより,①心理療法のプロセスで生じることとや,そこでのセラピストやクライエントの思考・感情・行動を理論的にではなく,具体的に知ることができ,②セラピストやクライエントの身になって自分だったらどうするかを考えることで,実践的な知恵を身につけることができる,③講師のコメントによって,心理臨床家の事象の捉え方を具体的に伝えることができる,などの利点がある。
  • 件名
    学生による心理療法ロールプレイの実施と それを撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    学生がセラピスト役,クライエント役となってカウンセリングとプレイセラピーのロールプレイを行ってもらい,その様子を動画撮影し,そのビデオを見ながらロールプレイの最中に何が起こっていたのかを,実際にロールプレイを行った学生に感想を言ってもらったり,それ以外の学生の感想やコメントを聞いたりしたり,教員がコメントしたりして,ディスカッションを行う。これにより,①ロールプレイでセラピスト役をした学生が自分が意識していなかった自分の特徴や癖(特に視線・姿勢・しぐさ・声の音調などの非言語的な)に気がつくことがある,②録画なので,必要に応じてある場面を何度も巻き戻して繰り返し見ることができるし,その場面を見ながら,即時的にそこで何が起こっているかの解説を加えることも可能である等の利点がある。
  • 件名
    学外の病院・福祉施設等の見学
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    学外の病院(精神科)・福祉施設等を訪れ,医療や福祉の現場を実際に学生自身の目で見るとともに,その施設の臨床心理士等のスタッフから心理臨床の実際についての説明を受けたり,スタッフと利用者・患者との関わりを見ながら,あるいは実際にプログラムに参加して利用者・患者と関わったりすることによって援助者としてあるべき態度を学んでもらう。このことにより,①患者・障害者,あるいは心理臨床や心理的援助のイメージを現実的で適切なものに修正することができ,②その現実的で適切な心理利臨床のイメージにもとづいて後の学習・実習を進めていくことにより,態度・スキルの習得を実際に役立つものに方向付けることができる等の利点がある。
  • 件名
    模擬面接を撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    実際に心理臨床に携わっている心理臨床家がカウンセラーや検査者となって心理療法・心理検査を模擬的に行った場面を撮影した市販あるいはWEB上の動画を,受講生と一緒に見,その後,感想を言ってもらい,またその感想に対してコメントするという授業を行った。これにより,①まだ実際の心理療法を実践していない受講生に,より現実的な心理療法の場面のイメージを持って
    もらうことができる,②録画なので,大切な場面を何度も巻き戻して繰り返し見ることができ,またその場面を見ながら,即時的にそこで何が起こっているかの解説を加えることも可能である,といった利点がある。
  • 件名
    KJ法を用いたグループワーク
    年月日(From)
    2015/04
    概要
    受講生相互でインタビューを行い,その録音データを文字起こしさせ,さらにその文字化された語りに関する定性的コードを付箋に書かせた後,その付箋を持ち寄ってグループでKJ法を行い,語りに潜む心理学的事実を明らかにする。2021年度〜はオンライン・ホワイトボード(Jambord)を用いたKJ法も導入している。
  • 件名
    学生による心理検査ロールプレイの実施とそれを撮影した動画の活用
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    受講生が検査者役,被検児役となって心理検査(新版K式発達検査,WISC)のロールプレイを行ってもらい,その様子をビデオに撮影し,そのビデオ映像(必要に応じて教員がビデオ映像を編集した)を見ながら,心理検査の実施法について教員がコメントした。これにより,①検査者役をした受講生が自分が意識していなかった自分の特徴や癖(特に視線・姿勢・しぐさ・声の音調・教示の速さなどの非言語的な)に気がつくことができる,②検査場面で決められた一定の手順で検査を行えているか確認できる等の利点がある。
  • 件名
    発達検査モニターの活用
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    臨床心理士・公認心理師養成大学院の実習において実践してきた。大学院附属カウンセリングセンターから一般に広報して募集し,協力に同意してくれたモニター家庭の子どもに,学生(相談研修員)が,発達検査(新版K式発達検査,WISC等)をカウンセリングセンターで実施し,検査結果を分析して,後日フィードバックする。また,保護者面接の間は別の学生(相談研修員)が,被検児や一緒に来たその同胞とカウンセリングセンターのプレイルームで関わりながら観察(関与観察)する。担当者の調整,検査結果の分析や,フィードバック原稿の作成などのマネージメントを教員が行う。これにより,①学習・訓練として実施経験を積むことが難しい,しかしながら現場では実施を求められることの多い,発達検査とそのフィードバックの実施経験を積ませることができる,②関与観察を行わせることで,ロールプレイとは違い実際の子どもと関わってプレイセラピーの実習をすることができる等の利点がある。
  • 件名
    試行カウンセリングの活用
    年月日(From)
    2008/04
    概要
    臨床心理士・公認心理師養成大学院の実習において実践してきた。同大学生に主旨を説明して募集し,協力に同意してくれた学生をクライエント役になってもらい,実際に専攻附属カウンセリングセンターに来談してもらい,受講生がセラピストとして試行カウンセリングを行った(日程や組み合わせの調整など実施のためのマネージメントを教員が行う)。その後,受講生には面接
    記録と考察を提出してもらい,試行カウンセリングを素材とする事例検討会を授業内で行う。また,クライエント役の学生には,感想・印象を用紙に記入して提出してもらい,受講生にフィードバックする。これにより,①ロールプレイよりさらに実際の心理臨床に近い体験を受講生にさせることができる,②クライエント役をする学生にとっても,カウンセリングがどのようなものなのかを体験的に理解できる機会となる等の利点がある。
  • 件名
    所属学科への帰属感を高める教育プログラムの実施
    年月日(From)
    2008/12
    概要
    1年生に所属学科(心理学科)への帰属感を高めるために,学科の3・4回生および卒業生にインタビューを行い,「心理学を学んでよかったこと」,「1回生へのメッセージ」などの質問に答えてもらった様子や,ゼミ風景をビデオ撮影し,それを編集した映像を流すとともに,ゲストスピーカーとして授業に参加し,鼎談の形で,自らの心理学との出会いや心理学の学びについて話した。これにより,①心理学及び所属学科教員を身近に感じてもらえる,②自らの学びの見通しと将来像を明確にすることができる,などの利点がある。さらに,所属大学への帰属感を高めるために,全学科対象科目において,同様の構成の授業も行った。
  • 件名
    心理学実験動画の活用
    年月日(From)
    2017/09
    概要
    You Tube等にアップロードされているStill Face実験,Strage Situation法などの動画を提示する。これにより,口頭による説明や図示では十分に伝わらない,実際の手続きや参加者(特に乳幼児)の反応を鮮明に理解できる等の利点がある。
  • 件名
    LMS(manaba)の積極的活用
    年月日(From)
    2015/04
    概要
    LMS(manaba)を活用し,出席者・遅刻者のチェック,授業資料の配布,課題・ミニッツペーパーの提示と回収,小テストの実施,授業改善のためのアンケート等を行ってきた。手書きで書かせる課題,プレゼンさせる課題に関しては,写真・動画に撮り,それを提出させることもしてきた。また,小テストにはGoogleフォームも併用してきた。これにより,①プリント等の配布・回収時間を短縮し,その分学習時間を充実させることができる,②予習・復習を効果的に行うことができる,③提出した課題をWEBポートフォリオとして整理することができる,④出欠や課題提出の確認ミスを減らすことができる,⑤文字の大きさや美しさによる課題評価のばらつきを減らすことができる,などの利点がある。
  • 件名
    ルーブリックを用いたレポート評価
    年月日(From)
    2011/04
    概要
    (特に複数教員が担当する)授業において,レポートを評価する際に,ルーブリックを用いてきた。これにより,①担当教員間,あるいは個人内での評価のバラツキを減らすことができる,②ルーブリックを学生に共有することで,レポート課題の,そして授業の到達目標を明示することができる等の利点がある。
  • 件名
    メモアプリ(Evernote)の活用
    年月日(From)
    2016/10
    概要
    授業資料を提示する際に,パワーポイント等のプレゼンテーション・ソフトではなく,メモアプリ(Evernote)を使用してきた。これにより,①教室のスクリーンの大きさに合わせて,ピンチ操作で容易に提示資料の文字サイズを見やすい大きさにすることができる,②画面をスイッチさせるのではなく,スライドさせるので,ノートが終わっていない学生に見せながら,次の内容に進むことができる,③ページの切れ目がないので,WordやLMS上にコピーするときに容易である,④管理が容易である等の利点がある。

作成した教科書

 2
  • 件名
    「はじめての心理学」(氏原寛・松島恭子・千原雅代編,創元社)第6章「それでも私は私である(人格)」執筆
    年月日(From)
    2000/03
    概要
    はじめて心理学を学ぶ人のための教科書として用いることのできる本として作られたものだが,内容的には心理学の主要分野に関する各テーマについての小論集といった内容で,一般の人向けの心理学の入門書である。著者は,「それでも私は私である」と題された人格の章を執筆し,「《私》とは何か」という問いを深めつつ,自己意識や個性,人格の恒常性と可塑性などのテーマについて,人格心理学の基本的な理論を踏まえながら論じた。
  • 件名
    「よくわかる心理臨床」(皆藤章編,ミネルヴァ書房)第6章「心理臨床の具体(2):ロールシャッハ法」執筆
    年月日(From)
    2007/04
    概要
    本書は,大学生・大学院生向けの臨床心理学の教科書として用いることのできる本として作られたものだが,人間であれば誰しも体験する悩みや苦しみに対して,人間のこころに関わる「心理臨床」という専門領域がいかに関わろうとするのかについて語ったものである。生きることが大変な現代において,悩みや苦しみを抱えて生きる人にたいして,心理臨床家に求められている援助がどのようなもので,また,心理療法や心理査定を行うために必要な考え方や知識,スキル,態度がどのようなものかを「関係性」と「主観性」をキーワードにまとめている。

実務経験を有する者についての特記事項(教育上の能力)

 11
  • 件名
    第12回心の相談コロキアム樟蔭心理臨床カンファレンス『発達障害への理解と支援』講師
    年月日(From)
    2013/02/02
    年月日(To)
    2013/02/02
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻附属カウンセリングセンター主催の第12回心の相談コロキアム樟蔭心理臨床カンファレンス『発達障害への理解と支援』にて、コース③発達検査を通して見た発達障害の講師を務めた。学外の専門家による新版発達検査2001の事例検討を行い、助言・指導した。
  • 件名
    広島大学大学院 教育学研究科附属心理臨床教育研究センター集中セミナー講師
    年月日(From)
    2008/08
    年月日(To)
    2012/03
    概要
    広島大学大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター客員教授として、年2回3日間ずつ行われる集中セミナーの講師を務め、プレイセラピー等の文献講読を行うとともに事例検討会で助言・指導した。
  • 件名
    大阪市こども相談センターメンタルフレンド事前研修会 講師
    年月日(From)
    2009/05
    年月日(To)
    2019/05
    概要
    毎年5月頃に行われる大阪市こども相談センター(児童相談所)が不登校の子どもの支援のために家庭に派遣しているボランティア「メンタルフレンド」を対象とした事前研修会において,不登校の子どもの支援において必要な知識や心構えについて講義した。
  • 件名
    大阪府立富田林支援学校夏季研修会講師
    年月日(From)
    2013/08
    年月日(To)
    2014/08
    概要
    大阪府立富田林支援学校夏季研修会にて講師を務め、新版K式発達検査と子どもの発達理解に関する講義と事例検討を行った。
  • 件名
    臨床心理士実習指導
    年月日(From)
    2010
    概要
    大阪市児童通所ルーム・パル、大阪市中央通所ルームAにて、京都大学大学院、梅花女子大学大学院、神戸女学院大学大学院の臨床心理士養成のための実習を受け入れ、指導してきた。
  • 件名
    公認心理師心理実践実習実習指導者
    年月日(From)
    2020/04
    概要
    大阪市中央通所ルームAにて、神戸女学院大学大学院の公認心理師「心理実践実習」の実習指導者を務めてきた。
  • 件名
    奈良県スクールカウンセリングカウンセラー
    年月日(From)
    2012/04/01
    概要
    奈良県立教育研究所のケース検討会で助言・指導したり、学校で教員研修会の講師を務めたりしてきた。
  • 件名
    スーパーヴァイザー
    年月日(From)
    2005/08
    概要
    臨床心理士を目指す大学院生、スクールカウンセラー、児童福祉施設臨床心理士、精神科クリニック臨床心理士(公認心理師)等30名以上に対するスーパーヴィジョンを行ってきた。
  • 件名
    第4回心理臨床リカレント講座事例検討会コメンテーター
    年月日(From)
    2013/11/23
    年月日(To)
    2013/11/23
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において、事例検討会のコメンテーターを務めた。
  • 件名
    第9回心理臨床リカレント講座事例検討会コメンテーター
    年月日(From)
    2018/11/23
    年月日(To)
    2018/11/23
    概要
    大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻修了生の卒業後研修を目的とし、日々の心理臨床実践を振り返り、心理臨床家としてのあり方を見つめ直すことを目指したリカレント講座において、事例検討会のコメンテーターを務めた。
  • 件名
    甲南大学心理臨床学会第19回大会分科会指定討論者
    年月日(From)
    2016/07/03
    年月日(To)
    2016/07/03
    概要
    甲南大学大学院を修了した心理臨床家を対象とする研修会である甲南大学心理臨床学会の第19回大会の分科会(事例検討会)において指定討論者を務め,事例の理解と対応についてコメントした。

その他(教育上の能力)

 18
  • 件名
    (実習指導実績)樟蔭女子短期大学人間関係科「人間科学基礎実習」担当
    年月日(From)
    2000/04
    年月日(To)
    2001/03
    概要
    「人間科学基礎実習」は1・2年生対象の選択科目で,2単位(2時間×30回)の通年科目である。1グループ約10名で,4回を1区切りとしてのべ約80名の学生を指導した。実習内容は,新入学生の学科への所属意識を高めると共に,臨床心理学の実践と研究において基礎となる,それぞれの人の個性的な自己表現と相互の関係性を尊重する態度を身につけるために,メンバー間の相互交流を活性化するグループワークを行ったり,お互いの興味・関心について発表し合ったりした。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学教育改革促進支援費助成事業「EvernoteとDropboxを使ったシームレスなティームティーチングの実現」
    年月日(From)
    2018/04
    年月日(To)
    2019/03
    概要
    ティームティーチングを行う教員がEvernoteとDropbox の有料プランを使い,これらを大阪樟蔭女子大学で使われているLMS(manaba)と組み合わせて,最大限活用することで,授業運営に関わる作業の効率化と教員間の密な連携・協働を実現する方法の開発を行った。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学 自己点検・評価委員会 委員
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大学の教育,機能,経営を改善し,より魅力ある樟蔭女子大学を創っていくことを目指して,いかに大学の自己点検・評価を行っていくかについて検討している。手始めとして,「大阪樟蔭女子大学教育・研究者総覧」を編集し,大阪樟蔭女子大学の専任教員のそれぞれの研究テーマや業績,教育・研究方針について公表し,教員相互,あるいは教員と学生の相互理解の促進を図った。その後,大学の自己点検・評価のあり方について研究・検討し,自己点検・評価項目を作成した。また,平成14年7月と平成15年1月に自己点検・評価シンポジウムを開催し,自己点検・評価作業と大学改革に向けて,現状における課題と今後目指すべき方向性について大学教職員の意見を集めた。その後,学内の各部署からの自己点検・評価報告を取りまとめ,「大阪樟蔭女子大学自己点検評価報告書1998~2002学内用」の編集作業に取り組み,平成16年11月に発行した。また平成17年に改めて「大阪樟蔭女子大学教育・研究者総覧」を編集した。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科)「心理学実験基礎実習B」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2004/03
    概要
    「心理学実験基礎実習B」は1年生対象の必修科目で,1単位(4時間×7回)の半期科目である。各グループ約15名の10グループの学生に対して,1回完結で,「要求水準」をテーマとした実習を行った。内容としては,講師が実験者となり学生に被検者として実験を実際に体験させ,その上で得られたデータに関して処理法や整理法を指導しながら分析・考察させ,心理学研究のプロセスを体験的に学ばせた。また,心理学の学術雑誌に準じた形式で,レポートを作成させ,添削指導を行って,心理学のレポート・論文の書き方を学ばせた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学心理学部(平成21年3月まで人間科学部心理学科)「心理学実験基礎実習B」「心理検査基礎実習(平成17年3月まで「人格検査法基礎実習」)」「臨床心理査定実習(平成16年3月まで「人格検査法実習」)」「心理療法実習」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2013/03
    概要
     「心理検査基礎実習」は2年生対象の必修科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約40名の学生に対して,投映法と知能検査・発達検査をテーマとした実習を行った。内容としては,実際に人格検査を実習生に被検者として体験してもらい,その上で個々の検査のメカニズム,成立のプロセスや背後にある人格理論,結果の分析法を講義して,実習生に自分の検査結果を分析してもらった。そうして,実体験をふまえて個々の検査の長所と問題点について考察してもらった。
     「人格検査法実習」は3年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約30~80名の学生に対して,投映法をテーマとした実習を行った。内容としては,筆者は主にロールシャッハ・テストの実習を担当し,実習生にロールシャッハ・テストを被検者として体験してもらった上でロールシャッハテストの特性と解釈理論を説明し,反応の記号化を学習してもらう。その後,実習生同士で検査者・被検者を交互に体験してもらい,自分が検査者として実施したロールシャッハ・テストのプロトコルを継起分析してもらった。受講生の人数が少ない場合には,描画法(バウムテスト・風景構成法),TATの実習にも関わった。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学短期大学部人間関係科「心理学研究法実習」「カウンセリング実習」担当
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2003/03
    概要
     「心理学研究法実習」は1・2年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約10名の学生に対して,実験法,質問紙調査法,人格検査法,投映法をテーマとした実習を行った。内容は,実習生に被験者(被検者)として実際の実験や検査を体験してもらった上で,それぞれの心理学研究法の基本的な原理と長所・短所,統計の知識を説明して,自分達のデータを分析させた。調査法の実習では,実際に実習生に項目を考えさせて,質問紙を作成させた。
     「カウンセリング実習」は2年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約60名の学生に対して,カウンセリング,プレイセラピー,イメージ療法,絵画療法,箱庭療法をテーマとして,カウンセリング・心理療法を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるカウンセラーとクライエントの間の信頼関係(ラポール)の重要性を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。内容は,ペアや少人数のグループを作り,様々な形態のカウンセリング・心理療法を体験してもらい,また同じ課題でペアを変えてみることで,自分の態度や表現,安心感などがどう変わるかを振り返りってもらった。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学FD・SD活動推進委員会委員長
    年月日(From)
    2020/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,FD・SD活動を推進するために委員会を統括し,FD・SD研修を企画,実施,紹介した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学FD・SD活動推進委員会委員
    年月日(From)
    2018/04
    年月日(To)
    2020/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,FD・SD活動を推進するためにFD・SD研修を企画,実施,紹介した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学大学院臨床心理学専攻設置準備分科会メンバー
    年月日(From)
    2002/06
    年月日(To)
    2003/12
    概要
    臨床心理士を養成するための大学院設置と臨床心理士資格認定指定大学院認可を目指して,臨床心理学専攻の設置の目的や養成したい人材,履修モデル,カリキュラム,担当者等の検討を行い,文部科学省に提出する設置認可申請書の原案を作成した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学心理学科学科の履修モデルの再確認および見直しをするためのワーキング・グループメンバー
    年月日(From)
    2002/12
    概要
    学部・学科開設から1年8ヶ月を経過して,開設時に立てた履修モデルやカリキュラムが,学科が育てたいと考える人材や教育目標と適合しているかどうか,また実際の教育現場の実情にふさわしいかどうかの点検・評価を行い,今後カリキュラムを改善する上での基礎作業を行っ
    た。主に臨床心理学関係の履修モデル・カリキュラムを担当し,自ら意見を出すと共に,他のメンバーとともに,学科の教員の意見をとりまとめ,改善した履修モデルを作成した。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学学内評価委員会委員
    年月日(From)
    2003/03
    概要
    学内の各部署からの自己点検・評価報告を取りまとめ,自己点検・評価委員会で編集した自己点検・評価報告書原稿にもとづき,1998~2002年までの大阪樟蔭女子大学および短期大学の現状と課題,課題に対する今後の対策について討議した。
  • 件名
    (実習指導実績)京都第二赤十字看護専門学校「ふれあい合宿」
    年月日(From)
    2004/03
    概要
    「ふれあい合宿」は2年生対象の必修科目で,教育学習の一環として行われる教育キャンプ(2泊3日20時間)である。約35名の学生に対して,体験を通じて,看護師として対人援助に携わる上で必要な人間理解と共感性を深めてもらうために,ブラインドウォーク,フィンガーペインティング,粘土,仮面のワーク等の集団療法で用いられる技法を用いたグループワークを行った。
  • 件名
    (学位論文指導実績)大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科「研究演習」担当
    年月日(From)
    2004/04
    概要
    母子の関係性・情動調律・情緒応答性,スーパーヴィジョン,関係性と描画表現の関係,発達障害児に対する態度,思春期・青年期における自傷行為といったテーマで,関連した文献を読み,テーマ設定・研究計画・データの分析・論文の執筆を指導してきた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科臨床心理学専攻准教授(平成19年3月まで専任講師)「臨床心理基礎実習」「臨床心理査定演習」担当
    年月日(From)
    2004/04
    概要
     「臨床心理基礎実習」は修士1年生対象の必修科目で,2単位(3時間×30回)の通年科目である。臨床心理士(心理臨床家)として必要な基礎的な態度とスキルを習得させるために,学内外の心理臨床現場の見学,カウンセリング・プレイセラピー・箱庭療法のロールプレイ,ケースカンファレンスへの参加,事例研究,臨床心理面接への陪席,教員によるスーパーヴィジョンを受けながらのカウンセリング・プレイセラピーの実践等の実習を行った。
     「臨床心理査定演習」は修士1・2年生対象の必
    修科目で,4単位(2時間×60回)の2年連続通年科目である。3~16名の大学院生に対して,臨床心理査定(アセスメント)に関する基礎的な文献の購読によって「臨床心理査定(アセスメント)」や「見立て」の概念を理解させるところからはじまり,文献に掲載された資料を用いた心理検査のデータや表現の読み取り方のトレーニング,事例研究論文を用いたクライエントのアセスメントのトレーニング,インテーク・カンファレンスに出席しての臨床心理査定の学習,インテーク面接に陪席してクライエントの臨床心理査定の試行,自らがインテーク面接を行って自分が担当したクライエントの臨床心理査
    定,一般大学生に対するバウムテスト,風景構成法,ロールシャッハ・テストの実施・解釈・検査所見の作成,等の実習を行ってきた。
  • 件名
    (実習指導実績)大阪樟蔭女子大学心理学部「心理療法実習」担当
    年月日(From)
    2008/04
    概要
    「心理療法実習」は3・4年生対象の選択科目で,1単位(2時間×15回)の半期科目である。約30名の学生に対して,箱庭療法をテーマとして,心理療法を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるセラピストとクライエントの間の関係性の重要性と,クライエントの非言語的な表現の受け取り方を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。
  • 件名
    (実習指導実績)広島大学大学院教育学研究科 附属心理臨床教育研究センター「集中セミナー」担当
    年月日(From)
    2008/07
    概要
    「集中セミナー」は心理臨床教育研究センターの相談員(修士課程1年生~博士課程3年生)対象で,単位なしの,3日間×2回の集中実習である。約40名の相談員(大学院生)に対して,遊戯療法を中心とする臨床心理面接(心理療法)に関する基礎的な文献の講読と受講生の経験事例のケースカンファレンスのコメンテーター
    を担当し,相談員の遊戯療法を中心とする臨床心理面接(心理療法)の技量を高めるための実習を行った。
  • 件名
    (実習指導実績)宝塚造形芸術大学造形学部芸 術学科「カウンセリング技法演習(アートセラピー演習)Ⅱ」担当
    年月日(From)
    2009/10
    年月日(To)
    2010/03
    概要
    「カウンセリング技法演習(アートセラピー演習)Ⅱ」は2年生対象の選択科目で,2単位(4時間×15回)の半期科目である。3名の学生に対して,カウンセリング(特にアートセラピー)の技法の基礎を習得させることを目的として,カウンセリング(アートセラピー)を行うときに絶対的に必要とされ,またその質を決定づけるカウンセラーとクライエントの間の関係性の重要性と,クライエントの非言語的な表現の受け取り方を体験的に学び取ってもらうことを主眼とした実習を行った。
  • 件名
    (学内外における大学教育改善に関する活動)大阪樟蔭女子大学学士課程基幹教育開発部会員
    年月日(From)
    2010/04
    年月日(To)
    2011/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学において,従来の教養教育を一新し,新たに学士課程基幹教育について検討し,「アカデミックスキルズ」の開設や,学士課程基幹教育の骨子を構想した。

資格・免許

 2
  • 件名
    公認心理師
    年月日
    2018/02
    概要
    保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援等を行う国家資格である。
  • 件名
    臨床心理士
    年月日
    1998/04/01
    概要
    文部省が認可した財団法人日本臨床心理士資格認定協会が行う資格試験に合格し,同協会が認定する「臨床心理士」の資格を取得した。この資格は,医療,教育,産業,司法,福祉にわたる心理臨床活動の専門家としての資質を問う資格であり,現在の日本においても最も権威と知名度のある心理臨床家の資格である。

実務経験を有する者についての特記事項(職務上の実績)

 1
  • 件名
    (臨床実績)奈良県スクールカウンセリングカウンセラー
    年月日(From)
    2012/04
    概要
    奈良県内の学校で生じた問題行動に関して、当該学校を訪問し、校内ケース会議に参加しての助言、当該児童生徒の行動観察によるアセスメント等のコンサルテーションを行った。

共同研究・受託研究

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  • 研究科題名
    不思議現象に対する態度
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    小城英子;川上正浩
    期間(開始)
    2004
  • 研究科題名
    大学生活充実度・大学への帰属感
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    奥田亮;川上正浩;佐久田祐子
    期間(開始)
    2002
  • 研究科題名
    香芝市と東大阪市における不登校・別室登校をする児童・生徒に対する心理的支援 ― 個人心理療法を導入した継続的支援 ―
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    高橋裕子;根本眞弓;奥田亮
    期間(開始)
    2017/04
    期間(終了)
    2018/03
    代表者
    坂田浩之
  • 研究科題名
    異形・異類
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    黒川麻実;川上正浩
    期間(開始)
    2020
  • 研究科題名
    自分に対する“慈しみ”を育む 美容教育プログラムの開発
    共同/受託
    共同研究(Collaborate)
    共同連携先・受託先
    武藤祐子
    期間(開始)
    2016/04
    期間(終了)
    2017/03
    代表者
    武藤祐子