井出 春佳, 青竹 峻太郎, 小方 博之, 大谷 淳, 大谷 拓也, 高西 淳夫, 舩橋 真俊
画像電子学会研究会講演予稿 2022年 一般社団法人 画像電子学会
農地内で様々な植物種を混生密生状態で生育させる協生農法環境下では植物同士の区別が難しく,管理のための自動化が課題となっている.本プロジェクトでは,協生農法の鍵である植生の多様性を維持するために,特定の植物が他の植物種に対して過度に繁茂している状態を優勢状態と呼び,優勢状態の植物は剪定する.本論文では,農園の俯瞰カメラから取得した RGB 画像を用いて特定の植物種を対象に,優勢状態の推定を行うことを目的とする.本研究の提案手法としてはまず,RGB 原画像を分割小領域に分割し,各分割小領域内の植物種数を,VGG16 を用いて推定する.植物種数が“2 種類以下”と推測された分割小領域の数の合計が閾値を超えた場合,原画像は優勢状態の候補と判断する.優勢状態の候補とされた場合,“2 種類以下”と推測された分割小領域間でAKAZE 特徴量を用いて類似度を求め,それらが類似している場合は,同じ植物が繁茂しているとみなして優勢状態と判定する.本手法によって優勢状態の推定では高精度の結果を得ることができ,有効性を確認した.