鈴木理史, 田中研太郎, 宮川雅巳
品質 44(4) 65-74 2014年 査読有り
Xiao et al.(2012)は,カンファレンス行列を用いた3水準スクリーニング実験計画を与えた.この計画は取り上げたm個の因子に対して2m+1回の実験を行うもので,すべての線形主効果が2因子交互作用および2次主効果と交絡することなしに不偏推定できる.しかし,2因子交互作用と2次主効果は部分的に交絡し,不偏推定量を得ることはできない.そこで本論文では,この計画にm+1回の追加試行を加えることで,特定の因子と他のすべての因子とのm-1個の2因子交互作用と,その因子の2次主効果に対して不偏推定量が構成できるようになることを示す.また,この不偏推定量の存在によって最小二乗推定量の不偏性が示される.数値実験により最小二乗推定量の推定精度を精査する.