田中 達也, 山口 悦司, 小林 和奏, 青木 良太, 武田 義明, 溝口 博, 楠 房子, 舟生 日出男, 杉本 雅則, 稲垣 成哲
日本科学教育学会研究会研究報告 37(5) 103-106 2023年2月23日
本研究の目的は,「里山管理に関する知識獲得を支援するためのツール」として開発された「里山管理ゲーム」を小学校理科授業に導入し,生物多様性を豊かにするための人と環境との関わりを捉えることを目指した小学校理科授業の単元をデザインすることであった.本研究で導入された「里山管理ゲーム」は,学習者が里山の管理人となり,1ゲームで10ターン(約150年間)の里山管理を体験することができるものであった.本研究でデザインされた授業の単元は,小学校第6学年理科の内容B生命「(3)生物と環境」であった.本単元の内容は,「生命」についての基本的な内容のうちの「生物と環境の関わり」に関わるものであり,中学校第2分野「生物と環境」,「自然環境の保全と科学技術の利用」の学習につながるものであった.開発された単元では,「里山管理ゲーム」を活用した授業を単元導入として実施した.これにより,単元全体を通して,人の生活と持続可能な環境との関わり方としての「保全」の視点を児童が意識できるようにした.