新田 徹
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS 87(6) 450-453 2004年6月1日
本稿では,複素ニューロンの計算能力の一端を紹介する.まず,通常の実数型の単一ニューロンでは解くことができない排他的論理和問題(XOR問題)と対称性検出問題を,単一複素ニューロンを使って解くことができることを示す.その際,複素ニューロンの決定表面が直交した二つの超平面から構成されていることを利用する.次に,具体的な応用例として,通信分野におけるフェージング等化問題が単一複素ニューロンを使うことによって,うまく解けることを示す.その際にも直交した決定表面がうまく活用される.