林 知里
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 114(440) 19-24 2015年1月30日
双生児の言語発達は単胎児と比較して遅れることが報告されている。その原因のひとつとして、双生児ペア間にのみに通じる独自の言葉(twin language)の存在が言われている。双生児と単胎児の言語発達に関する先行研究として著者らが把握できたものは、最年少でも1歳児からを対象としたものであったため、本研究では、0歳から2歳における双生児の相互作用および言語発達に着目して分析を行った。また、本研究の対象となった双生児(二卵性男女ペア)は言語の遅れは認められなかったものの、2歳ごろからtwin languageが認められた。双生児の親の中には、多忙な育児から心身に過度の負担を感じる親やtwin languageや言語発達の遅れを心配して悩む親も多く、研究者と当事者の双方向のコミュニケーションによる情報共有や双生児の育児と発達に関するリテラシーの向上が重要であろう。