研究者業績

藤木 大介

フジキ ダイスケ  (Daisuke Fujiki)

基本情報

所属
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 森林動物系森林管理マネジメント研究部門 准教授
学位
修士(農学)(鳥取大学)
博士(農学)(京都大学)

J-GLOBAL ID
200901071890770927
researchmap会員ID
1000327239

論文

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  • D Fujiki, K Kikuzawa
    NEW PHYTOLOGIST 161(2) 427-433 2004年2月  査読有り
    Here we propose a new method for classifying aerial stems of woody plants by developmental stage, using the logarithmic reciprocal of relative growth rate (LRR) as an indicator of developmental stage. Stem analyses were conducted on naturally dead aerial stems of Lindera umbellata to clarify the changes in LRR over a lifetime. LRR, number of current-year shoots, and the recruitment and mortality rates of shoots of living stems were investigated. LRR was at a minimum value at age 1 yr and at a maximum just before each stem died. There was little difference between the ranges of stem LRR. The recruitment and mortality rates of shoots depended on LRR. LRR satisfied the necessary and sufficient condition for a variable as an indicator of stage better than either age or size. The LRR-structured model accurately demonstrates the real demographic processes in shoot populations over a lifetime of aerial stems. This result supports the utility of LRR as an indicator of stage. The method using LRR can be applied to analyses for other growth processes.
  • Daisuke Fujiki
    Applied Forest Science 12(1,15-21) 15-21 2003年  
    異なる林齢をもつ落葉広葉樹2林分(15年生林,60年生林)において林床に生育するクロモジ(Lindera umbellata)の個体群構造が調査された。低木層における相対照度は60年生林(15.2%)の方が15年生林(27.7%)より低かった。同様に,クロモジの株個体群の地際断面積合計においても60年生林(3.04m^2ha^<-1>)の方が15年生林(4.90m^2ha^<-1>)より小さかった。このことは林分の発達に伴う林床の光環境の悪化がクロモジ個体群の現存量を減少させることを示唆していた。株と地上茎の個体群構造の比較から両林分における地上茎個体群は主に萌芽によって維持されていることが示唆された。15年生林分では中型サイズの株の頻度が60年生林分に比べ高く,このことは過去に集中的に株が加入した時期があったことを示唆していた。皆伐後の二次遷移初期段階においては実生更新が個体群の形成に重要な役割を果たした可能性がある。
  • 藤木 大介, 山中 典和, 玉井 重信
    日本緑化工学会誌 26(3) 209-222 2001年  
    鳥取砂丘の種組成と立地環境が異なる5つの植生タイプ(無植生地, コウボウムギ群落, ハマゴウ群落, ニセアカシア林, クロマツ林)の埋土種子集団の種組成を明らかにし, 地上植生の種組成が埋土種子の種構成に与える影響について考察した。各植生タイプの埋土種子集団において木本種の埋土種子数は少なく, 各植生の単位面積当たりの埋土種子数の違いは草本種の種子数の違いに起因するものと考えられた。また, 主に生活型による種類組成の点から, 埋土種子集団の分布様式を検討した結果, 雑草群落の構成種である一年生-二年生草本の埋土種子は半安定砂丘と安定砂丘に多くみられた。砂丘植物の埋土種子は移動砂丘と半安定砂丘, 砂丘植物を除く多年生草本の埋土種子は安定砂丘に多く出現し, ハマゴウを除く木本種の埋土種子は安定砂丘に多くみられた。各植生タイプの種子供給源を検討した結果, コウボウムギ群落, ハマゴウ群落, ニセアカシア林, クロマツ林では多くの埋土種子が地上植生由来であり, これらの群落において地上植生の種組成が埋土種子集団の種組成に与える影響は大きいと考えられた。しかし, 無植生地では全ての埋土種子が植生外から供給されていた。
  • 藤木大介, 玉井 重信, 山中 典和
    森林応用研究 7 83-86 1998年  
    林床のような制限された光環境下で生育している低木の株の維持機構を,我が国の代表的な低木種であるクロモジを用いて主に物質収支の面から考察した。クロモジの株現存量が大きくなるにつれ株の年間材積生長量は急激に増加するが,その後次第に増加率が徐々に小さくなり,物質収支が悪化していくことが認められた。物質収支が悪化した株では地上茎間で材積生長が同調的な変化ではなく相互に異なる変化を示した。また,各地上茎の生長率は年齢とともに急激な減少を見せたことから,地上茎間では同化産物の転流が起こり,特に若齢の萌芽地上茎は親株からの同化産物の供給に強く依存していることが考えられた。当年生萌芽の伸長生長量は個体間での分散は大きかったが,その最大値は株サイズと比例して大きくなることが認められた。また,当年生萌芽のうち伸長生長が大きかった個体が後に低木層の構成個体となり残存していた。同一株内で発生した複数の当年生萌芽の中で伸長生長量が大きな個体は後続樹としての役割を持ち,小さな個体は大きな個体死亡時の保険機能的な役割を持つことが示唆された。

MISC

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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