森 裕樹, 清野 諭, 山下 真里, 横山 友里, 植田 拓也, 小林 江里香, 内田 勇人, 藤原 佳典
応用老年学 18(1) 23-35 2024年8月 査読有り
大都市在住の後期高齢者を対象に,COVID-19感染拡大前後での通いの場の参加状況の変化とその関連要因を検討した.2021年8月に郵送調査を行い,29,490名のデータから感染拡大前後での通いの場種別の参加状況を従属変数,基本属性や生活状況,健康状態を独立変数としたロジスティック回帰分析を実施した.感染拡大後の新規参加は,通いの場種別を問わず非対面交流と有意であった.さらに,通いの場の種別によっては,新規参加が性別や居住形態,所得,教育歴,スマートフォン使用と有意に関連していた.一方,参加中断は,通いの場種別を問わず女性やフレイルと有意であった.通いの場の種別によっては,参加中断が婚姻状況,スマートフォン使用,就労に加え,非対面交流や主観的健康感と有意に関連していた.以上より,通いの場の種類や内容に応じて,高齢者が通いの場への参加自粛または中断へと至る過程は異なる可能性が示唆された.(著者抄録)