川向 肇

洪水・津波・土砂災害・水害など各種災害被害を軽減するために，各種のハザードマップが整備・公開されており，2020年には宅地建物取引業法施行規則の一部改正によって，不動産取引や賃貸契約締結時にハザードマップに基づく取引物件の土砂災害および津波被害のリスクの存在の有無に加えて，水害に対するリスクの有無の確認が義務化された．本研究では，情報品質の概念枠組みを利用して，このような自然災害によって惹起されるハザードに関する情報の提供内容と提供のタイミング，さらには不動産市場での利活用方法によって，減災に繋がる効果が異なるのではないかとの仮説に基づき，減災に有効なハザード情報とその利活用方法について検討する．

Abstract Vegetation degradation is associated with human activities and climate change leading to ecosystem changes and biodiversity losses. To reduce the impacts of vegetation degradation, forecasting of vegetation condition is vital in formulating measures to prevent and reduce the losses. Vegetation indices (VI) obtained from remote sensing data, such as the normalized difference vegetation index (NDVI) are widely used to monitor and forecast vegetation condition. In the present study, a stochastic and artificial neural network (ANN) models were compared in modeling and multi-step lead forecasting of NDVI in the Middle Tana River Basin (MTRB), Kenya. Pixel-wise NDVI data for the period 2000 - 2019 was extracted from the MOD13Q1 product of the Moderate Resolution Imaging Spectroradiometer (MODIS). Time lags of NDVI was used as inputs for the models. The results showed that the ANN model outperforms the stochastic model, with a predicting accuracy of RMSE of 0.07207, MSE of 0.00589 and MAE of 0.06417. The multi-step lead forecasting produced satisfactory results indicating the suitability of the models as tools in forecasting NDVI.

本研究では，大企業に比べて構成人数が少ない中小企業プロジェクにおけるリスクマネジメントについて検討するために，まず，収集したプロジェクト失敗事例の記載内容からリスク要因を洗い出し，標準的ガイドラインのISO31000に準拠してリスク分析を行った．続いて，失敗事例の記載内容におけるリスク要因の共起頻度に着目し，クラスタリングと共起ネットワークを通してリスク要因間の共起性を調べた．その結果，リスク要因の連鎖性の知見に立脚した，中小企業プロジェクトに適したリスク対応のあり方と具体化の方向性を見いだすことができた．

大企業に比べて構成人数が少ない中小企業プロジェクトでは，メンバー各人に多数の作業分掌が重なり，大企業のようにPMBOKなどの知識体系化された方法でプロジェクトを管理していくことは難しい．そこで著者らはこれまで，中小企業プロジェクトにおける効果的なリスク対応に向けて，中小企業におけるプロジェクトの失敗事例からリスク要因を洗い出しリスク分析と評価を行った．さらに，失敗事例の記載内容におけるリスク要因の共起頻度に着目し，共起ネットワークを通してリスク要因間の共起性の分析を行った．本研究では，共起ネットネットワーク分析で得られたサブグラフを構成するリスク要因群ごとに，各リスクのランク付け値とリスク要因間の共起の強さを基にリスク低減・回避に係るシナリオを作成し，それによるリスク評価シートの開発について報告する．

本稿は，「兵庫山田錦生産者調査（2016年）」の結果を用いて，農協や農業改良普及センターによる生育診断（穂肥診断と刈り取り適期診断）に対する生産者の意向とその要因を明らかにした．第一に，生育診断に対する生産者の認知状況を把握した．「穂肥診断」は回答者の70.5%，「刈り取り適期診断」は61.3%に認知されており，いずれも全体の3分の2程度の回答者に認知されていることが明らかになった．第二に，診断作業を「自分でしたい」という意向を持つ回答者の特性を把握した．「穂肥診断」は回答者の20.7%，「刈り取り適期診断」も20.7%の回答者が自主的判断の意向を表した．彼らは，これまで自分自身で生育診断を実施してきており，将来，経営の拡大を検討している能動的な生産者であることが明らかになった．第三に，診断作業を「農協や普及センターに任せる」という意向を持つ回答者の特性を把握した．「穂肥診断」は回答者の55.6%，「刈り取り適期診断」では59.2%の回答者がその意向を示した．彼らの主な特性は，経営を拡大する意向はなく，経営の現状維持にも否定的な生産者であることが明らかになった．診断作業を「自分でしたい」という意向を持つ生産者が回答者の2割ほど存在することが明らかになったことで，今後，生育診断を実施する側としては，このような意向の生産者からは的確で効率的に実施できる手法の提供が求められることを想定する必要がある．一方，従来どおりに診断作業を「農協や普及センターに任せる」とする生産者が回答者の6割も占めていることも見逃せない．いずれにしても，生育診断を実施する農協や普及センターの限られた人的資源を考慮すると，多数の圃場を効率的に診断し，その情報を迅速に共有できるICTの活用が必須となるものと思われる．

Desertification is major issue in arid and semi-arid lands (ASAL) with devastating environmental and socio-economic impacts. Time series analysis was applied on 19 years’ pixel-wise monthly mean Normalized Difference Vegetation Index (NDVI) data. The aim of this study was to identify a time series model that can be used to predict NDVI at the pixel level in an arid region in Kenya. The Holt-Winters and Seasonal Auto Regressive Integrated Moving Average (SARIMA) models were developed and statistical analysis was carried out using both models on the study area. We performed a grid search to optimise and determine the best hyper parameters for the models. Results from the grid search identified the Holt-Winters model as an additive model and a SARIMA model with a trend autoregressive (AR) order of 1, a trend moving average (MA) order of 1 and a seasonal MA order of 2, with both models having a seasonal period of 12 months. It was concluded that the Holt-Winters model showed the best performance for 600 ✕ 600 pixels (MAE = 0.0744, RMSE = 0.096) compared to the SARIMA model.