研究者業績

中西 永子

ナカニシ エイコ  (Eiko Nakanishi)

基本情報

所属
兵庫県立大学 看護学部 看護学部 助教

研究者番号
10843013
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-0949-687X
J-GLOBAL ID
202001001463689558
researchmap会員ID
R000009576

経済学士→パッケージデザイン営業→ビル等の中央監視システムの設計・製作・導入を行うシステムベンダーのシステムエンジニア→看護学士→看護師,保健師,医療情報技師→応用情報学修士


論文

 14
  • 粟村 健司, 新居 学, 渡邊 里香, 中西 永子, 真鍋 雅史, 河野 孝典, 芳賀 邦子, 撫養 真紀子, 坂下 玲子, 小野 博史
    日本プライマリ・ケア連合学会誌 46(4) 132-141 2023年12月20日  査読有り
    目的:看護小規模多機能型居宅介護(看多機)に特徴的なサービス情報の発信と運営状況との関係を明らかにする. 方法:介護サービス情報公開システムに公表された全国の看多機のテキスト情報を厚生労働省から入手し,KH Coderを用いて語の使われ方の特徴を分析した.看多機に特徴的である医療依存度や看取りに関する語を使用していた事業所とそれ以外に分け,利用者数や従業員数,サービスの実施状況を比較した. 結果:医療依存度や看取りに関する語を使用していた事業所は,使用していない事業所よりも要介護5の利用者数,看護職員の常勤人数が有意に多く,処置の実施率も人工肛門の1項目を除く,12項目で有意に高かった. 結論:医療依存度や看取りに関する語を発信していた事業所は,より多くの利用者を確保し多様なサービスを展開していることが示唆された.今後は事業所管理者が看多機サービスの理解を深め,運営に反映できるような支援が求められる.
  • 撫養 真紀子, 渡邊 里香, 小野 博史, 中西 永子, 芳賀 邦子, 粟村 健司, 新居 学, 真鍋 雅史, 河野 孝典, 坂下 玲子
    社会医学研究 40(2) 150-165 2023年10月15日  査読有り
    背景・目的:本研究では,先行研究において抽出された看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機)で働く看護師に求められるコンピテンシーの内容と,実際に看多機で働く看護師の優れた看護実践から,コンピテンシーの内容妥当性を検討することを目的とした.方法:看護師や施設管理者11名を対象にフォーカスグループインタビューを2回実施し,コンピテンシー評価指標(大項目・小項目)案の内容妥当性を検討した.結果:その人の希望に沿いながら「生きる」ための支援を重視するという意見から【看取りを支える】は【最期まで「生きる」を支える】に修正された.また【その人を支えるチームをつくる】は,平時から地域資源を活用する必要性の指摘を受けて【その人を地域で支えるチームをつくる】に修正された.家族の介護負担を軽減する支援の重要性から【家族を支える】が新たに追加された.変更のなかった【その人の生活の中で歩み寄りを続ける】【その人や家族の強みを引き出し生活に取り入れる】【個々に合わせ臨機応変にケアを創造する】【命をまもる】【その人の居場所をつくる】と合わせ,大項目は8つとなった.小項目の妥当性についても検討と修正した結果,37項目から48項目となった.考察:フォーカスグループインタビューでは利用者だけでなく家族支援が望まれていた.本調査を経て,看多機で働く看護師のコンピテンシーが精錬され,内容妥当性は確保された.(著者抄録)
  • Hiroshi Ono, Kuniko Haga, EIKO NAKANISHI, Rika Watanabe, Masashi MANABE, Kenji AWAMURA, Takanori Kawano, Manabu Nii, MUYA, Reiko Sakashita
    Asian/Pacific Island Nursing Journal 7 e45779-e45779 2023年5月9日  査読有り
    <jats:sec> <jats:title>Background</jats:title> <jats:p>Japan is a superaging society unparalleled in the world. Elderly people who need medical care do not receive adequate support in the community. As a new service to address this issue, a small-scale multifunctional in-home care nursing service called Kantaki was created in 2012. Kantaki, in collaboration with a primary physician, operates 24 hours a day and provides various nursing services (home visits, home care, day care, and overnight stays) to older people living in the community. The Japanese Nursing Association is working hard to promote this system; however, its low utilization rate is an issue.</jats:p> </jats:sec> <jats:sec> <jats:title>Objective</jats:title> <jats:p>This study aimed to determine factors influencing the utilization rate of Kantaki facilities.</jats:p> </jats:sec> <jats:sec> <jats:title>Methods</jats:title> <jats:p>This was a cross-sectional study. A questionnaire on the operation of Kantaki was sent to all administrators of Kantaki facilities operating in Japan from October 1 to December 31, 2020. A multiple regression analysis was used to determine factors associated with a high utilization rate.</jats:p> </jats:sec> <jats:sec> <jats:title>Results</jats:title> <jats:p>Responses from 154 of the 593 facilities were analyzed. The average utilization rate for all valid responding facilities was 79.4%. The average number of actual users and the break-even point were almost equal, resulting in little surplus profit from facility operations. A multiple regression analysis showed that factors that had a significant impact on the utilization rate included the break-even point, a surplus of users relative to the break-even point (ie, the margin of revenues), the number of months in office of the administrator, the type of corporation (ie, nonprofit), and Kantaki’s profit from operating home-visit nursing offices. The break-even point, a surplus of users relative to the break-even point, and the number of months in office of the administrator were robust. In addition, support for reducing the burden on family helpers, a service sought by the system, significantly and negatively affected the utilization rate. In the analysis that removed the most influential factors, the cooperation of the home-visit nursing office, Kantaki’s profit from operating the home-visit nursing office, and the number of full-time care workers were significantly related.</jats:p> </jats:sec> <jats:sec> <jats:title>Conclusions</jats:title> <jats:p>To improve the utilization rate, managers need to stabilize their organization and increase profitability. However, a positive relationship was found between the break-even point and utilization rate, suggesting that simply increasing users did not contribute to cost reduction. Moreover, providing services that meet the needs of individual clients may result in lower utilization rates. These results, which are inconsistent with common sense, reflect the divergence between the assumptions underlying the system’s design and actual conditions. To solve these issues, institutional reforms, such as an increase in nursing care fee points, may be necessary.</jats:p> </jats:sec>
  • 中西 永子, 高見 美樹, 石垣 恭子
    医療情報学 42(6) 249-262 2023年4月  査読有り筆頭著者
    本研究の目的は,ベテラン看護師と新人看護師の電子カルテからの情報収集の時間,範囲,量の違いを明らかにし,新たな評価手法を提案することである.研究対象者は模擬患者について電子カルテから日勤勤務前の情報収集を行った.情報収集の様子は視線計測機を用いて録画を行い,情報収集の時間,範囲を明らかにした.情報収集終了後,研究対象者へインタビューを行い,最終的に把握した患者情報の量を明らかにした.結果,「看護記録」の平均注視時間がベテラン群より新人群が長く,両群の有意差を認めた.情報収集の範囲は,ベテラン群は必要だと考える情報を選択し,新人群より多く画面を切り替えて注視していたが,新人群は1つの内容を集中的に,時間をかけて情報収集を行っていた.情報収集の量は,「薬物療法」に関する内容は両群とも多かったが,「今後の予測」に関する内容はベテラン群が新人群より平均値が高く,両群の有意差を認めた.(著者抄録)
  • 渡邊 里香, 撫養 真紀子, 中西 永子, 芳賀 邦子, 小野 博史, 粟村 健司, 真鍋 雅史, 新居 学, 河野 孝典, 坂下 玲子
    Phenomena in Nursing 7(1) R20-R29 2023年  査読有り
    【目的】看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機)は,訪問看護・介護,通所,宿泊サービスを臨機応変に組み合わせ,医療ニーズにも対応するという多様な機能をもつため,既存の看護提供施設とは異なる能力が求められると考えられる。看多機でのより質の高い看護を展開できるような行動指標の開発を目指し,本研究では,研究者らが先行研究にて明らかにした看多機看護師のコンピテンシーについて,定量的な内容妥当性の検討を行うことを目的とした。【方法】2020年9月時点の全看多機で勤務している看護師に対し,自記式質問紙調査を実施した。質問内容は看多機看護師のコンピテンシー(8カテゴリー,48サブカテゴリー)についての重要性であり,記述統計を行った。【結果】国内全看多機の看護師498人へ調査票を配布し217人から回答を得,回収率は36.5%であった。48サブカテゴリーのうち,ほぼすべての項目において9割以上の人が「とても重要」「重要」と回答し4点満点中,平均値3.4点以上でったため,重要であるという評価であった。特に,【その人や家族の強みを引き出し生活に取り入れる】【個々に合わせ臨機応変にケアを創造する】【命をまもる】【最期まで「生きる」を支える】【その人を地域で支えるチームをつくる】は,複数の項目において,平均値3.8点以上と高い点数であった。【結論】先行研究で抽出し専門家により精錬された8カテゴリー,48サブカテゴリーからなる看多機看護師のコンピテンシーについて定量的な内容妥当性が確認された。療養者を取り巻く家族や地域のあり方が多様化する中で,最期まで住み慣れた場所で暮らしていくためには,看護師が中核となり療養生活を支える役割があることが確認された。(著者抄録)

MISC

 7
  • Eiko NAKANISHI, Hiroshi ONO, Takanori KAWANO, Reiko SAKASHITA
    Health Emergency and Disaster Nursing 10(1) 46-48 2023年3月31日  査読有り筆頭著者
  • 坂下 玲子, 中西 永子
    看護管理 32(4) 276-282 2022年4月  
    <文献概要>本稿では,日本看護質評価改善機構が提供する「看護ケアの質評価・改善システム」の特徴について解説する。その上で,このシステムおける得点分布がどうなっているか,項目ごとの関連性を解説し,この評価ツールを用いることで,どのように自主的な質改善運動が創出されるかを紹介する。
  • 坂下 玲子, 小野 博史, 中西 永子
    看護研究 55(1) 58-68 2022年2月  
    <文献概要>はじめに 本稿においては,私たちが状況特定理論構築にチャレンジした過程を示したい。本稿のねらいは,誰でも気軽に理論構築に取り組めるように,その道筋を示すことである。本理論の素材は,2012年より日本学術振興会科学研究費の助成を受けた「食からはじめる高齢者福祉施設における生活の再構築」の研究において,介入モデルを展開したときから形づくられてきた。しかし,理論という形にしようと考えたのは,2019年にDr. Imから状況特定理論の本を出版するので執筆しないかと,お声をかけていただいたのが契機だ。それまで,上記の介入モデルは理論に近いものと考えていたが,実際に理論に仕立てる過程でこれまで不足していた多くのことを学び,違う地平線をみることができた。特に,理論の前提,哲学的な背景を明確にすること,理論の要素をひとつずつ吟味し見直すことで,どのような看護介入を実践しようとしたかがより明確になった。本理論は英文で出版するために構築したので,英文のタイトル「Dining supports for life enhancement at welfare facilities for seniors in Japan(DLWS理論)」が先につけられた。日本語では,「高齢者福祉施設での活き活きとした暮らしを支えるための食支援理論」という意味である。なお,本理論の詳細は,前述の成書(Sakashita, Ono, & Nakanishi, 2021)を参照してほしい。
  • 坂下 玲子, 森本 雅和, 新居 学, 中西 永子, 小野 博史, 谷田 恵子, 河野 孝典, 笹嶋 宗彦, 中出 麻紀子
    Phenomena in Nursing 6(1) S5-S11 2022年  
    本学(県立大学)看護学部のプロジェクト「ビッグデータを活用した健康リスク予測と高度看護介入による新たなデータヘルス・システムの開発」の一環として実施した、糖尿病の悪化を予測するためのアルゴリズムの開発と特定保健指導で活用可能なアプリケーションの開発について報告した。糖尿病悪化予測アルゴリズムの開発は、A市の平成12年(2000年)から平成31年(2019年)までの健診データ19750人分をもとに、過去2回分のデータから3回目の糖尿病の総合判定の予測を行った。1回目のデータを「過去データ」、2回目のデータを「現在データ」、3回目のデータを「未来データ」とし、検査項目を「基本データ」「診断データ」「アンケートデータ」と区分し、区分ごとに「過去データ」「現在データ」「未来データ」「過去→現在への変化データ」「現在→未来への変化データ」に分け、3回目である「未来データ」が悪化するかしないかを機械学習などを用いた。上記のアルゴリズムを用いて糖尿病の悪化および発症のリスク変化を提示し、生活習慣の改善の動機づけとすることを目的に、保健指導アプリを構築した。その結果、糖尿病悪化予測アルゴリズムでは、「判定の悪化」を予測対象としてしまったため、判定が一段階悪化したばかりの者は次回に悪化しにくく、良いスコアが表示されてしまう結果となり、これだけでは生活習慣改善の動機づけにつながらないことが分かった。
  • Hiroshi ONO, Eiko NAKANISHI, Rika WATANABE
    Health Emergency and Disaster Nursing 2021年  
  • 中西 永子, 小野 博史
    看護研究 52(6) 467-473 2019年10月  
    <文献概要>はじめに 臨床の看護師が引っかかっていることは,もちろん実践の現象の中にある。だが,現象の本質はカメレオンのようにジャングルの中に潜んでいるので,それを取り出し,適切な言葉(概念)を与えるのは難しい。実際,それ自体がライフワークになることも多いと思われるのだが,そこまでいかなくても,今日の実践の中で重要であることは何か,日々積み上げられる経験の中にある小さなエビデンスは何か,それを正確に捉えることから始められればと思う。そのための1つの工夫が,自分の看護実践から生じたできごとを振り返ること(「できごとリフレクション」)である(詳細は前稿参照)。しかし,私たちは皆,「自分」という思い込みにとらわれた檻の中で生きており,自分ひとりでは,生じたできごとを振り返ることは難しい。そのため,当事者である自身の言葉を投げ返し,問い,当事者の自己理解を促す相手が必要となる。本稿ではその当事者を臨床看護師,相手をファシリテーターとし,ある事例に基づく両者の対話を通して,「何が起こっていたのか」を明らかにしていく具体的なプロセスを示し,実践の中で起こった「できごと」を捉え,それをエビデンスとしていくためのヒントを得たい。

書籍等出版物

 2

講演・口頭発表等

 27

所属学協会

 6

共同研究・競争的資金等の研究課題

 5

社会貢献活動

 5