森 菊子, 西池 絵衣子, 片岡 千明, 川田 美和, 濱上 亜希子, 澤村 早苗, 野口 三華, 今若 真里佳, 渡辺 梨絵, 森岡 久美子, 中野 惠子, 大野 かおり
Phenomena in Nursing 7(1) P1-P11 2023年
【目的】自分の強みに気付き,健康な生活習慣を継続するための自分なりの方法をみつけることを目標とした特定保健指導プログラムを作成し,評価を行った。また,A市における特定保健指導対象者の特徴を明らかにした。【方法】対象者は,全5回からなる特定保健指導新プログラムに参加した住民である。プログラム開始時および終了時に無記名式アンケート調査を実施した。アンケート内容は,基礎情報,生活習慣,SCAQ(Self-Care Agency Questionnaire),プログラムに関する自由記載であった。分析はWilcoxonの符号付き順位検定により実施した。所属大学の研究倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】特定保健指導プログラムの対象者329名中,参加者は92名であった。プログラム開始時のアンケート総回答者数は56名で,回収率は60.8%であった。食生活については,「改善するつもりである(概ね6ヵ月以内)」が49.1%と最も多かった。運動習慣についても,「改善するつもりである(概ね6ヵ月以内)」が31.5%と最も多かった。5回すべてに参加したものは14名で,欠損値を除いた11名において,SCAQに有意な改善は認められなかった。食習慣,運動習慣ともに「既に改善に取り組んでいる(6ヵ月未満)」が2名から4名に増えた。変化した理由としては,「今までは自分に甘く改善しようと思わなかったが,なにより意識が変わり,真剣に自分の体のことを考えるようになった」などがあった。また,食習慣,運動習慣ともに「改善することに関心がない」と回答した1名が「改善するつもりである(概ね6ヵ月以内)」に変化した。【結論】食習慣,運動習慣の改善意思については増加傾向がみられたが,分析データ数が少なく,効果を示すことはできなかった。(著者抄録)