acs.u-hyogo.ac.jp34年の公務員生活を経て2014年より兵庫県立大学大学院で主に税法を教えています。1998年に米国の精神科医であったウィリアムグラッサーの選択理論心理学とこれにもとづく質問型カウンセリング(リアリティセラピー)に出会い、その頃に日本に入ってきたコーチングとの類似性に面白さを感じながら、以来、選択理論やコーチングを職場、私生活で活かしつつ、大学に来てからは、主にゼミにおける学生指導などで活用してきました。
選択理論心理学は、人の行動の動機づけを本人の内的な基本的欲求の充足に求め、人は基本的欲求が具体的な形をとった様々な「願望のイメージ写真」と現実とのギャップを埋めるべく行動を本人の内的システムでコントロール(選択)している、と考えます。私たちが日常的にセルフカウンセリングやセルフコーチング、対人カウンセリングやコーチングをするときに、本人の行動や見方、考え方を客観化し外在化できる、簡潔な「行動の内的コントロールシステム」のモデルを持っており、カウンセリングやコーチングの使い勝手のいいオープンモデルになりうる可能性があります。
ところで、リサーチマップで「選択理論心理学」を検索しますと光栄なことにオンリーワンのようです(2020年8月現在)。最近の有力な考え方・手法である解決志向アプローチ、動機づけ面接、オープンダイアローグなどとの親和性も高いようで、税法の研究、指導の傍ら、これからの教育指導、コミュニケーション、人間関係作り、対人マネジメントなどの有力な手法として期待できるのではないかと、自分と身の回りのことに実践し、分析、検討、考察するという方法で研究を続けています。