三田 雄志, 日浦 慎作, 山口 証, 井口 征士
電子情報通信学会総合大会講演論文集 1996(2) 375-375 1996年3月11日
工場の生産工程を自動化することが工業用画像処理の目的であるが,その際には対象物の空間中での位置,姿勢,形状を定量的に計測しなければならないので,距離画像を活用することが直接的であり,便利であるといえる.実際に工場の生産ラインでは,非接触で距離画像を計測することができる装置としてレンジファインダが用いられている.レンジファインダは三角測量の原理を取り入れたものが主流であるが,用途,目的に応じて様々な計測精度,計測速度を持つものが開発されている.しかし,これらのレンジファインダで得られた距離画像は,必ずしもその使用目的を考慮しているわけではなく均一なデータを持っていることが多い.このような距離画像は利用価値のある情報を多く含んでいるものの,目的に応じた情報を抽出するための処理を困難にしているともいえる.そのため,通常は計測対象を限定したり,計測環境を良好な条件にコントロールすることで,このような問題を回避している.ここでは,レンジファインダの基本的な構成要素であるプロジェクタに柔軟性のある機器を採用することにより,計測対象の変化や環境条件に適した計測手法に切り替えることのできる"リアクティブ レンジファインダ"(以下リアクティブRF)について述べる.