研究者業績

大藪 崇司

オオヤブ タカシ  (TAKASHI OYABU)

基本情報

所属
兵庫県立大学 大学院緑環境景観マネジメント研究科
学位
農学(大阪府立大学)

J-GLOBAL ID
200901021517400110
researchmap会員ID
6000007118

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研究キーワード

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論文

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  • 大江 万梨, 山本 聡, 藤原 道郎, 大藪 崇司
    ランドスケープ研究 86(5) 449-454 2023年3月31日  
  • 大藪 崇司, 荒井 正英, 前田 泰芳
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 48(1) 95-98 2022年8月  
    食品残渣由来のリサイクル堆肥は,元食品のため安全性について問題は少ないものの,食品中の塩や糖により植物生育に問題がないか,また堆肥の投入によって収穫物に変化があるのかについて基礎的な知見が少ない。そこで兵庫県三木市の特産である酒米山田錦にリサイクル堆肥の施用実験を行い,その効果を確認した。その結果,リサイクル堆肥を用いた実験区は使用していない対照区と比較して生育不良は認められなかった。籾の粒数と重量からはリサイクル堆肥の施用区のほうが収量を得られる可能性が示唆された。
  • 菊川 楓月, 大藪 崇司, 田邉 晋治, 藤原 道郎, 山本 聡
    日本緑化工学会誌 47(1) 219-222 2021年8月31日  
    根上がりなど都市に起こる樹木の生育不良の問題を解消する手段として,ポーラスコンクリート製の植栽枡の利用が考えられる。その植栽枡での樹木成長と土壌環境の変化を定植1年目のアオダモの材積量,土壌pH値・EC値,土壌水分量の計測から評価した。その結果,アオダモの材積量は全て増加した。しかし固相の割合が高く有効水分量が少ない枡は,他の枡に比べ上昇率が悪かった。植栽枡内土壌のpH値は,ポーラスコンクリートや周囲の舗装下の路盤から流入した水や土壌中に混入したコンクリートガラの影響を受け当初高いアルカリ性を示していたが,3か月後にはpH8.0・EC0.4 mS/cmに収束した。高いアルカリ,高いEC値の収束には灌水が有効であると推測される。
  • 小田巻 直矢, 藤原 道郎, 大藪 崇司, 山本 聡
    景観生態学 26(1) 53-57 2021年  
    本研究ではイノシシによるタケノコ摂食状況を把握し,イノシシが竹稈発生に与える影響を明らかにすることを目的とした.兵庫県淡路市北部のイノシシの生息域に所在する竹林においてイノシシの生息状況の確認,タケノコのイノシシによる食痕数,設置したイノシシ防護柵内外の竹稈の位置と稈齢,胸高直径を2017年の夏と秋に計測し,2018年の新稈数をカウントした.その結果,タケノコが地表面に出現する春季だけでなく,秋季である10月31日時点でタケノコの摂食が確認され,11月の食痕数は1日当たり0.1~0.7個/100m2,約1か月間で10~15個/100m2であり,摂食が無い場合に翌2018年10月までに発生した当年生稈数とほぼ同数であることから,イノシシが竹林の再生に与える影響は極めて大きいと考えられた.
  • 阿部 建太, 山本 聡, 大藪 崇司, 藤原 道郎
    日本緑化工学会誌 47(1) 207-210 2021年  
    <p>雨天時の森林セラピーの実施状況や魅力の把握を目的に全国62箇所の森林セラピー基地で活動する森林セラピスト・セラピーガイドに聞き取り調査を実施した。その結果,雨天時用のプログラムを持つ箇所はわずかであり,雨に適したプログラムに関する情報の共有が必要であると考えられた。また,参加者の感想としては雨天時であってもポジティブなものが多かったものの,ガイド自身の雨に対する意識の影響も示唆された。雨天時の魅力としては緑が濃くなる,雨の匂いや音など多様な魅力が聞かれ,参加者の満足度向上に向けた活用が期待された。一方,一般の方はこれらの魅力をあまり認知しておらず,ガイドが積極的に伝えることも重要だと考えられた。</p>
  • Ryosuke Nakamura, Takashi Oyabu, James K. Ndufa, Bernard K. Kigwa, Ken Yoshikawa
    TROPICS 26(1) 17-25 2017年  
    Midday transpiration rates and daily pan evaporation from forest floor and open area were measured to determine an effective way of controlling water loss from a Melia volkensii plantation. The research was conducted at an M. volkensii plantation in Tiva Pilot Forest, Kenya, during April and May 2014. A leaf porometer (LI-1600) was used to measure midday transpiration rates per unit leaf area (Ta) from 11: 00 h to 13: 00 h for four trees at three different leaf heights: top (A), middle (B), and bottom (C) layers of a crown. Midday transpiration rate per layer (Tl) and midday transpiration rate per tree (T-t) were estimated based on Ta and leaf area (LA) of layers. Daily pan evaporation from forest floor and open area were measured using 25 and two evaporation pans, respectively. Ta values for layer A were not significantly different among sample trees, while Tl values for layer A were significantly different, indicating the influence of LA on water loss through transpiration. Since Tl from layers B and C accounted for half of Tt, pruning of these layers could cause a 50 % reduction in water loss through transpiration. Daily pan evaporation in the plantation was approximately 70 % lower than that in the open area. Therefore, the layer A left after pruning should keep water loss through evaporation from the forest floor lower than that from the open area. Further research is required to determine the effect of pruning on reduction of water loss from the plantation.
  • 遠藤 健彦, 藤原 道郎, 大薮 崇司, 澤田 佳宏, 山本 聡
    海岸林学会誌 = Journal of the Japanese Society of Coastal Forest 15(1) 7-13 2016年6月  
  • 金丸 拓央, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎, 大藪 崇司, 梅原 徹
    日本緑化工学会誌 40(3) 437-445 2015年  
    オオフサモは主に関東以西の各地で水路の閉塞や在来種の圧迫などの問題を引き起こしており,特定外来生物に指定されている。近年,各地でオオフサモの駆除が行われているが,どの事例でも駆除後にオオフサモが再繁茂し,根絶できていない。本研究では,オオフサモの根絶手法を検討するため,オオフサモの生育状況調査,室内での遮光実験,野外での駆除試験をおこなった。生育状況調査の結果,オオフサモはため池全面を高被度で覆っていたが,定着しているのは水深の浅い水際部だけで,水深が 30 cmを超える場所には生えていなかった。室内での遮光実験の結果,長さ約 20 cmのオオフサモの苗は,遮光期間が長くなるにつれて主茎の上部から枯れ下がり,短くなっていった。遮光 158日目にはまだ生残個体があったが,遮光 197日目には生残個体は確認されなかった。野外での駆除試験の結果,底泥剥ぎ取りと遮光を併用した場合に限り,駆除後にオオフサモが再生しなかった。これは,大部分の根茎断片が底泥剥ぎ取りによって除去され,残された少数の断片が遮光によって枯死したためと考えられる。底泥剥ぎ取りと遮光を併用すれば,オオフサモを局所的には根絶させられる可能性がある。
  • 渕田 早穂子, 山本 聡, 澤田 佳宏, 藤原 道郎, 大藪 崇司, 能勢 健吉
    日本緑化工学会誌 40(2) 352-364 2014年  
    生物多様性保全のためには園芸的に利用される外来種も含め,植物種の特定が重要である。しかし,緑化や園芸,学術の各分野において同一植物を異なる通称名で呼ぶなど植物種の把握に障害となる場合がある。ここでは,それら通称名の分野間の整合を図るため,植物種名の対応表を作成した。作成に当たっては,保全上の観点から帰化植物図鑑に記載されている植物種を中心とした。
  • 加久 美雪, 藤原 道郎, 大藪 崇司, 澤田 佳宏, 山本 聡
    環境情報科学論文集 28 19-24 2014年  
    兵庫県淡路島において竹資源の利活用による竹林拡大抑制を目的として,竹稈の現存量と再生量の推定に基づいた燃料として竹の利用と竹林管理の持続可能性を検討した。放棄竹林における稈密度は10,460 本ha-1,生重247.3t ha-1,乾燥重量120.5t ha-1,見かけの材積563.3 m3 ha-1,実材積234.2 m3 ha-1であり,島内全体で320,599 t(乾燥重量)と算出された。本数比約50%の間伐では伐採後8年で竹稈量は間伐前にほぼ回復した。一般家庭で週2 回竹を燃料としたボイラーを使用した際の竹消費量は2.0t/年であった。8 年サイクルの間伐で,燃料としての利用と竹林管理が持続的に行える可能性が示唆された。
  • 山本 ジェイミー順子, 藤原 道郎, 大藪 崇司
    Hikobia 16(3) 403-412 2013年12月  
  • 宮崎 千尋, 藤原 道郎, 大藪 崇司, 澤田 佳宏, 山本 聡
    日本緑化工学会誌 39(4) 525-530 2013年  
    シカによる農業被害の軽減には,シカの個体数を減らすだけでなく,防護柵設置や農地管理を見直し,地域に応じた対策が必要である。本研究では,兵庫県南あわじ市の神代地区と阿万地区において,景観構造,地域住民の役割,取組みの経緯の比較からシカ防除対策を明らかにすることを目的とした。その結果,神代地区では,林縁から100 m 以上離れた農地が36.0% あり,耕作放棄地は4.3% と少なかった。道路の林縁と農地の間に2 重に2.0 m 以上の金属製の効果的なシカ柵設置が計画的に行われるとともに,専門家・住民が連携し,非農家も活動に取り込み,シカ防除が機能していることが明らかとなった。阿万地域は,林縁から100 m 以上離れた農地は約6.0% のみで森林の際にシカが侵出しやすい水田や畑地が多くあり,耕作放棄地も50.0% 存在した。耕作地の所有者ごとにシカ柵の種類や管理状態が異なっており,計画的な防護柵の設置や組織作りが課題として示された。
  • 国正 あゆ, 大藪 崇司, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 38(1) 56-60 2012年8月31日  
    本研究は,より簡易で客観的な樹勢診断手法の確立を目指し,小型クロロフィル蛍光測定器 (以下,FluorPen) と既存の測定方法との比較により樹勢診断の可能性を検討した。カナメモチ (Photinia glabra Thunb.) の苗 50 ポットを潅水区 20 ポットと無潅水区 30 ポットに分け,水ストレスによる樹勢の衰退を FluorPen,MINI-PAM,葉緑素計,目視診断で比較した。その結果,FluorPen の夜間測定では,4 日目の時点で潅水区と無潅水区の間で有意な差が認められた。また,いずれの測定においても実験開始 7 日目以降で,潅水区と無潅水区で有意な差が認められた。FluorPen を用いた日中の測定では,光合成速度を,夜間では光合成能力を,他の機器での測定より短時間で比較することが可能であることが示唆された。
  • 大藪 崇司, 堀川 真弘, 国正 あゆ, 津山 幾太郎
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 38(1) 134-136 2012年8月31日  
    4 種の造園低木における一酸化窒素を吸収・沈着する機能の定量的な評価を行った。一酸化窒素を 2.0 ppm 封入したチャンバーの濃度減衰時間を測定した結果,葉面積や葉の乾燥重量との関係が認められ,4 種の中ではコクチナシ,キルシェレッド,チェリーセージ,ヒラドツツジの順に NO 吸収速度が速いことが示唆された。
  • 村上 健太郎, 森本 幸裕, 松井 理恵, 大藪 崇司, 大石 善隆
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 38(1) 91-96 2012年8月31日  
    大阪府吹田市の万博記念公園自然文化園林床において,シダ植物のハビタットとして小規模のトレンチを造成し,植生状況を 3 年間,モニタリングした。トレンチ造成前には,シダ植物は,ほとんど生育していなかったが,すべてのトレンチで,シダ植物の移入が確認され,トレンチ造成によってシダ植物の移入を促進させることができると考えられた。陰湿な環境にある常緑広葉樹林においては,トレンチ造成 3 年後には,優占種がシダ植物に変化したが,落葉広葉樹林においては,比較的高い土壌水分量にあるにも関わらず,ほとんど種組成に変化がなかった。シダ植物の移入を促進するための条件としては,高い土壌含水率と常緑広葉樹林であることが関係する可能性がある。また,北向きの斜面もシダ植物の移入に有利であることも示唆された。
  • 田中 洋次, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎, 大藪 崇司, 梅原 徹
    農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association 30(Special_Issue) 255-260 2011年11月15日  
    淡路島北部を事例として,中山間地におけるため池の放棄(利用停止)の実態と放棄理由等を把握することと,放棄ため池における水生生物保全上の課題を抽出することを目的として,ため池の管理者への聞き取り調査,および放棄ため池の水深と植物相についての現地調査を実施した。
  • 赤阪 幸司, 大藪 崇司, 堀川 真弘, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 37(1) 73-77 2011年8月31日  
    都市緑化において,植物がもつ CO2 吸収効果やヒートアイランド現象の緩和効果が注目されている。そのような背景の中,低木類を品種改良し,CO2 吸収能力や蒸散能力を高めた植物が開発されつつある。本研究は,改良品種であるヴァルト(Gardenia jasminoides J. Ellis 'Wald')とキルシェレッド(Salvia microphylla 'Kirsch Red')の 2 種と,既存の一般的な造園低木の CO2 吸収量および蒸散量について定量的に比較評価を行った。その結果,ヴァルトは改良前のコクチナシに比べ,乾燥重量において 67%高い増加率を示し,光合成速度も高い値であった。一方,キルシェレッドは改良前のチェリーセージと比較して蒸散速度が高い値を示した。
  • 兼村 星志, 大藪 崇司, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 37(1) 15-20 2011年8月31日  
    本研究では,都市公園のオオシマザクラ(Cerasus speciosa (Koidz.) H. Ohba)の若木の細い枝において,冬期と花後期に剪定を行い,剪定口の巻き込み組織形成の進行を調査した。その結果,冬期で82 %,花後で93 %の剪定口から巻き込み組織が形成されたことから,オオシマザクラにおいて剪定管理を実施することに支障はないと推測された。また,剪定時期の違いが,巻き込み組織の形成や巻き込み率に影響を与えなかったことから,開花量を確保するための管理として花後期が剪定時期として適していると考えられた。そして,剪定強度については,剪定枝直径20-30 mm程度で,巻き込み組織形成が比較的高まることが推察された。
  • 田中 淳, 纐纈 裕美, 大藪 崇司, 藤原 道郎, 田中 賢治, 朝日 伸彦, 杉浦 弘毅
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 37(1) 139-142 2011年8月31日  
    土壌化学性の改質による外来植物の防除技術の開発実験を実施した。土壌 pH を 4.6,5.5,6.8 に調整した土壌にナルトサワギクならびセイタカアワダチソウを移植した。土壌 pH 4.6 では,移植後約 1 ヶ月で 2 種ともほぼ枯死した。土壌 pH 5.5 の地上部の生育は,pH 6.8 とあまり変わらなかったが堀取った根は生育不良であった。また,土壌を酸性にする溶液をろ紙にひたし発芽実験を行った。ススキの発芽率は,精製水をろ紙にひたしたものと比較して発芽率の低下が少なかったが,ナルトサワギクの発芽率は低下し 0%となった。これらのことから,土壌化学性の改質が,外来植物から在来植物への植生構造の転換技術へ応用できることが示唆された。
  • 下野 義人, 大藪 崇司, 森本 幸裕, 岩瀬 剛二
    環境情報科学論文集 25 203-208 2011年  
    ビオトープ「いのちの森」の開園からの14 年間で発生した菌類は45 科300 種で,担子菌類が283種,子嚢菌類が17 種であった。その内,地上生菌類は186 種で,開園から2 年後の1998 年度から増加を始め,発生種数は開園から5 年後の2001 年度にピークに達した。発生時期は概ね5 月~7 月と9 月~12月であった。公園開設初期には,キツネタケモドキ,ヒメワカフサタケおよびヒメカタショウロが多数発生したが,開園から11 年が経過した2007 年度以降急減した。一方,種数からは,公園開設初期にアセタケ属の種が多く発生し,開園から4 年後の2000 年頃から遷移後期に発生するフウセンタケ属,ベニタケ属が多く発生した。これらのことから地上生菌類相は14 年間に遷移初期が終わり後期への移行が確認された。
  • 堀川 真弘, 津山 幾太郎, 中尾 勝洋, 石井 義朗, 大藪 崇司, 森本 幸裕
    環境情報科学論文集 25 251-256 2011年  
    大規模灌漑農業に起因するアラル海の縮小により大幅に干上がった大アラル旧湖底域では,砂嵐防止に向けた植林が検討されている。本研究では,2006 年の現地調査データに基づき,Terra/MODIS の多バンド画像を用いて旧湖底域の土地被覆分類を行い,塩生木本植物群落の分布規定要因について分類樹モデルを用いて解析した。その結果,分布域は旧湖底の24%を占め,それ以外の大半の地域は土壌塩分が高い裸地であった。分布規定要因は主に陸化年数であり,次いで旧湖岸線からの距離であった。また,陸化後15.5 年以上経過しシードソースから近い地域に分布する傾向が明らかとなった。一方,近年干上がった湖底には分布がみられず植林に厳しい条件であると推定される。
  • 帆足 和徳, 藤原 道郎, 大藪 崇司
    Hikobia 15(4) 407-414 2010年12月  
  • 兼村 星志, 大藪 崇司
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 36(1) 57-62 2010年8月31日  
    本研究は,1926 年から1945 年までの昭和前期における樹木治療法の継承および治療の実施を担った媒体あるいは主体の変遷,植物病院が1943 年に終了するまでの過程について,文献から調査を行い,樹木に関する社会背景を踏まえ考察した。その結果,樹木治療法は資料・文献により継続的に報告されるも,組織的な治療実施は行われなかったことが考察された。その背景には,用材に対する高い国内需要があり,学界にはその供給に資する研究成果の獲得が社会的に要請された社会情勢があった。そのため,商品価値の高い樹木の安定的な生産に資する研究が優先的に取り組まれた。しかし,樹木治療に対する関心や需要が拡大している今日において,樹木治療の技術やそれに関する研究成果は,多くの人にとって重要性を増しつつあるデータとなっており,それらの更なる蓄積および情報発信が期待される。
  • 杉浦 弘毅, 大藪 崇司, 藤原 道郎, 田中 賢治, 朝日 伸彦, 中屋 深佳
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 36(1) 139-142 2010年8月31日  
    近年,生物多様性の観点から,在来生物に被害を及ぼす外来生物が注視されている。中でもナルトサワギクは,兵庫県の淡路島および徳島県鳴門市を中心に分布域を拡大しており,外来生物規制法により特定外来生物に指定され,分布拡大防止・防除が図られている。セイタカアワダチソウやナルトサワギクなどのキク科の植物種は,道路のり面や路傍の空地などに侵入しやすい一方,森林内には侵入しにくい傾向にある。本報告では,土壌環境と植物の生育に着目し,ナルトサワギクに対し,改良客土(酸性・低栄養塩類型植生基材)を用いた成長抑制実験を行った結果を報告するものである。
  • 堀川 真弘, 津山 幾太郎, 大藪 崇司, 守村 敦郎, 森本 幸裕
    環境情報科学論文集 24 25-30 2010年  
    アラル海の縮小によるシルダリア下流域の湿地帯の衰退に対し,南北に分断されたアラル海の北側の湖の水位安定化にむけたダム建設が行われている。本研究では、現地調査と1999年から2006年の6シーンの衛星画像を用いて,湿地帯の変動とダム建設後の評価を行った。その結果1999年から2004年にかけて,面積・周囲長・平均NDVI・積算NDVI・隣接水域全ての指標が減少する傾向が見られたが,ダム建設後の2006年には,全指標が増加し,特に平均NDVIと隣接水域の増加が顕著であった。ダム建設による水位上昇により湿地生態系の修復が行われ,本地域の生物多様性の回復に貢献すると推定される。
  • 大藪 崇司, 尾関 由衣, 堀川 真弘, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎
    環境情報科学論文集 24 55-60 2010年  
    愛知県におけるカシノナガキクイムシ(Platypus quercivorus) によるナラ類萎凋病被害は,2005年に初めて確認され,2007年には愛・地球博記念公園でも確認された。本研究では,当公園内におけるナラ枯れ被害の状況把握と,その対策としての薬剤費の試算を行った。その結果,コナラ・モンゴリナラ枯死率は,林床花園で17.0%,親林楽園で14.3%であった。また,公園全体での薬剤注入を行うべき対象樹木は587本あり,その費用は3394400円,伐採処理費3000000円と合わせ6394400円の初期費用が必要と試算された。公園内のコナラ・モンゴリナラ維持には,保存価値の高いモンゴリナラから薬剤注入を実施することが適当だと思われた。
  • 渡邉 英一, 大藪 崇司, 澤田 佳宏, 橋本 啓史, 山本 聡, 藤原 道郎
    環境情報科学論文集 24 73-76 2010年  
    本研究は,根系切断が樹木の成長に及ぼす影響を検証し,樹形との比較を通じて良好な街路空間の維持管理に繋げることを目的とした。2008年6月から9月にかけてハナミズキ40本を根系切断あり区と根系切断なし区にそれぞれ20本ずつ分け,最後まで生存した各区18本の樹高・枝の伸長量・根元直径・着葉数・光合成能を比較した。その結果,根系切断あり区は根系切断なし区と比べて,樹高が0.41cm低下する替わりに根元直径0.03cm増大した。また,着色剤を用いた吸水実験から切断した側の根が直上の枝に給水していることが確認され,根系切断による吸水障害により根系切断側の枝での着葉枚数が減少した。しかし,個葉レベルでは,一枚あたりの利用可能な水分量の上昇から光合成能が保持されていたことが確認された。以上から,根系切断することにより,街路樹の自然樹形を保持できる可能性が示唆された。
  • 戸田 健太郎, 中村 彰宏, 大藪 崇司, 前中 久行
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 35(1) 69-74 2009年8月31日  
    本研究では地上型レーザスキャナを用いて,計測距離の増加に伴う木材および植物体梢端部の検出能力および高さの誤差を検証し,低密度樹林地における樹高実測値と推定値の比較を行った。その結果,木材および植物体の高さはほとんどの計測距離で測器の最高角度ステップで計測した場合は過大評価,実利用域の角度ステップで計測した場合は過小評価となった。樹林地での計測において基部および梢端部の位置を点群データから目視で特定した場合,樹高の誤差は平均-0.02 mと高い精度であった。しかし,樹木の基部の座標から一様にバッファを発生させ,バッファ内の点群データから基部と梢端部の高さの差を抽出し樹高を推定する手法を用いた場合,隣接木を誤認識することによって過大評価される個体があった。
  • 大藪 崇司, 張 国盛, 渡邉 英一, 吉水 祥平, 戸田 健太郎, 水野 由芽, 三木 直子, 王 林和, 吉川 賢
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 35(1) 39-44 2009年8月31日  
    中国内モンゴル自治区毛烏素沙地において,A. squarrosum の分布を調査し,地下水面からの比高と形態,現存量を比較した。A. squarrosum は,地下水面からの比高として108 cm から532 cm の間で生育した。500 cm を超えるプロットでは,ほぼ優占種となリ,地下水面からの比高が大きく植物への水分供給が難しく他の樹種が生育しにくい環境で群落を形成した。主根長の到達状況から地下水を利用している可能性はなく,乾砂層下の水分,結露水を利用していた。A. squarrosum の形状T/R 比は,地下部の長さから1.00 以下となり,現存量T/R 比は地上部の現存量の大きさから1.00 以上となった。A. squarrosum の現存量は,根元直径との関係で表せた。
  • 兼村 星志, 大藪 崇司, 田林 葉
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 35(1) 81-86 2009年8月31日  
    本研究は,大正期に日本ではじめて科学的見地から都市樹木の治療を実践した日本植物愛護會附属植物病院事業の概要,性質,発生消長の過程を同会会報である病蟲害雑誌から調査した。また,その調査から今後の樹木治療における展望や課題を整理した。その結果,植物病院の成立要因として,構成員の先進的な学識と都市樹木の保護を図る目的が認められた。また,衰退の要因として,事業の目的と社会的な要請に乖離が生じていたことが推察された。近代日本における樹木治療の起源であった同事業が発生消長した過程からは,科学が実務に導入され発展を遂げる際の問題点が明らかとなった。そこから,樹木治療におけるこれからの課題は科学的な検証の推進および科学技術の導入であると考察された。
  • 本江 美智子, 藤原 道郎, 山本 聡
    Hikobia 15(2) 193-204 2008年12月  
  • 堀川 真弘, 村上 健太郎, 津山 幾太郎, 大藪 崇司, 松井 哲哉, 森本 幸裕, 田中 信行
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 34(1) 85-90 2008年8月31日  
    イヌケホシダの分布データと現在の気候データより分類樹モデルを構築し,現在の分布を規定する気候要因とその閾値を推定した。また,現在と気候変化シナリオ(RCM20)の気候分布から日本全域の分布適域を予測し,分布変化の予測を行った。分類樹モデルおよびその分離貢献度,予測した現在の分布適域より,分布を規定する気候要因は大きくはWI,PRS(夏期降水量)であり,地域的にPRW(冬季降水量)とTMC(最寒月最低気温)が分布を規定していた。現在の分布適域の2次メッシュセル数は1,388であり, 2031~2050年と2081~2100年では,2,179と2,813セルであった。分布適域は2081~2100年に,中部地方から関東・東北にかけての脊梁山脈と北上高地を除く日本全域に広がり,本州最北端までの北上が予想された。
  • 大藪 崇司, 戸田 健太郎, 水野 由芽, 吉水 祥平, 堀川 真弘, 張 国盛, 三木 直子, 王 林和, 吉川 賢
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 34(1) 33-38 2008年8月31日  
    中国内モンゴル自治区毛烏素沙地において,家畜が喫食しないことから過放牧地に比較的大きな群落がみられる牛心朴子の分布と地下水面からの比高との関係を調査した。その結果,広域踏査調査において,牛心朴子は地下水面からの比高として68 cm から314 cm のプロットで出現していた。丘間低地から砂丘上部にかけて行ったトランセクト調査では,地下水面からの比高が140 cm のわずかに地形が変化する砂丘下部において現存量がもっとも多かった。また,砂丘下部では,他の出現種は少なかった。牛心朴子は,砂の堆積に対して茎を伸ばすことにより適応し,地下水を利用しながら生育しているものと考えられた。過放牧により他の植物による被覆が減り,喫食されずに残る本種は,飛砂を抑える砂丘固定植物として利用可能であることが示唆された。
  • 吉水 祥平, 大藪 崇司, 山本 聡, 澤田 佳宏, 藤原 道郎
    日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology 34(1) 121-126 2008年8月31日  
    我が国における家庭部門のCO2 排出量の伸びは著しく,抜本的な対策や施策が喫緊の課題である。本研究では,家庭部門において一般住民にとって最も身近なCO2 の吸収源である庭木に着目し,庭木のCO2 固定効果に加えて,庭木の日射遮蔽による冷房エネルギーの削減量を考慮した総合的なCO2 削減効果として戸建住宅の植栽モデルプランを評価した。植栽モデルプランの庭木のCO2 削減効果は,最大70.16 kg- CO2/year と算出された。庭木自体の固定量より日射遮蔽によるCO2 削減効果の削減量が大きく算出されたことから,日射遮蔽を目的とした植栽の検討が重要であると推察された。
  • 原田 麻美, 大藪 崇司, 一ノ瀬 友博
    環境情報科学論文集 22 399-404 2008年  
    本研究は,剪定枝葉を使用したチップマルチング材が植栽樹木に及ぼす影響を検証し,チップの公園内利用を促進することを目的とした。対象地は、国営明石海峡公園淡路地区とし,カワズザクラ(Cerasus×Kanzakura `Kawazu-zakura´) にチップマルチングを施用することによる土壌環境の変化が植栽樹木に及ぼす影響を調査した。その結果,チップマルチングによって地温上昇の抑制効果,地温変動緩和効果,土壌水分の保持効果が確認され,それらの効果がSPAD値を高い値で維持し,夏期の最大光合成速度の低下を回避させる結果となった。チップマルチングが植物の生理活性を維持させることが示唆され,公園内での剪定枝葉の利用促進に繋がり得る可能性が示された。
  • 吉水 祥平, 大藪 崇司, 澤田 佳宏, 山本 聡, 藤原 道郎
    環境情報科学論文集 22 97-102 2008年  
    我が国における家庭部門のCO2排出量の伸びは著しく,抜本的な対策や施策が喫緊の課題である。本研究では,戸建住宅居住者に対して庭木のCO2削減効果に関するアンケート調査を行った。その結果,庭木のCO2削減効果に関する情報を与えた回答者は,情報を与えなかった回答者に比べ,CO2削減効果を理由に植栽プランを選択した割合が有意に高かった。また,情報を提示することで,緑化意識や環境意識の向上につながったという回答が得られた。以上のことから,一般住民に庭木のCO2削減効果を示すことが地域の緑化の原動力となり地球温暖化対策につながると推察された
  • 高梨 智子, 大藪 崇司, 藤原 道郎, 山本 聡, 小野 由紀子, 上田 博文
    ランドスケープ研究 71(5) 873-879 2008年  
    There are a large number of examples poor of growth of trees in Kabokurinen of Yumebutai (34 33' 30. 4N, 135 0' 30. 7E) north AWAJI-island in Hyogo. (Original planting was in 1998) It is necessary to investigate the cause of poor growth and to relate to future management plan. Therefore, the weather stations were set to establish the environment of the planting sites. Tree growth factors (height, canopy spread and girth) and soil (moisture, temperature and electric conductivity) were measured. Soil amending work was also carried out to recover the vigor of Cornus florida, over 2 months period, photosynthetic rates were measured to assess effect of soil amending work. Results show that, a large improvement was suitable for a poor water area. The other way around a small improvement was suitable for a rich water area. It is important for management to consider these factors.
  • 藤原 道郎, 大藪 崇司, 澤田 佳宏
    海岸林学会誌 7(1) 25-30 2007年12月  
  • 大藪 崇司, 戸田 健太郎, 水野 由芽, 中島 敦司
    日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology 33(1) 95-99 2007年8月31日  
    中国内モンゴル自治区毛烏素砂地は,近年,牧民の過放牧などにより地表面の植生が荒らされ,砂が動かない固定砂丘から半固定砂丘,流動砂丘へと砂漠化が進行している。その半固定砂丘から流動砂丘にかけて植生分布が見られる A. squarrosum に着目し,地下水位からの比高と群落の発現頻度の関係を調べた。また,同一個体内で着葉位置が15cm, 30cm, 45cmと異なる葉の光合成能を測定した。その結果,地下水位からの比高で107cm から509cm の間で A. squarrosum は出現し,地下水位から327cm 以上離れたコドラートでは A. squarrosum のみ成立した。また,個葉レベルでの最大光合成速度は,地上15cm 葉が6.20&mu;mol・CO2・m-2s-1,30cm 葉が5.59&mu;mol・CO2・m-2s-1,45cm 葉が2.18&mu;mol・CO2・m-2s-1と上部葉ほど減少した。
  • 藤原 道郎, 岩崎 寛, 大藪 崇司
    海岸林学会誌 6(2) 19-22 2007年6月  
  • 大藪 崇司, 折原 貴道, 岩瀬 剛二
    環境情報科学論文集 21 65-68 2007年  
    本研究では,日本国内に植栽されたユーカリ樹木の生理活性の季節変化とユーカリ樹木から生じる大型菌類の発生消長の対応関係を明らかにするため,三重県亀山市ならびに兵庫県南あわじ市において外生菌根相とその発生消長を調査するとともに,ユーカリ樹木のSAPD 値と光-光合成曲線の季節変化を測定した。その結果,12 種類の菌類相が確認され,そのうち外生菌根性の子実体は,亀山市で4種,南あわじ市で2種であった。外生菌根性の子実体は,5 月から12 月までの8 月と11 月を除いた期間に発生し,樹木のSPAD 値あるいは気温の上昇によって発生が誘導され,気温の低下により収束が引き起こることが示唆された。
  • 井上 悠香, 大藪 崇司, 藤原 道郎, 山本 聡
    環境情報科学論文集 21 81-86 2007年  
    本研究は海岸埋立地という特殊環境の中で,樹木が健全に育つために必要な環境条件について明らかにした。海岸と直角方向に等間隔に植栽されたマテバシイとウバメガシを調査対象樹木とし,気象状況や土壌交換性ナトリウム濃度などの植栽環境調査および樹高・枝張り・最大光合成速度などの樹木の形状および生理生態調査を行った。その結果,海岸線からの距離と土壌交換性ナトリウム濃度の相関関係が高いこと,土壌交換性ナトリウム濃度の増加に伴い,成長量と生理活性が低下することが認められた。海岸埋立地において成長を維持するためには,海岸線から距離および土壌交換性ナトリウム濃度としてウバメガシでは48m,50.6mg/100g,マテバシイでは88m,25.0mg/100g であると考えられた。
  • 上原裕子, 大薮崇司, 岩崎寛, 山本聡, 藤原道郎
    環境情報科学 20(77-80) 2006年  
  • 上原 裕子, 大藪 崇司, 山本 聡, 岩崎 寛, 藤原 道郎
    環境情報科学論文集 20 77-80 2006年  
    分布拡大が問題となっているナルトサワギク(Senecio Madagascariensis)の生育特性を明らかにし、その情報の収集発信について検討を行った。ナルトサワギクの種子の発芽能力を調査した結果、1 年間貯蔵された種子でも発芽能力が充分に認められた。また、淡路島内の牧草地で作付けされている牧草を用いた実験を行った結果、牧草生育下に播種したナルトサワギクは発芽するものの生長しなかった。その時の平均葉長は、イタリアンライグラス190.8mm、エンバク295.4mmであり、地表面での積算日射量として8.5MJ/m2 および7.6MJ/m2 以下にすることでナルトサワギクの初期侵入を防ぐことが可能だと判明した。ナルトサワギクは「特定外来生物二次指定」にリストアップされ(2006年2月1日)、地域へ生態的特徴の情報発信を進めるとともにさらなる情報収集に関するシステムつくりが必要と考えられた。
  • 下村 孝, 小松 さち恵, 大藪 崇司
    人間・植物関係学会雑誌 3(2) 6-11 2004年5月27日  
  • 大薮 崇司, 下村 孝, 小松 さち恵
    ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture 67(5) 717-722 2004年3月31日  
    The questionnaire was carried out to the residents who are performing flower cultivation in beds of roadside tree in northern kyoto-city, and they were asked about aim of growing plants, evaluation of cultivation, the frequency and kinds of growing management. Consequently, it was shown by the store located in that plants cultivation in the street space in a residential area is positive, or a neighboring business district that the private management person of a store is enjoying plants cultivation. The residents who grow plants in street space announced the plant to a passerby or neighboring residents, and expecting the exchange with people who led plant cultivation was also shown. Furthermore, the questionnaire to a passerby showed that the plant which neighboring residents grew was bearing a wing, which forms the green of a town, and the necessity for the plant cultivation support by administration was suggested.
  • 大藪 崇司, 柴田 昌三, 新畑 学, 森本 幸裕, 小橋 澄治
    日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology 28(1) 61-66 2002年8月31日  
    土壌改良条件の異なるモデル擁壁を北側南側2方向に設置し, 産地および母樹が同一のヒメツゲ, ミヤマハイビャクシンの2樹種を冷涼な4箇所の試験地に, シャリンバイ, トベラの2樹種を温暖な6箇所の試験地に植栽した。各樹種の生育は, 暖かさの指数, 最高温度という気象要因と相関が高く, 日射などの影響による土壌水分の変動および降雪により抑制されることが明らかとなった。また, 土壌改良は, 気象要因との相関をより高め, 同一試験地において成長量が大きくなる傾向を示した。
  • 下野 義人, 小林 久泰, 大薮 崇司, 田中 安代, 川島 聡子, 普代 貴子, 岩瀬 剛二
    関西自然保護機構会報 23(1) 31-44 2001年6月  
  • 大藪 崇司, 柴田 昌三, 新畑 学, 森本 幸裕, 小橋 澄治
    日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology 25(4) 355-360 2000年5月20日  
    近年, 景観に配慮し, コンクリート擁壁ブロックに植物を導入する事例がみられるようになってきた。同一な植枡および土壌において, 母樹が同じで同一場所で生産された4樹種, アベリア・オオムラサキツツジ・ヘデラカナリエンシス・ヘデラピッツバーグを全国10カ所の南北方向に設置したモデル擁壁に同時に植栽し, 地域毎の成長データおよび気象データを蓄積し, 解析することによって, 擁壁緑化に関する知見を得ることを目的とした。その結果, オオムラサキツツジ・カナリエンシスは北海道において, ピッツバーグは北海道・秋田・沖縄において枯死に至った。樹高成長と相関が高かった気象要因を簡略化することにより得られる因子得点によりD2Hの推定が可能であることが示された。また, 相対的にみて北側擁壁に植栽された個体が優勢であった。
  • 下野 義人, 小林 久泰, 大藪 崇司, 普代 貴子, 川島 聡子, 田中 安代, 岩瀬 剛二
    日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology 25(4) 543-546 2000年5月20日  

MISC

 31

書籍等出版物

 2

講演・口頭発表等

 16

担当経験のある科目(授業)

 8

所属学協会

 4

共同研究・競争的資金等の研究課題

 10

産業財産権

 1

学術貢献活動

 3