大藪 崇司, 増田 拓朗
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture 63(5) 551-554 2000年3月30日
本研究は, 香川県丸亀市にある丸亀城を研究対象として, 城内修復工事が行われるにつれて具現化した景観問題を取り扱った。城内の樹木を保全するか取り除くかという意見対立に, フォトモンタージュ法を用い16種の景を作成して評価することにより, 被験者が好む景を分析し, 今後の整備方針に役立てようとした。その結果, 城内の樹木の存在は, 被験者に「美しい」「自然的」「調和のとれた」の評価を, 減少は「人工的」「堅い」「乾いた」の評価を与えること, 画面比で3割から4割程度の緑量を確保可能ならば「好き」という評価が期待できること, 被験者が良いと思う画像は着葉期には現況または植栽追加画像であり, 落葉期では植栽追加画像であることが判明した。