仲野 有登, 栗原 淳, 清本 晋作, 田中 俊昭
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 : IEICE technical report 109(114) 153-159 2009年6月25日
ストリーム暗号を構成要素としたハッシュ関数(Stream-Cipher-based Hash function,SCH)は,高速なハッシュ生成処理を可能とする.しかしながら,SCHの安全性に関する検証は十分に行われていない.そこで本論文では,「事前処理」と「ストリーム暗号」の二つの構成要素から成るSCHのモデル化を提案し,安全性の検討を行う.脆弱性を含む既存のSCH(AbacusおよびBoole)にモデルを適用し,解析を行うことで,脆弱性を持つ構成要素を明らかにする.さらに,脆弱な構成要素に変更を加えることで,既存の攻撃に対して安全性を向上できることを示す.本検討より,安全なSCHを構成するための構成要素の必要条件を導出する.