土屋 守克, 伊藤 幸太, 柳田 徳美, 藤田 文子, 高橋 誠一, 渡邊 裕見子, 齋藤 孝子, 坂上 貴之, 眞邉 一近
看護理工学会誌 8 177-184 2021年
目的:ベッドメイキングの動作を対象として,動画に基づく活動量(以下,動画活動量)を測定したうえで,熟練者と初心者の縦断的変化や相違について比較し,対象者の熟練度の評価における有用性を検討することを目的とした.方法:熟練者1名と初心者8名を対象とした.対象者は,胸部にウェアラブルカメラを装着したうえで,ベッドメイキングを行った.動画活動量の算出には,オプティカルフローを使用し,累積動画活動量や動画活動量のエントロピーなどの算出や階層クラスタ分析を行った.結果:累積動画活動量や動画活動量のエントロピーは,いずれも2回目に減少する初心者が多かった.熟練者は,1回目,2回目いずれにおいても,動画活動量のエントロピーが最も低値であった.結論:動画活動量から算出した値において,経時的な変化や,初心者と熟練者の相違が認められた事実から,看護技術の「熟練度」の指標としての可能性が示唆された.(著者抄録)