松下 年子, 河口 朝子, 原田 美智, 神坂 登世子, 米山 和子, 小林 一裕, 大澤 優子, 渡邊 裕見子, 渡部 李菜
アディクション看護 19(1) 74-91 2022年3月
平成24年4月から平成26年3月に毎年20人以上の新人看護師を迎える病院23施設の、入職時の新人看護師を対象に、入職時から2年目までの心的経験と悩んだ時の支えについて自由記載を含む質問紙調査を実施した。567名(男性51名、女性515名、未記入1名)から回答が得られたが、入職後24ヵ月時の回収部数は313部であった。自由記載データを質的帰納的に分析し、「やることの多さ、戸惑い、焦り」「仕事への無気力感や不安」「成長や将来への不安」「周囲への引け目、不安」など延べ117カテゴリと計392サブカテゴリが抽出された。入職時であれば多忙や無力感、関係のつまずき、困難など葛藤を抱える一方、プライベートな人間関係や職場での人間関係を支えにし、ワークライフバランスを図っていることがうかがわれた。入職3年目を臨んでは新人、後輩への指導への不安や、リーダー・プリセプター業務への不安などプレッシャーを感じていることが示された。