榎本 晶

本研究は、世界中の多くの看護師にとって深く知られているリフレクションと、そのリフレクションの行動を支えているメタ認知の重要性と看護教育の位置づけについて考察することを目的とした。文献検索データベース・サービス「Science Direct」、「CiNii」、「医中誌」を利用し、1910〜2017年の間から「リフレクション」と「メタ認知」さらに「看護」「看護教育」に関する英文献及び日本語文献を抽出した。そのうちの有効文献82件を検討し、看護教育へ貢献となるべき視点を考案した。看護学生が自己のリフレクションを通してメタ認知スキルを向上するためには、看護教育者もまた、メタ認知のプロセスに関わる継続的なリフレクションを促し高める能力が必要である。リフレクションはメタ認知によって支えられていることの重要性を理解し、より優れた教授活動を行うことが、医療現場において看護の専門家となる学生を通した看護及び医療への貢献と成り得る。(著者抄録)

認知的・社会的スキルであるノンテクニカルスキルは,訓練をすることで,より患者安全に貢献できると言われている.英国で開発された行動評価システムは,心理学者や人間工学専門家など様々な専門家の協力の基に構築され,単独の分野内での開発・展開・維持は困難である.医療従事者向けのノンテクニカル評価システムSPLINTS:Scrub Practitioners' List of Intra-operative Non-Technical Skills(SPLINTS)はその一つである.手術室内において手術室看護師として十分なノンテクニカルスキルを備えることで,どのように患者安全へ貢献できるのか探求し,またノンテクニカルスキルと各方面にわたる専門分野との相互作用がどのように関連づいているのか,いくつかの視点から考察した.(著者抄録)

著者等は,血液透析患者の看護診断を効率的かつ適切に導き出すために,分類法IIに基づいた「分類法IIデータベース用紙」と「分類法IIフォーカスアセスメント用紙」を開発,作成した.この2種類のアセスメントツールのメリットは,情報収集時間の短縮,短縮時間で効果的なケースカンファレンスの実現,看護師のアセスメント能力の向上などである.又,このアセスメントツールは,アルゴリズム的に看護診断が導かれ,診断名がコード化されているため,将来は,看護支援システムとしての電子化に対応できるものと期待される