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和洋女子大学家政学部家政福祉学科児童福祉コースでは、複数の授業で連携し、家政福祉の学びを活かした子育て支援活動に取り組んでいる。その一環として、未就学児と保護者を大学に招き、あそびを通して交流する会「あそぼう・はなそう会」を、2022年度から2カ月に1回の頻度で開催している。この会は、保育士養成の学びとして、児童福祉コースの授業で取り組むものであり、2023年度に参画した授業数は11科目であった。本報告では、2023年度の活動を振り返り、複数の授業でどのように共有、連携しながら進めてきたのかを整理する。
本活動は、地域の子育て支援の一端を担いつつあると同時に、保育士養成課程のプロセスとして、実践力や主体性を身につけるための教育プログラムとしても有効であると考えられる。今後、地域への貢献と教育プログラムという2つの意義を深めていくための展望は次の通りである。
第一に、授業間で連携し学生が系統だった学びとなることが求められる。そのためには、年間計画に沿った取り組みを進めていくことが肝要だ。また、現在は、情報共有の意味合いが強い連携であるが、今後は、「学びの内容」としての連続性をもった連携を目指したい。
第二に、保護者の期待に対して、現行のカリキュラムでは対処が難しい問題に向き合うことがあげられる。保護者からは、規模や回数、体験内容へ寄せられるリクエストは少なくない。これは、多様なテーマ設定により、対応できることもあるのではないかと考えられる。授業の取り組みを考慮しながら、平日開催や低年齢児対象の会など、多様な方向へ展開する道を模索していきたい。また、本活動のオリジナリティを確立するためにも、家政福祉の学びを組み込むプログラムを開発する必要があるだろう。