林 有香, 石川 紀子, 伊庭 久江, 中村 伸枝, 小宮 久子, 丸 光惠, 内田 雅代
小児保健研究 62(1) 65-72 2003年1月 査読有り
児童虐待59件(男23件,女33件,不明3件).回答者は看護師27件(A群),保健師18件(B群),保育士14件(C群)であった.身体発育或いは知的発達に遅れのある子どもは各々41%,46%で,A群に多かった.虐待の種類が重複しているのが64%で,身体的虐待はC群,心理的虐待はB群に多かった.虐待者は実母が80%で,非虐待経験者は39%であった.虐待を疑ったきっかけはA群,C群では子どもや親の態度・症状,B群では他施設からの連絡や親からの訴えが多かった.援助で他機関と連携はA群70%,B群89%,C群50%で,B群では多種類の機関と連携していた.家族に対しては全体の46%が関りを持っていたが,A群では26%であった.子どもに対してA群は入院による保護,B群はフォローアップ的な援助,C群は心理面への対応が多く,援助継続はA群48%,B群94%,C群57%であった.虐待による問題は情緒行動的な問題が多く,その後虐待がなくなったのは15件,継続が22件,不明は21件であった