湊 久美子, 橋詰 直孝, 古畑 公, 飯渕 貞明, 岸田 宏司, 藤澤 由美子, 柳沢 幸江, 本 三保子, 橋本 令子, 北村 裕美, 岡田 千穂, 藤井 紘子, 澤村 薫, 堀井 友紀, 呼元 洋世, 平林 優子, 秋本 美智子
和洋女子大学紀要(家政系編) 48 29-43 2008年
市川市の働き盛り世代(40〜50歳代)の市民の健康診査と生活習慣アンケートを約4,000名を対象に実施した。アンケートは約2,000名の結果を回収し、健診とアンケートの結果について解析した。さらに、この結果に基づいて生活習慣病予防ための健康教育講座を計画し、アンケート回答者を対象に実施した。健診結果より生活習慣病のリスクを持っている者は男性に多かった。体調を表す不定愁訴スコアとBMI、家事負担感、食事満足度に関連性がみられた。栄養バランスを表す食品摂取頻度スコアは男性より女性で高く、BMIの高い肥満者では、スコアが低かった。運動習慣スコアは食品摂取スコア、食事満足度スコア、家事頻度スコアと関連性がみられ、運動習慣スコアが低い者では、BMIが高い者や高中性脂肪血症の者が多かった。健康教育講座について、食事、栄養、調理、運動に関する演習や実習を取り入れた少人数の講座は、参加した人は少なかったが有意義で効果的であった。以上の結果から、健診結果、体調、生活習慣(食事、運動)には多くの関連性があることについての根拠となる基礎資料が得られた。特に、今回用いた手法である体調や生活習慣に関するアンケート結果をスコア化して解析することが、これらの関連性を検討する方法として有効であることが示された。