佐々木 ひと美, 河合 昭浩, 伊藤 正浩, 彦坂 和信, 竹中 政史, 引地 克, 深谷 孝介, 飴本 剛之介, 深見 直彦, 日下 守, 石川 清仁, 星長 清隆, 白木 良一, 宮村 浩徳, 西澤 春紀, 藤井 多久磨
日本女性骨盤底医学会誌 12(1) 75-78 2015年12月
仙骨腟断端固定術は経腟的骨盤底形成術と比較してメッシュによる合併症が少なく本邦でも2014年から腹腔鏡下手術が保険適応となったことから各施設における手術件数が増加している。当院では2013年からロボット支援下での仙骨腟断端固定術を開始した。術後1年以上を経過したロボット支援仙骨腟断端固定術4例を報告する。症例:4症例の年齢は59歳から70歳(平均年齢:64.5歳)、既往歴として2例で子宮摘出術を施行されていた。いずれもPOPIIIの骨盤臓器脱を認めた。子宮摘出後の2例では腟断端仙骨固定術のみを行い、1例は腟上部切断にて子宮を摘出、他1例は腟上部切除および両側付属器切除を施行、その後腟断端仙骨固定術を施行した。結果:コンソール時間はそれぞれ180分、162分、200分、240分で出血量は平均28mlであった。4例とも術後経過は良好であり5PODに膀胱造影を施行、平均在院期間は術後8日間であった。術前後に施行したQOL調査では5点から1点に改善、尿失禁を認めた1例は術後1年目にTVTを施行した。結語:daVinci Siサージカルシステムを用いた腹腔鏡下腟断端仙骨固定術は良性疾患に対するロボット手術適応拡大が期待できる術式と思われる。(著者抄録)