高橋 孝, 金田 英和, 村上 桂一, 橋本 敦, 青山 剛史, 古賀 豊, 宮 信大, モハメド・カリル, 森 浩一, 中村 佳朗
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 9 1-16-16 2010年3月
著者らは,定常音響構造連成解析において,従来の手法では解析が困難な中間周波数帯を解析可能な決定論的手法である波動ベース法(WBM)に着目し,フェアリング内部の宇宙機の2 次元内部定常音響振動連成解析を行ってきた.本報告では,著者らが開発し拡張した2 次元解析コードを用いて,内部音響透過問題と,解析領域の広い外部音響伝播問題に対するWBM の適用性を検討した結果を示す.音響透過問題に関しては,単純な弾性板を通じた音響透過損失の計算を行い,有限要素法(FEM) による解析結果と比較することによってWBM の解析精度の検証を行った.その際,WBM とFEM の両者に対して,弾性板の端部における不連続な境界条件に付随して解析精度が悪化する問題を指摘し,簡易的な手法で問題を回避する方法を提案した.一方,外部問題においては,ロケット打ち上げ時の射場の定常音響伝播の計算を行い,無限遠において音が反射しないことを保証する放射条件を厳密に満足して,広い解析領域および広い周