廣澤 春任, 名取 通弘, 紀伊 恒男, 高野 忠, 橋本 樹明, 大西 晃, 井上 浩三郎, 村田 泰宏, 三好 一雄, 井上 登志夫, 野田 隆彦, 栗林 豊, 田嶋 隆範, 近藤 久美子, 佐々木 崇志, 箭内 英雄, 萩野 慎二, 小倉 直人, 岡本 章, 杉山 祥太郎, 中川 栄治
宇宙科学研究所報告 101 1-27 1998年6月
科学衛星「はるか」は, スポース VLBI に必要な工学諸技術の実験ならびにスペース VLBI による電波天文観測を行うことを目的として, 1997年2月12日, 宇宙科学研究所の新型ロケット M-V の初号機により打ち上げられた。「はるか」では数々の工学的課題への取り組みがなされたが, それらの中で, ケーブルとメッシュからなる, 有効開口径8cmのパラボラアンテナの軌道上での展開が, 最大の工学的課題であった。打ち上げ約2週間後の2月24日から28日にかけてアンテナ展開実験を行い, 展開に成功した。本稿は「はるか」のアンテナ展開実験を, 衛星システム全体としてのオペレーションの観点から詳述するものである。