奥村真一郎, 坂本強, 高橋典嗣, 中屋秀彦, 工藤伸夫, 廣瀬史子, 松田郁未, 染谷一徳, 柳沢俊史, 吉川真, 田中済
宇宙航空研究開発機構特別資料 JAXA-SP- (10-011) 42-58 2011年2月28日
第4回スペースデブリワークショップ(2010年12月16-17日, 宇宙航空研究開発機構調布航空宇宙センター)TDI(Time Delay Integration)方式とは、露光しながらCCDの電荷転送を行い、移動する撮影対象の速度・方向に対して電荷転送速度を一致させることにより移動対象を点状に撮像し、感度をあげる読み出し方式である。TDI方式での天文観測は通常、望遠鏡を静止させ、恒星の日周運動にあわせて東から西に電荷転送を行う。一方、静止デブリは恒星の運動に対して天球上を逆向きに移動するので、TDI方式の静止デブリ観測では、望遠鏡は日周運動に合わせで恒星を追尾させ、電荷転送速度を西から東こ向かって日周運動の速度に同期させることにより、デブリを点像に撮像する。静止デブリ観測において、望遠鏡を静止させて撮影する場合と比べたTDIモード観測のメリットは、望遠鏡が常に天球上の同じ場所を見ているのを利用して位置測定用データを取得でき、長時間露出で恒星像が伸びてしまってもデブリの位置決定ができることである。われわれは美星スペースガードセンター1m望遠鏡を用いて、TDIモードによる静止デブリ観測の有効性について評価を進めている。その結果について報告する。形態: カラー図版あり著者人数: 11人資料番号: AA0064966004レポート番号: JAXA-SP-10-011