研究者業績

梶野 絵奈

カジノ エナ  (Ena KAJINO)

基本情報

所属
武蔵野大学
東京大学 非常勤講師

J-GLOBAL ID
202301006355054477
researchmap会員ID
R000061676

受賞

 1

論文

 3
  • 梶野 絵奈
    音楽学 63(1) 1-17 2017年  
    明治23年『音楽雑誌』の発刊以来、音楽専門誌の発刊が続いたが、大正から昭和にかけて和洋楽器の通信教育を全国的に展開した大日本家庭音楽会が、大正4年から約10年間出版した『家庭音楽』は、上野正章氏が2010年の論文の一部分で触れたものの、その存在は殆ど知られていない。それは通信教育の受講者を読者層とした雑誌であるため、国会図書館にも蔵書がないほど極端に残存数が少ないことに起因する。筆者は数年かけて、全出版号数の40%程度にあたる47冊分の原本或は複写を収集した。本論はその調査報告を通し、『家庭音楽』の購読者、即ち通信教育受講者たちの音楽活動を明らかにすることを目的とする。<br>   大日本家庭音楽会は、和洋問わず様々なジャンルの音楽作品を用いた、ヴァイオリン、琴、尺八等の和洋楽器の通信講座を設けていた。『家庭音楽』は、その受講者達の音楽生活の実態を伝える第一級の史料である。ヴァイオリンと尺八の受講者が読者の中心層を成しており、読者全体の大部分を男性が占めていた。明治末期からメディアで取り上げられていた家庭音楽を巡る言説において、その主な担い手は女性だったが、男性読者を中心とした『家庭音楽』では、家庭音楽の普及は標榜されておらず、主幹の論説からは家庭音楽の実施がままならない日本の現実が窺えた。出版の目的に「会員愛読者双互の親睦」と「音楽智識の向上」を掲げており、前者は「通信欄」を中心に深められ、読者同士の個人的な交流も活発に営まれた。音楽関連の記事以外に文芸欄、中でも読者投稿による文芸欄に多くの頁が割かれている点も非常に特徴的だ。このように、読者が参加できるように様々な工夫が凝らされた『家庭音楽』は、現実の生活では家庭音楽が叶わない購読者たちの、音楽生活を支える拠り所であったことを確認した。
  • Ena Kajino
    Nineteenth-Century Music Review 10(2) 293-321 2013年12月  

MISC

 9

書籍等出版物

 5