研究者業績

中村 孝文

ナカムラ タカフミ  (NAKAMURA TAKAHUMI)

基本情報

所属
武蔵野大学 法学部 政治学科 教授
学位
修士(国際基督教大学大学院)

J-GLOBAL ID
200901004020107352
researchmap会員ID
1000093686

MISC

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  • 武蔵野大学政治経済研究所年報 (第1号) 2008年3月  
    まず、ウェーバーの決断主義と実存主義の関連説明。次にレオ・シュトラウスのウェーバー批判の分析を整理し、シュトラウスのウェーバー批判が、倫理的に多元的価値の否定になることを論じた。その上で、アーレントの判断力概念とイマジネーションの相関性を分析し、彼女の立場にショトラウスを克服する契機がある点を評価した。
  • 武蔵野大学人間関係学部紀要 (第4号) 1-12 2007年3月  
    ウォリンの「政治的なるもの」の概念が、公共性を内容とするものであり、「政治性」が公共世界への参加能力を意味していることを論証した論文。この論文では、ウォリンの政治理論を、現代日本の政治の変容を分析する枠組みとして使用した。
  • 『思想』 (12月号) 108-123 2006年12月  
    ウォリンとダールの著書に依拠しながら、ブッシュ政権以後のアメリカ政治の変質を論じた論文。ウォリンによれば、アメリカの民主政治は「経済政体」といわれるものに変質している。一方、ダールは小選挙区制という選挙区制にブッシュ当選の原因をみる。この論文は、以上のような、アメリカ政治批判を取り上げて、民主主義の民主化の提案を行なったものである。
  • 武蔵野大学人間関係学部紀要 (第1号) 2004年3月  
    丸山眞男の戦中の成果である徂徠研究にみられた「エートス」への関心が、戦後すぐに発表された「近代的思惟」への問題関心の連続性を明らかにした。また、同時に、その関心が1950年頃まで持続していることを明らかにした。
  • 人間研究 (4号) 1999年3月  
    平成11年 3月25日。1.マキアヴェリの政治概念。2.プラトンの政治概念。3.アリストテレスの人間観と学問観。4.アリストテレスの政治概念。西洋政治思想史の流れにおいて、古代と近代の政治概念における連続と断絶を明らかにした。
  • 人間研究 (第2号) 53-74 1997年3月  
    モムゼン以来、ナショナリストとしてのウェーバー像が定着している。本稿では、ウェーバーは、いかなる意味でナショナリストであったのかを検討した。手法として、「倫理」論文等の宗教社会学的著作と方法論論文からウェーバー思想を抽出し、それを政治論文に読み込む方法をとった。マモニズムにとらわれた資本主義文明と官僚主義的人間類型にささえられたロシアから、「文化人」を守り通すことが、彼のナショナリズムを促した。
  • 人間関係学科通信 (第2号) 2 1996年3月  
    レオ・シュトラウスの論文“What is Liberal Education?”を与件として、現代における人格教育の必要性を論じた。政治哲学は、あるべき政治の理念と、その理念にもとづく政治体制の提示を一つの目標とするが、そうした目標達成をささえる人間像の提出が不可欠である。シュトラウスが、教育の実践と教育論に大きな関心をはらった理由がそこにある。
  • 人間研究 (第1号) 37 1996年3月  
    現代における価値の相対性と選択の主観性をめぐる問題性について、ウェーバーとシュトラウスの思想を与件として検討を加えた論文である。第一章では、ウェーバーの社会科学方法論の世界観的前提に分析を加え、第二章で、それに対するシュトラウスの批判を検討したうえで、第三章において、シュトラウスの政治哲学の意味を分析した。シュトラウスの「真理の断片」としての世界把握が、間主観性の可能性をもつことを提案した。
  • 人間関係学科通信 (第4号) 3 1996年  
    現代日本におけるデモクラシーの危機は、その原因の1つが政治主体の未確立にあるが、アメリカにおいてもシェルドン・ウォリンの同様の指摘がある。ウォリンは、そうした現状に対して、アメリカの伝統である「市民精神の復活を試みるが、それは同時に現代日本の課題でもあると結論づけた。しかし、それは単に主体性の主張だけでは言説として意味をなさず、「パトスの知」(中村雄二郎)を取り込んで実現されねばならない。
  • 武蔵野女子大学紀要 (第29号) 22 1994年3月  
    ルソー政治思想における「市民」について考察した論文である。市民とは、ルソーによれば、主権に参加する人間のあり方をいう。それは「社会契約論」の中心概念であり、共同体は「公的ことがら」に主体的にかかわる市民によって支えられる。本稿では、「契約論」直前の代表作「ダランベールへの手紙」を与件として、市民形成に果たす習俗と徳の役割を実証的に検証し、ルソーにおける市民の形成のプロセスを解明しようと試みた。
  • 中央評論 (平成5年6月号) 3 1993年6月  
    参加民主主義の現代における意義を論じた。大衆民主主義の時代において、民主主義を活性化させる方法が、政治への参加と参画であり、さらにそれを促すために、市民としての人間類型の必要性を述べた。
  • 武蔵野女子大学紀要 (第26号) 15 1991年2月  
    平成 3年 2月25日。アリストテレス以来西洋政治思想の伝統の中にある共和主義の精神、すなわち、市民精神の歴史をルソー、トクヴィル等の思想家を紹介しながら定式化した。その上で、市川房枝が政治において、市民精神の必要性を高く評価していたことを主に大正期の活動に焦点をあてて描き出す。また、市川の理想選挙とJ.S.ミルの選挙観が類似していることをも指摘する。
  • 社会科学ジャーナル (第25号(2)) 26 1987年10月  
    昭和62年10月31日デカルトの懐疑にはじまり、ニーチェによる神の死によってもたらされたPost-Christian Western Civilization の中で最高位にまで登りつめた人間のhubrisの原因を禁欲的プロテスタンティズムと宗教改革の中にさぐり、近代的政治の概念が世俗化されていくことにより生ずる問題点を描写しようとしたもの。世俗化した権力による抑圧が「人間の全面性」の断念を要求していることの認識を根源として現代政治を再考すべきことを結論づけた。
  • 社会科学ジャーナル (第24号(2)) 30 1986年6月  
    昭和61年6月30日。現代資本主義国家の危機的構造を明らかにすることが目的である。現代的危機の原因は西欧近代文明とそれを支えるプロテスタント的個人主義にある。ウェーバーは召命倫理の中にとりわけ危機の原因を見出す。それこそが社会の形式合理化と個人の生の無意味化を推進し、現代国家の正統性の危機をもたらしたからである。こうした状況の中でキリスト教倫理に対抗して提出された倫理が「責任倫理」であった。
  • 社会科学ジャーナル (第23号(1)) 20 1984年10月  
    昭和59年10月31日。構造主義との関連でウェーバーを理解しようとするブライアン・ターナーの近著を紹介し、あわせて筆者のコメントを付したものである。執筆のねらいは、従来ややもすれば一面的になりがちであった日本のウェーバー理解を世界の研究動向の中でとらえなおし、新風を吹きこむことである。本稿では主にウェーバーを主観主義者としてではなく、構造主義者と捉えることで、哲学に対する社会学的思惟様式の有する意義を評価しようとした。
  • 社会科学ジャーナル (第22号(1)) 10 1983年10月  
    昭和58年10月31日。ウェーバーはゲマインデを「都市ゲマインデ」「宗教的ゲマインデ」の2つに分類し、市民社会の多元化の必要性を説く。一方、政治におけるリーダーシップの重要性をも強調する。こうした点から、第一次大戦終結後の国内改革を「上から」の支配と「下から」の参加とのダイナミックな統一という視点から行なうことを提言する。
  • 社会科学ジャーナル (第22号(2)) 1983年3月  
    昭和58年 3月31日。第一次世界大戦の政治的原因は、ヴィルヘルム2世の素人政治、方向性を喪失した盲目的官僚集団による政治指導、さらにそれらに対する国民の受動的服従にあった。対英、対露という極めて不利な戦争を終結させ、真の国益を守るため、国内政治の改革とそれを支えるドイツ国民の政治的成熟ならびに指導者のリアリスティクな認識の重要性をウェーバーは強調した。

書籍等出版物

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  • DTP出版 2004年3月
    1章:古代ギリシアの哲学、2章:ソクラテスの哲学と人間観、3章:プラトンの政治思想、4章:アリストテレスの政治思想、5章:アウグスティヌスの政治思想、6章:中世政治思想の特質とその崩壊、7章:ルネサンスとマキアヴェリの政治思想、8章トマス・モアの『ユートピア』、9章:モンテスキューの政治思想、10章ホッブズの政治思想、11章:ロックの政治思想、12章:アンシャン・レジームとルソーの政治思想、13章トクヴィルの政治思想、14章ウェーバーの現代社会分析、15章:アーレントの政治哲学、16章:近代政治思想の特質とその歴史的意義
  • 岩波書店 2001年5月
    第1部:デモクラシーの起源、第2部:デモクラシーの理念、第3部:デモクラシーの現実、第4部:デモクラシーに有利な条件と不利な条件。原著On Democracy(Yale Univer-sity Press)の翻訳。(全306頁)また、解説9頁を執筆した。
  • 中村孝文, 竹尾隆 (担当:共著)
    八千代出版 1992年3月
    1章:現代政治の基層,2章:現代政治理論の展開,3章:利益団体,4章:政党と政党政治,5章:投票行動,6章:統治構造の基本形態,7章:立法部と行政部,8章:行政と官僚制,9章:国際関係。自己担当部分は第2章。そこでは、主にD.イーストンの著作における政治学の科学化を問題性をもつ研究として取り上げ、結論部分でS.ウォリンの思想史的アプローチの有効性を論じた。(総頁数303頁中P33~P68(第2章)を担当)
  • 中村孝文, 原田鋼 (担当:共著)
    ブレーン出版 1991年4月
    平成 3年 4月25日。自己担当部分:物象化、家産官僚制、価値合理性・目的合理性、共同幻想、決断主義、合理化、ニヒリズム、官僚制化、理念型、オールタナティブ、マージナル・マン、形式合理性・実質合理性、責任倫理・心情倫理、ハンナ・アーレント、レオ・シュトラウス、シェルドン・ウォーリン、エリック・ホッファー、公的異議申立て。(総頁数1223頁中、P29~P30、P76、P110、P132、P159、P202、P239~P240、P246、P293、P301~P302、P457、P574、P780~P781、P884、P949、P964、P1006、P1050を担当)
  • 実務教育出版 1989年6月
    平成 1年 6月15日。行政学テキスト。行政国家現象と日本の行政の伝統がもたらす反民主主義的行政のあり方を念頭におきながら執筆したもの。とくに行政権の政治化が本来の民主主義と調和させられるためには、行政責任の確保こそが重要なポイントになるとの立場から官僚制論、行政責任論に力点をおいた。

講演・口頭発表等

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  • 獲得型教育研究会 2010年3月27日
    デモクラシーの観点から、初等・中等教育の先生方を対象に「市民」の育成が教育の課題であることを説明した。特に、官治・中央集権型の支配を自治・参加型の政治行政に変えていく際に、自治の主体としての「市民」の必要性を強調した。
  • 異文化教育研究会 2010年1月31日
    シティズンシップをめぐる近年の課題についての研究発表。難民・移民が提起する市民権の問題、国民国家の変質の問題、日本における官僚統治の伝統と自治的政治行政システムへの転換を担う市民運動や市民参加の提起する問題等について研究発表を行なった。
  • 日本法政学会 2008年11月30日
    日本法政学会109回大会(尚美学園大学)における「法律学と政治学の対話」(シンポジウム)において、政治思想史研究の立場から法律学との関連について論じた。本来政治思想とは制度設計を行うことを任務とするものであるため、立法作業の基準を提示する役割を持つと説明した。
  • 武蔵野大学現代思想研究会 2006年12月
    現代アメリカを代表する政治哲学者であるウォリンの政治科学への批判を解説した。ウォリンは、政治学が現代政治を批判する能力を喪失していることを問題とし、伝統的な政治哲学の復活を主張している。この発表では、ウォリンの政治文化の捉え方が、現代日本に応用できることを肯定的に評価した。
  • 日本大学政治研究会 2006年10月
    ウォリンの著書『アメリカ憲法の呪縛』と『政治学批判』の紹介を行ないながら、アメリカのデモクラシーの現状を紹介した。また、ウォリンがモンテスキューの立憲主義思想の影響とハンナ・アーレントの影響下に政治理論を組み立てていることを実証的に論じた。

Works(作品等)

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  • 2009年12月 その他
    平成21年12月12日。平成20年度中に発表された「政治思想(欧米)」についての文献を整理し解説した。ここでは、近年の日本の政治思想研究が、従来の「近代政治思想」研究から、1970年代以降の英語圏の「政治理論」へとシフトしてきたことを指摘した。
  • 2008年8月 その他
    政治学と経済学の研究対象が市民社会と市民的公共性であることを、アーレント、ハーバーマス、ウォリン等に引照しながら論じた。現代において、企業によって市民社会と生活世界が蚕食されていることに批判的に立ち向かうことの必要性を述べた。
  • 2008年4月 その他
    古代ギリシアにおける哲学の発生とその主題を論じ、プラトンのイデア論がその哲学の伝統に根ざしていることを説明した。またプラトンの主たる関心が魂(プシュケー)にあることを論じ、魂をイデアの発見に向けるのが教育であり、魂の善がプラトンの目標だったと論じた。その限りで宗教とプラトン哲学の接点があるとした。
  • 2007年12月 その他
    2006年度中に発表された政治学の研究業績を、「政治学・政治理論」「日本政治・政治過程」「行政学・地方自治」「政治思想(日本・アジア)」「政治思想(欧米)」「政治史(日本)」「政治史・比較政治(西欧・北欧)」等に分けて紹介した学会展望のうち、「政治思想(欧米)」の部分を執筆した。アイリス・ヤングの図式を使用し多様な論文を整理した。
  • 2007年3月 その他
    現代の大学教育が直面する諸課題を整理し、武蔵野大学が試みている解決方法を解説した。単位制度のしくみ、CAP制の意義、GPAの解説、授業方法の改善の方策等を詳細に述べた。今後の大学教育の改善に資する目的で執筆した。

その他(教育上の能力)

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  • 件名
    武蔵野女子学院学院特別研究費採択
    年月日(From)
    2005/04
    年月日(To)
    2006/03
    概要
    映像を用いた授業方法の改善−授業のDVD採録による点検、改善−(共同:代表者)17年度150万円、18年度190万円
  • 件名
    武蔵野女子学院学院特別研究費採択
    年月日(From)
    2006/04
    年月日(To)
    2007/03
    概要
    映像を用いた授業方法の改善−授業のDVD採録による点検、改善−(共同:代表者)17年度150万円、18年度190万円