武蔵野大学文学部紀要 (第8号) 37-44 2007年3月 査読有り
メアリー・シェリーの小品『モーリス』は、ロマン派主義的な自然と人間の関係をテーマにした作品である。モーリスは2歳の時子供のいない水夫の妻に誘拐され、貧しい家庭の子として育つ。13歳の時、家庭を助けるために一人で生きていく決心をして家出する。仕事も見つからず赤貧の極みに、一人暮らしの漁師に助けられ数ヶ月供に生活する。彼の自然の恵みに生かされた生活に生まれて初めて幸福感を得、彼の人間性への支えとなる。メアリーの自然と人間の考えを論じた。<br />