室岡 陽子

＜point＞▼周手術期のスキントラブル予防におけるアセスメントができる▼術中のスキントラブル予防の方法を説明できる▼術中のMDRPU予防の方法を説明できる▼術中のスキン-テア予防の方法を説明できる(著者抄録)

排泄とは、人間が生命活動を営む過程で不要になった老廃物、つまり人体にとっての有害物を便、尿、汗、呼気という形で対外に排出することをいう。排泄が正常に営まれない場合には、有害物質が体内に蓄積されることになり、健康の維持が困難になるばかりか、それが高じると生命に危機を及ぼす。それだけに排泄機能が正常に保たれることは、健康の維持に不可欠であり、その結果として排泄物の状態は、その人の健康の程度を知るうえで大切なバロメーターであるといえる。一方で、排泄は下部尿路や消化管の問題だけでなく、認識する、立つ、歩く、座る、脱ぐ、拭くなどの日常生活活動の問題による影響も大きく関与している。リハビリテーション看護における排泄の支援とは、まさにこの日常生活活動の問題をアセスメントしつつ、患者がもてる力を引き出し、さらには患者の自尊心や羞恥心などの心理面、トイレ環境などの社会面にも注意を払いケアすることである。(著者抄録)

排尿障害は腎機能低下や尿路感染症を合併し、生活の質の低下につながる。重症心身障がい者(以下重心者とする)のほとんどは排泄の意思表示ができない。実際にB病棟でも、排尿間隔が長い患者が数名おり、膀胱を圧迫したり導尿をしたりして対応している。高齢者の排尿障害についての特徴と必要なケアは、様々な文献から導き出されている。しかし、言語的コミュニケーションが取れず、尿意の有無についての明らかな訴えが不明である重心者の排尿障害に関する文献は無く、看護ケアも明らかにされていない。過去にA病棟で調べた残尿測定から、重心者は排尿障害の危険性が高いことがわかった。そこでB病棟の重心者の排尿実態を調べ、そのデータをもとに排尿障害や尿路感染症との関連性を明らかにし、日頃の看護ケアを振り返った。その結果、(1)残尿量が50ml〜150mlの患者が多く存在したが、残尿量150ml以上の異常者は存在せず尿路感染症を予防することが出来ていた、(2)排尿反射は、尿が300ml程度貯留すると尿排出として行われており、異常な膀胱貯留量の患者はほとんどいなかったため、適切な排尿誘導がなされていた、(3)残尿量の比較において、尿路感染徴候の有無には差がなかったが、尿路感染徴候ありの方がより多く水分摂取するよう管理されていたことがわかった。(著者抄録)

ETナース、皮膚・排泄ケア認定看護師などにより構成される日本創傷・オストミー・失禁管理学会が会員を対象に毎年行っている会員活動調査の2012年分の調査結果について報告した。会員のうち、ETナース、WOCNおよび皮膚・排泄ケア認定看護師1180名を対象にアンケート調査を行い、281名(うち、261名が病院勤務)より回答を得た。実践した具体的な活動(複数回答)は、ストーマケアチームとしての活動が139名で最も多く、以下、NSTが97名、褥瘡対策チームが38名、排泄ケア(ストーマケア以外)チームが38名、フットケアチームが35名などであった。

日本創傷・オストミー・失禁管理学会のストーマケア、失禁ケア、褥瘡・創傷ケアなどの専門領域に関する活動情報を集積すること、集積した情報を分析し労働環境などの現状を明らかにするための調査を行った。2011年1月1日から2011年12月31日迄の活動を調査対象とした。調査対象である1055名中382名から回答があった。実践対象者、実践した施設数、具体的な活動などについて、教育活動に関しては、活動の対象について、参加した学会・研究会の件数、所属している学会・研究会などについて、研究活動、給与待遇や専門活動の時間外勤務における加算状況について尋ねる。専門的な活動に関する労働環境、今後の役割拡大について、勤務している病院の体制について、専門活動をすすめるうえでの組織からの支援の実際と認定看護師自身の工夫や課題、活動調査に対する意見などについて回答がなされた。自由記載からの意見では組織からの支援の実際や会員自身の取り組み、今後の課題などがあげられた。