研究者業績

奥田 亮

オクダ アキラ  (Akira Okuda)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部 心理学科 教授
学位
修士(教育学)(1996年3月 京都大学 大学院)

J-GLOBAL ID
200901098827872898
researchmap会員ID
1000258269

主要な論文

 59
  • 奥田 亮
    心理臨床学研究 37(4) 363-373 2019年10月  査読有り
    本研究では,バウムテストにおける描画体験過程について,特に幹の描画体験に焦点 をあてて検討し,その解釈仮説に対して理論的な基礎づけを行うことを目的とした。 まず描画行為自体に含まれる基礎的な体験として,情動の表出と関連する「痕跡を生 み出すこと」,その統制と関連する「形をとること」,描画への同一化と関連する「 形への自己投映」について考察された。これらを基にして,幹が描かれていく過程に 沿って,その体験が記述された。すなわち,バウムを描き出す位置,側線によって幹 の長さ・幅を決める過程や,それらが描かれる中で生じている体験を省察し,先行研 究の知見と二つの実例を踏まえながら,バウムの諸テキストにおいて述べられている 解釈仮説は,その体験過程によって基礎づけられることを示した。そして描画体験過 程を基に解釈を考えるという視点が,描かれたバウムおよび描画者を臨床的に理解す ることに役立つ,と論じられた。
  • 奥田 亮
    臨床描画研究 33 68-82 2018年7月  査読有り
    本論文では,バウムを描き始める前の描画者のバウムイメージとその後のイメージの変容を含む描画体験に焦点を当て,描画前のバウムイメージはどのように・どの程度思い浮かべられているのか,そのイメージはどの程度「正確に」描かれどの程度変容するのか,を調査し,それらについてバウムの部位やバウムテストの経験の有無を含めて分析した。その結果,バウムイメージは多くの場合,描く前にある程度思い浮かべられていること,描画を進めると,描かれたバウムに何らかの違和感を感じたり,付加して描きたくなったりする場合がほとんどであり,描画前のバウムイメージが最終的にそのまま紙面に示されるとは,多くの場合言えないこと,バウムを描く回数を重ねる中で,内的イメージの表現がより活性化され,バウムテストの治療的側面が高まる可能性があること,幹先端処理は,特に未経験者にとってバウムを描く上での課題となるポイントであること,などが示され

MISC

 4

書籍等出版物

 1
  • 編者, 山中康裕, 皆藤 章, 角野善宏, 分担執筆, 奥田 亮 (担当:共著)
    創元社 2005年3月
    心理臨床で用いられているバウムテスト,あるいは技法としてのバウムに関して,思想的考察・基礎的研究・臨床的研究に区分して論じた。 全365頁 担当部分:「第2章バウムの基礎研究 序,2」(単著) 第2章の「バウムの基礎研究」では,バウムの描画およびその解釈において,第一に描かれたバウムをそのバウム自身の論理に沿ってみること,第二にバウムを描く際に何が起こっているかを問うこと,を目的とした。まず序では,第2章の基本的なオリエンテーションが示され,さらに2においては,幹先端処理が描画者に引き起こすであろう体験について,分化と包冠という観点から考察された。

講演・口頭発表等

 45
  • 奥田 亮
    日本描画テスト・描画療法学会第32回大会 2023年11月5日
  • 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本パーソナリティ心理学会第32回大会 2023年9月10日
  • 奥田 亮
    日本描画テスト・描画療法学会第31回大会 2022年9月11日
  • 奥田 亮
    日本描画テスト・描画療法学会第31回大会 2022年9月10日
  • 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第86回大会 2022年9月9日
  • 奥田 亮
    日本ロールシャッハ学会第26回大会 2022年9月3日
  • 奥田 亮
    日本描画テスト・描画療法学会第30回大会 2021年11月5日
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩
    日本心理学会第85回大会 2021年9月1日
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田亮
    日本教育心理学会第61回総会 2019年9月14日 日本大学
  • 奥田 亮, 川上 正浩, 坂田 浩之, 佐久田 祐子
    日本心理学会第83回大会 2019年9月12日 立命館大学
  • 佐久田祐子, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第82回大会 2018年9月26日 東北大学
    本研究では,大学帰属感尺度(SUM-6)を用いて,実際の大学生活の適応に関わる指標である大学へのリテンションとの関連について検討するため,退学者と非退学者を対象に1年次の帰属感の推移をSUM-6に基づいて測定し,分析した。その結果,退学群・非退学群共に入学当初の4月時点から6月・11月にかけて,帰属感が低下することが認められた。退学群,非退学群の差はいずれの時点においても統計的に有意とはならなかったものの,退学群における帰属感の減少は相対的に大きなものであることが示唆され,「入学時に交友満足感が高いにもかかわらず,秋にはその満足感が非退学者よりも低下する,すなわち大学生活充実感の急激な低下が,退学を予測する一つの指標になる」という坂田他(2018)の知見と同様の傾向が見られた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本教育心理学会第60回総会 2018年9月15日 慶応大学
    本研究では,ポストモダンの大学生における変容パターン(成長モデル)を検討するため,川上他(2014)・佐久田他(2014)において見出されたメジャー層(展望欠如日常享楽型)・対極層1(学業日常成長実感型)・対極層2(不安切迫型)の3つの学生層の中から,代表的と思われるケースを抽出し,4年間にわたるその成長過程を記述した事例を具体的に描き出して,成長と不安の関係の観点から再考した。
  • 奥田亮
    日本心理臨床学会第37回大会 2018年8月31日 大阪大学
    本研究では,奥田(2017)に引き続き,バウムテストにおける描画体験過程を考察し,その解釈仮説に理論的な基礎づけを行うことを目的とした。特に,樹冠部の包冠線(樹冠を包む輪郭線)および枝の描画体験に焦点をあてて検討がなされた。
  • 日本心理臨床学会第36回大会 2017年11月19日 東洋大学
    本研究では,バウムテストにおける描画体験過程を考察することによって,その解釈仮説に理論的な基礎づけを行うことを目的とし,今回は特に幹の描画体験に焦点をあてて検討を行った。まず先行研究や文献から,バウムテストにおける幹の描画体験過程を示唆する内容を取り上げた。次に,実際に幹が描かれる体験過程を記述し,先述の諸研究を踏まえながら,そこで描画者に生じていると考えられる心的課題を考察した。これによってバウムテストの幹に関わる諸解釈仮説について,その理論的な基礎づけが行われた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本教育心理学会第59回総会 2017年10月7日 名古屋大学
    本研究は,現在の大学生が4年間の学生生活の中で実際どのように成長するのか,心理学を専攻する大学生における大学入学時と卒業前の心理学に対するイメージの差異を検討することを通じて,明らかにすることを目的とした。そのため,心理学を専攻する大学生女子28名の1年次と4年次にインタビューを行った。その回答における特徴語を抽出した上で,共起ネットワーク分析を行った結果,1年次のコメントにおいては,心理学に対して漠然としたイメージが強いことが伺えた。一方,4年次のコメントにおいては,心理学の幅の広さに対する意識が認められた。また,心理学が日常生活の中で活かされることや,心理学の必要性に対する意識が認められた。これらから,自分の学びが生活に幅広く活かせるという感覚を持つことが,現在の大学生にとっての成長であることを示唆すると考えられた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第81回大会 2017年9月21日 久留米大学
    本研究では、筆者らが開発した帰属感尺度(川上他,2009)について再検討を行った。すなわち、調査対象者の負担軽減という観点から、大学生を対象とした項目数の少ない施行の簡便な尺度を新たに作成することを目的とし、これまで用いてきた帰属感尺度を再精査して、厳選された項目からなる大学帰属感尺度の開発を行った。帰属感尺度(川上他,2009)の14項目について,因子負荷量の低い項目を除外しながら繰り返し因子分析を行い、因子負荷量の高さ・分布の尖度および歪度の絶対値の小ささ・項目削除時のα係数の高さを考慮に入れながら、最終的に1因子構造の6項目を選んだ。信頼性と妥当性が確認され、「大学帰属感尺度(Sense of University Membership scale ; 6 items : SUM-6)」が作成された。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本教育心理学会第58回総会 2016年10月9日 日本教育心理学会(担当校:香川大学)
    本研究では,全学対象の帰属感高揚プログラム「大学と私」を改良して2015年度に実施し,その効果を測定し分析を行った。大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)と帰属感尺度をプログラム前後で比較したところ,大学へのコミットメントが有意に上昇し,大学への帰属感も上昇する傾向が見られた。この効果が,特定の学科を対象としたプログラムと同程度の効果を持つのかを検証することが,今後の課題とされた。
  • 日本描画テスト・描画療法学会第26回大会 2016年9月18日 山口大学
    本研究では,描画前のバウムイメージや,それが描かれた時に起こる不一致感等から,描画の中で生じるバウム全体・各部位のイメージ生起と変容体験を捉えることを目的として調査が行われた。その結果,ほとんどの被調査者において,描画前に何らかのバウムのイメージを思い浮かべていること,特に幹と樹冠(包冠線)はほぼ想起されることが示された他,各部位のイメージを描き出すことに関する体験の特徴が明らかにされた。これらの知見は,バウムの解釈を検討する際に重要になると考えられた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第80回大会 2016年7月27日 日本心理学会
    大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)の妥当性を検討するため,大学生用適応感尺度(大久保・青柳,2003)や意欲低下領域尺度(下山,1995)との相関について調べたところ,いずれの尺度とも一定の相関が見られ,おおよそ尺度としての妥当性が支持された。課題として,調査対象者の性別の偏りをなくし,データ数も増やした上で,他の面からも妥当性を検討する必要性があることが考えられた。
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩
    日本心理学会第79回大会 2015年9月22日
    本研究では,複数学科に所属する学生を対象に,同大学VTRと,複数学科の教員による対談を組み合わせた全学向け帰属感高揚プログラムを実施し,その評価について吟味した。その結果、2014年度プログラムは2013年度に比べ「教員の対談」に対する評価が全般的に高まり,またプログラム全体として「やる気」が高まるものであった。「教員の対談」の評価が向上したのは,2014年度プログラムにおいて改善された「教員との親近性」,すなわちプログラムを受講する学生が所属している学科の教員が登壇することによる効果と考えられる。また,プログラム全体として「やる気」を高めたのは,2014年度プログラム用に上回生が所属する学科のお薦めポイントをコメントする内容を加えたことを含め,新たにVTRを作り直したことによるものと考えられる。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第57回総会 2015年8月27日
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第56回総会 2014年11月7日
    本研究は,大学生が入学から2年次春までの学生生活の中でどのように成長するのか,その実際を記録し,その記録を分析して,いくつかの変容パターン(成長モデル)を抽出することを目指した。その結果,一定の長期的な将来への時間的展望に基づくと考えられる不安をほとんど持たない,あるいは不安を過剰に抱えていることが,“終わりなき日常”(宮台,1995)としての大学生活に楽しみを求める態度につながることが示唆された。前者は将来に対する自覚のなさや輝かしい将来の見えない現実に対する適応,後者は不安に対する逃避的態度が示されていることが考えられた。ただし,大学生活の進行に伴い将来への不安が高まる場合でも,目標を考え始める者とそうでない者とがおり,後者は身近な現実である交友関係に不安を抱いているため,まず日常の“楽しく”を優先している,あるいは自分のまわりに漂う慢性的な空虚感を取り払うために一生懸命楽しもうとしている(
  • 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第78回大会 2014年9月10日
    本研究では大学生への帰属感高揚プログラムについて,2011・2013年度には同学科VTRを,2012年度には同大学VTRを用いて実施し,プログラム差とコホート差を分離してその効果を吟味した。その結果,本プログラムはVTR(プログラム)の違いやコホート差を超えて帰属感と不安を高めることが示された。一方,大学へのコミットメントは2011年度においてのみプログラム前後で有意に高まることが示され,本プログラムによる大学へのコミットメントの上昇効果に関しては,コホートによって異なる可能性が示唆された。
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩
    日本心理学会第77回大会 2013年9月20日
    本研究では,大学への帰属感高揚プログラムの予備的研究(川上他,2013)を踏まえ,1回生に対して同学科VTRと同大学VTRを共に視聴させ,帰属感の高揚効果が二つのVTR間で異なるのかを検討した。その結果,プログラム前後で,提示されるVTRが同学科VTRか同大学VTRかに関わりなく,帰属感および“大学へのコミットメント”が有意に高まり,“不安のなさ”が有意に下がることが示された。すなわち,他学科も含む所属大学の先輩からのメッセージでも,同一学科の先輩からのメッセージと同じ帰属感の高揚効果があることが示された。
  • 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第77回大会 2013年9月20日
    本研究では,帰属感高揚プログラムで用いられる同学科VTR,同大学VTRのそれぞれが,実際のプログラムにおいて一回生にどのように評価されるのかを検討した。具体的には,異なる年度の1 回生に同一学科の先輩のVTR,他学科の先輩のVTR をそれぞれ帰属感高揚プログラム(特別授業)内で視聴させ,VTR に対する評定を行わせ,これを比較した。その結果、同一学科の先輩のVTR の方が,より適切な刺激であると判断できることが示された。特に一回生に向けたメッセージについて,同学科の先輩によるものの方が効果が高いことは川上他(2013)と整合的であった。今後,こうしたVTR が一回生の不安を却って高める現象についてより詳細に吟味し,不安が高まる理由と一回生にとっての不安の意味を検討する必要があるとされた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第55回総会 2013年8月19日
    本研究では,大学への帰属感高揚プログラムで用いられるVTRについて同学科VTRと同大学VTRを作成し,1回生に対する帰属感の高揚効果が二つのVTRで異なるのかという観点から上回生に評定させた。その結果,「この大学に来て良かったこと」を語る内容については他学科も含めた同大学の上回生のVTRが不安を高めず,「1回生へのメッセージ」を語る内容については同学科の先輩のVTRがやる気を高めることが示唆された。
  • 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之
    日本心理学会第76回大会 2012年9月
    本研究では,新入生オリエンテーションの成果が大学生活充実度に正の影響を及ぼすという効果(奥田他,2006)について4年度分のデータとSoULS21を用いて検証した。“オリエンテーション成果”が“大学生活充実度”に影響を及ぼすというモデルを,共分散構造分析によって記述し,パラメータの推定とモデルの適合についての評価を行った。その結果は,新入生オリエンテーションが,後の大学生活充実度に効果を及ぼすことを支持するものであった。また,奥田他(2006)の知見が一部修正され,新入生の大学生活充実度を高めるためには,初動時に新入生が教員と親密になり,学部・学科への帰属感が高揚するような体験をさせることが重要であることを示唆した。
  • 奥田 亮, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第76回大会 2012年9月
    これまで開発を行なってきた帰属感高揚プログラムについて,学生のプログラムに対する評価とプログラムの持つ効果とがいかなる関係を持つかについて検討した。その結果,プログラムに肯定的な印象を持つことと,大学生活へのコミットメントの高まりとが関連していた。また全体としてプログラム前に大学生活での交友関係に満足し,不安が少なく大学に帰属感を感じているほど,VTRを見て不安になりにくく,やる気を起こしやすい傾向にあることが示された。このように帰属感高揚プログラムにおけるVTRの効果は,プログラム前の学生の大学生活の状況によるが,教員の鼎談はそのような状況に左右されずに学生に効果を与えることが示唆された。
  • 日本描画テスト・描画療法学会第22回大会 2012年9月
    描画時に生じる「描出への志向性」(描画者が思いのままに線を延ばして運筆する)と「形をとろうとする志向性」(運筆をコントロールしながら一定の形をとる)という二つの志向性について,考察を行なった。バウムを描く際には,バウムの各部においてこの二つの志向性の生じやすさが異なること,そして「形をとること」には先行した主体感生成の営みが含まれ,それと対照的に運筆による「描出」は,刻々と生じる紙との接触感とその軌跡が生み出されることで起こる「今ここ」と「痕跡」から感じる主体感覚を含み込んでいる可能性があることを指摘した。
  • 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩
    日本心理学会第75回大会 2011年9月
    大学へのコミットメント,交友満足,学業満足,不安の無さの4つの下位尺度からなる大学生活充実度尺度短縮版,SoULS-21について,関連が予想される他の尺度との相関係数を手がかりに,その妥当性を検討した。大学へのコミットメントについては,大学環境への適応感尺度の被信頼・受容感,課題・目的の存在と特に高い正の相関を示した。交友満足については,大学環境への適応感尺度の居心地の良さの感覚,拒絶感の無さと特に高い正の相関を示した。学業満足については,大学環境への適応感尺度の課題・目的の存在と特に高い正の相関を示した。また大学生活不安尺度の大学不適応と高い負の相関を示した。不安のなさについては,大学生活不安尺度のすべてと高い負の相関を示した。以上のように,他の尺度との相関からはSoULS-21の妥当性はおおむね支持されたと考えられた。
  • 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第53回総会 2011年7月
    これまで開発を行なってきた,心理学部所属の1回生を対象とする帰属感高揚プログラム(特別授業)について,プログラム内で使用する刺激VTRを変更するとともに,VTR以外の内容も含めた効果を検討することで,不安を高めないより適切なプログラムを模索した。その結果では,川上他(2010)で見られたような,プログラムによる不安の上昇といったネガティブな効果は消失し,プログラムの目的である帰属感の高揚効果が認められた。これは前プログラムに比べ,1回生の不安を高めるような“立派な先輩”(特に卒業生の職場での活躍風景)のVTR呈示が過剰にならないように適度に抑えつつ,教員や在学中のさまざまな上回生の姿を示す事で,程よく学部への所属意識が喚起されたことによるものだと考えられた。
  • 研究代表者, 奥田 亮, 共同研究者, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第74回大会 2010年9月
    本研究では,継続的に収集してきた4年度分の大学生活充実度尺度のデータを再分析し,年度を越えて共通する因子および一貫してその因子負荷量が高い項目を抽出し,より信頼性の高い大学生活充実度尺度の短縮版を作成することを目的とした。その結果,「大学へのコミットメント」「交友満足」「学業満足」「不安のなさ」という4つの下位尺度21項目から構成される大学生活充実度尺度短縮版(SoULS-21)が作成された。各下位尺度の信頼性係数はα = .714~.849と十分高い値となった。今後はこのSoULS-21について,その妥当性を検討していくことが必要であると考察された。
  • 研究代表者, 川上正浩, 共同研究者, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第52回総会 2010年8月
    本研究では,心理学部に所属する1回生に対してその帰属感を高揚させ,ひいては大学生活の充実感を高めるプログラムを探索的に開発し,その効果を検証することを目的とした。帰属感高揚プログラムを実施する際に,2種類のVTR刺激を異なる群に用いて,プログラム前後に学生生活充実度と帰属感を測定し,これらのVTR刺激の効果を比較した。その結果,上回生の学生生活に関するコメントを含んだ方のVTR刺激を呈示したプログラムは,大学へのフィット感を高める効果を持つことが示された。一方で,いずれのプログラムも大学生活に対する不安を高めるものであることも示された。これは,“立派な先輩”の姿を意識することにより,むしろ自信を喪失することによるものではないかと解釈された。それゆえその点に配慮し,また帰属感との関連をあらためて検討したプログラムの開発が今後求められると考察された。
  • 研究代表者, 川上正浩, 共同研究者, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第51回総会 2009年9月
    ある年度に入学した特定の大学・学部の学生集団において,その後の4年間で大学生活充実度がどのように推移したか,縦断的調査を行って分析した。その結果,学生生活は最終学年である4回生において最も充実度が高まることが示された。しかし交友満足度においては本研究では3回生での高まりは認められず,ゼミ分属に伴う交友関係の変化は必ずしもポジティブなものでないことも推測された。今後は,コホート差も視野に入れた上で,大学生活充実度の変化と具体的な教育的取組との関連を検討していくことが求められていると考察された。
  • 研究代表者, 川上正浩, 共同研究者, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本心理学会第73回大会 2009年8月
    新入生オリエンテーションで活用可能な,学生の所属学科への帰属感を高揚させるプログラムを開発することを目的とし,プログラムの探索的実施とその効果測定を行った。2グループ(A,B)の新入生に帰属感高揚プログラムを1回ずつ実施し,受講前と後に両グループに質問紙調査(大学生活充実度尺度と帰属感尺度)を行った。その結果,Bグループのみ大学生活充実度の「フィット感」得点が有意に上昇し,開発したプログラムは帰属感よりもむしろ,進路選択の正しさと現学科への所属の意義を保証する効果をもたらしたと考えられた。ただし,変化が見られたのは一方のグループのみであったことから,集団の質によって本プログラムの効果が異なる可能性があることが考察された。
  • 研究代表者, 川上正浩, 共同研究者, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第50回総会 2008年10月
    ある大学・学科のある年度とその翌年度の同時期の1回生から4回生のすべての学年を加えた大学生活充実度のデータを採取し,2年分の横断的データを分析・比較することによって,大学生活充実度の学年間の差異を検討することを目的として調査を行った。その結果,全体を通じて学生生活は最終学年である4回生において最も充実感が高まり,さらに学業に関する満足感は2回生から3回生においても上昇することが示された。また,不安に関しては二つの年度間で差が見られたため,コホート差が存在する可能性が考えられた。
  • 研究代表者, 坂田浩之, 共同研究者, 佐久田祐子, 奥田 亮, 川上正浩
    日本心理学会第72回大会 2008年9月
    宿泊型新入生オリエンテーションにおける“新入生同士での宿泊”という要素が,新入生にどのように体験されるかを明らかにすることで,適切な新入生オリエンテーションの形態を検討することを目的として,大学1回生に調査(自由記述式の質問紙)を行った。テキストマイニング処理を行って自由記述文を分析した結果,宿泊へのポジティブな印象は,「皆(友達)」と「遅くまで」「話」ができる点から,ネガティブな印象は「人」が「多」く,「気を遣」って「遅くまで」「眠」れない,「気疲れ」することから生起していることが明らかになった。よって宿泊型オリエンテーションでは,皆で遅くまで話せる環境を確保しつつ,眠くなれば気を遣わずに眠ることのできる,個人の空間をある程度保証するような環境を整備すること等が重要と考察された。
  • 研究代表者, 佐久田祐子, 共同研究者, 奥田 亮, 坂田浩之, 川上正浩
    日本心理学会第71回大会 2007年9月
    新入生オリエンテーションにおける諸成果が,オリエンテーション前後の大学生活充実度の変動にどのような影響を及ぼしているのかを調べるため,大学1回生を対象に調査を行った。その結果,新入生オリエンテーションにおいて所属する学科への帰属感が高まったり,教員との会話・交流が促進されたりすることによって,大学へのフィット感(大学生活や学びに対する期待感や適合感)が高いレベルのまま維持されることが示された。調査時期が入学から一ヵ月後の5月という不適応を起こしやすい時期であったことからも,その時期に新入生の大学に対するフィット感の低下を抑止する要因が明らかにされた意義は大きいと考えられた。
  • 研究代表者, 川上正浩, 共同研究者, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本教育心理学会第49回総会 2007年9月
    女子大学の心理学科に所属する1回生から4回生を対象に①全学年を通しての大学生活充実度の構造を探索すること,②大学生活充実度の学年間の差異を検討すること,の2点を目的として横断的調査を実施した。その結果,大学生活充実度は大学への“フィット感”“学業満足”“交友満足”“不安”の4因子によって構成されることが示された。そして,学年が上がるにつれて大学への全般的な適合感(フィット感)が高まり不安は和らぐこと,学業や交友関係については2回生から3回生にかけて,ひとつの転機を迎えることが明らかになり,これらの結果については,ゼミ活動との関連から解釈可能であると考察された。
  • 研究代表者, 奥田 亮, 共同研究者, 川上正浩, 坂田浩之, 佐久田祐子
    日本心理学会第70回大会 2006年11月
    大学における新入生を対象としたオリエンテーションについての一連の研究発表の第二回目である。新入生オリエンテーションにおいて新入生たちが得たと感じた成果を測定するためのオリエンテーション成果尺度と,前年に同学会で発表された大学生活充実度尺度を用いて行われた,大学生活に新入生オリエンテーションが及ぼす影響に関する調査について発表した。その結果,共分散構造分析により,最も適合性が高かったモデルを採用したところ,新入生オリエンテーションがその後の大学生活の充実に効果をもたらすことが示された。特に新入生同士が親密になり学科に帰属感が高まることで,大学生活の学業・適応面に肯定的な効果があることが示唆された。
  • 研究代表者, 川上正浩, 共同研究者, 坂田浩之, 佐久田祐子, 奥田 亮
    日本心理学会第69回大会 2005年9月
    大学における新入生を対象としたオリエンテーションについての一連の研究発表の第一回目である。本発表では,新入生オリエンテーションの効果を測定するために必要となる,大学生活充実度尺度の構成を提示した。まず47項目からなる質問紙を作成したこと,それを用いて調査が実施され,得られたデータについて因子分析等の統計的処理を行った結果,交友満足,学業満足,適応,不安,可能性の5因子が抽出されたことが報告された。
  • 研究代表者, 鶴田英也, 共同研究者, 奥田 亮, 山川裕樹, 中野祐子, 安立奈歩, 西堀智香子, 松山真弓, 鳴岩伸生
    日本心理臨床学会第21回大会 2002年9月
    前年度に同学会で行なった発表に引き続き,人格検査法の一つであるバウムテストの「幹先端処理」について,「包冠」という観点から検討した。「包冠」とは,幹先端部が樹冠エリアによって包まれているその部位及び機能を指し,発表ではその「包冠」に内包される描き手の感覚・ニュアンスや作用について,実際の事例を呈示しながら,概念の提唱と精緻化を行なった。
  • 研究代表者, 奥田 亮, 鶴田英也, 共同研究者, 山川裕樹, 中野祐子, 安立奈歩, 西堀智香子, 松山真弓
    日本心理臨床学会第20回大会 2001年9月
    描画作品への新しい視点が生成されるそのプロセス自体が臨床的意義を持つとの見解に基づき,バウムテストの作品のデータベース化と指標作成を通じて得た「幹先端処理」に着目し検討を重ねた研究過程を発表した。特に発表では,描画を扱う際の我々の姿勢,即ち数量的な処理からではなく臨床的な感覚をもって作品に接しそこから視点が生成され描画へのコミットメントと理解が深まる,という態度を積極的に提示した。

担当経験のある科目(授業)

 4

Works(作品等)

 8
  • 監訳者, 角野善宏, 共同翻訳者, 今西 徹, 奥田 亮, 小山智明
    2004年7月 その他
    C.G.ユングのタイプ理論について,まずフォン・フランツが心的機能および各タイプに関する豊富な事例を挙げながら,特に劣等機能の重要性を強調しつつ解説を行っている。一方ヒルマンは,元型派の立場から感情機能に焦点を当て,感情内容と機能の差違や母親コンプレックス,アニマ・コンプレックスによって生じる問題についてさまざまな角度から省察している。 担当部分:第1部1・4章,第2部6・7章
  • 監訳者, 山中康裕, 共同翻訳者, 國吉知子, 伊藤真理子, 奥田 亮
    2003年4月 その他
    ジョエル・ライスーメニューヒンによる箱庭療法に関する論述の翻訳である。本書では,イギリス・ユング派の立場から箱庭の理論及び実践について語られている。巻末には,箱庭療法の誕生に関わったカルフとローエンフェルトの往復書簡が収められている。また,あとがきの形式をとって,箱庭療法に対するメニューヒンと訳者らの見解の相違についてまとめている。 担当部分:「4.箱庭療法室 4.アグネスの物語」以降の翻訳部,及びあとがき
  • 2002年10月 その他
    ドゥニーズ・ドゥ・カスティーラ著『バウムテスト活用マニュアル』の書評を行なった。その中で,150にのぼる樹木画が掲載されたこの本の有効な活用法として,各々の樹木画に対する解釈を読む前に自ら各描画に対して感じ取ったことをできる限り書き留め,その後著者の解釈と呼応させて,読み取りの感覚を深めていく,という手法が提案された。
  • 2002年10月 その他
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターが開設され,その施設の内装を作ることに関わった経緯から,心理相談機関が新しく施設を作る際に留意すべき点について考察を行った。その結果,治療機関として利用者である来談者の観点を大事にすることだけでなく,治療者が治療関係を結ぶ上での基盤となる器作りを,施設作りに関与していく中で達成していくことが,重要であると考えられた。

共同研究・競争的資金等の研究課題

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教育方法の実践例

 6
  • 件名
    人格心理学personalityシート/personalityノートの活用
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学講義科目「人格心理学A」「人格心理学」(心理学科基幹科目)において講義者として自己内省用のプリントを活用しつつ,授業を進めた。人格心理学における様々な研究内容や知見が,単なる知識として受講生に消化されるだけに留まるのではなく,自らに照らし合わせながらより深く吟味して理解することをねらい,作成されたシートである。このシートに,毎授業開始時に与えられる「問い」(これは,その授業ごとのテーマに関連した,受講生自身のpersonalityに向けられた問いである)に対する答えを書き込むことで,授業内
  • 件名
    基礎演習における文献講読意識の向上
    年月日(From)
    2002/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学演習科目「基礎演習」(心理学科2回生対象)において演習担当者として以下の内容が実践された。「基礎演習」は,心理学を専門的に学ぶためのリテラシーを身に付けることを目的に,心理学の諸領域の文献を講読して学ぶ授業である。しかし,課題として扱うテキストが教員から一方的に与えられるものであると,学生の学問に対する積極的な姿勢を促し難いことも多々見られる。一方で,テキスト選択を学生の完全な任意にした場合,専門的なリテラシーを身に付けるという目標に適わない本が選ばれたりする。そこで,一定数の文献を教員側
  • 件名
    人格検査法実習・臨床心理査定実習における投映法施行態度の映像教材
    年月日(From)
    2003/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科の「人格検査法実習」(3回生以上対象,平成17年4月からは「臨床心理査定実習」に科目名変更)において,実習担当者として人格検査(特に投映法)を施行する際の検査者の姿勢を学ぶためにビデオ教材を利用した。人格検査の,特に投映法のような熟練を要する検査では,検査者の検査態度や被検査者との関係性が,検査結果に影響を与えることが知られている。そこで「緊張の高い検査者」「マニュアルにこだわる検査態度」「被検者とのラポール形成に努める検査態度」などいくつかの具体的な例を示したビデオ教材
  • 件名
    人格心理学personalityシート/personalityノートの活用
    年月日(From)
    2002/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学講義科目「人格心理学A」「人格心理学」(心理学科基幹科目)において講義者として自己内省用のプリントを活用しつつ,授業を進めた。人格心理学における様々な研究内容や知見が,単なる知識として受講生に消化されるだけに留まるのではなく,自らに照らし合わせながらより深く吟味して理解することをねらい,作成されたシートである。このシートに,毎授業開始時に与えられる「問い」(これは,その授業ごとのテーマに関連した,受講生自身のpersonalityに向けられた問いである)に対する答えを書き込むことで,授業内
  • 件名
    基礎演習における文献講読意識の向上
    年月日(From)
    2002/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学演習科目「基礎演習」(心理学科2回生対象)において演習担当者として以下の内容が実践された。「基礎演習」は,心理学を専門的に学ぶためのリテラシーを身に付けることを目的に,心理学の諸領域の文献を講読して学ぶ授業である。しかし,課題として扱うテキストが教員から一方的に与えられるものであると,学生の学問に対する積極的な姿勢を促し難いことも多々見られる。一方で,テキスト選択を学生の完全な任意にした場合,専門的なリテラシーを身に付けるという目標に適わない本が選ばれたりする。そこで,一定数の文献を教員側
  • 件名
    人格検査法実習・臨床心理査定実習における投映法施行態度の映像教材
    年月日(From)
    2003/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科の「人格検査法実習」(3回生以上対象,平成17年4月からは「臨床心理査定実習」に科目名変更)において,実習担当者として人格検査(特に投映法)を施行する際の検査者の姿勢を学ぶためにビデオ教材を利用した。人格検査の,特に投映法のような熟練を要する検査では,検査者の検査態度や被検査者との関係性が,検査結果に影響を与えることが知られている。そこで「緊張の高い検査者」「マニュアルにこだわる検査態度」「被検者とのラポール形成に努める検査態度」などいくつかの具体的な例を示したビデオ教材

実務経験を有する者についての特記事項(教育上の能力)

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  • 件名
    京都大学教育学部 「臨床心理学課題演習」及び「教育心理学実習」のTeaching Assistant
    年月日(From)
    1994/04
    年月日(To)
    1998/03
    概要
    京都大学教育学部にて学部生対象の「臨床心理学課題演習」及び「教育心理学実習」(毎年20〜30名程履修)のTeaching Assistant(具体的にはバウムテスト・風景構成法等の描画検査法,YG性格検査・エゴグラム等の質問紙検査法といった人格検査を中心に,心理テストの技術習得を指導する)を担当した。
  • 件名
    京都第二赤十字看護専門学校「教育キャンプ」非常勤講師
    年月日(From)
    1996/04
    年月日(To)
    2011/03
    概要
    京都第二赤十字看護専門学校の2年生を対象として行われる「教育キャンプ」の非常勤講師を勤めた。「教育キャンプ」は2泊3日30時間の宿泊型研修で,看護師を目指す学生たちに対し,他者との関係や自分自身の内面を見つめ直す機会を提供することを狙いとして,様々なグループ・ワーク,ペア・ワーク,個人ワークを臨床心理学的な観点から行うものである。
  • 件名
    京都府看護協会看護教員養成講習会「人間関係論」非常勤講師
    年月日(From)
    1999/05
    年月日(To)
    1999/12
    概要
    看護婦または准看護婦学校養成所の専任教員となる予定者,或いは現に看護教育に携わっている者を対象に,「人間関係論」の非常勤講師を勤めた。 「人間関係論」は,講習における基礎分野として21時間(3時間×7回)行われた。 講義内容は,「コミュニケーションの基礎理論及び技術を学ぶ」ことを目標とし,主に人格心理学・臨床心理学の立場から,対人関係についての理論・ワークを交えて行った。
  • 件名
    京都第二赤十字看護専門学校「心理学」非常勤講師
    年月日(From)
    2001/04
    年月日(To)
    2005/03
    概要
    看護学生を対象に「心理学」の非常勤講師を勤めた。 「心理学」は1単位(2時間×15回)の基礎分野科目である。 講義では,看護という専門性に役立つことを第一の狙いとし,援助職として不可避的な対人的交流とそこで生じる葛藤・ストレスに心理学的観点を持ち込むことで対処できるよう,また臨床心理学の発想を生かして自己ならびに他者理解を深められるよう,時に体験的な内容を絡めながら授業を進めた。
  • 件名
    島根大学 教育学部「投影法特論」非常勤講師
    年月日(From)
    2002/04
    年月日(To)
    2003/03
    概要
    投影法の習熟を目的とし,特にその基礎的部分について考えることを中心的なテーマに講義を行なった。内容としては,人格検査における投影法の位置付け,その有効性と限界について,等をまず概論的に解説した。また投影法を,アセスメント的側面と心理療法技法的側面の両面から検討し,検査として考える場合も技法として考える場合も,その基盤にある関係性が問題となることについて論じた。また,投影された心的内容をどのように扱うか,その「よみとり」過程について,聴講者の参与と体験的を通じた考察を促した。
  • 件名
    平成14年度大阪樟蔭女子大学オープンカレッジ文化講座『ココロを科学する』講師
    年月日(From)
    2002/11
    概要
    香芝市教育委員会との共催で行なわれた,平成14年度の大阪樟蔭女子大学公開講座『ココロを科学する』の一講座として,『攻撃的な心を心理学はどのように考えているか』と題する講演を行なった。講座では人間の多様な攻撃性について,認知・行動・感情面に分けて各側面の研究を包括的に紹介・説明した。
  • 件名
    奈良市立一条高等学校 校内研修会『生徒教育相談のあり方』講師
    年月日(From)
    2003/11
    概要
    奈良市立一条高等学校の校内研修会において,『生徒教育相談のあり方』をテーマとして講演を行った。講演内容は,不登校生徒など心に不安を抱える生徒に対して,教員がどのように応じるかというテーマについてであり,主に臨床心理学の技法と理論(転移現象の理解など)について説明が行われた。
  • 件名
    奈良県女性センター アフター5わくわくサロン『もっと知りたい!自分のこと』講師
    年月日(From)
    2004/10
    年月日(To)
    2004/11
    概要
    奈良県女性センターの男女共同参画事業の一環として,センターにおける活動への関心を高める狙いから,2回にわたって心理学の講座を開いた。テーマは「自己を見つめる」というもので,第1回目は東大式エゴグラムを利用して人格検査の結果から内省を深めた。第2回目は,自己認識に関わるバイアスについて心理学の知見をわかりやすく解説した。
  • 件名
    奈良県女性センター 男女共同参画セミナー夜の講座『怒りの心理学』講師
    年月日(From)
    2005/07
    概要
    平成16年度に引き続き,奈良県女性センターの男女共同参画事業の一環であるセミナーで心理学の講演を行った。内容は心理学における攻撃性の諸研究の具体的な紹介であり,特に人格的な観点から,感情(怒り)・行動(攻撃)・認知(敵意)の3点に分けて,人々のaggressionがどのような内的側面と関わっているかについて解説を行った。
  • 件名
    はびきの市民大学 女性と教育,そして暮らしを楽しくする講座『自分を見つめる心』講師
    年月日(From)
    2005/10
    概要
    羽曳野市が主催する市民大学の一講座「女性と教育,そして暮らしを楽しくする」の第一回講師を担当した。『自分を見つめる心』をテーマとし,まず心理学という専門領域についての概略を話した後に,自己フォーカス・自己意識といった心の働きについてなされた諸研究を平易に紹介した。同時に自己意識尺度を体験してもらい,自らの意識傾向を理解してもらう一助とした。
  • 件名
    京都大学 教育学部「教育相談」非常勤講師
    年月日(From)
    2009/04
    年月日(To)
    2010/03
    概要
    「教育相談」は,京都大学の全学部(2回生以上)を対象とした半期2単位(2時間×15回)の教職科目である。  講義では臨床心理学や発達心理学など心理学の知見を活かしながら,小・中・高校における教育相談のあり方について様々な観点やテーマから論じた。その際,児童・生徒への対応の“正解を教えること”よりも,生じている現象をどのように見つめるかといった児童・生徒や事象を理解する手がかりとなる考え方を提供することを主眼に,講義が展開された。
  • 件名
    香芝市保健・養護教育研究会『保健室登校の児童・生徒への関わり方について』講師
    年月日(From)
    2009/08
    概要
    平成21年度の香芝市保健・養護教育研究会において,『保健室登校の児童・生徒への関わり方について』というテーマで講演を行った。講演では,保健室という場と養護教諭という立場が,学校という組織や児童生徒にとってどのような意味合いを持つのかといったことについて,臨床心理学の観点から論じた。
  • 件名
    香芝市夏期研修講座『不登校の児童・生徒への関わり方』講師
    年月日(From)
    2009/08
    概要
    香芝市教育委員会主催の香芝市夏期研修講座において,「不登校の児童・生徒への関わり方」というテーマで講演を行った。公演では,教育とカウンセリングの違いを踏まえたうえで,教育にうまく乗るような生徒へのかかわりに関する臨床心理学の視点や発想について幾つか論じた。
  • 件名
    香芝市市民公開講座『子どもの教育を考える講座』講師
    年月日(From)
    2010/02
    概要
    香芝市教育委員会との共催で行なわれた,平成21年度の大阪樟蔭女子大学公開講座『子どもの教育を考える講座』の一講座として,『学校生活を送る子どもとカウンセリングについて考える』と題する講演を行なった。講座は,学校という場が非常に特殊な場であることを踏まえ,そこで過ごす濃密な経験と適応するための大変さについて,児童・生徒の視点から理解することを受講者(保護者)に促すような内容であった。
  • 件名
    大阪市看護職員研修? 非常勤講師
    年月日(From)
    2010/04
    年月日(To)
    2011/03
    概要
    大阪市看護職員研修?は大阪市の看護職員(採用5年目〜10年目)を対象に行われる研修会である。テーマは「カウンセリングマインドとリーダーシップ」であり、それぞれについて実習を交えながら個人が考える「カウンセリングマインド」と「リーダーシップ」の在り方について再考を促した。
  • 件名
    京都大学 教育学部「臨床心理学実習?」非常勤講師
    年月日(From)
    2011/04
    概要
    「臨床心理学実習?」は,学部3回生以上を対象とした通年2単位(4時間×30回)の専門科目である。 実習では,少人数のグループで心理療法面接の各種技法(具体的にはノンバーバル・コミュニケーション・ワークやボディ・ワーク,表現療法・遊戯療法・カウンセリングなどのロールプレイ等)を自己体験し,臨床場面で生じる関係性や表現の特質を学ぶと共に,理解や介入の基礎となる姿勢を養うことを目的とした。
  • 件名
    香芝市民公開講座『親子関係を考える』講師
    年月日(From)
    2012/11
    概要
    香芝市教育委員会との共催で行なわれた,平成24年度の大阪樟蔭女子大学公開講座の一講座として,『10歳頃のこころの世界』と題する講演を行なった。講座では,受講者自身が10歳の頃にどのような世界を体験し,考えていたかを想起してもらうために,写真集などを手がかりとして呈示し,さらに子どもの視点から世界を想起してみることの重要さを説いた。その上で心理学的理論について解説し,10歳の頃のこころの世界について理解を深めるという内容であった。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学心理学科 移設記念プレ連続講座『心理学の世界』講師
    年月日(From)
    2014/04
    概要
    大阪樟蔭女子大学心理学科移設記念プレ連続講座『心理学の世界』講師として『自分を見つめる心理学』と題し、自己意識のあり方について心理学的な観点から講義を行った。
  • 件名
    東大阪市教育センター研修会講師
    年月日(From)
    2014/08
    概要
    東大阪市教育センターにて相談員などの職員を対象とする研修会(事例検討会)の講師を行った。検討会では、2つの事例が報告され、それぞれの事例に対して臨床心理学的な観点からコメントを行った。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学心理学科 移設記念連続講座『心理学の世界』講師
    年月日(From)
    2015/06/06
    概要
    心理学科移設記念連続講座『心理学の世界』講師として、「きょうだいと性格」というテーマで、出生順位と人格形成との関連性について講演を行った。

資格・免許

 2
  • 件名
    臨床心理士
    年月日
    1998/03
    概要
    (取得した免許に係る職務先・勤務期間等は以下に記載)
  • 件名
    公認心理師
    年月日
    2019/02
    概要
     

実務経験を有する者についての特記事項(職務上の実績)

 9
  • 件名
    佛教大学学生相談室 臨床心理士
    年月日(From)
    1996/10
    年月日(To)
    2002/03
    概要
    臨床心理士として,5年6ヶ月,学生相談活動に従事した。 職務内容は,主に学生生活上で心理的に問題・悩みを抱える学生に対し,カウンセリングやガイダンス等の援助活動を行う。また,相談以外でも希望する学生には人格検査(YG性格検査・バウムテスト・TAT)を実施し,結果をフィードバックしながら面接し,学生が自己認識を深めるための援助を行った。
  • 件名
    京北町保健センターなかよし教室 臨床心理士
    年月日(From)
    1997/10
    年月日(To)
    1999/03
    概要
    臨床心理士として,1年6ヶ月,親子教室の集団活動を指導した。 なかよし教室では,過疎化・少子化により幼児及びその母親同士が交流する機会の少ない地域で,複数の母子達にコミュニケーションの機会を提供する為,20名程度の集団活動を行い,心理・社会的にサポートする。特に,母子間の非言語的コミュニケーションや遊戯活動について,指導・援助を行った。また,教室スタッフとのミーティングでは,臨床心理学的観点からスーパーバイザーとしての役割を果たした。
  • 件名
    大阪工業大学 情報科学部 カウンセリングルーム 臨床心理士
    年月日(From)
    1999/04
    年月日(To)
    2004/03
    概要
    臨床心理士として学生相談活動を学内にあるカウンセリングルームで行なった。主に学生生活で心理的な問題を抱える学生に対してカウンセリングやガイダンス等の援助活動を行なうのが主な職務内容である。時には事務職員や教員との連携を取り,学生の親との面談も行なった。就任後の学生相談活動の結果,年毎に来談件数が増加し,開室日数,人員などが補強され,対学生へのサービスが充実することとなった。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター 臨床心理士
    年月日(From)
    2001/11
    概要
    臨床心理士としてカウンセリング・心理療法を行なう。対象は児童から成人まで,言語的な対話精神療法と絵画や箱庭などの非言語的心理療法を用いて治療を行ない,低年齢のクライアントにはプレイセラピーも行なう。これまで,適応障害や緘黙の児童,青年期の同一性障害,不登校児の母親など,幅広い年齢層のケースを担当している。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター開設記念 第1回心の相談コロキアム『現代のストレス対処法について』ディスカッサント
    年月日(From)
    2002/03
    概要
    大阪樟蔭女子大学に新たに開設されたカウンセリングセンターの記念行事として,センターに関わる臨床心理学関連のスタッフによるコロキアムが,一般向けに公開され,そこで行なわれたストレス対処法についての講演に対するディスカッサントの一人として,討論を行なった。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター第2回心の相談コロキアム『現代人の心と自己コントロール』ディスカッサント
    年月日(From)
    2003/02
    概要
    平成14年度に引き続き開かれた,大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターのコロキアムに,ディスカッサントとして参加し,討論を行った。講演者の泉田玉堂老師の講演に対し,臨床心理学の立場から,特に自己コントロールを失ったクライエントの欠如感と,それに呼応する治療者の無力感について,J.ヒルマンの言を紹介しつつ,コメントを行った。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンター第6回心の相談コロキアム『子育てにおける男性の役割』シンポジスト
    年月日(From)
    2007/01
    概要
    平成18年度に開かれた大阪樟蔭女子大学カウンセリングセンターのコロキアムにおいて,シンポジストとして講演および討論を行った。前半に『男性心理学者の子育て』というテーマで講演を行い,子育てに関わる中で生じる心理的な葛藤や愛着関係が父親にもたらす基本的信頼感について論じた。後半は他シンポジストと共に,フロアからの質疑応答に答えた。
  • 件名
    医療法人竹村診療所 非常勤カウンセラー
    年月日(From)
    2010/04
    概要
    臨床心理士として、京都市山科区にある医療法人竹村診療所にて心理療法面接に従事した。診療所には様々な精神疾患を有した人々が診察を受けに訪れるが、その中からカウンセリングを行うのが適切であると考えられた人に対し、主治医からの要請で心理療法面接を行っている。
  • 件名
    心理学科小阪キャンパス移設記念プレ・シンポジウム『地域と連携する心理学』話題提供者
    年月日(From)
    2015/03
    概要
    心理学科小阪キャンパス移設記念プレ・シンポジウム『地域と連携する心理学』に話題提供者として、香芝市で実施されている小・中学校保健室登校児童・生徒への「心のケア支援事業」についての報告を行った。