研究者業績

辻 弘美

ツジ ヒロミ  (Hiromi Tsuji)

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部心理学科 教授
学位
Ph.D.(2004年7月 University of London UCL Institute of Education)

通称等の別名
辻弘美
研究者番号
80411453
J-GLOBAL ID
200901019659781736
researchmap会員ID
5000094983

論文

 56
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 14 38-46 2024年1月  筆頭著者
  • 辻 弘美, 古賀 章広, 岳川 有紀子, 鈴木 直人
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 13 55-64 2023年1月  筆頭著者
    本研究は、花火体験(花火を見た時や行った時)が、人間の心身にいかなる影響を与えるかをとらえることを 目的とし、心理尺度の作成にむけた構成概念の検討を行った。花火体験を通して生じる心身の反応として、大きく感 情的な反応側面と身体的な反応側面の両面を測定できる内容を想定し質問項目を作成した。10 歳から 80 歳代までの 年齢層を対象に家庭用手持ち花火、家庭用打ち上げ花火、花火大会の打ち上げ花火を想起させ、6 件法のオンライン アンケート方式で回答を求めた。花 火に対する身体反応は、ポジティブ感情、ネガティブ感情とそれぞれ独自に関係する主観的な身体的反応を生じさせ ている可能性が示唆された。想起した花火の種類によっても、ポジティブ感情得点や身体反応得点が異なる一方で、 ネガティブ感情得点に違いがみられないことなどが示唆された。これより、今後の花火体験が心身にあたえる影響の 主観的、客観的に捉える上での、基礎資料としての情報が得られた。
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 13 47-54 2023年1月  筆頭著者
    The present study used an eye-tracking technique to measure attentional control. It examined whether early executive attention had a longitudinal relationship with a child’s performance on executive function tasks. 60 four-year-old children participated in this longitudinal study of executive functions (EFs). At time 1, attentional controls were measured with a modified flanker task in which eye-tracking was used in identifying correct anticipatory eye-movements. For the developmental outcomes, EFs (working memory, inhibition, shifting) were measured by eliciting verbal or touch responses at time 1, time 2 and time 3, with an interval between times of 12 months, including a flanker task with touch responses at time 3. The eye-tracking flanker task was associated with working memory and with the conventional flanker task 12 and 24 months later. This result demonstrated the validity of a new measuring technique using the eye-tracking method for studying attentional control for young children.
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 12 39-48 2022年1月  筆頭著者
    クリエイティブな思考は、地域社会、グローバル社会レベルで、さらに注目をあつめている。ここでは、心理学におけるクリエイティビティ研究を紐解く足 がかりとして Rhodes(1961)による 4 つの視点(4Ps:Product, Person, Process, Press)に注目し、それぞれの意 味づけと、関連研究のレビューをする中で、本稿のねらいであるクリエイティビティ思考を育てるための取り組みへ のヒントについて議論した。
  • 辻 弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 11 61-66 2021年1月  筆頭著者責任著者
    In two studies, the Japanese adaptation of a scale for measuring mindful conversational competence was examined in a preschool population. Study 1 examined the reliability and validity of using the Japanese translation of Mindful conversational difficulties scale(Peterson, Garnett, Kelly, & Attwood, 2009). Cronbach’s alpha indicated a good internal consistency. This scale was associated with the social skills, such as cooperation and self-control. Study 2 had a larger sample size and replicated the good internal consistency, suggesting that the current Japanese adaptation accurately reflects the original scale in terms of internal reliability and validity of social skills measurements..
  • 辻 弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 11 55-60 2021年1月  筆頭著者責任著者
    This study addresses the link between children’s executive function and their social behaviours as rated by their parents and their teachers at the age of three. Executive functions were examined using direct testing of the children on three tasks: Digit span, Stroop and Dimensional Change Card Sorting. For social behaviours, both the parents and the teachers rated the child using the Strength and Difficulties Questionnaire. The parental rating was significantly higher than the teachers’ rating. The teachers’ ratings were significantly related with the direct testing of executive function tasks. The Implications for the difference in the relationship between the executive functions and social behaviours in real life setting are discussed.
  • 辻弘美
    Infant and Child Development 2020年7月8日  査読有り筆頭著者
    幼児期の日本語話者の心の理論の発達は、他言語話者の発達と比べてゆっくりであることが議論されてきた。本研究では、これまで効果がみられたとされるトレーニングプログラムを参考に日本語話者向けの内容を開発しその成果について検討した。トレーニング効果は、欧米圏の幼児が4歳においてその効果が見られたのに対し、日本語話者では4歳半にならないとその効果が見られないことが明らかとなった。
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 10 113-118 2020年1月  筆頭著者責任著者
    The present study examined the eye gaze of the perceivers while they were viewing silent videos that involved the transfer of the objects. Using the eye tracking method, two versions of silent video were com- pared. One video included a false belief event and the other included a true belief event. The eye fixation durations were measured and analyses were made by comparing the duration of gaze at the objects before and after the transfer. The results indicated that the perceivers showed differing fixation durations, depend- ing on how the protagonist in the video was attending to the object in both the false belief and true belief scenar- ios. The implications of the methodological issues are discussed in relation to the use of implicit false belief tasks in recent studies.
  • 辻 弘美
    信学技報 HCS2019-84 173-178 2020年1月  筆頭著者責任著者
    本研究は,集団保育を受ける3歳児を対象に,実行機能および言語課題反応による測定と,これらの領域に対応す る主観的評定値の関連性を検討することで,それぞれの特徴をとらえることを目的とした論文である。実行機能や言語の特徴として,実行機 能課題反応は,社会集団においての行動観察をもとにした評定と同様の傾向を示すが,言語については,集団の中で個人の産出 言語の詳細にわたり把握することは困難である可能性が示唆された。
  • Hiromi Tsuji, Peter Mitchell
    British Journal of Developmental Psychology 37(2) 184-198 2019年6月10日  査読有り筆頭著者責任著者
  • Hiromi Tsuji
    信学技報 HCS2018-63 89-93 2019年1月  筆頭著者責任著者
    あらまし 心的状態語は,幼児期の社会性の発達の一つとされる心の理論に重要な役割をもつとされてきた.また,心の理論の発達は実行機能の発達とも密接に関連している.本研究は,3歳児が用いる心的状態語が実行機能(ワーキングメモリ,抑制コントール,注意シフト)の発達とどのような関連性をもつかについて縦断的に検討した.幼稚園への入園時点でデータ収集した保護者による子ども(3歳齢)の心的状態語の使用状況は,同時期に測定した誤信念理解とワーキングメモリと有意な相関がみられた.また,入園時点の心的状態語は,6カ月後の幼児の実行機能の3要素全てを予測したが,6カ月後の心の理論の予測をすることはなかった.これらの結果にもとづいて,実行機能および心の理論の発達における心的状態語の役割について議論する.
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 9 71-78 2019年1月  筆頭著者責任著者
    本実験は,言語処理がマインドリーディングに与える影響を検討するため,言語ナレーションの有無条件において登場人物の誤信念の理解を暗黙的に正しく処理できるかどうか,視線注視行動を測定した。93名の5歳児の協力者がどちらかの条件で登場人物の誤信念を理解しているかどうかを検討する課題ビデオを視聴した。ナレーション無し(言語処理無し)条件では,協力者の視線注視行動は,登場人物が誤信念にしたがって行動をすることを予期した動きをみせ,誤信念を暗黙的に理解している傾向を示す結果が得られた。一方,ナレーション有り(言語処理有り)条件において,同じ課題ビデオを視聴した協力者の視線注視行動は,登場人物の誤信念に関係なく,ランダムな動きをみせた。これらの結果について,言語処理の負荷とマインドリーディングとの関係について考察した。
  • 辻弘美, 戸井洋子
    国際幼児教育研究 25 17-29 2018年10月  査読有り筆頭著者責任著者
    本研究では,1歳からみられる萌芽的な自己の発達に関する知見を構築するために,幼児の自己発達の行動様式の特徴とその発達を測定する自己概念発達スケール (Stipek, Gralinski, & Kopp, 1990) の日本語版への適用を試みた。この測定スケールから得られた行動様式の特徴を明らかにし,これらの特徴が,自他の内面を表現する道具としての心的状態語の獲得と関連しながら,どのように社会認知的発達に貢献しているか,仮説モデルの検証を行った。
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 8巻 59-68 2018年1月  筆頭著者責任著者
    3つの研究を通して,Frog Storyの語り手が用いた語りの評価方略を心的状態語への言及に注目して分析した。研究1では,書き言葉と話し言葉の2つのフォーマットによって産出された語りを分析し,誤信念への言及の割合を比較したところ,書き言葉・話し言葉・話し言葉によって誤信念への言及は異ならないことが明らかとなった。研究2では,語りの直後に,語り手が主人公の誤信念に気づいていたかを確認する質問への回答をもとめたところ,語り手は,主人公の誤信念に気付いていたにもかかわらず,語りにおいて,明確な言語表現をもちいなかったことが明らかとなった。研究3では,語りにおいて主人公の誤信念への言及を行なった語り手とそうしなかった語り手の語りに用いた評価方略の比較をおこなったところ,誤信念を言及した語り手グループは,語り全般において,心的状態語を頻繁に用いることが明らかとなった。
  • Hiromi Tsuji
    信学技報 116(436) 41-46 2017年1月  筆頭著者責任著者
    3歳から5歳の日本語話者を対象として,出来事における意図性や因果性をいかに理解し言語描写するかについてその発達を誤信念の理解との関係から検討した.出来事を理解する能力は,描画の並び替えおよび言語描写ともに3歳から5歳にかけて有意に向上することが示唆された.年齢間に有意な差異がみとめられたものの言語描写課題は,描画の並び替え課題に比べて達成度は低いことがわかった.出来事の描画の並び替えおよび言語描写課題を込みにした出来事の理解能力が,言語理解能力,実行機能と比べてより,誤信念の理解を予測するかについて,階層的重回帰分析をおこなったところ,年齢,言語理解や実行機能を統制しても有意な独自の説明変数になることが示された.これらの結果について心の理論の発達における言語の役割という視点から議論を行なった.
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 7巻 27-38 2017年1月  筆頭著者責任著者
    本研究は、日本語話者が出来事を記述する場合どのように心的動詞を使用するのかについて検討した。実験には出来事の刺激動画として、ある人物が一連のアクションを行なっている間に,誤信念を抱くことになるシーンをの有無を操作したものを用意した。実験対象者は,これらの刺激動画を見た後、場面についての記述を行なった。刺激場面を記述する条件として,実験対象者を構文的なフレームワークを与えられた条件群と自由記述条件群のどちらかに割り当てた。記述に用いられた動詞タイプとその頻度を場面の種類および記述条件間で比較した。どちらの記述条件においても誤信念に関与した場面の記述では,心的動詞が他のタイプの動詞より多く使用された。二つの記述条件群を比較した場合、構文的なフレームワークを与えられた実験対象者は、自由記述条件群よりも心的動詞を多く使用していた。これらの結果について,心的動詞の獲得と心の理論の発達に関連づけて議論
  • 辻 弘美, 山田 千枝子
    国際幼児教育研究 Vol.23(23) 83-92 2016年3月  査読有り責任著者
    本稿は,幼児教育現場で展開される実践研究のあり方を考察するための一助として,ある幼稚園(M幼稚園)での取り組みケースについて,その契機をはじめ,取り組みのプロセス,現時点での評価についての実践記録を記述することを目的とした。
  • Hiromi Tsuji, Chieko Yamada
    国際幼児教育研究 Vol.23(440) 29-42 2016年3月  査読有り筆頭著者責任著者
    本研究では,幼児期の子どもがどの心的状態語をどの程度耳にするのかを推定するために,成人女性を対象に気持ちを表す言葉の使用頻度について質問紙調査を実施した.成人女性の心的状態語の使用頻度を4歳から6歳児の心的状態語の獲得順序に照らし合わせ検討した。6歳齢までに獲得されている心的状態語は,そうでない語に比べて,成人女性においてより頻繁に使用されている結果が得られた。
  • 辻 弘美, 戸井 洋子
    電子情報通信学会技術研究報告 115(418) 19-24 2016年1月  筆頭著者責任著者
    本研究は,自分や他者の内面に言及した心的状態語の発達について日本語話者を対象に検討したデータより,3歳児齢(3;0)の心的状態語の産出に注目しその個人差の検討結果を報告する.保護者の心的状態語チェックリストへの記入データをもとに分析を行なった.3歳児齢においては,一般の語彙発達と同様に心的状態語の産出の個人差は大きいことが確認できた.これらの個人差は,前言語期の社会認知発達によって規定されることことが示された.また環境要因(保護者の教育歴や就労形態,家族構成,ブックスタート体験など)のうち,保護者の就労形態や,心的状態語の個人差,初期の社会的相互作用の経験などがそれぞれ独立に,後の言語的な社会認知発達の規定要因となることが示された.
  • 辻 弘美, 山﨑 綾香, 藤原 はづき
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 6巻 13-19 2016年1月  筆頭著者責任著者
    本研究は,欧米で開発された心の理論の個人差を測定するために用いられたインタビュー課題(Bosacki, 2000)を日本語話者に応用することを目的とし,その可能性について検討した。インタビュー課題は2課題からなり,曖昧な文脈で起こる出来事をストーリー刺激として呈示し,それらを聞いた後,面接者の質問に答える形式で,出来事の因果や登場人物の心的状態について自分の解釈をしてもらった。面接質問への回答を,どの程度登場人物の内面や出来事の因果に言及しながら解釈をしているかの程度をコーディングし点数化した。本研究では,青年期後期から成人期の日本人女性として,母親と女子大学生を対象にして出来事の因果や登場人物の心的状態への言及の程度の個人差を測定した。インタビュー得点は心的因果の認知を測定するとされるEmpathizing Quotient: EQとの有意な正の相関が認められた一方で,Interpersonal Reactivity Index:IRIの個人的苦痛とは有意な負の相関が認められた。母
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 5巻 213-216 2015年1月  筆頭著者責任著者
    本研究報告は,英国の子育て支援政策と事業実践についての文献をもとに,その概要と支援事業の評価の現状について把握し,まとめることを目的とする。英国では,法令Childcare Act 2006に定める,イングランドとウェールズ地方の地域行政が取り組むべき子どもとその養育者への支援内容があるi。その法律をうけて,2010年にSure start children's centres に関する法定指針 がだされ,その後2013年に改定版へと至っている。2013年の指針では,各地域に設置された子育て支援の拠点ともなるChildren's Centres において,地域行政や保健サービスおよび,Jobcentre Plusiiがどのように取り組むかを述べている。これらの取り組みの評価(Ofsted: 教育評価庁)では,約70%が満足できる基準に達しているものの,議会公文書の提言では,子育て支援事業に、これまでの評価をもとに,今後さらに、効率的かつ最大の効果をもたらすような取り組みを求めている。
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 5巻 27-33 2015年1月  筆頭著者責任著者
    The efficacy of reflection in narrative production was examined. The female students' (N = 54) evaluative strategy use in narrative production was assessed twice with an intermission of a reflective session. The frequency of evaluative strategy increased significantly after the reflective session. The effect size for the increase in frames of mind in which the narrator refers to mental states of the protagonists was the largest of all. The students' use of strategies: frames of mind and causal connectors correlated, suggesting that personal style may be relatively stable over time. The implications of introducing a reflection session are discussed.
  • Hiromi Tsuji, Martin J. Doherty
    FIRST LANGUAGE 34(3) 273-290 2014年6月  査読有り筆頭著者責任著者
    3から6歳の幼児を対象にメタ言語スキルの発達について音韻と語用のレベルから検討した。言語構造において大きく異なる側面であるものの、これらの発達は相互に関連することが明らかになった。一方で、これらのスキルの発達がこの時期に発達されると期待される心的表象能力と関連することはなかった
  • Hiromi Tsuji, Sachiko Kitano
    国際幼児教育研究 21(21) 1-16 2014年3月  査読有り筆頭著者責任著者
    本研究は,子どもの心的状態語の発達についての知見を広げることをねらいとして実施した。体系的な幼児期の子どもの心的状態語についてチェックリストを作成することは,研究者,教育者,そして養育者にとって,適切な関わりの方法を考えていく上での道具の一つとして有益である。2歳児から5歳児の心的状態語のチェックリスト作成を最終目標として,その目標を達成するための一つの課題とし,本研究では,大人が子どもの心的状態語の発達についてどの程度知っているかについて検討した。
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 4 129-135 2014年1月  
    本研究は,高校3年生および大学1年生の青年を対象に,「知の認識」に関しての個人の考え方について情報収集を行った.これらのデータを,高校3年生という進路決定時期の「知識」の捉え方と,大学1年生のそれが横断的にどのように異なるのかを比較し,その発達の様相について考察した.高校3年生から大学1年生の1年間の発達的な変化には,性差の要因があることを示唆する結果が得られた.また,高校3年生については,進路選択と「知の認識」の関連性についても検討した.大学,短期大学や専門学校進学,就職といった進路によって,「知の認識」に違いがみとめられ,進路選択の際に,「知ること」・「学ぶこと」に対する認識が関係している可能性が示唆された.
  • Hiromi Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 4 123-128 2014年1月  
  • Hiromi Tsuji
    Asia-Pacific Journal of Research in Early Childhood Education 7(2) 5-28 2013年5月  査読有り
    Infant behaviours were observed for 261, 4-month-old infants when they attended the Bookstart programme. Infant behaviours in this context were analysed in relation to child characteristics. When infant gender, birth order, and parents' familiarity with the Bookstart programme were controlled for, relationships were also found between the way infants attended to the book that was displayed and read by a reader in this study, infant temperament, and the frequency of book reading experience in the home. The implications of early individual differences in the book-related behaviours observed in this study's context are discussed in relation to infant attention development and how early picture book related behaviour might affect the overall development of emergent literacy.
  • 辻弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 3巻 55-62 2013年1月  
    養育者が絵本のナラティブで用いる言語は,子どもの社会認知的能力の発達に寄与するとされている。本研究はナラティブにあらわれる言語的な評価方略に注目し,その特徴に関する多様性を検討するための予備的調査を行うことを目的とする。本研究では,女子大学生を対象に異なる学問専攻領域グループ間で絵本の語りにみられるナラティブスタイルを比較検討した。幼児教育学専攻の学生は,心理学専攻の学生に比べて,擬音語・擬態語を相対的に頻繁に用いるのに対し,心的状態や因果関係をあらわす語の使用が少ないことが示された。
  • Hiromi Tsuji
    国際乳幼児教育研究 Vol.20(20) 1-13-13 2012年10月  査読有り筆頭著者
    養育スタイルが子どもの心的状態を表す言語を育むさいに何らかの役割を果たしているのではないだろうかという仮説にもとづき、養育者のスタイルのあり方と子どもの心的状態語の発達との関係について検討した。子どもが悪いことをしたとき、よいことをしたときの両面において、心的状態に及んだ説明をする対応をとる親ほど、子どもの心的状態語の獲得がされる傾向が見られた。これらの結果より、養育者のスタイルのあり方は、子どもの心的状態語の発達と密接な関係があることが示唆された。
  • 川上正浩, 辻弘美
    読書科学 54(3/4) 80-88-88 2012年7月  査読有り
    単語の同定過程は,形態的に類似した他の単語表象の影響を受けていることが示されている。本研究では,こうした類似語のより厳密な定義を考え,その影響について吟味するために,ひらがな文字を材料とし,その形態的類似性についてのデータベースを構築した。
  • 辻 弘美
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 2巻 15-22 2012年1月  
    養育経験の有無によって人間の表情認識の敏感性に違いがみられるかについて検討した。20代の女子大学生と子育て中の母親を対象に、表情変化の認識実験を実施したところ、養育経験有りグループは、養育経験無しグループに比べ、より子どもの表情変化に敏感で、変化があると反応しやすいことが認められた。
  • Hiromi, Tsuji
    Psychological Studies 56(2) 167-175 2011年5月  査読有り
  • Hiromi, Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 1巻 78-85 2011年1月  
    女子大学生の乳児の表情変化への敏感性について、成人期の愛着スタイルとシャイネスとの関係性について検討した。シャイとシャイでないグループ間には表情変化への敏感性の差異がみとめられたものの、学年、愛着スタイルを変数として、検討したところ
  • Hiromi, Tsuji
    大阪樟蔭女子大学研究紀要 1巻 71-77 2011年1月  
    2歳半から3歳半の幼児の気持ちを表す言葉の獲得について検討するために、養育者より心的状態および文法にかんする語の使用についての情報を収集した。これらのデータを、欧米の幼児の先行研究と比較したところ、日本語を母語とする幼児の言語発達は大きく変わらないことが示唆された。
  • Martin J. Doherty, Nicola M. Campbell, Hiromi Tsuji, William A. Phillips
    DEVELOPMENTAL SCIENCE 13(5) 714-721 2010年9月  査読有り
  • 川上正浩, 辻 弘美
    人間科学研究紀要 (第9号) 27-34 2010年1月  
    大学生を対象に大域—局所の2階層ひらがな文字の読みにおける大域優先性の可能性と,ひらがなの音韻および形態情報がどのように大域—局所間の干渉に影響を及ぼすかを検討した。形態情報に着いては,大域から局所方向のみならず,局所から大域への干渉が生起することが認められた。
  • Hiromi,Tsuji
    人間科学研究紀要 (第9号) 77-86 2010年1月  
    ナラティブの発達において使用される『Frog Story』において,情動に関する語はどれくらい語りのなかで用いられるのかについて検討した。幼児教育学科の学生によるナラティブを書きことばとしておこし,語レベルでの分析を行った。
  • Hiromi,Tsuji
    人間科学研究紀要 9(第9号) 65-76-75 2010年1月  
    子どもの心の理論の発達に関する論文のうち,養育者との日常会話がどのように子どもの他社の心情を理解する能力を育むのかを検証した論文についてのレビューを行うとともに,文化的な視点から,養育者の働きかけのけんとうが必要であることの指摘と子どもの心の理論に関する文化的発達仮説を提言した。
  • Hiromi,Tsuji, Masahiro Kawakami
    言語科学会第11回年次国際大会会報 99-102 2009年7月  査読有り
    子どもと大人における,大域—局所の2階層ひらがな文字の読みにどのような違いがあるのかについて,知覚から読み反応までの時間を計測する事によって,大域から局所情報への,もしくは局所から大域情報への干渉がみられるかについて,Navon (1977)の知見に照らし合わせて検討した。
  • Hiromi,Tsuji
    人間科学研究紀要 (第8号) 113-124-123 2009年1月  
    子どもの心の理論の発達と言語の関係について、3歳から6歳児を対象に、誤信念課題と文法認識テスト(JCOSS)を用いてそれぞれの能力を測定し、相関について検討した。年齢を考慮すると、欧米の研究結果とは異なり、2つの変数の間に有意な相関はみとめられず、日本語の発達においては、言語と心の理論の獲得の発達は独立である可能性が示唆された。
  • Hiromi,Tsuji
    人間科学研究紀要 8(第8号) 99-112-111 2009年1月  
    乳児のbiological motionをとおした情動の知覚判断について検討を行った。喜びと悲しみを動作表現したbiological motion と対応する音声情報のmappingの可能性を、選択的注視法を用いて注視時間の測定を行った。表情画像の場合にみられる乳児の情動理解の発達の研究結果では,1歳以下の乳児において、表情の弁別が可能であるとされるのに対し、biological motionから派生する情動的情報をもとに情動理解には至らないことが示唆された。
  • Hiromi Tsuji, Rhona Stainthorp
    Studies in Language Sciences 7 95-112 2008年7月  査読有り
    乳児期の子どもを持つ10名の日本人の母親を対象に、親のコミュニケーションスタイルの特徴が、子どもの月齢(13~24ヵ月)とともにどのように変化するかについて検討した。子の月齢があがるにつれて、“対象についての話し合い”の割合が増加し、“注意の喚起”や“交渉”といった会話的やりとりの割合が減少することが示された。母親の“注意の喚起”や“交渉”を含む指示的やりとりに対する、“対象についての話し合い”や“過去や未来についての話し合い”などの話し合い的やりとりの頻度の割合は、ジェスチャーおよび言語発達の各段階にみられる子の会話の意図表出の種類と関連性があることが示された。
  • Martin J. Doherty, Hiromi Tsuji, William A. Phillips
    PERCEPTION 37(9) 1426-1433 2008年  査読有り
  • Hiromi Tsuji
    人間科学研究紀要 7(第7号) 91-98-98 2008年1月  
    他者の視線の理解について7~10ヵ月齢の乳児を対象に選択的注意法を用いて検討した。乳児が注目する対象と同じ対象に視線を注ぐ顔図版と、対象から視線を逸らす顔図版、乳児に視線を注ぐ顔図版への乳児の注視時間を比較したところ、乳児は自らが注目する対象と同じところに視線を注ぐ顔図版もしくは、乳児に対して視線をむける顔図版を長く注意を向けることが示された。
  • Hiromi Tsuji
    人間科学研究紀要 7(第7号) 93-110-109 2008年1月  
    4ヶ月齢でブックスタート体験をした親子の追跡調査として、4ヶ月児の絵本共有環境と気質的特徴が10ヵ月齢でのコミュニケーション発達にどのように関連しているかについて検討した。4ヶ月齢の子どものネガティブな情緒やなだめられにくさは、10ヵ月齢での親子の絵本への興味の高さと負の関連性がみられた。
  • 辻 弘美, 川上正浩
    人間科学研究紀要 6(第6号) 63-74-77 2007年1月  
    唾液アミラーゼを用いた簡易式ストレス測定器の有用化を図るためにその信頼性を検討した。ストレス課題実施の前後における、生物学的簡易指標と主観的ストレス尺度との関連性を中心に検討を行った結果、一部の快尺度において主観的ストレス度と簡易ストレス測定の間に関連性があることが見られた。
  • Hiromi Tsuji, Haruo Kikuno
    人間科学研究紀要 (第6号) 55-62 2007年1月  
    生後4ヶ月児とその母親の相互作用における、乳児の社会的コミュニケーション能力について検討した。Still-faceパラダイムを用い、乳児の社会的随伴性のきっかけとなる情報として、乳児はコミュニケーションのパートナーとなる母親の顔表情の目と口のどちらを重視しているのか、それぞれの統制条件における乳児の注視・微笑の時間的な長さの違いをもとに検討した。
  • Hiromi,Tsuji
    人間科学研究紀要 (第5号) 45-56 2006年1月  
    前言語的コミュニケーション手段の一つであるジェスチャー(叙述的指差し、命令的指差しなどを含む6種類)の単独表出からこれらと音声言語との同期的な表出への発達変化について、量的・質的な分析を行った。結果から、会話意図をもつジェスチャーの単独的な表出から音声言語との同期へ移行する時期に個人差はみられるものの、観察乳幼児すべてにおいて、同期の仕方は単独ジェスチャー・ジェスチャーと意図性のある音声との同期・ジェスチャーと意図性のある言語との同期という順序で現れることが認められた。
  • Hiromi Tsuji, Stainthorp, R
    International Association for the Study of Child Language 187 2005年7月  査読有り
    縦断的観察データをもとに13ヶ月から24ヶ月児の会話表現の変化を分析し、欧米の先行研究と対照を行った。会話文脈・発話行為レベルの検討から、どの幼児も養育者と共有した核となる会話文脈の種類には文化間の違いは見られないが、日本人会話特有の相槌的な行為が早い時期から見られることが明らかになった。解釈可能な発話の増加期と2語文の萌芽期において、幼児の会話表現の種類に関の個人差はそれぞれ異なった特徴がみられた。
  • Hiromi Tsuji, Stainthorp, R
    言語科学会第7回年次国際大会会報 117-120 2005年6月  査読有り
    幼児期の子どもとの関わりを、養育者の会話スタイルの視点で、談話レベルと発話行為レベルにおいて検討した。子どもの月齢とともに、会話文脈レベル、発話行為レベルともに変容が見られるとともに、指示的よりも話し合い的会話スタイルをとる母親ほど子がより多種の発話行為を表出していることが明らかになった。

MISC

 13
  • Ann Dowker, Douglas Frye, Hiromi Tsuji
    Frontier in Psychology Section of Cognitive Science 13 2023年1月  招待有り
    心の理論にかかわる研究論文を、広い視点から集めて編集した特別号の編集のeditorialである。
  • 企画者, 辻弘美, 近藤龍彰, 林創, 国際研究交流
    2022年2月25日  責任著者
    このワークショップでは,ピーター・ミッチェル氏の進行で,英国および日本で発達支援の実践を行っている実践者および研究者ら3名による話題提供を踏まえて,それぞれの国の実践の有効性や背景にある文化的違いなどを参加者とともに議論した。
  • 辻 弘美, 企画, ファシリテーター
    発達心理学会32回年次大会発表論文集 2021年3月  責任著者
    発達心理学会第32回年次大会(オンライン開催)のプレカンファレンス企画として実施した。英国Nottingham大学との共同研究(Economic and Social Research Council UK-Japan SSH Connection )への資金を活用した活動の一つである。オンラインで英国の心理学会発達部門との共同オンライン開催を通して,コロナ禍における課題とその対応について未来志向で参加者とともに議論できる機会を企画した。
  • 辻 弘美
    2021年3月  責任著者
    英国Nottingham大学およびCardiff大学からElizabeth Sheppard,Amy Paine,Sarah Cassidyによる話題提供とPeter Mitchellに指定討論により,以下の内容について議論した。 Our struggle to adapt to a new-normal environment under the recent pandemic reflects both the flexibility and rigidity of human nature. Challenges are mounting in adapting to the new environment for families, schools, work places and social circles. However, little attention has been given to human diversity in making such an adaptation. This symposium subtitled “Diversity matters” has two meanings. One is that diversity matters in modern societies, with an emphasis on respecting the differences between people. The other is a focus on what we need to be concerned about in our societies. This symposium sheds light on “matters” that have yet to be addressed in understanding and acting on issues related to “diversity”. This symposium explores the issues of adapting to the social arena in which an individual’s self-concept and ultimately their mental health is liable to be influenced considerably by how they are perceived by other people. If social factors threaten self-concept, then perhaps resilience against poor mental health can be conferred when children feel able to engage in humour. Amy Paine will report on how children’s burgeoning humour can confer resilience in the face of threats to mental health. Elizabeth Sheppard will report on a new perspective on autism, concerning how autistic people are (negatively) perceived and (mis)understood by others to a degree that could harm their mental health. Sarah Cassidy reports the scale of mental health issues in autism and explores relevant factors, particularly ‘camouflaging.’ Peter Mitchell will discuss the research collectively and articulate a synthesis to conclude the session with a coherent and over-arching view of the topic by addressing how and why diversity matters. This symposium is prerecorded and available for viewing by the participants at their convenience. The audience comments are welcome by messaging in the designated area.
  • 辻弘美
    2020年(90) 14-16 2020年6月  招待有り筆頭著者
    2019 年の英国心理学会発達部門の年次大会プレカ ンファレンス・ワークショップに続き,日本発達心理 学会第31回大会では,英国心理学会発達部門(BPS)と日本発達心理学会(JSDP)の合同企画を 3 本用意したこと,招待講演をケンブリッジ大学から Clair Hughes 先生によるビデオ講演と,ノッティンガム大学から Peter Mitchell 先生と Elizabeth Sheppard 先生の講演が予定されたこと,シンポジウム企画は,英国から 来日された先生方を中心に 4 本の話題提供と Mitch- ell 先生による指定討論を予定していたこと報告した。 心理学会発達部門の年次大会プレカンファレンス・ワークショップでの受賞者 Yvonne Skipper 先生 (グラスゴー大学)にも話題提供をお願いしました。 ワークショップ企画は,2019 年のプレカンファレン ス・ワークショップを発展させた研究方法をテーマと しました。発達心理学に関連する 5 つの研究領域を 設定し,領域ごとに 2 名のエキスパートからの話題 提供をもとに深い議論を一般参加者とともにすすめて いくという企画でした。20 名の一般参加予定者が事 前登録くださいました。これらの BPS-JSDP 合同企 画が可能となりましたのも,本大会の運営にかかわる関西学院大学の成田健一先生をはじめ皆様のご理解と ご支援があってのことでした。ありがとうございまし た。 大変残念ながら,新型コロナウィルス感染拡大に伴い,大規模の集会は実現しませんでが,そのような 状況にもかかわらず,冷静なご判断の上,来日してく ださった先生方には感謝しております。企画の一部でも共有し次に向けた示唆を得る機会を持ちたいと考え,3 月 2 日に大阪樟蔭女子大学にて小規模のセミ ナーを開催したことについても報告。

書籍等出版物

 3
  • 松川利広, 横山真貴子, 編著, 分担執筆, 福田きよみ, 神戸洋子, 辻弘美, 八幡真由実, 永渕泰一郎, 畠山寛, 吉田ゆり, 平野知見, 滝浪常雄 (担当:共著)
    保育出版 2010年4月
    2章2節「目とことば」(p49〜52) 執筆担当 乳幼児期の視知覚の発達について,具体的な例を示しながらわかりやすく解説するとともに,子どものこのような育ちと言葉とのかかわりを示す中で,保育者がどのような支援を子どもにすることができるかを示唆した。 7章3節「伝え合う力を育むために保育者はどう支援すべきか」(p122〜124)執筆担当 乳幼児期のコミュニケーションの基盤とその発達を解説するとともに,コミュニケーション障害にかんする知識も踏まえながら保育者がいかに子どもの年齢を考慮しながら,支援のありかたを考えていけるかを記述した。
  • 菊野春雄, 編著, 分担執筆, 橋本典尚, 箱井英寿, 中村健, 辻弘美 (担当:共著)
    創元社 2007年4月
    第2章(p27~39) 2章-2節:乳児の認知 乳幼児期の知覚および認知的能力の発達について概説した。 2章-3節:養育と愛着行動 愛着の概念と愛着行動の発達について概説するとともに最近の実証研究についてわかりやすく解説した。 第5章(p105~122) 5章-1節:言語習得理論 言語習得にかかわる諸理論(生得論、学習論など)についてのべ、それらの問題点について指摘した。 5章-2節:言語習得の過程 日本語の言語習得過程に焦点をしぼり、詳しく記述した。 5章-3節:読みの発達 読む活動に必要となる心理的能力について詳しく解説し、読む力がどのように発達的に変化していくのかについて述べた。 第6章(p130~135) 6章-2節:認知発達理論からみた教育PiagetとVygotskyの認知発達の理論について解説を行い、これらの理論が教育にどのように実践として適用されているかについて解説した。 トピック(p40~42)赤ちゃんとのコミュニケーション、スティル・フェイス実験を紹介しなが
  • 甲斐睦朗, 松川利広, 横山真貴子, 編著, 分担執筆, 生田貞子, 稲垣由子, 野村勝彦, 吉見昌弘, 古茂田貴子, 吉岡真知子, 三浦正雄, 冨田久枝, 坂田和子, 辻弘美 (担当:共著)
    保育出版 2005年3月
    「外国の保育に学ぶ-イングランドの4歳児の保育の場合」を執筆担当(単著) 英国教育コンサルタントが報告する事例研究をもとに、イングランドナショナルカリキュラムがどのように実際の保育現場で実施されているかを具体的に概観できるようにした。また日本との違いが伝わるように、イングランドにおける言葉の保育を特徴付ける内容を重視しながら、カリキュラム・実践・評価が関連性を持っていることが明確になるような構成の工夫をした。(全212頁)

講演・口頭発表等

 133
  • 辻 弘美
    日本心理学会第88回大会 2024年9月8日
    ユーモアと性格特性の関連を検証した研究は成人を対象としたもの(e.g. Vernon et al., 2008)が中心で,就学前児を対象とした報告は稀である。ユーモアは,精神的健康や社会的関係性の構築に重要であることを鑑みると,その発達をとらえる尺度の開発(Hoika, et al. 2021)に加え,ユーモアを発達諸相との関係からとらえる研究が期待される。本研究では,幼児の性格特性とユーモア鑑賞(「おもしろさ」評価)との関連性を検証するにあたり,情報を処理する基盤的な能力として実行機能の役割に注目した。実行機能の中でも,認知的柔軟性がユーモア鑑賞と開放性を媒介すると仮定し,幼児の開放性はユーモア鑑賞と関連する(仮説1),開放性とユーモア鑑賞には実行機能の中でも注意切替を媒介した関係性が成立する(仮説2)について検証した。
  • Hiromi Tsuji
    33rd International Congress of Psychology 2024年7月25日 33rd International Congress of Psychology
    Flexible thinking is a part of creativity where convergent/divergent thinking tasks have been used to measure creative tendencies. We hypothesised that the emergence of flexible thinking may develop in line with the maturation of executive functions, where multiple pieces of information are manipulated while being mentally represented simultaneously. Previous research suggests that children's experiences, such as having multiple identities, promote flexible thinking, and that personality traits, a tendency to be open to experience, are helpful for creative behaviours (Gaither, Fan, & Kinzler, 2019; Rawlings, Flynn, & Kendal, 2022). We examined the relationship between EFs and flexible thinking, and further explored the moderating effect of personality on this relationship in preschool children. The study involved 140 three- to six-year-old children. The children's EFs: updating, inhibition and shifting were measured using the Digit Span, Stroop and Dimensional Change Category Sort tasks. Flexible thinking was measured using the Ambiguous Figure Task. Parental reports were used to obtain Big Five personality trait scores. Three moderation analyses revealed that Shifting: b=.17, p=.003 and Openness: b=.044, p=.034, were each associated with the Ambiguous Figure Task, and the significant interaction: b=.062, p=.049 revealed that children with higher, b=.29, p=.002, but not lower Openness: b=.051, p=.50, showed a significant positive effect on the Ambiguous Figure Task. A similar trend was found for Updating (b=.054, p<.001), except that Openness did not reach a significant level: b=.035, p=.085. Inhibition was associated with the Ambiguous Figure task, but there was no significant interaction with Openness. None of the other personality traits were found to influence the relationship between EFs and the Ambiguous Figure task. The results suggest that EFs provide a foundation for the development of flexible thinking and that higher levels of openness play a supporting role for flexible thinking.
  • Hiromi Tsuji, Mariko Inoue
    The 33th International Congress of Psychology 2024年7月23日 33rd International Congress of Psychology
    Humour is known to play an important role in our daily lives, from problem solving to mental health (Martin, 2018). Encouraging the use of humour can contribute to a better life. Humour styles have been linked to personality traits (Dhensa-Kahlon & Woods, 2022) that are relatively stable across time and situations. To promote the use of humour for a better quality of life, it is crucial to understand how the different aspects of humour relate not only to personality, but also to foundational skills that can be modified and trained. We identified cognitive flexibility as one of the foundational skills and examined how it relates to the multiple aspects of humour. The online questionnaire included the Ten-Item Personality Inventory (Oshio, et al., 2012), three subscales (humour sense, humour production, humour awareness) of the Sens of Humour Scale (Ue, 2007), and the Cognitive Flexibility Scale (Martin &Rubin, 1995). Responses from 1330 people living in Japan were analysed. A structural equation model was fitted with the personality traits openness and extroversion as exogenous variables predicting both cognitive flexibility and three subscales of humour to test the hypothesis that, cognitive flexibility, in addition to these personality traits, would play a fundamental role in predicting humour. Model fit indices indicated that the model was adequate: RMSEA=.058, CFI =.92, TLI =.91. Humour sense was predicted (ps <.001) by cognitive flexibility (b=.13) and the personality traits extroversion (b=.39) and openness (b=.21). Humour production was predicted by both personality traits (b= 31, b=.17) but not by cognitive flexibility. Humour awareness was predicted by extroversion (b=.17) and cognitive flexibility (b= .49), but not by openness. The results suggest that enhancing cognitive flexibility may help facilitate humour awareness, but not humour production. Implications for humour enhancement training are discussed in relation to enhancing cognitive flexibility.
  • 辻弘美, 井上真理子
    日本発達心理学会第35会大会 2024年3月6日
  • 井上真理子, 辻弘美
    日本発達心理学会第35会大会 2024年3月6日

担当経験のある科目(授業)

 16

Works(作品等)

 1

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

 17

学術貢献活動

 14

メディア報道

 2

教育方法の実践例

 2
  • 件名
    個の能力に併せた学修プログラム
    年月日(From)
    2015/04/01
    年月日(To)
    2021
    概要
    外国語(英語)の文献を読むにあたり、英語力の個人差や学習スタイルの違いにあわせて、自分のペースで学びが進められ、そのプログレスを可視化し、授業内でフィードバックができるシステムをLMSのmanabaを通して作成した。自分の
    ペースで学修がすすめられ、対面でのフィードバックを得られるとともに、最新の心理学の研究内容について解説が聞けることから、外国語文献を読むことへのモチベーションが高まり、15回の演習終了後には英語文献への抵抗が少なくなり卒論プロジェクトに英語論文を読む学生が出てきた。
  • 件名
    学習者による評価を通した学びの深化
    年月日(From)
    2015/04/01
    年月日(To)
    2017/03/31
    概要
    受講生が他の受講生に学びを効果的に伝達することで学びを深める取り組みを行った。コミュニケーションの心理学で学んだ内容を活かして、他者につたわっているかを評価する過程で、修得内容が深まった。受講生による評価基準の議論から評価の共有、自分に向けられた評価をもとに振り返る過程をデザインすることで、学びが深めることができた。

作成した教科書

 1
  • 件名
    保育者養成課程テキスト 子どもの育ちと「ことば」
    概要
    2章2節「目とことば」(p49〜52) 執筆担当
    乳幼児期の視知覚の発達について,具体的な例を示しながらわかりやすく解説するとともに,子どものこのような育ちと言葉とのかかわりを示す中で,保育者がどのような支援を子どもにすることができるかを示唆した。
    7章3節「伝え合う力を育むために保育者はどう支援すべきか」(p122〜124)執筆担当
    乳幼児期のコミュニケーションの基盤とその発達を解説するとともに,コミュニケーション障害にかんする知識も踏まえながら保育者がいかに子どもの年齢を考慮しながら,支援のありかたを考えていけるかを記述した。

教育上の能力に関する大学等の評価

 1
  • 件名
    教員活動評価(2020年度 懸賞対象者)

その他(教育上の能力)

 22
  • 件名
    英国ロンドン大学教育研究所博士課程入学セミナー
    年月日(From)
    2003/09
    概要
    英国ロンドン大学教育研究所博士課程入学セミナーのプログラムの一つとして、在学生による博士課程新入生へのガイダンス(スライドによる博士課程での研究生活についてのプレゼンテーション)を行い、新入生との情報交換の場を提供した。
  • 件名
    Advanced Diplomaコース学位認定試験論文の採点
    年月日(From)
    2004/06
    概要
    心理学コースの学位認定試験で設定された論文の採点および成績評定を行う。
  • 件名
    発達障害をもつ学生の特別支援の一環としての個別指導
    年月日(From)
    2005/05
    年月日(To)
    2006/03
    概要
    心理学実験レポート作成のための個別指導を週1回単位で設定し、レポートの書き方についての指導を中心に行う。関連領域の学習の仕方についても必要に応じて指導するとともに、大学教職員との連絡を密にとりながら、当該学生が、無理なく大学生活に適応できるように支援を行う。
  • 件名
    滋賀県安土町ボランティア講座講師
    年月日(From)
    2006/07
    概要
    地域のボランティア登録者向けの講習会10回シリーズの1回の講義を「子どもの心と発達」という表題で担当した。子どもとかかわる機会も多いボランティアの方々に、基本的な子どものこころの発達についての知識を理解してもらうことにより、子どもへの適切なかかわりについてあらためて考えてもらう機会をもうけた。
  • 件名
    大阪樟蔭女子大学オープンカレッジ講師
    年月日(From)
    2007/10
    概要
    香芝市によって実施されているブックスタート事業の中で、母子の絵本を介したコミュニケーションに関する研究を行った成果についての報告を行った。子どもと養育者のコミュニケーションの基礎的な枠組みを呈示するとともに、香芝市の母子のデータに基づく分析結果について考察を行った。
  • 件名
    尼崎市市民大学講師2008
    年月日(From)
    2008/01
    概要
    尼崎市市民大学(大庄公民館にて)の講師として「自分をみつめることと生きがいの発見」と題し、アイデンティティの発達の様相について基礎的な講義を行うとともに欧米の老年期の市民の生きがいについての記事を紹介し、文化的な際について考察を行う。
  • 件名
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップ講師
    年月日(From)
    2008/03
    概要
    日本ジェントルティーティング研究会の講師として「絵本の共有をとおした親子のコミュニケーション」と題した招待講演を行う。
  • 件名
    教員免許状更新講習講師
    年月日(From)
    2008/07
    概要
    一般教員対象の心理学の授業として、「自尊感情をとらえる:発達と教育の視点から」という表題で授業を行った。受講生に、自尊感情とは何かについて再考するきっかけを提供するとともに、教育の場面で、この概念をどのように活用できるかについて考えてもらった。
  • 件名
    平成20年度文部科学省「社会学びなおしニーズ対応教育推進委託事業」、夏季講座講師
    年月日(From)
    2008/08
    概要
    「コミュニケーションと教育」と題し、コミュニケーションとしての言葉の発達から、書き言葉の理解の発達に至るまでを具体的に説明するとともに、ブックスタート研究のデータを呈示しながら、幼少期のコミュニケーションの重要性について講義を行った。
  • 件名
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップ講師
    年月日(From)
    2009/03
    概要
    日本ジェントルティーティング研究会の講師として「子どもと哲学」と題したベルギーの実践家Goedele De Swaef氏との対談を行った。また,香芝市教育委員会と共同で真美ケ丘東小学校および中学校においてGoedele De Swaef氏を講師として企画された「子どもと哲学」の授業実践にかかわった。
  • 件名
    教員免許状更新講習講師
    年月日(From)
    2009/07
    年月日(To)
    2009/07
    概要
    幼稚園教諭を対象とし、「絵本の共有から記号の共有へ:その発達を考える」と題した講義を行う。コミュニケーション発達の基礎について理解するための講習1コマと話し言葉からリテラシーへの移行とその発達について講義する1コマをとおして、乳児期のコミュニケーションとリテラシーの基礎となる共有の概念の関連性についての理解を深めてもらった。
  • 件名
    文部科学省教育研究補助事業高等専修学校新任教員研修講師
    年月日(From)
    2009/08
    概要
    学生・教員のための実践心理という枠組みの中で、学習という概念を心理学的に説明した。また、教員が学習をどのようにとらえるかで、授業の運びかたや課題の与え方が異なることを、学生の動機付けとの関連から理解できるようにした。
  • 件名
    ポルトガルAveiro大学招待講義
    年月日(From)
    2009/11
    概要
    Aveiro大学 教育科学部の心理学修士コース長Professor Anabela Maria Sousa Pereiraより、院生対象の講義を「Early communication and meeting of minds」と題して行った。
  • 件名
    ベルギー Koninklijk Lyceum 25周年記念 Invitational Conference(招待講演)
    年月日(From)
    2010/03
    概要
    ベルギー国 ゲント市の中等学校における職業訓練コース開設25周年を記念してオランダ,ベルギー,デンマーク,日本,アメリカ合衆国から学識者が招聘され学会が開かれた。招待講演者の一人として参加し,現地の教員や学識者を対象に,初期コミュニケーション発達の介入の1つとして日本のブックスタートについて紹介し,これらの取り組みがどのように初期コミュニケーション発達をうながすかについて講演した。
  • 件名
    ベルギーChildren’s Rights Commissionerおよび ベルギー読書協会(Stichting Lezen)の代表者とブックスタートの取り組みについての情報交換会に招待
    年月日(From)
    2010/03
    概要
    ベルギーのブックスタート(BoekBaby)の取り組みについての概要と関連研究について検討するとともに,日本のブックスタートの取り組みについての詳細について説明を行った。
  • 件名
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップ講師
    年月日(From)
    2010/03
    概要
    日本ジェントルティーチング研究会ワークショップの講師として,本部発表「Early Intervention with Gentle Teaching」において指定討論を行った。毎年講師として、発達心理学の視点から講話を行う。
  • 件名
    教員免許状更新講習講師
    年月日(From)
    2011/08
    年月日(To)
    2012/08
    概要
    一般教員対象の心理学の授業として、「自尊感情をとらえる:発達と教育の視点から」という表題で授業を行った。受講生に、自尊感情とは何かについて再考するきっかけを提供するとともに、教育の場面で、この概念をどのように活用できるかについて考えてもらった。
  • 件名
    神戸大学人間発達環境学研究科高度教員養成セミナー 外部講師
    年月日(From)
    2012/12/20
    年月日(To)
    2012/12/20
    概要
    高度専門職としての教員養成講座の一つとして、発達研究をどのように教育実践と結びつけているかについて、実証研究事例を用いて説明を行う。
  • 件名
    環太平洋乳幼児教育学会(PECERA)日本支部研究会 シンポジウム話題提供
    年月日(From)
    2013/02/23
    年月日(To)
    2013/02/23
    概要
    保育実践と保育研究のつながりー各国の事例から学ぶー においてイギリスの保育改革とそれに関連した実証研究について紹介し話題提供を行った。
  • 件名
    神戸大学人間発達環境学研究科高度教員養成セミナー 外部講師
    年月日(From)
    2013/05/18
    年月日(To)
    2013/05/18
    概要
    高度専門職としての教員養成講座の一つとして、発達研究をどのように教育実践と結びつけているかについて、実証研究事例を用いて説明を行う。

資格・免許

 3
  • 件名
    中学校教諭一級普通免許(数学 昭六二中一普 第197号)
    年月日
    1988/03
    概要
    滋賀県教育委員会
  • 件名
    中学校教諭一級普通免許(理科 昭六二中一普 第196号)
    年月日
    1988/03
    概要
    滋賀県教育委員会
  • 件名
    小学校教諭一級普通免許(昭六二小一普第116号)
    年月日
    1988/03
    概要
    滋賀県教育委員会