戸谷 希一郎
Trends in Glycoscience and Glycotechnology 31(181) SJ59-SJ60 2019年
<p>糖タンパク質品質管理はタンパク質上の高マンノース糖鎖をシグナルとして制御される。著者らは糖鎖プローブを基軸とした解析を通して、本機構が糖鎖認識以外の副次的要因によって相補的に制御されていることを見出した。例えば関連するほとんどの糖鎖認識タンパク質が、基質糖タンパク質のアグリコン状態の違いを識別して、活性を調節していることを明らかにした。また細胞内を模した分子クラウディング環境下において、糖鎖プロセシング行程の上流が加速され下流が減速されることを見出した。さらに肥満や2型糖尿病、骨粗鬆症などの疾患が糖タンパク質品質管理の稼働状況に影響を与えることも明らかにした。</p>