研究者業績

伊藤 公哉

イトウ キミヤ  (Kimiya ITO)

基本情報

所属
成蹊大学 経営学部 総合経営学科 教授
(兼任)経済学部 経済経営学科 教授
学位
博士(国際経済法学)(横浜国立大学)

研究者番号
20733596
J-GLOBAL ID
201101098775020055
researchmap会員ID
6000030190

論文

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  • 伊藤 公哉
    税務弘報 70(9) 149-158 2022年8月5日  招待有り
    税務弘報2022年9月号(2022年8月5日発売,中央経済社) デジタル経済の進展により企業環境は大きく変化し,ビジネスモデルの進化が迫られるなか,国際課税制度も変貌を遂げようとしている。本稿では,メタバースの産業政策の方向性とデジタル経済時代のビジネスモデルを検討したうえで,国際課税制度で新たに採り入れられる定式配賦について,わが国の国益を守るうえでの留意点等の考察と提言を行う。
  • 伊藤 公哉
    成蹊大学経済経営論集 52(2) 31-55 2021年12月  
    本稿は、金融所得課税における所謂「1億円の壁」の問題について、近時のアメリカ税制を参考に、わが国の実情を踏まえた解決策を検討したものである。 わが国の資産性所得の税制(とくに分離課税が用いられている金融所得の税制、土地・建物の譲渡所得の税制)は歴史的な経緯から種々の政策税制が複雑に入り込む構造となっており、ここにさらに格差是正のための政策税制を導入しようとする場合、短期的には現在の構造を維持しつつ、所得金額1億円を超える納税者の資産性所得に対して附加的に新たな租税の負担を課すアプローチが望ましいことを提案している。
  • 伊藤 公哉
    税研 33(6) 31-38 2018年3月  招待有り
    本研究は、第4次産業革命が国際課税に及ぼす影響について、とくにAI(人工知能)等の新たな無形資産に焦点をあてた検討を行い、将来的な国際課税(国家間の課税配分)ルールの方向性に関するインプリケーションをえることを目的としている。 今日、多国籍企業による無形資産等を用いた国際的な租税回避行為が問題視されるようになるなか、OECD/G20のBEPSプロジェクトは、移転価格税制を経済的な価値創造(value creation)の場と一致させることを目指して、無形資産からの利益等は当該資産のDEMPE(開発、改良、維持、保護、使用)について遂行された機能、使用資産及び引受けたリスクに応じた課税管轄に配分すべきことを最終報告書で打ち出した。 しかし、そもそも移転価格税制の前提である独立企業原則(現在の国際課税の原則)は、企業の法的形式(法人格)を尊重し、企業グループ内の無形資産等の取引につき個々の企業を単位とした詳細分析によることを基本としていることから、BEPSプロジェクトの最終報告書はいわば対処療法に過ぎず根本的な解決策とはなっていない。今後、とくにAI(人工知能)等の強力な無形資産が生じたとき、これを現行の枠組み(独立企業原則)で扱うならば問題を一層深刻化させることになる。 そこで、本研究は、第4次産業革命が国際課税に及ぼす影響について、とくにAI等の新たな無形資産に焦点をあてた検討を行い、将来的な国際課税ルールの方向性について考察をしている。 これまでの国際租税法における課税管轄権の配分では、企業の価値創造について生産及び販売活動が行われる供給の側面が重視されてきたが、将来的な消費者主導の経済社会では、消費者にちかいところ(消費者データの源泉である消費者の所在地)に重心が移るようになることが見込まれている。そこで、消費者周りのAI等の無形資産は、消費者の生活の場(消費の場)で生まれたデータを利用するものであるから、その無形資産からの所得は消費者の所在地を表す定式配賦法(Formulary Apportionment,企業グループの所得を予め決められた所定の計算式で各課税管轄に配賦する方法)の売上高(仕向地)の配賦要素を通じて消費地国に配分されるべきことを確認した。
  • 伊藤 公哉
    税務弘報 66(1) 24-45 2017年12月5日  招待有り
    税務弘報2018年1月号(2017年12月5日発売,中央経済社)【※中央経済社編『別冊税務弘報 AI・ITの進化と税務』(中央経済社)31頁以下に再録】 本稿は、近い将来、現在の仕事の多くがロボットやAI(人工知能)に代替されるようになるといわれるなかで、私たちの将来の「働き方」に焦点をあて、わが国の現行所得税法上の給与所得の意義を再検討し、給与所得課税制度の課題と展望について考察するものである。 給与所得の意義について、本研究では主として判例を用いた検討を加えている。これまで裁判所は、多くの人々が画一的な働き方をするなかで、いわばユニークな働き方をする納税者を中心に(明確な理論というよりも)社会通念を拠りどころとした個別的な検討を行い判断を積み上げてきた。しかし、このアプローチによる場合、社会の変化(働き方の多様化)に伴い人々の価値観が変化したときには、判断の基準が不安定化し、また過去の基準が現実社会から乖離する可能性がある。また、私たちの働き方の変化がこれまで給与所得の基準として重視されてきた「空間的・時間的拘束」等の諸基準に及ぼす影響について、例えばテレワーク等の普及により空間的・時間的拘束は従来ほど必要とされなくなること、使用者の指揮命令概念は現在よりも希薄になる可能性があること等を指摘している。 わが国の現行の所得税制度は、人々の画一的な価値観に基づく標準的な働き方やライフスタイルを前提とすることで公平な租税負担と効率的な徴税を可能としてきた。また、給与所得の計算につき、給与所得控除を(個別の納税者の事情を考慮することなく)画一的に適用することで、企業(支払者)による年末調整を可能とし、給与所得者は一般に確定申告不要となるなど効率化が図られ上手く機能してきた。このような効率的な給与所得課税制度の前提には、わが国の労働市場における伝統的な就社(正社員は1つの企業で専従し副業しない)意識と、終身雇用制度を典型とする長期雇用制度の存在がある。しかし、将来的に兼業や副業(複業)、プロジェクト単位で企業に属するなど、人々の働き方が多様化するようになると、例えば1人で複数の勤労性所得(給与所得、退職所得、事業所得、雑所得)を得る機会が増えるようになるなど、現行税制の前提が変化することとなる。そこで、各種の控除の併用による不公平や、現行の長期雇用を前提とした(勤続年数20年超の退職者への課税を優遇する)退職所得課税制度の合理性等の種々の問題が顕在化することから、将来的に給与所得等と事業所得を勤労性所得のカテゴリとして1つに統合するなど、所得税制(と社会保障制度)全体の見直しが必要であることを指摘している。
  • 伊藤 公哉
    税務弘報 65(13) 70-85 2017年11月2日  招待有り
    税務弘報2017年12月号(2017年11月2日発売,中央経済社) 本稿は、今後のシェアリングエコノミー社会の到来で生じうるわが国の所得税制度の課題について考察し、その解決に向けた施策を提言するものである。 わが国の所得税制度は、原則として経済的な利得をすべて所得と捉える包括的所得概念が用いられており、たとえシェアリングエコノミーから新たな所得が生じたとしても理論上は支障なく課税されうる。ただし、シェアリングエコノミーの主役は一般個人であることから、今後シェアリングエコノミーの拡大で確定申告に不慣れな給与所得者等に新たな所得機会が生じるようになると、申告納税制度の下で自主的な申告・納税が実際に正しく行われるかという執行面での懸念(新たな所得について無申告や過少申告といったタックス・ギャップが発生することの懸念)が浮上する。 シェアリングエコノミーでわが国よりも先行しているアメリカでは、タックス・ギャップ、すなわち本来国に納付されるべき税額と実際の納税額との差額を把握し、対応する制度を整備することでその解消につとめてきた。 本研究では、民主的租税思想のもと資料情報制度(法定調書の提出制度)及び源泉徴収制度等についてその立法趣旨と判例からの検討を行い、またシェアリングエコノミーで先行するアメリカの制度対応(外国法)等について検討をした。 わが国では、これまで効率的かつ確実な徴税方法として源泉徴収制度が多用されてきた。国が源泉徴収義務者に労力と経済的負担を負わせることが憲法上許されるかどうかについて、最高裁判所は、徴税確保の合理的理由に基づいて納税義務者と特別な関係(特に密接な関係)を有する源泉徴収義務者に特別の義務を課すことは憲法14条に反しないと判示している。 しかし、個人間のシェアリングエコノミーの取引は本質的に源泉徴収制度と馴染まず、また、シェアリングエコノミーの取引の場としてインターネット上のプラットフォームが用いられたとしても、プラットフォーム企業と参加者の間には特に密接な関係は一般に存在しないことからプラットフォーム企業に源泉徴収義務を課すことは一般に適切とはいえない。 様々な点からの検討の結果、本研究では、決済機能を備えたプラットフォーム企業に対し、一定基準(金額及び件数)を超える取引を行った参加者の情報提出義務を課す資料情報制度を立法により創設すべきことを提言している。
  • 伊藤 公哉
    税務弘報 65(12) 68-80 2017年10月5日  招待有り
    税務弘報2017年11月号(2017年10月5日発売,中央経済社) 本稿は、今後のシェアリングエコノミー社会の到来で生じうるわが国の所得税制度の課題について考察し、その解決に向けた施策を提言するものである。 わが国の所得税制度は、原則として経済的な利得をすべて所得と捉える包括的所得概念が用いられており、たとえシェアリングエコノミーから新たな所得が生じたとしても理論上は支障なく課税されうる。ただし、シェアリングエコノミーの主役は一般個人であることから、今後シェアリングエコノミーの拡大で確定申告に不慣れな給与所得者等に新たな所得機会が生じるようになると、申告納税制度の下で自主的な申告・納税が実際に正しく行われるかという執行面での懸念(新たな所得について無申告や過少申告といったタックス・ギャップが発生することの懸念)が浮上する。 シェアリングエコノミーでわが国よりも先行しているアメリカでは、タックス・ギャップ、すなわち本来国に納付されるべき税額と実際の納税額との差額を把握し、対応する制度を整備することでその解消につとめてきた。 本研究では、民主的租税思想のもと資料情報制度(法定調書の提出制度)及び源泉徴収制度等についてその立法趣旨と判例からの検討を行い、またシェアリングエコノミーで先行するアメリカの制度対応(外国法)等について検討をした。 わが国では、これまで効率的かつ確実な徴税方法として源泉徴収制度が多用されてきた。国が源泉徴収義務者に労力と経済的負担を負わせることが憲法上許されるかどうかについて、最高裁判所は、徴税確保の合理的理由に基づいて納税義務者と特別な関係(特に密接な関係)を有する源泉徴収義務者に特別の義務を課すことは憲法14条に反しないと判示している。 しかし、個人間のシェアリングエコノミーの取引は本質的に源泉徴収制度と馴染まず、また、シェアリングエコノミーの取引の場としてインターネット上のプラットフォームが用いられたとしても、プラットフォーム企業と参加者の間には特に密接な関係は一般に存在しないことからプラットフォーム企業に源泉徴収義務を課すことは一般に適切とはいえない。 様々な点からの検討の結果、本研究では、決済機能を備えたプラットフォーム企業に対し、一定基準(金額及び件数)を超える取引を行った参加者の情報提出義務を課す資料情報制度を立法により創設すべきことを提言している。
  • 伊藤 公哉
    税務弘報 65(5) 82-96 2017年4月5日  招待有り
    税務弘報2017年5月号(2017年4月5日発売,中央経済社)
  • 伊藤 公哉
    大阪経大論集 66(4) 149-172 2015年11月  
    IFRS 第15号のわが国法人税の課税所得計算への影響について, 租税法の立場から考察。具体的には,まず,たな卸資産の販売の収益認識について, わが国の法人税法上の取扱い(原則的な取扱いのみならず割賦販売の会計処理と法人税法上の取扱い等を含む)を確認し, IFRS 第15号の影響について検討を加える。さらに,返品権付販売, 製品保証について, IFRS 第15号の適用により負債の計上あるいは別個の履行義務として会計処理を行った場合, 顧客への商品の引渡時に認識される収益の額は減少し, 結果的に課税が将来に繰延べられることになる(顧客への引渡時に認識する収益の額を減らすことで, 引当金の繰入れと同様に, 実質的に所得の圧縮を図ることができてしまう)。 そこで, この会計処理は法人税率引下げとセットで課税ベースの積極的な拡大を目指してきた (引当金の損金算入を厳しく制限又は廃止した) 政府の税制政策と相反する結果を招来することとなるから,この点については, 政省令により明定することが租税法律主義の観点から相当であると結論づける。
  • 伊藤 公哉
    大阪経大論集 66(1) 131-163 2015年5月  
    今日,知識基盤社会の進展により急速に社会が変化するなか,知識集約型の経済活動がもたらす付加価値が各国の成長の大きな要素となっているとされ,とくに資源の乏しいわが国において高等教育の重要性はますます高まっている。本稿は,一般的な勤労者世帯を対象とした高等教育を促進するための税制について,わが国と同様,高等教育費の高騰を経験しているアメリカの制度を検討することを通して,今後のわが国における高等教育に関する租税制度構築のための議論に資する示唆を得ることを目的とする。<br /> 結論として,わが国における高等教育の重要性を鑑みれば,まず返済義務のない奨学金(給付型奨学金)制度の一層の充実が必要とされており,さらに,税制における特別措置創設の検討も必要とされる。高等教育促進のための税 制は,所得控除よりも税額控除(とくに所得がない者や低所得者でも利用可能な給付型 (還付可能)の税額控除)による特別措置の創設が望ましく,また特別措置を政策本来の 趣旨に限定して利用を促すことを可能とする所得制限等の仕組みの規定が併わせて必要とされる。
  • 伊藤 公哉
    大阪経大論集 65(4) 151-167 2014年11月  
    〔2017年9月追記〕国税庁webサイト(タックスアンサー)で下記の国税庁の見解が公表されましたのでご留意ください。「ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。」<br /> (2017年4月施行の改正資金決済法による影響と考えられます)

MISC

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書籍等出版物

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  • 伊藤 公哉
    中央経済社 2024年4月18日 (ISBN: 9784502482618)
  • 大淵博義ほか (担当:分担執筆, 範囲:法人税法を担当)
    税務経理協会 2023年9月 (ISBN: 9784419069575)
  • 伊藤 公哉
    中央経済社 2021年5月10日 (ISBN: 4502379417)
  • 高橋史郎, 河路武志, 伊藤克容, 伊藤公哉, 井上慶太 (担当:分担執筆, 範囲:第3章〔貸借対照表〕,第4章〔損益計算書〕,第5章〔キャッシュ・フロー計算書〕(pp.25-77))
    中央経済社 2021年3月 (ISBN: 4502374113)
  • 伊藤 公哉
    中央経済社 2019年3月 (ISBN: 4502296910)
    アメリカ連邦税法について体系的に概説。トランプ政権下で実施された約30年ぶりとなる抜本的な税制改革に準拠した改訂版。 アメリカ連邦税法における税務基準額(ベイシス)の意義とその機能・役割の解明について,税制上の各局面と絡め詳説。税務基準額は,納税者の用いる会計処理に応じた適正な課税所得金額の算定(不当な二重課税または課税漏れの回避)を確実なものとし,個人・法人(と株主)・パートナーシップ(とパートナー)等の各主体に共通して適用され,さらに,遺産税・贈与税とも評価制度を通じて結合している,アメリカ連邦税法上のいわば基礎的インフラであることを確認。

講演・口頭発表等

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担当経験のある科目(授業)

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