天野, 加奈子, 加藤, 由花
第29回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集 222-226 2021年10月18日
近年,サービスロボットなどの人間と同じ空間で活動するロボットへの期待が高まっている.人の近くで活動するロボットにとって,安全かつ社会的規範に適応した行動計画は重要な課題である.これに対し,深層学習を用いてエージェント間の相互作用をモデル化する手法が提案されており,群衆の中でのナビゲーションを成功させている.しかし,歩行者以外の障害物が存在しない広い空間を想定したものが多く,壁等がある環境を対象とした場合は成功率が低下する.また,センサデータを入力とし行動を直接出力する手法が提案されているが,歩行者とそれ以外の障害物を区別しないため歩行者にとって最善でない行動が生成される可能性がある.本稿では,歩行者が存在する屋内環境を対象に,歩行者予測位置を取り込んだローカルマップを用いた深層強化学習による局所的動作計画手法を提案する.ローカルマップは,センサによる観測データ,大域的経路計画によるゴールまでの経路,歩行者経路予測の情報を統合して生成され,安全かつ効率的な経路の生成に寄与する.