粟村 健司, 新居 学, 渡邊 里香, 中西 永子, 真鍋 雅史, 河野 孝典, 芳賀 邦子, 撫養 真紀子, 坂下 玲子, 小野 博史
日本プライマリ・ケア連合学会誌 46(4) 132-141 2023年12月20日
目的:看護小規模多機能型居宅介護(看多機)に特徴的なサービス情報の発信と運営状況との関係を明らかにする.
方法:介護サービス情報公開システムに公表された全国の看多機のテキスト情報を厚生労働省から入手し,KH Coderを用いて語の使われ方の特徴を分析した.看多機に特徴的である医療依存度や看取りに関する語を使用していた事業所とそれ以外に分け,利用者数や従業員数,サービスの実施状況を比較した.
結果:医療依存度や看取りに関する語を使用していた事業所は,使用していない事業所よりも要介護5の利用者数,看護職員の常勤人数が有意に多く,処置の実施率も人工肛門の1項目を除く,12項目で有意に高かった.
結論:医療依存度や看取りに関する語を発信していた事業所は,より多くの利用者を確保し多様なサービスを展開していることが示唆された.今後は事業所管理者が看多機サービスの理解を深め,運営に反映できるような支援が求められる.