高田 大樹, 牛尾 裕子, 稲垣 真梨奈, 宮本 純子, 水川 真理子, 藤田 さやか, 増野 園恵
地域保健, 53(6) 56-59, Nov, 2022
軽症者等療養施設(宿泊施設)に入所中の新型コロナウイルス感染症患者が救われたと感じた言葉掛けやサポートを、著者らが看護業務に従事した兵庫県下に設置された4つの宿泊施設に入所した16歳以上の患者へのアンケート調査から検討した(有効回答107名)。調査は令和3年1月26日から2月28日までの第3波の期間に行った。その結果、宿泊施設に入所した感染者は、自身の病状以上に家族や職場等の周囲への影響に不安を感じており、「家族・友人・職場」から受けた【休息を促し心身を気遣う言葉掛け】【罪悪感を和らげる言葉掛け】【メール等での継続的なやりとり】などが救いとなっていた。また、感染したことを知られたくないために周囲に相談できず、必要な情報を得られないことで不安が増大しており、医療者から受けた気持ちが楽になった、救われたように感じたサポートとして、【体調の把握や確認と症状経過の説明】【保健所(保健師)からの毎日の電話】といった「具体的な対応」や、【安心できる口調での会話と傾聴】【不安への気遣いと対応】などの「精神面への配慮」が挙げられた。