小野 多佳子, 稲田 慎, 柴田 仁太郎, 岩田 倫明, 原口 亮, BOYETT Mark R., DOBRZYNSKI Halina, 三井 和幸, 中沢 一雄
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 112(479) 1-6 2013年3月13日
心臓の拍動(心拍)は,洞結節から発生する電気的な興奮によって制御されている.心拍が不規則になる不整脈の一種である心房細動は,細動によって血液が心房内で停滞して生じる血栓が脳梗塞や肺塞栓の原因となる.心房細動の治療では,心房と心室を電気的につなぐ房室結節に薬物を作用させることで,興奮の伝導を調節し,心拍を制御している.しかしながら,その制御メカニズムの詳細は不明である.本研究ではコンピュータシミュレーションにより制御メカニズムを検討した.二種類のイオンチャネルに作用する薬物に対する,房室結節の興奮伝導の変化を再現した結果,イオンチャネルの役割による興奮伝導の調節メカニズムは異なることがわかった.