山本聡, 増田昇, 下村泰彦, 安部大就, 坂田健太郎
造園雑誌 56(5) 259-264 1993年 査読有り筆頭著者
本研究は,都市における存在形態の異なる緑地(古墳)を対象に,周辺居住者の意識調査を通じて,居住環境形成に係る緑地の存在効果を明らかにすることを目的とした。その結果,緑地の存在効果に対する評価は,自然供給効果に対する評価が高く,次いでアメニティ効果となっており,しかもこれらの効果圏域は広い。一方,微気象調節効果のうち夏の微気象調節効果や騒音軽減効果に対する評価は高いものの,その効果圏域は狭く,他の微気象調節効果はほとんど評価されていない。また,可視状況や接触頻度も緑地の存在効果に影響を及ぼし,緑地が見え,接触頻度が高いほど,存在効果に対する評価が高くなることが明らかとなった。