研究者業績

石田 弘明

イシダ ヒロアキ  (Hiroaki Ishida)

基本情報

所属
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 教授
兵庫県立人と自然の博物館 副館長 兼 自然・環境再生研究部長
兵庫県森林動物研究センター 主任研究員
学位
博士(農学)(東京農工大学)
修士(教育学)(神戸大学)
学士(教育学)(神戸大学)

J-GLOBAL ID
200901010525573277
researchmap会員ID
1000296307

研究キーワード

 3

学歴

 3

受賞

 5

論文

 96
  • 小林 仁, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植生学会誌 42 印刷中 2025年  査読有り責任著者
  • 田村和也, 佐野香織, 石田弘明
    日本緑化工学会誌 50 43-48 2024年9月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 中濱直之, 一町裕子
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 16 50-58 2024年3月  査読有り
  • 石田弘明
    植生学会誌 40 33-38 2023年12月  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明
    人と自然 33 115-121 2023年3月  査読有り
  • 石田弘明, 江間 薫, 黒田有寿茂
    植生学会誌 39 93-98 2022年12月  査読有り
  • 石田弘明, 武田義明
    人と自然 32 47-56 2022年1月  査読有り
  • 江間 薫, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植生学会誌 38 161-173 2021年12月  査読有り責任著者
  • 石田 弘明
    植生学会誌 37 57-61 2020年6月  査読有り
  • 石田弘明
    植生学会誌 36 71-79 2019年12月  査読有り
  • 石田弘明, 鐵 慎太朗
    人と自然 30 101-108 2019年12月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 服部 保
    人と自然 30 75-83 2019年12月  査読有り
  • 石田弘明, 矢倉資喜, 黒田有寿茂, 岩切康二
    植生学会誌 35 35-46 2018年6月  査読有り
  • 橋本佳延, 石田弘明, 黒田有寿茂, 大谷雅人
    人と自然 28 87-95 2017年12月  査読有り
  • 鐵 慎太朗, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植物地理・分類研究 65 69-76 2017年12月  査読有り
  • 石田弘明
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 9 29-44 2017年  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 岩切康二
    植生学会誌 33(1) 15-32 2016年6月  査読有り
    1. オオバヤドリギは樹上に生育する半寄生の常緑低木である.オオバヤドリギは比較的希少な種であるが,宮崎県立平和台公園の敷地内には本種の寄生を受けている樹木(以下,宿主木)が数多く分布している.また,これらの多くではシュートの枯死が認められる.このような樹木の衰退はオオバヤドリギの寄生に起因していると推察されるが,オオバヤドリギの寄生と樹木衰退の関係について詳しく検討した例はみられない.2. 本研究では,オオバヤドリギの宿主選択特性とその寄生が樹木に与える影響を明らかにするために,平和台公園においてオオバヤドリギの寄生状況と宿主木の衰退状況ならびにこれらの状況の経年変化を調査した.3. 今回の調査では27種,422本の宿主木が確認された.宿主木の樹高の範囲は1.4-27.0 mで,その96.9%は林冠木であった.種別の幹数はマテバシイが最も多く,総幹数の62.8%を占めていた.4. 本研究と既往研究の間でオオバヤドリギの宿主木を比較した結果,総種数および総科数はそれぞれ67種,29科であった.このことから,オオバヤドリギは少なくとも67種29科の樹木に寄生しうることが明らかとなった.5. マテバシイの寄生率は樹高と共に増加する傾向にあり,樹高が寄生率の高低に関係していることが示唆された.また,マテバシイとアラカシの寄生率は林冠木の方が下層木よりも有意に高く,林冠木がオオバヤドリギの寄生を受けやすいことが示唆された.6. 樹種に対するオオバヤドリギの選好性について検討した結果,マテバシイ,コナラ,スギ,ヒサカキはオオバヤドリギの寄生を受けやすく,逆にシイ類,クスノキ,ハゼノキ,コバンモチ,ナンキンハゼ,アカメガシワなどは寄生を受けにくいことが示唆された.7. 宿主木の衰退の程度を5段階で評価した(衰退度1-5;衰退度5は衰退の程度が最も大きい).その結果,全宿主木の86.7%は衰退度2以上であった.また,これらの中には衰退度5の宿主木も複数含まれており,その幹数は全宿主木の19.7%を占めていた.さらに,マテバシイの衰退度とオオバヤドリギの被覆面積との間には強い正の有意な相関が認められた.これらのことから,調査地における宿主木の衰退の主な要因はオオバヤドリギの寄生であると考えられた.8. 宿主木の中には追跡調査時に枯死が確認されたものが数多く含まれていた.このことから,オオバヤドリギの寄生は宿主木の枯死を引き起こすことが明らかとなった.9. 衰退度5の総幹数は83本で,このうちの89.2%はマテバシイであった.また,追跡調査時に枯死が認められた宿主木の85.4%はマテバシイであった.これらのことから,マテバシイはオオバヤドリギの寄生によって著しく衰退し,場合によっては枯死に至る種であると考えられた.10. 平和台公園にはマテバシイが優占する「放置状態の照葉二次林」がまとまった面積で分布しているので,このことが本公園におけるオオバヤドリギの繁茂に強く関係していると考えられた.
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 大門 宏, 渡辺民治, 鐵 慎太朗
    人と自然 26 61-69 2015年12月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 服部 保
    植生学会誌 32 123-129 2015年12月  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明, 岩切康二, 福井 聡, 服部 保
    植生学会誌 32 95-116 2015年12月  査読有り
  • 石田弘明
    植生学会誌 31(2) 165-178 2014年12月  査読有り
    <p>1. ニホンジカ(以下,シカ)の生息密度が高い兵庫県朝来市では,中国原産の落葉高木であるニワウルシが夏緑二次林とスギ人工林の伐採跡地に逸出し優占群落を形成している.本研究では,このようなニワウルシ群落の種組成,構造,主な成因を明らかにすると共に,ニワウルシ群落の今後の動態を予測することを目的とした.</p><p>2. ニワウルシは伐採跡地に数多く逸出し,夏緑二次林伐採跡地とスギ人工林伐採跡地のそれぞれで1000 m2 以上の優占群落を形成していたが,その隣接地に分布する夏緑二次林とスギ人工林の林内では樹高1.5 m 以上のニワウルシはまったくみられなかった.</p><p>3. ニワウルシ群落には在来の先駆性木本種や夏緑二次林の主要構成種がわずかしか生育していなかった.この主な要因はシカによるこれらの種の採食であると考えられた.一方,ニワウルシについてはシカの採食はまったく認められなかった.このことは,ニワウルシがシカの不嗜好性植物であることを示している.</p><p>4. ニワウルシ群落の主な成因は,1)夏緑二次林とスギ人工林の皆伐によってまとまった面積の陽地が形成されたこと,2)ニワウルシの競合種の定着と成長がニホンジカの採食によって阻害されたことであると考えられた.</p><p>5. ニワウルシ群落の上層(高さ1.5 m 以上)を構成するニワウルシのサイズ構造は一山型であった.また,年輪解析の対象としたニワウルシ(胸高直径1.6-15.0 cm)はいずれも2002-2005 年に侵入したものであり,夏緑二次林の伐採跡地に分布するニワウルシ群落では2006-2013 年に侵入したニワウルシの上層への加入がほとんど起こっていないことが示唆された.これらのことから,種子由来のニワウルシがニワウルシ群落の内部で持続的に成長・更新することは不可能であると考えられた.</p><p>6. 夏緑二次林の伐採跡地に分布するニワウルシ群落の内部には幼個体が数多く生育していた.これらの幼個体の発生由来を調査した結果,その大半は根萌芽由来であることが示唆された.このようなニワウルシのラメットバンクはニワウルシ群落の更新にある程度寄与しうると考えられた.</p><p>7. 調査地でみられたニワウルシの最大樹高は15.0m であったが,樹高成長の頭打ちは認められなかった.ニワウルシの最大樹高は20-30 m と報告されているので,調査地に生育するニワウルシの林冠木は今後も樹高成長を続け,いずれは林冠高が20-30 m に達するような高木林を形成する可能性が高いと考えられた.</p>
  • 石田弘明, 高比良 響, 服部 保, 武田義明
    植生学会誌 31(1) 51-69 2014年6月  査読有り
    1.ブナ林の断片化に伴う面積の縮小がブナ林の種多様性(species richness)と種組成に与える影響を明らかにするために,中国山地の東部に位置する扇ノ山において,断片化したブナ林(20箇所)の植物相と立地環境を調査し,樹林全体の種数および種組成と面積の関係について検討を行った.<BR>2.面積と海抜の比高および微地形単位数との間には強い正の有意な相関があり,立地環境の多様性が小面積化によって低下する傾向が認められた.<BR>3.GleasonモデルとArrheniusモデルを適用し,ブナ林構成種の種数と面積の関係を解析したところ,様々な分類群(全種,高木,低木,地生草本,地生シダ,絶滅危惧種,分布密度の低い種,好適湿性種)の種数が面積によって強く規定されていることが明らかとなった.<BR>4.小面積化による欠落傾向を示す種が数多くみられたことや,DCAの1軸スコアと面積の間に有意な直線関係が認められたこと,小面積化によって欠落しやすい種ほどDCAの1軸スコアが増大する傾向が認められたことから,小面積化は多くの種の欠落を引き起こし,樹林全体の種組成を著しく単純化させることがわかった.<BR>5.絶滅危惧種,分布密度の低い種,好適湿性種は小面積化によって欠落しやすい傾向が認められた.このことから,小面積化による種の欠落には3つの要因,すなわち1)出現確率の低下,2)個体数の減少に起因する絶滅確率の増大,3)適湿地の消失が関係していると考えられた.<BR>6.ブナ林構成種の合計種数は195種であったが,最大面積(85.63ha)の樹林にはこのうちの172種(88.2%)しか出現しなかった.このことから,調査地域のブナ林植物相を1箇所の樹林で維持するために必要な面積は86ha程度でも不十分であることがわかった.
  • 藤原千鶴, 田村和也, 辻 秀之, 石田弘明, 南山典子, 塚原 淳, 守 宏美, 服部 保
    人と自然 24 123-134 2013年12月  査読有り
  • 石田弘明, 矢倉資喜, 塩谷智也
    人と自然 24 45-49 2013年12月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 栃本大介, 江間 薫
    植生学会誌 30(1) 51-69 2013年6月  査読有り
    1. 兵庫県北部に分布する3タイプの畦畔法面草原,すなわち1)棚田の畦畔法面草原(以下,伝統型草原),2)管理が放棄されている伝統型草原(以下,放棄型草原),3)圃場整備水田の畦畔法面草原(以下,整備型草原)を対象に植生調査を実施し,各草原タイプの階層構造,優占種,種組成,種多様性(調査区あたりの出現種数)を比較した. <BR>2. 伝統型草原と整備型草原は平均群落高が0.5m前後でチガヤが優占していたが,放棄型草原は平均群落高が2.0m(最大値は2.7m)でススキが優占していた.<BR> 3. DCAによって得られた調査区のスコアとWI,傾斜角度,斜面方位の相関係数は1軸,2軸ともに低かった.また,DCAの1軸スコアと2軸スコアから構成される座標平面上では各草原タイプはそれぞれ独自の領域に分布していた.これらのことから,3草原タイプの種組成の相違には管理放棄と圃場整備が大きく関係していると考えられた. <BR>4. 放棄型草原では伝統型草原の構成種が数多く欠落する傾向にあった.また,種多様性は伝統型草原の方が放棄型草原よりも有意に高く,その差は大きかった. <BR>5. 整備型草原は伝統型草原よりも種組成が単純で種多様性も低い傾向にあった.全種数に対する外来種数の比率は整備型草原の方が伝統型草原よりも高かったが,外来種数は両草原タイプともに少なく有意な差は認められなかった. <BR>6. 一年生草本の種多様性は伝統型草原と整備型草原の間でよく似ていたが,多年生草本の種多様性は伝統型草原の方が整備型草原よりも明らかに高かった. <BR>7. 路傍草本の種数を伝統型草原と整備型草原の間で比較したところ,両草原タイプ間の差は一年生草本,多年生草本ともに小さかった.また,伝統型草原を構成する一年生草本の大半は路傍草本であった.これらのことから,一年生草本の種多様性が圃場整備後に復元しやすい理由の一つは,整備型草原の周囲に存在する路傍が整備型草原に対する一年生草本の種子供給源として機能しているからと考えられた. <BR>8. 放棄型草原の調査地から採取した土壌サンプルをもとに実生出現法による種子発芽実験を行った.埋土種子から発芽した種は71種であったが,このうち伝統型草原に出現した種は38種であった. <BR>9. 放棄型草原で欠落する傾向を示した伝統型草原構成種48種のうち,埋土種子から発芽した種は17種にすぎなかった.このことから,放棄型草原の管理再開による伝統型草原の種組成の復元に埋土種子集団が寄与する程度は小さいと考えられた.
  • Asumo KURODA, Hiroaki ISHIDA, Yoshinobu HASHIMOTO, Yoshiaki TAKEDA
    Vegetation Science 30(1) 71-82 2013年6月  査読有り
    伐採・農地化といった人為的インパクトがシダ植物の種多様性,種組成,被度に及ぼす影響を明らかにするために,中国雲南省南部の常緑広葉樹林とその伐採・畑跡地に成立した落葉広葉樹林を対象に調査・比較解析を行った.その結果,落葉広葉樹林におけるシダ植物の種多様性は常緑広葉樹林のそれと同等であったが,落葉広葉樹林は非森林生の地上生シダ,常緑広葉樹林は森林生の着生シダで特徴づけられるなど,種組成には若干の差異が認められた.また,積算被度にも差異が認められ,非森林生の地上生シダについては落葉広葉樹林で大きく,森林生の地上生シダおよび着生シダについては常緑広葉樹林で大きかった.これらから,調査地はシダ植物の再定着が進みやすいサイトであるが,その確実な保全のためには人為的インパクトの拡大を避けるべきと考えられた.
  • 福井 聡, 石田弘明, 矢倉資喜, 武田義明
    ランドスケープ研究 76 457-460 2013年3月  査読有り
  • 石田弘明, 武田義明, 塩谷智也, 服部 保
    人と自然 23 69-79 2012年12月  査読有り
  • 石田弘明, 服部 保, 黒田有寿茂, 橋本佳延, 岩切康二
    植生学会誌 29(1) 49-72 2012年6月  査読有り
    1. シカの生息密度(以下,シカ密度)が異なる屋久島低地部の複数の場所において照葉二次林と照葉原生林の植生調査を行い,シカ密度の低い照葉二次林(以下,低シカ密度二次林),シカ密度の高い照葉二次林(以下,高シカ密度二次林),シカ密度の低い照葉原生林(以下,低シカ密度原生林)の階層構造,種組成,種多様性を比較した.<BR> 2. 第2低木層(高さの上限は2m前後)の植被率は高シカ密度二次林の方が低シカ密度二次林よりも有意に低く,シカの強い採食圧が第2低木層の植被率を大きく低下させることが明らかとなった.また,二次林の全調査林分を対象に第2低木層の植被率とシカ密度の関係を解析したところ,両者の間にはやや強い負の有意な相関が認められた. <BR>3. DCAを行った結果,全層の種組成は低シカ密度二次林と高シカ密度二次林の間で大きく異なっていることがわかった.特に下層(第2低木層以下の階層)ではこの差が顕著であり,多くの種が低シカ密度二次林に偏在する傾向が認められた.これらのことから,シカの強い採食圧は屋久島低地部の照葉二次林の種組成を著しく単純化させると考えられた.ただし,ホソバカナワラビやカツモウイノデなどは高シカ密度二次林に偏在する傾向にあり,シカの不嗜好性が高いことが示唆された. <BR>4. 高シカ密度二次林の下層の種多様性(100m^2あたりの照葉樹林構成種数)は低シカ密度二次林のそれよりも有意に低く,前者は後者の50%未満であった.また,このような傾向は高木,低木,藤本のいずれの生活形についても認められた.<BR> 5. 二次林の種多様性とシカ密度の関係を解析した結果,全層,下層,第2低木層では両変数の間にやや強い負の有意な相関が認められた. <BR>6. 低シカ密度二次林と低シカ密度原生林を比較したところ,前者は後者よりも種組成が単純で種多様性(特に草本,地生シダ,着生植物の種多様性)も非常に低かった.この結果と上述の結果から,屋久島低地部の照葉二次林の自然性は照葉原生林のそれと比べて格段に低いこと,また,シカの強い採食圧はその自然性をさらに大きく低下させることがわかった. <BR>7. 屋久島低地部の照葉二次林の保全とその自然性の向上を図るためには,シカの個体数抑制や防鹿柵の設置などが必要である.また,照葉二次林の自然性を大きく向上させるためには種子供給源である照葉原生林の保全が不可欠であり,その対策の実施が急務であると考えられた.
  • 服部 保, 南山典子, 栃本大介, 石田弘明, 黒田有寿茂
    植生学会誌 29 16-27 2012年6月  査読有り
  • 石田弘明, 山名郁実, 小舘誓治, 服部 保
    植生学会誌 29(1) 1-13 2012年6月  査読有り
    1. 淡路島の森林伐採跡地(皆伐前の植生はウバメガシ群落)とその周辺部において各種の調査を行い,外来木本ナンキンハゼの逸出状況とその優占群落の生態的特性を明らかにすると共に,ナンキンハゼ群落の成立に必要な要因について検討した. <BR>2. 約4haの範囲を対象にナンキンハゼの逸出個体(樹高1m以上)の空間分布を調査した.伐採跡地には1118個体が分布していたが,伐採跡地に隣接するウバメガシ群落にはまったく分布していなかった.また,優占群落が確認された場所は植栽個体から100m以内に位置していた.<BR> 3. 伐採跡地ではウバメガシ群落の主要構成樹種であるウバメガシ,コナラ,ネズミモチ,マルバアオダモなどや暖温帯の代表的な先駆性樹種であるアカメガシワ,タラノキ,カラスザンショウなどがほとんどみられなかった.この主な原因はニホンジカによるこれらの種の食害であると考えられた. <BR>4. 調査地のナンキンハゼ群落の主な成因は, 1) ウバメガシ群落の皆伐によってまとまった面積の陽地が形成されたこと, 2) 伐採跡地の近傍(100m以内)に種子供給源があったこと, 3) ナンキンハゼの競合種の定着と成長がニホンジカの採食によって阻害されたことであると考えられた. <BR>5. ナンキンハゼ群落と在来植物群落(コシダ群落,ウラジロ群落,裸地群落,ウバメガシ群落)に1m^2の調査区を合計94個設置して植生調査と土壌調査を行った.これらの調査結果を群落間で比較したところ,裸地群落ではニホンジカの影響による表土の流亡が認められたが,ナンキンハゼ群落の表土はウバメガシ群落のそれとよく似ていた.一方,種多様性(1m^2あたりの種数)は全種,在来種ともにナンキンハゼ群落が最も高く,他の群落との差は大きかった.ナンキンハゼの優占はニホンジカの採食による表土の流亡と種多様性の低下をある程度抑制していることが示唆された. <BR>6. 逸出個体の最大樹高は7.6mであったが,植栽個体のそれは19.0mであった.また,逸出個体では樹高成長の頭打ちは認められなかった.これらのことは,ナンキンハゼ群落が今後も成長を続け,長期にわたって持続する可能性が高いことを示唆している.このような事態の発生は生態系保全上の様々な問題を引き起こす可能性があると考えられた.
  • 石田弘明, 服部 保
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 4 116-124 2012年3月  査読有り
  • 石田弘明, 服部 保
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 4 32-47 2012年3月  査読有り
  • 三橋弘宗, 北村俊平, 山崎義人, 上田萌子, 田中哲夫, 加藤茂弘, 高野温子, 布施静香, 赤澤宏樹, 石田弘明
    展示学 50 132-133 2012年  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明, 服部 保
    保全生態学研究 16(2) 159-167 2011年11月  査読有り
    水湿地に生育する絶滅危惧植物ツクシガヤ(イネ科)の保全に向け、その種子発芽特性と種子保存方法を明らかにするために数種の発芽試験を行った。段階温度法による試験の結果、本種は散布された段階では休眠状態にあり、休眠解除には2〜3週間程度の冷湿処理が必要であること、高温により二次休眠が誘導される性質をもつこと、発芽可能な温度域の下限は20℃付近にあることが示唆された。これらの結果から、本種の種子は秋季に散布された後、冬季に休眠解除され、春季に発芽していると考えられた。前処理の水分条件を変えた試験の結果、数ヶ月の冠水は種子の発芽能力に負の影響を及ぼさないこと、発芽時の水位条件を変えた試験の結果、数cmの冠水は種子の発芽を妨げないことがわかった。これらの水分・水位条件に対する性質は、頻繁に冠水する水湿地で定着するための有効な特性と考えられた。保存条件を変えた試験の結果、本種の種子の大部分は、遮光アルミパックへの抜気封入処理により、少なくとも3年は発芽能力を保持することが確認された。本種の保全に向けては、現存個体群の保護、生育立地の維持と共に、抜気封入処理による種子保存を補完的に進めていくことが有効といえる。
  • 橋本佳延, 服部 保, 黒田有寿茂, 石田弘明, 南山典子
    保全生態学研究 15 71-87 2010年  査読有り
  • 服部 保, 栃本大介, 南山典子, 橋本佳延, 藤木大介, 石田弘明
    植生学会誌 27 35-42 2010年  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 橋本佳延, 澤田佳宏, 江間 薫, 服部 保
    保全生態学研究 15(2) 219-229 2010年  査読有り
    近年、ニホンジカ(以下、シカ)による暖温帯夏緑二次林の食害が多くの地域で認められるようになってきた。本研究では、シカの採食による暖温帯夏緑二次林の種多様性・種組成の変化の特徴について検討するため、兵庫県南東部と大阪府北西部の暖温帯に分布する(1)シカの採食を全くあるいはほとんど受けていない夏緑二次林(以下、無被害林)と(2)シカの採食を強く受けている夏緑二次林(以下、被害林)に100m^2の調査区を合計50個設置して植生調査を行った。シカの採食可能な範囲にある低木層(高さ約2m)と草本層の植被率は被害林の方が無被害林よりも有意に低かった。両階層の落葉植物種数(/100m^2)もこれと同様の傾向を示した。低木層と草本層の落葉植物種数を生活形(高木、低木、草本、藤本)ごとに比較した結果、落葉植物の種多様性は生活形の違いに関わらずシカの採食による負の影響を受けること、また、低木層の種多様性は草本層のそれよりもその影響を受けやすいことが示唆された。低木層と草本層の種組成は森林タイプ間で大きく異なっており、多くの種が無被害林の識別種として区分された。しかし、被害林の識別種は両階層ともにシキミだけであった。以上のことから、シカの採食は暖温帯夏緑二次林の種組成を著しく単純化させると結論した。
  • 服部保, 南山典子, 岩切康二, 石田弘明, 橋本佳延, 栃本大介
    人と自然 21 121-131 2010年  査読有り
  • 服部保, 黒田有寿茂, 石田弘明, 南山典子
    人と自然 21 137-144 2010年  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明, 岩切康二, 服部 保
    ランドスケープ研究 72(5) 493-496 2009年  査読有り
    シダ植物は、国内の照葉樹林構成種の約3分の1を占めることが指摘されているように、日本の植生を構成する重要な要素であり、今後の緑化事業でその定着や活用が配慮されるべき植物群の一つである。このような視点から、黒田・服部は、木製ブロック法留工と金網張工の施工地を調べ、シダ植物の種数や被度が前者の施工地でより大きく、そこでの適度な暗さや湿気がシダ植物の定着に寄与していることを指摘した。しかし、シダ植物の定着には、このような光・水分条件だけでなく、様々な環境条件が影響すると考えられる。シダ植物が好んで生育する場所の性質を理解し、シダ植物の定着にとってより有効な工法を見出していくためには、異なる緑化工法での事例を収集していくことが必要である。以上の背景から、著者らは、各種の緑化工法の施工地を踏査しているが、その過程で、布団籠工の施工された法面で極めて多様なシダ植物が混生している状況を認めた。布団籠工の施工地は、木製ブロック法留工の施工地と斜面の形態・構造が異なることから、シダ植物の生育地の特性やその定着を促す工法に関して新たな知見を提供すると考えられた。そこで、この布団籠工の施工地に着目して調査・解析を行った。
  • 石田弘明, 浅見佳世, 黒田有寿茂, 青木秀昌, 服部 保
    保全生態学研究 14 143-152 2009年  査読有り
  • 服部 保, 栃本大介, 南山典子, 橋本佳延, 澤田佳宏, 石田弘明
    植生学会誌 26(1) 49-61 2009年  査読有り
    &nbsp;&nbsp;1. 九州南部の熊本県市房山,宮崎県綾町川中,宮崎県大森岳,鹿児島県栗野岳,鹿児島県白谷雲水峡に分布する照葉樹林において,宿主木の樹幹・枝条に付着する植物の調査を行い,着生植物の種多様性と宿主木のDBHや樹種との関係および5調査地の種組成の相違について比較考察した.<BR>&nbsp;&nbsp;2. イスノキ,タブノキ,アカガシなどの宿主木45種,586個体に着生する植物を調査した結果,着生植物37種を確認した.国内の照葉樹林の着生植物はシダ植物(24種)とラン科(11種)によって特徴づけられていた.<BR>&nbsp;&nbsp;3. 5調査地間の着生植物の種組成を調査地ごとにまとめた出現頻度(%)と平均被度(m^2)によって示された種組成表によって比較した.市房と栗野の種組成が類似し,市房・栗野,川中,白谷が各々異質であった.<BR>&nbsp;&nbsp;4. 5調査地の宿主木をDCAによって配置した.白谷と川中の宿主木が両極に,中間部に市房,栗野,大森が配置された.市房,栗野,大森の混在が顕著であり,組成の類似性が認められた.種組成を示した表とDCAの結果はほぼ一致していた.<BR>&nbsp;&nbsp;5. 5調査地の種組成の違いは気温条件,降水量条件などの環境条件と整合している点が多かったが,種群の詳細な生態的特性等については明らかにできなかった.<BR>&nbsp;&nbsp;6. 全樹種を対象とした着生植物種数(着生多様性)と宿主木のDBHには5調査地共に有意な強い正の相関が認められた.着生多様性とDBHとの回帰式はy=ax+b(y:着生植物種数,x:DBH cm,a・b:定数)で示すことができた.調査地間の回帰式の差は降水量,樹雨量などの水分条件に依ると考えられた.<BR>&nbsp;&nbsp;7. 各樹種においても,着生多様性とDBHには有意な正の相関が認められたが,同じ調査地の異種間および異なった調査地の同種間でも回帰式に差が認められた.異なった調査地の同種間の差は調査地の降水や雲霧などの条件の差に基づき,着生多様性の樹種間の差は樹種のもつ樹皮の性質の違いに基づくと考えられた.着生されにくい樹種としてヒメシャラなどが,されやすい樹種としてタブノキ,イチイガシなどが認められた.
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 田村和也, 岩切康二, 武素功, 岩槻邦男, 武田義明
    植生学会誌 26(2) 111-118 2009年  査読有り
    &nbsp;&nbsp;1. 中国雲南省の南部に位置する菜陽河自然保護区にはカバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹であるBetula alnoidesの優占する二次林(B.alnoides林)が数多く分布している.本研究では,当保護区のB.alnoidea林を対象に毎木調査を行い,その結果を発達程度の異なる複数の林分の間で比較することによって,B.alnoides林の構造と動態を明らかにすることを目的とした.<BR>&nbsp;&nbsp;2. Betula alnoides林の若齢林分(10-20年生)と壮齢林分(30-40年生)に合計10の調査区を設置し,胸高直径(DBH)が3cm以上の全生立木(幹)について毎木調査を行った.<BR>&nbsp;&nbsp;3. Betula alnoidesの最大DBH(B-最大DBH)と同種の幹数との間には強い負の有意な直線関係がみられたが,胸高断面積合計との間には強い正の有意な直線関係がみられた.「その他の種」の胸高断面積合計は調査林分間でよく似ており,B-最大DBHとの有意な直線関係はみられなかった.<BR>&nbsp;&nbsp;4. 若齢林分と壮齢林分の間でDBH階分布と樹高階分布を比較したところ,B.alnoidesと「その他の種」のサイズの差は時間の経過と共に拡大する傾向が認められた.<BR>&nbsp;&nbsp;5. Betula alnoidesの実生・幼樹(DBH 3cm未満の個体)はまったくみられなかった.また,壮齢林分のDBH階分布と樹高階分布はB.alnoidesの更新が不連続であることを示した.さらに,壮齢林分ではB.alnoidesのほとんどの幹は林冠木であった.これらのことから,B.alnoidesは耐陰性が非常に低く,閉鎖林冠下では個体群の更新ができないばかりか実生バンクの形成さえも不可能であることがわかった.<BR>&nbsp;&nbsp;6. Betula alnoidesの樹高は20年以内に25m,40年以内に40mに達することが示唆された.また,B.alnoidesの最大樹高と樹高成長速度は日本に分布するカバノキ属高木種のそれらよりもかなり大きいことがわかった.このような差の主な原因は気温条件の違いにあると考えられた.
  • 服部 保, 南山典子, 石田弘明, 橋本佳延
    人と自然 20 1-14 2009年  査読有り
  • 石田弘明, 戸井可名子, 武田義明, 服部 保
    保全生態学研究 13(1) 1-16 2008年  査読有り
    兵庫県、大阪府、埼玉県の都市域に残存する孤立化した夏緑二次林において緑化・園芸樹木の逸出種のフロラを調査した。兵庫県では31地点、大阪府では19地点、埼玉県では16地点の夏緑二次林を調査した。逸出種の出現種数はいずれの地域についても30種を超えており、3地域をまとめたときの総出現種数は60種であった。逸出種の出現種数の70%以上は鳥被食散布型種であったことから、緑化・園芸樹木の夏緑二次林への侵入は主に果実食鳥の種子散布によっていると考えられた。逸出種の中には在来種が数多く含まれていたが、その種数は逸出外来種の2倍以上であった。逸出種の出現種数と夏緑二次林の樹林面積との関係を調べたところ、いずれの地域についてもやや強い正の相関が認められた。また、兵庫県の夏緑二次林で確認された逸出種の出現個体数と樹林面積の間にも同様の相関がみられた。しかし、逸出種の種組成に基づいて算出された各二次林のDCAサンプルスコアと樹林面積の間には、いずれの地域についても有意な相関はみられなかった。このことから、逸出種の種組成に対する樹林面積の影響は非常に小さいと考えられた。兵庫県の夏緑二次林でみられた鳥被食散布型の5種(シャリンバイ、トウネズミモチ、コブシ、トベラ、ヨウシュイボタノキ)について、樹林の林縁部から同種の植栽地までの最短距離を算出し、その距離と出現個体数および分布との関係を解析した結果、ほとんど全ての個体は植栽地から200m以内の樹林に分布しており、これらの種の夏緑二次林への侵入には植栽地からの距離が大きく関係していることが示唆された。これらの知見に基づいて、緑化・園芸樹木の夏緑二次林への侵入・定着を抑制するための方法を提案した。
  • 石田弘明, 服部 保, 小舘誓治, 黒田有寿茂, 澤田佳宏, 松村俊和, 藤木大介
    保全生態学研究 13(2) 137-150 2008年  査読有り
    シカが高密度に生息する地域の森林伐採跡地では、伐採後に再生した植生がシカの採食によって退行し、その結果伐採跡地が裸地化するという問題が発生している。一方、シカの不嗜好性植物の中には、イワヒメワラビのようにシカの強度採食下にある森林伐採跡地で大規模な群落を形成するものがある。このような不嗜好性植物群落は伐採跡地の土壌流亡や植物種多様性の減少を抑制している可能性がある。不嗜好性植物を伐採跡地の緑化に利用することができれば、シカの高密度生息地域における伐採跡地の土壌保全と種多様性保全を同時に進めることができるかもしれない。本研究では、イワヒメワラビによる緑化の有効性を評価するために、兵庫県淡路島の最南部に位置する諭鶴羽山系においてイワヒメワラビ群落の土壌保全効果と種多様性保全効果を調査した。イワヒメワラビ群落(伐採跡地および牧場跡地)、裸地群落(伐採跡地および牧場跡地)、二次林(ウバメガシ林、ヤブニッケイ林)のそれぞれに5m×5mの調査区を複数設置し(合計93区)、調査区ごとに植生調査と土壌調査を行った。その結果、イワヒメワラビ群落では二次林と同様の土壌が維持されていたが、裸地群落では明らかな土壌流亡が観察された。また、イワヒメワラビ群落では、イワヒメワラビの地下茎の作用によって表層土壌が柔らかくなる傾向がみられた。これらのことは、イワヒメワラビ群落の土壌保全効果が高いことを示している。伐採跡地のイワヒメワラビ群落では調査区あたりの森林生種数の割合が最も大きく、その種数は二次林の種数を上回っていた。また、種組成を群落間で比較したところ、伐採跡地のイワヒメワラビ群落には二次林の構成種の大半が出現していた。これらのことから、イワヒメワラビ群落の種多様性保全効果、特に森林生種の多様性を保全する効果は高いと考えられる。従って、イワヒメワラビを用いた伐採跡地の緑化は有効であるといえる。ただし、場合によっては柵工や枠工などの緑化補助工を併用する必要がある。また、伐採跡地の森林再生を図るためにはシカの個体数管理や防鹿柵の設置が必要である。
  • 石田弘明, 高比良 響, 武田義明, 栃本大介, 内田 圭, 服部 保
    植物地理・分類研究 55 17-28 2007年  査読有り
  • 栃本大介, 服部 保, 武田義明, 澤田佳宏, 石田弘明, 福井 聡
    人と自然 17 79-84 2007年  査読有り

MISC

 43

書籍等出版物

 29

講演・口頭発表等

 55

共同研究・競争的資金等の研究課題

 99