研究者業績

紀平 知樹

kihira tomoki

基本情報

所属
兵庫県立大学 看護学部 教授
学位
博士(文学)(2003年3月 大阪大学)

J-GLOBAL ID
200901085100029123
researchmap会員ID
5000026135

論文

 28
  • 紀平知樹
    兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 30 15-28 2023年3月  査読有り筆頭著者
  • 紀平知樹
    観光学評論 10(2) 97-111 2022年9月  査読有り招待有り筆頭著者
  • 紀平知樹
    フッサール研究 (17) 1-17 2020年3月  査読有り筆頭著者
  • 紀平知樹
    倫理学研究 48 18-27 2018年4月  招待有り筆頭著者
    本論文は、関西倫理学会2017年度大会シンポジウム「環境倫理学×事例に基づく研究」において提題者として発表したものである。兵庫県豊岡市で取り組まれてきたコウノトリの野生復帰を目指した取り組みに関する研究を通して、環境倫理学にとっての事例の意味を考察した。
  • 紀平知樹
    龍谷哲学論集 31(31) 45-63 2017年4月  招待有り
  • 紀平知樹
    兵庫医療大学紀要 2(2) 2015年3月  査読有り
    緩和ケアにおける重要概念である全人的苦痛を理解するために、物語的理解が必要であるということを論じた。
  • 上村崇, 神崎宣次, 紀平知樹, 小城拓理, 本田康二郎
    大学教育論叢 創刊号 97-106 2015年3月  査読有り
    初年次教育のなかで哲学や倫理学がどのような役割を担うことが可能かを検討している。
  • 河野哲也, 紀平知樹, 吉永明弘
    現象学年報 29 43-49 2013年12月  招待有り
    現象学の立場から、環境問題に対してどのような貢献ができるかを考察した。本稿では特に、フッサールの自然の数学化という着想をさらに発展させ、「自然の資本化」という問題を論じている。
  • 紀平知樹
    22(1-2) 137-144 2011年9月  査読有り
    ナノテクノロジーが環境に与えるインパクトをどのようにコントロールするかということをスチュワードシップの原則から考察している。
  • 平成20年度〜平成22年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書課題番号20520015 2011年3月  
    本稿では、環境問題解決の中心的理念として掲げられている持続可能な開発の意味を巡る論争を概観しながら、自然が生態系を形成するものというよりは、むしろ資本を形成するものと見なされていることの問題点を批判的に考察している。
  • 紀平知樹
    平成20年度〜平成22年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書課題番号20520015 2011年3月  
    環境問題の解決方法として外部不経済の内部化という考え方がある。これは経済の外部にあるものを内部化し、市場で管理するということを意味している。そしてそのことによって、自然の価値は、市場経済的価値,すなわち交換価値によって評価されることになる。しかし、自然の価値は必ずしも交換価値のみに尽くせるわけではない。本稿では、経済価値の別の可能性を追求するために、限界効用を引き起こし、現代の経済学にも大きな影響を与えているカール・メンガーの思想にまで立ち戻って考察を行っている。
  • 紀平知樹
    医療・生命と倫理・社会 (9) 24-33 2010年3月  査読有り
    改正された臓器移植法では、本人の拒否の意思表示がない限り、臓器提供は家族による承認のみで可能になった。また親族への優先提供も可能になっている。こうした変更によってどのような問題が生じうるのか、特に臓器提供は無償の社会的行為であり、そこに個人の意思がどの程度反映されるべきかを考察している。
  • 紀平 知樹
    倫理学研究 (38) 135-145 2008年3月  査読有り
    本稿では、現在環境保護の取り組みの中心的理念となっている「持続可能な開発」という理念について、特に「持続可能性」のついての検討を行っている。<br /> 「持続可能性」には、強、弱2つの解釈の可能性があるが、弱い持続可能性の解釈をとるなら、それはほぼ開発と同じことを意味することになるということをまずは明らかにした。しかし現在、外部不経済の内部化という考えのもとで行われている環境保護の取り組みは、弱い持続可能性の理念に沿うものであり、それは環境ではなく、経済的価値を保護するものとなってしまうことを次に明らかにした。したがって、強い持続可能性の理念を採用し、自然の自己回復力の範囲内での開発が望ましいことを明らかにした。
  • 紀平知樹
    大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」研究報告書2004-2006 第1巻『岐路に立つ人文学』 149-165 2007年1月  
    自然破壊とは、人間の自然に対する働きかけが強大になりすぎたことによって引き起こされた問題であるといえる。本論文では、人間と自然との間にあり、それらの関係を可能にしているもの(インターフェイス)のあり方について考察している。特に現代社会では、このインターフェイスは、市場経済であると考えられる。現在、環境破壊を引き起こしたと考えられる市場経済が、逆に環境破壊を回避するためのシステムとしても考えられているが、本当にそれが可能かどうか、あるいはどのような経済であれば環境破壊を回避することができるかを考察した。
  • 紀平 知樹
    待兼山論叢. 哲学篇 40 1-16 2006年12月  招待有り
    フッサールは、学問の絶対的な基盤を見いだすために、いかなる自明性もそのままにしておかないということを自らの探求の指針としてとっていた。それではフッサール自身は、自らの自明性を十分に批判的に検討することができていたかということを確認するのが、本稿の主題である。特に『形式論理学と超越論的論理学』におけるフッサールの排中律の擁護に焦点を当てて、この問題を考察し、結局フッサールは理性への信頼を十分に批判することができなかったことを明らかにした。
  • 擬似法的な倫理からプロセスの倫理へ−「生命倫理」の臨床哲学的変換の試み 74-90 2006年3月  
    本論文では、環境保護の柱の1つとして注目を浴びている、生物多様性の保全について、環境倫理学の立場から考察を行っている。とくに、日本政府が平成14年にだした「新・生物多様性国家戦略」を検討している。そしてそこで描かれた目的を達成するために、積極的な市民参加の枠組みを作ることが重要であるということを指摘した。
  • 紀平 知樹
    メタフュシカ (34) 97-107 2004年3月  査読有り
    ここでは、持続可能な開発という理念の中心に位置する世代間倫理の可能性について論じている。この可能性については、W.ワグナーとシュレーダー=フレッチェットが論じているが、両者の試みは、未来世代を現在世代へと還元することによって、世代間倫理を基礎づける試みである。しかしそれは世代間倫理の意味を失わせてしまうことになる。そこでここでは、未来を絶対的に他なるものとするレヴィナスの他者論によって世代間倫理の成立の可能性について論じている。
  • 紀平 知樹
    教育と医学 51(9) 830-837 2003年9月  招待有り
    「聞く」ということがいかにして可能になるのかということを考察している。「聞く」ということは、関係的な出来事であり、一方的に相手の言葉に耳を傾けて、肯定するということは、確かに聞いているかのように見えるが、しかしそのような態度は他者に対する語りかけを不可能にしてしまうのであり、聞くという関係性を成立できなくしてしまうということを、ニーチェの駱駝とロバの比較、プラトンの『メノン』でのソクラテスとメノンとの対話を通してこうさつし、「聞く」ことは他者との差異を受け止めることによって可能になるということを明らかにした。
  • 紀平 知樹
    メタフュシカ 33 125-139 2002年12月  査読有り
    ヒルベルトの公理論ときわめて近い関係にあるフッサールの学問論の理念は、ゲーデルの不完全性定理によって破産に導かれたという指摘があるが、しかし破産に導いた張本人であるゲーデルが1950年代以降フッサール現象学を熱心に研究していたということが最近明らかになった。そこでフッサールの学問論(多様体論)とヒルベルトの公理論との共通点と相違点について考察し、ヒルベルトは記号を無意味なものと見なしていたのに対し、フッサールはあくまでも意味とその意味が成立する現実性を問題としていたことを明らかにした。
  • 紀平 知樹
    臨床哲学 4 120-131 2002年6月  
    現在、新聞やテレビなどで、さかんに環境の危機が叫ばれており、多くの人もまた、この地球環境が危機に瀕しているということを認識しつつある。このような認識が広まる一方で、それに対する対策は遅々として進んでいないというのが現状であろう。環境危機への対策を阻む要因は、国益の壁、市場経済、南北間の貧富の差などさまざまなに考えることができるが、ここでは個人の問題に限って、特に認識と行為の関係を中心に現象学的な考察を行った。
  • 紀平 知樹
    臨床哲学 4 132-141 2002年6月  
    脳死および臓器移植の問題において中心となるのは、身体の位置づけの問題であろう。脳死を人の死と認める立場からは、人間の人間たるゆえんを脳に求め、他方で脳死を人の死と認めない立場からは、人間にとっての身体の重要性を強調する。しかしこの議論においては両者の視点に最初からずれがあるように思われる。森岡正博が指摘するように、前者は三人称的に考察しているのであり、後者は二人称的に考察している。このずれを埋めるべく、三人称的立場からの最新の成果をもとに、人間にとっての身体の意味を考察した。
  • 紀平知樹
    哲學論集 (47) 58-71 2001年3月  査読有り
    現象学はその運動の中で次第に「現象せざるもの」の記述に重点を移してきた。その代表者がレヴィナスであろう。度々フッサールの批判者として名前が挙げられるレヴィナスであるが、彼自身は「フッサール現象学の精神を継承する」と述べている。そこで現象学は現象せざるものにいかにして近づきうるかということをフッサールの志向性と現象学的還元の分析、そしてその分析の帰結である存在することと意味すること、あるいは現象とロゴスの同一性から明らかにした。
  • 紀平 知樹
    倫理学研究 31 84-95 2001年  査読有り
    シェーラーの倫理学における生命価値の重視と精神的価値の重視というある種の矛盾をはらんだ二元論的主張を整合的に理解するための手がかりとして、彼のルサンチマンについての考察を検討した。
  • 紀平 知樹
    メタフュシカ 31 151-157 2000年12月  
    Stanford University press,1999Issues in contemporary Phenomenology and Cognitive ScienceNaturalizing PhenomenologyJean Petitot,Francisco J.Varela,Bernard Pachoud,Jean-Michel Roy(ed.)
  • 紀平 知樹
    大谷學報 = THE OTANI GAKUHO 80(1) 18-33 2000年10月  査読有り
    フッサールは処女作の『算術の哲学』においては心理学主義の立場に立っていたが、その後自らの立場を捨て、現象学を提唱することになる。その変化がどのような経緯で生じたかということを考察した。フッサールにとって数学における無限の問題が変化のきっかけとなったのであり、『算術の哲学』では認められていなかった実無限を認めたこと、つまり理念的対象とそれを捉える範疇的直観の相関関係という視座を獲得したことが心理学主義を捨てるきっかけになったということを明らかにした。
  • 紀平 知樹
    メタフュシカ 30 99-112 1999年12月  査読有り
    フッサール現象学は意識の志向性に着目した、一方で意識と世界の相関関係の分析であり、他方でその分析による学問の基礎づけである。学問は諸判断から成立するが、その学問は世界についての学問である。従って世界と判断とは同型的でなければならない。世界にしろ判断にしろフッサールにとってその根源は意識であり、類型を介した世界との関わりが世界と判断の同型性を成立させる。つまり対象は類型を通して初めて現れるが、その類型は既に判断形式という一定の構造をもっているのであり、それこそが世界と判断との同型性を保証するのであるということを明らかにした。
  • 紀平 知樹
    臨床哲学 1 32-42 1999年3月  
    現在、大阪大学で進められている臨床哲学という試みについて論じた。臨床とは「問題が生じている場」ととりあえず定義することができる。そのような場にいかにして哲学が関わることが可能か、というのが問題である。臨床哲学は生じている問題に当事者として関わるべきであり、ある状況の中での思惟ということができる。その場の偶然性、特殊性こそが、その場の問題の意味を生み出しているのであり、そのような点的なものをロラン・バルトに従いプンクトゥムとなづけた。そしてそれに即し、そこから思惟を始めるのが臨床哲学である。
  • 紀平 知樹, キヒラ トモキ, Kihira Tomoki
    待兼山論叢 32 55-68 1998年12月  査読有り
    目下看護や医療などで議論されているケアについて、シェーラーの共感論に基づき考察した。シェーラーは共感論を自他の区別を前提とした上で、フッサールのような他者構成論とは異なる、感情の理論として展開している。彼によれば人格は対象化不可能であり、ただ共感を通してのみ与えられるという。しかしその共感を導くのは愛であり、それこそが初めて共感を可能にするのである。価値創造的な愛は、他者のより高い価値を目指して進む。しかし人格は対象化不可能であるがゆえに、愛は他者と自己とを同一化することはない。このように自他の距離を保ち、他者を知り、その上で他者を高めることこそケアに求められるものであり、そのような意味でシェーラーの共感論はケアの理論であるということを論じた。

書籍等出版物

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  • 紀平知樹 (担当:分担執筆, 範囲:第14章 エコツーリズムと環境倫理:240-254)
    昭和堂 2020年10月 (ISBN: 4812219345)
  • 伊藤邦武, 藤本忠, 田中龍山, 山口雅広, 松田克進 (担当:共著, 範囲:第13章 応用倫理学: 183-199)
    晃洋書房 2018年4月 (ISBN: 9784771030442)
    第13章の「応用倫理学 生活の中に潜む倫理的問題」の執筆を担当した。
  • (担当:共著, 範囲:93-113)
    二瓶社 2017年4月
  • 末廣謙, 紀平知樹, 常見幸 (担当:共著, 範囲:96頁〜124頁)
    二瓶社 2014年3月
    担当した第6章「医療と倫理」では、医療と倫理がどのように関係するかを説明したあと、特に現在の医療倫理の基本原則となっている自律尊重、無危害、善行、正義の原則について解説を行っている。
  • 鷲田清一, 中岡成文, 本間直樹, 紀平知樹 (担当:共著, 範囲:188頁〜212頁)
    大阪大学出版会 2010年9月
    本稿では、鷲田清一によって提唱され、展開されている臨床哲学について、それがどのような哲学なのかということを明らかにしようとしている。

講演・口頭発表等

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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