池原 弘展, 永山 博美, 井上 知美, 中野 宏恵, 山村 文子, 森 舞子, 東 知宏, 森本 美智子, 小西 美和子, 谷田 恵子, 岡田 彩子, 川崎 優子, 坂下 玲子, 内布 敦子
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 22 107-116 2015年3月
【目的】ニーズ調査に基づくオーダーメイド型の臨床看護研究支援プログラムを作成した。臨床看護師を対象に、そのプログラムを実施し評価することによって、支援プログラムの効果について検討した。【方法】臨床看護研究への支援を申し出た臨床看護師グループに対し、セミナーと演習、個別相談を組み合わせた臨床看護研究支援を行った。セミナーは4回開催した。評価方法として受講者(研究協力者)に、セミナー毎に「とても」を最もよい評価とし、「まあまあ」「ふつう」「あまり」「まったく」の5段階評価で無記名のアンケートを実施し、演習・個別相談については自由記載で回答を得て内容分析を行った。【結果】研究者は受講者(研究協力者)の研究計画段階から支援を始め、研究をまとめていくプロセスに沿って、オーダーメイドな支援を行っていた。データ分析は多くの場合、研究者が行っていた。受講者(研究協力者)へのアンケートで、5段階中4点以上の割合は「内容は理解できましたか」が76.2%、「あなたの期待する内容でしたか」が76.2%、「今後に役立つ内容でしたか」が95.3%で、高い評価を得たと言える。自由記載では(1)研究について知識を得た(2)思考が整理された(3)研究の困難さを実感した(4)研究についてスキルアップできた(5)研究支援への期待の5カテゴリーが抽出された。【考察】(1)受講者(研究協力者)へのアンケート結果から、今回提供した支援プログラムは臨床看護師に評価の高い内容であった。(2)データ分析を実践するには一定の訓練を要することがうかがえた。(3)各グループの支援過程の概要から、研究支援は早期から行う必要があることがわかった。(4)各グループの支援過程の概要から、研究者のタイムリーな支援が臨床看護師の不安や困難感を軽減していることが分かった。(著者抄録)