湯浅 正洋, 竹内 昌平, 山下 絵美, 澤村 弘美, 島田 良子, 坂本 薫, 冨永 美穂子
日本家政学会誌 73(11) 665-673 2022年11月 査読有り
本研究では, 岩牡蠣を地域ブランド食品としてPRするための基礎資料を得ることを目的に, 牡蠣生産地の若年者における牡蠣類とその特徴の認知度や, 一般的な牡蠣類とその特徴の認知度について, 質問紙調査により明らかにした. 調査はわが国における主要な牡蠣類の生産地である長崎県, 兵庫県, 宮城県および広島県において, 将来的な岩牡蠣の購買層になり得る学生 (若年者) を対象に実施した. 岩牡蠣の認知度は, 若年回答者の約4割で, その食経験がある者の割合は2割未満であり, 岩牡蠣を知らない, あるいは食べたことがない者が多いことが明らかとなった. また, 真牡蠣と比べると岩牡蠣の旬は正しく認識されておらず, その生産地もほとんど認知されていなかった. 一般に牡蠣類の栄養素等はミネラル, 牡蠣料理はフライと焼きのイメージが強いことが示された. これらの情報は, 岩牡蠣を地域ブランド食品としてPRするための方法を提案する上で, 有用な基礎資料になり得ると考える.