高城 祥吾, 松尾 直人, 山名 一成, 部家 彰, 高田 忠雄, 坂本 憲児, 横山 新
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス 2010年12月10日
本研究では,Si基板を用いて100nm程度のギャップを持つ電極を作製し,電極間に固定されたDNAの伝導特性,及び,n^-Si基板をゲート電極とした3端子トランジスタ特性について調べる.その結果,DNA両端を固定した電極をもつ試料のみで伝導を確認した.この伝導は電極間に固定化されたDNA本体を流れるキャリアが担っていると考えられるが,バンド伝導であるかホッピング伝導であるかは不明である.又,トランジスタ特性に関しては,ゲート電圧の負方向への増加に従い,電流値が増加する事からホール伝導である事が確認され,又,電流飽和が観測された事から,5極管特性の傾向が見られた.ホールの起源は,n^-Si電極からの少数キャリヤであるホール注入と考えられる.DNAトランジスタに関して,ゲート電圧による電流値制御が可能であることが初めて明らかとなった.