https://orcid.org/0000-0003-0679-3649社会の変化が人々の暮らしやまちづくりに与える影響に着目し,人と環境が折り合いをつけながら住み続けられるまち,すなわち居住適応性(habitability)の高いまちのあり方を研究しています。経済や産業を伸ばす(経済開発),制度や仕組みを整える(社会開発),人の能力を高める(人間開発)といった従来のアプローチに対し,私が重視するのは,問題を生み出している状況そのものに働きかけて変えていくこと(状況開発)です。
近年は,社会的孤立・孤独の予防を主題としています。人を地域活動につなぐ「社会的処方」の限界をふまえ,人が自然に立ち寄り過ごせる環境を整える「空間的処方」と,行動を後押しする情報を届ける「情報的処方」の効果を,全国規模のWEB調査やランダム化比較試験,地域と連携した社会実装実験によって検証しています。
その中核に据えているのが,「生活圏における開かれた自分時間」という考え方です。これは,交流がない状態ではなく,人と関わることも関わらないことも選べる余地が保たれたまま,その場で過ごす時間を自分のための時間として意味づける体験を指します。ついでに立ち寄れる,なにもしなくてもよい,関わっても関わらなくてもよいという三つの開かれに着目し,それを支える場所の条件と,孤立・孤独やポジティブソリチュードとの関係を明らかにするとともに,生活圏の状態を診断する指標の開発に取り組んでいます。こうした知見を,人口減少社会における公共施設の適正配置にも統合し,孤立・孤独のゼロ次予防に資する計画論の構築をめざしています。
主な研究の柱は次のとおりです。