研究者業績

間淵 洋子

マブチ ヨウコ  (Yoko Mabuchi)

基本情報

所属
和洋女子大学 人文学部日本文学文化学科 准教授
学位
博士(国際日本学)(2018年3月 明治大学)

J-GLOBAL ID
200901090762389549
researchmap会員ID
6000000325

論文

 19
  • 間淵 洋子, Yoko MABUCHI
    国立国語研究所論集 (13) 143-166 2017年7月  
    明治大学 大学院生近代語と現代語の形態論情報付きコーパス『日本語歴史コーパス 明治大正編I 雑誌』と『現代日本語書き言葉均衡コーパス』を用いて,近代と現代との漢語語彙の比較を試みた。コーパスから網羅的に漢語を抽出・調査した結果,近代と現代との漢語語彙の差異および変化について以下の実態が明らかになった。①近代・現代を通じて,異なりで約50,000語の漢語が用いられており,うち,近代・現代で共通して使用の見られた漢語はほぼ半数の約22,400語,近代のみで使用の見られた漢語が約19,400語(「発兌」「状師」「英人」「征清」「邦国」など),現代のみで使用の見られた漢語が約7,700語(「支援」「介護」「強化」「本格」「展示」など)で,近代では現代に比して豊富な漢語語彙を有していた。②使用頻度の有意差検定結果では,近代・現代で共通して用いられていた漢語のうち,約42%の語(「問題」「世界」「以上」「研究」「経済」など)では,両時代を通して有意な差が見られなかったが,約31%の語(「今日」「吾人」「憲政」「列国」「世人」など)は現代での使用が近代より減少,約27%の語(「時間」「意味」「可能」「企業」「利用」など)は増加しており,時代により使用が減衰・増大する漢語が見られた。これらの変化・不変化には,近代における漢語の使用頻度に基づく語彙レベルとの相関が見られた。③近現代における漢語語彙の相違・変遷(語の消失・減少や増加・出現)は,時代背景・社会情勢の影響が大きいもの,周辺語彙との勢力変動等によるもの,文体などの表現類型の変遷に関わるもの,言説・トピックの時代差によるものなど,様々な要因が見られた。Using morphologically annotated corpora of modern and contemporary Japanese ("Corpus of Historical Japanese" [CHJ] Meiji-Taishō Series I – Magazines and "Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese" [BCCWJ]), I conducted a survey and analysis of the differences between Sino-Japanese words. By examining the frequency and coverage of individual words, the following three points were clarified regarding the 55,000 words utilized in the modern and contemporary eras:1) Altogether, 50,000 words are used in CHJ and BCCWJ, and 22,400 words are employed in both corpora. About 19,400 words (e.g. "発兌," "状師," "英人," "征清," "邦国") are used only in the modern era, and 7,700 words (e.g. "支援," "介護," "強化," "本格," "展示") are used only in the contemporary era, indicating that Sino-Japanese vocabulary is larger in the modern era than the contemporary era.2) A total of 42% of the common words (e.g. "問題," "世界," "以上," "研究," "経済") in CHJ and BCCWJ have no significant differences. However, the other 31% (e.g. "今日," "吾人," "憲政," "列国," "世人") decreased, and 27% (e.g. "時間," "意味," "可能," "企業," "利用") increased significantly. Thus, Sino-Japanese vocabulary changed from the modern era to the contemporary era.3) These diachronic changes are caused by historical context, consolidation of synonyms, stylistic changes, and changes in the themes of texts.
  • Toshinobu Ogiso, Asuko Kondo, Yoko Mabuchi, Noriko Hattori
    12th Annual International Conference of the Alliance of Digital Humanities Organizations(DH) 2017年  
  • 間淵 洋子
    国際日本学研究論集 4(4) 17-36 2016年2月29日  
  • 間淵 洋子
    計量国語学 = Mathematical linguistics : 計量国語学会機関誌 30(5) 257-274 2016年  

MISC

 16
  • 間淵洋子, 小木曽智信
    言語処理学会年次大会発表論文集(Web) 27th 2021年  
  • 間淵 洋子
    日本語の研究 16(2) 114-121 2020年  
  • 間淵 洋子
    日本語学 39(2) 64-67 2020年  
  • 間淵 洋子
    じんもんこん2018論文集 (2018) 109-116 2018年11月24日  
  • 間淵 洋子, Yoko MABUCHI
    言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop (3) 452-462 2018年  
    会議名: 言語資源活用ワークショップ2018, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2018年9月4日-5日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター近代に特徴的に多く見られる「華麗」と「麗華」のように字順が逆転した漢語対を,近代語のコーパスを用いて網羅的に抽出し,対となる各語の使用頻度が10以上の約400の漢語対を選定した。これら約400語について,現代語においても対をなして残っているか,どちらかが淘汰され1語に集約されたか,あるいは両語共に淘汰されたかといった,使用状況の変化を調査し,対となる各語間の意味的関係性や近代における使用頻度と,現代での使用状況とに関わりがあるかを検討した。その結果,両語の意味関係において異なりがあるものは両語が併存する傾向,また,使用頻度の高い語形は現代語に残存する傾向を見出すことができた。一方で,辞書的意味においてほぼ同義と判断される漢語対においても,多くの漢語対で両語が残存していた。これらの対は,①一方が極めて限定的に現代語コーパスで用いられているだけで,実際には他方の優勢な語形にほぼ統一化されており,語の淘汰の過渡期と見られるものや,②辞書における語義には大差が認められないものの,一方の用法が限定・固定化されており(連語,文法機能,特殊な意味・文脈等),用法の分化が明らかなために併存しているものが多く,近代漢語の変化の方向性は,1義1語を志向して語が淘汰されていると位置づけることができた。
  • 間淵 洋子, Yoko MABUCHI
    言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop (1) 201-213 2017年  
    会議名: 言語資源活用ワークショップ2016, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年3月7日-8日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本発表は,本来漢字で表記されるはずの漢語が平仮名や片仮名で表記される事象を取り上げ,『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(以下,「BCCWJ」と表記)を用いて,その実態と背景を明らかにすることを目的とする。BCCWJ の網羅的な漢語の表記実態調査に基づき,個々の語の仮名表記率から,仮名表記が,主たる表記である語,ある程度一般的である語を特定した上で,仮名表記の定着度合いに,字体特徴(常用漢字表外字・音を含む語は仮名表記率が高いが,表内字でも仮名表記率の高い語がある),語の出現状況(語彙レベルが高い語ほど仮名表記率は低い),音声変位形の有無(「格好」に対する「カッコ」のような音転訛形を持つ語は仮名表記率が高い),意味分野(動植物や食物の分野では仮名表記率が高い),品詞(副詞用法を持つ語は仮名表記率が高い),レジスター(Web 媒体は仮名表記率が低い)等との関連性が見られることを示す。また,字体特徴にかかわらず,意味分野や品詞において特定の語彙群に同様の傾向が見られるのは,表記選択に類似性に基づく合理化作用が働くことによると主張する。
  • 間淵 洋子, Yoko MABUCHI
    言語資源活用ワークショップ発表論文集 = Proceedings of Language Resources Workshop (2) 93-106 2017年  
    会議名: 言語資源活用ワークショップ2017, 開催地: 国立国語研究所, 会期: 2017年9月5日-6日, 主催: 国立国語研究所 コーパス開発センター本研究は,現代日本語書き言葉の模索~確立の時代にあたる近代に焦点を当て,日本社会の近代化に伴い飛躍的に語彙を増やした漢語について,語法(品詞性)の通時的変化の一側面を明らかにするものである。特に,「必要な」「偉大なる」「堂々たる」といった助動詞を伴い体言を修飾する形容詞用法を持つ二字漢語に着目し,近代語コーパスと現代語コーパスの用例分析に基づいて,使用実態と変化を確認した。その結果として,①近代と現代とで語法の変化が見られる語が少なくないこと,②変化の類型では,形容詞用法を失うもの(熟練,親善,優勝など),形容詞用法が減少するもの(非常,結構,幼稚など),増加するもの(愉快,貴重,相当など),の3類型が多いこと,③変化の背景には,語義の拡張・変化や,用法の固定化が関わること,④総じて,模索的で多様性を有していた状態から,安定・定着に伴い画一化していく方向性が見出だせること,等を示す。
  • 山口昌也, 小木曽智信, 間淵洋子
    第1回博報「ことばと文化・教育」研究助成研究成果論文集 59-83 2007年  
  • 前川 喜久雄, 小磯 花絵, 菊池 英明, 間淵 洋子, 斎藤 美紀
    話し言葉のデータベース : 『日本語話し言葉コーパス』 41-42 2003年12月20日  
    開催地:国立国語研究所講堂 会期:平成15年12月20日(土)
  • 籠宮 隆之, 小磯 花絵, 小椋 秀樹, 山口 昌也, 菊池 英明, 間淵 洋子, 土屋 菜穂子, 斎藤 美紀, 西川 賢哉, 前川 喜久雄
    國語學 53(4) 159-160 2002年10月1日  
  • 小磯花絵, 土屋菜穂子, 間淵洋子, 斉藤美紀, 篭宮隆之, 菊池英明, 前川喜久雄
    電子情報通信学会技術研究報告 100(521(NLC2000 47-68)) 55-60 2000年12月22日  
  • 小磯 花絵, 土屋 菜穂子, 間淵 洋子, 斉藤 美紀, 籠宮 隆之, 菊池 英明, 前川 喜久雄
    情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理 34(119) 173-178 2000年12月21日  
    国立国語研究所, 通信総合研究所, 東京工業大学では, 科学技術振興調整費開放的融合研究制度の下, 自発性の高い話し言葉の情報処理技術の確立を目標に活動を進めている.現在国立国語研究所では, このプロジェクトの一環として, モノローグを対象とした大規模な日本語話し言葉コーパスを作成している.このコーパスには, 約700時間(約700万形態素に担当)の音声, 書き起こしテキスト, および形態素などの情報が含まれる予定である.本稿では, 本コーパスの書き起こし基準の詳細について紹介する.
  • 小磯 花絵, 土屋 菜穂子, 間淵 洋子, 斉藤 美紀, 籠宮 隆之, 菊池 英明, 前川 喜久雄
    電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション 100(521) 55-60 2000年12月15日  
    国立国語研究所, 通信総合研究所, 東京工業大学では, 科学技術振興調整費開放的融合研究制度の下, 自発性の高い話し言葉の情報処理技術の確立を目標に活動を進めている.現在国立国語研究所では, このプロジェクトの一環として, モノローグを対象とした大規模な日本語話し言葉コーパスを作成している.このコーパスには, 約700時間(約700万形態素に相当)の音声, 書き起こしテキスト, および形態素などの情報が含まれる予定である.本稿では, 本コーパスの書き起こし基準の詳細について紹介する.
  • 小磯 花絵, 土屋 菜穂子, 間淵 洋子, 斉藤 美紀, 籠宮 隆之, 菊池 英明, 前川 喜久雄
    電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 100(523) 55-60 2000年12月15日  
    国立国語研究所, 通信総合研究所, 東京工業大学では, 科学技術振興調整費開放的融合研究制度の下, 自発性の高い話し言葉の情報処理技術の確立を目標に活動を進めている.現在国立国語研究所では, このプロジェクトの一環として, モノローグを対象とした大規模な日本語話し言葉コーパスを作成している.このコーパスには, 約700時間(約700万形態素に相当)の音声, 書き起こしテキスト, および形態素などの情報が含まれる予定である.本稿では, 本コーパスの書き起こし基準の詳細について紹介する.

書籍等出版物

 10

講演・口頭発表等

 37

担当経験のある科目(授業)

 9

主要なWorks(作品等)

 6

共同研究・競争的資金等の研究課題

 8

社会貢献活動

 1